2009年11月19日

京都議定書8

昨日は恵和の渡辺社長と会食した。このブログの目的、内容、今後の対応、BPOが与える日本企業のグローバル化。日本人のグローバルに於けるプレゼンス。いろいろ話が出来た。こういうネットを広げたい。日本政府が90兆円の予算で、40兆円の収入しかないのであれば、それに見合った仕事の仕方をすれば良い。そう言う話が出来た。こうしたグローバルを目指した人材が日本に100人欲しい。そうすれば、日本はアジアを中国とインドとともにまとめることが出来る。

今の事業仕分けは3兆円が目標だが、30超円減らすにはどうしたら良いのかを真剣に考えるべきだ。日本政府の仕事の半分を中国にアウトソーシングすれば、30億円削減できる。それはとんでもない話だと考えている人が多いと言うことは日本がもう既にガラパゴス化していると言うことだ。オバマさんが言っているようにChangeとはそう言うことだと思う。変革はちょっとずつではない。見る前に飛べ。ということだ。もう一度明治維新だ。血は出るが、出るよりも入れ替えた方が良い。政権が入れ替わったので、良い機会だ。中国だけだと不安ならば分散すれば良い。勿論それと同時に削減できることはたくさんありそうだ。そもそも中央官庁が地方に支所を持つ必要はない。それだけでも相当な費用が削減でいるはずだ。

さて、一昨日から、この京都議定書は国別になり、各国対応を翻訳しているが、面白くなって来た。しばらくこうした国別の対応が続く。だから、ローカルの話が多い。今日はカナダ、中国、EU、ドイツだ。さて、始めよう。カナダの続きだ。

連邦政府は企業に対して、強制的な排出目標を決めるための法制化を取り入れて来た。しかし、それらは2012年まで発効しない。京都議定書の1990年ではなく、2006年の基準年で行う。政府はそれ以来、法制の修正のために反対派の政党と調整を始めて来ている。

議員立法法案が自由党のPablo Rodriguezから出され、政府に「カナダが京都議定書での地球気象変動義務を満たすことを保証」させようとした。自由党、新民主党ならびにケベック連合の支持のもとに、 そして、現在の少数派の立場の人たちとともに、この法案は2007年2月14日に下院を116票対113票で、通過した。上院もこの法案を通過し、 2007年6月22日に国王の裁可を受けた。しかしながら、政府は公約通り、この法案を全く無視した。この法案は政府が詳細な計画を作成し、経済的な理由を言及することを60日以内に提出させるためのものであった。

2007年5月、Friends of the Earth(FoE この団体は日本でもこの英語のまま使っている。) は温室効果ガス排出削減をするための京都議定書の義務を果たしていないことを告訴した。この義務はカナダ環境保護法の条文に基づいていて、この条文はオタ ワ州に対して、「カナダを拘束している国際協定を犯している空気汚染を防ぐ」ことを要求している。この条約に対するカナダの義務は2008年に始まった。

連邦の政策にもかかわらず、いくつかの州は排出抑制をするための政策を追求していて、西部気候イニシアチブの一部として、Quebec,、OntarioBritish ColumbiaManitobaが参加している。

西部気候イニシアチブ:(米国アリゾナ州知事HPより)

米国アリゾナ州フェニックス発−米国アリゾナ州のジャネット・ナポリターノ知事は2007年8月22日、西部気候イニシアチブ(Western Climate Initiative:WCI)に参加する米国とカナダの7州と共同で、2020年までに温室効果ガス排出量を2005年比15%削減するとの地域目標を 発表した。「気候変動問題は、米国連邦政府が先延ばしにしているものの一つだが、国内だけでなく世界的視野から見ても重要だ」とナポリターノ知事は語る。 WCIは、地域の温室効果ガス排出量を大幅に削減して、気候への脅威がもたらすリスクを緩和するために、2007年2月、アリゾナ、カリフォルニア、 ニューメキシコ、オレゴン、ワシントンの5州の知事が設立し、続いてユタとカナダのブリティッシュ・コロンビアとマニトバが参加している。

http://www.es-inc.jp/edablog/ondanka/archives/070829_163618.html

カナダの環境グループはカナダの政治家が気象変動の脅威に真剣に取り組んでいて、将来の世代の安全と健康を保証するために必要な変更をしているかを要求するために一緒になって活動している。参加しているグループは KYOTOplusと呼ばれる共同キャンペーンを作っていて、署名して、次のようなことを誓約している:

ー2020年までに1990年の水準よりも少なくとも25%の温室効果ガス排出の削減を国の目標とする。

ー効果的な国の計画を実行し、この目標を達成し、発展途上国が低炭素経済を採用し、構築できるように支援する。

ー2009年12月にデンマーク コペンハーゲンで開催されるCOP15で、京都議定書の強化された第二フェーズを採用する。

COP15:COP は、締約国会議(Conference of Parties)の略です。COPは、国連気候変動枠組条約(UNFCC)を受けて設置された会議で、年に一度、各国の環境に関わる省庁の大臣が集まり、 同条約の成果について話し合います。2009年のこの会議は、12月7日から18日までの2週間にわたり、 デンマークの首都コペンハーゲンで行われる予定です。会議の目的は、京都議定書に定めのない2013年以降の地球温暖化対策を決定し、各国の同意を求める ことにあります。 http://www.ambtokyo.um.dk/ja/menu/COP15/WhatIsCOP15/

KYOTOplusは気象変動に於ける緊急な連邦政府の行動を求めて、全国レベルで、無党派の、請願中心のキャンペーンを行っている。50以上の共同組織で行われていて、Climate Action Network Canada, Sierra Club Canada, Sierra Youth Coalition, Oxfam Canada, the Canadian Youth Climate Coalition, Greenpeace Canada, KAIROS 「全教会正義イニシアチブ」、David Suzuki Foundationが参加している。

中国

2008年8月28日現在、中国は世界開発センターによると、発電によるCO2の発生ではアメリカ合衆国を抜いて世界で最大の排出国となった。

世界開発センター:独立した無所属、非営利のシンクタンクであり、政策団体や一般市民と共に政策を重視した調査や開発問題に積極的に関与することで世界的な貧困と不平等を減少するために打ち込んでいます。センターの主な焦点は、貧困国の開発の見通しに影響している合衆国と先進工業国の政策です。

セ ンターの研究は、地球規模化や、政府や各国の多角的機関の政策が貧しい人々にどのように影響するかを評価します。市民団体グループの協力の下、同センター は、低所得や暫定経済の中で公正成長や参加型の開発を推進する政策代替案を特定するために追求しています。また、センターは、先進工業国の国民の理解を得るために、そして発展途上国の改善した生活水準や統治を推進することで戦略的な利点を得るために他の団体と共同研究しています。
www.cgdev.org/doc/vaccines/Japanese.pdf

し かしながら、人口一人当たりで見ると、アメリカの発電部門の排出はまだ、中国のそれよりほぼ4倍ある。世界の電力部門の排出量を絶対値で見たトップテンは China, the United States, India, Russia, Germany, Japan, the United Kingdom, Australia, South Africa, South Koreaである。EUの27加盟国は一国としてみるならば、EUは3番目になる。

人口一人当たりで見ると、アメリカの発電部門の排出は世界で2番目になる。アメリカでの電力の生産高は年間一人当たり、CO2で、約9.5tonであり、中国は2.4ton、インドは0.6ton、ブラジル は0.1tonである。EUに於ける電力と熱発生からの平均排出量は年で、3.3tonである。オーストラリアだけが年あたり10ton以上であり、アメリカ以上に一人当たりの電力関連の排出が多い。

関連した報告に於いて、カナダの経済学者Jeff RubinとBenjamin Tal は2008年3月27日に報告書を出し、様々な情報源、アメリカエネルギー情報機関も含めて、それらのデータからの炭素関税についてであり、RubinとTalは注目を引くような事実の中で、炭素関税を以下のように提案している:
ー中国の温室効果ガスの排出はアメリカの排出がこの10年間で16%上昇したのに比べて、120%も増加している。
ー中国は今やアメリカを超えて、温室効果ガスの最大の排出国であり、地球の温室効果ガスの5分の一以上である。
ー中国は石炭火力発電により重点を置き、これは最も温室効果ガスの集約度の高いエネルギー資源であり、多くのOECD諸国が行っている以上である。今から2012年までの間に中国の石炭による排出はアメリカ合衆国の石炭による排出のすべての水準を超えてしまうだろう。

炭素関税:問題の根底には、環境問題の各国間の帳尻を、輸入品に課する炭素関税(Carbon tariff)制度によって合わせてしまおうとする、アメリカを始めとした一部の国の動きが、インドなどの国の警戒心を呼び起こしていることにある。つまり、環境問題のつけを、貿易問題に回してしまおうとすることへの警戒である。

このコペンハーゲン会議と、WTOドーハラウンドとの関係だが、WTOラミー事務局長は、高排出国からの貿易品目が、世界貿易から排除されることになるのではないかとの、懸念を持っているようだ。

http://www.sasayama.or.jp/wordpress/?p=1132


2007年6月に中国政府は62ページの気象変動計画を公表し、エネルギー政策の中心に気象変動を置く事を約束し、先進国が「揺るぎない責任」を持って、温室効果ガス排出を削減するための主導権をとり、「共通だが差別化された責任」の原則をUNFCCCで合意したように、適用するべきだと主張した。

中国は彼らのエネルギー政策に対する批判は公平さを欠くものだと主張した。異なった国を比較する事は公平さを保つことはできない。中国だけが世界の人口の5分の一を有し、中国における一人当たりの排出は先進工業国の排出に比較すると低かった。the E.U., the U.S., Canada, Australia, New Zealand, Japan, and South Koreaの人口を合わせても、中国はまだ、数億人彼らより多い。また、年度の排出比較は先進国が生成してきた累積量を無視している。炭素リーケージ(自国で排出を制約することにより途上国での排出増加を引き起こすこと)の研究でも提案しているが、中国の排出のほぼ4分の一は先進国への輸出商品の生産の結果であると言っている。

EU
Energy policy of the European Union参照

2002年5月31日にEUの15の当時の全加盟国は国連に批准書類を提出した。EUは温室効果ガス排出の約22%を生成しているが、平均で、1990年の排出水準から8%削減する事に合意している。デンマークは独自に21%削減する事を誓約している。2007年1月10日に欧州委員会は2020年までに温室効果ガス排出の20%を一方的に削減するというEUエネルギー政策のための計画を公表した。

EUは絶えず、京都定義書の主要は名前を連ねた支持者の一つであるが、ハードネゴシエーターで、揺れ動く国を引きずり込んでしまう。

2002年12月にEUはこれらの困難な目標を達成するための一環として、排出権取引システムを作り出した。割当は6つの主要産業、エネルギー、鉄、セメント、ガ ラス、レンガ製造、紙/段ボールの中で、取り入れられた。また、義務を果たせなかった加盟国に対しての罰則もあり、2005年には二酸化炭素が、 €40/tonで始まり、2008年には€100/tonまで上昇する。現在のEUの予測では2008年までにEUは1990年の水準の4.7%以下にな るであろう。

EUの輸送機関のCO2排出は1990年から2004年までに32%も増大した。CO2排出における輸送機関の割合は1990年には21%であったのが、2004年には28%まで増大してしまった。

し かしながら、EUの位置づけは議定書の交渉における論争なしでは語れない。一つの批判は8%削減よりも、すべてのEU加盟国は15%削減をするべきで、 EUが交渉の際に他の先進国にたいして一律15%の目標を提示したように、また、一方で、全EUが15%の目標を達成するためには以前の東ドイツでの大きな削減を分けるようにすればよい。さらに、以前のワルシャワ条約の諸国は今やEUの加盟国であるが、その排出水準は既に彼らの経済再構築の結果として、削減して来ている。この意味するところはこの地域の1990年の基準の水準は他の先進国のそれと比較して、不当につり上がっている。だから、ヨーロッパの経済はアメリカに対して、潜在的な競争優位を得て来ている。

ヨーロッパ共同体としてのEUとその同盟国の双方は京都の条約の調印国である。 しかしながら、ギリシャは2008年4月22日のEarth Dayに、排出の監視と報告の適切なメカニズムを作ると言う誓約を実行していなかったために、京都議定書から除外された。これは最低の義務であり、彼らは偽の報告書を提出し、報告すべき他のデータも持ち合わせていなかった。

The Earth Day :直訳すれば「地球の日」。4月22日をアースデイと定め、世界各地で地球環境問題を考えるイベント・運動が行われている。さまざまな環境破壊が進んでいる地球のありようを考え直そうと1970年代にアメリカの市民団体によって始められた。参加国は現在100カ国以上に広がっている。

国連の委員会は7ヶ月の停止後の11月15日に京都議定書の排出権取引システムにギリシャの復帰を認めた。

ドイツ

ドイツは1990年から2008年までに22.4%のガスの排出を削減した。2006年6月28日にドイツ政府はEU内部排出権取引システムのもとで、石炭産業を制限から除外すると宣言した。Claudia Kemfertは ベルリンのドイツ経済研究機関のエネルギー教授であるが、彼が言うには「クリーンな環境と京都議定書に対する支援にもかかわらず、内閣の意思決定には大変失望している。エネルギーのロビーがこの意思決定のために大きな役割を果たして来た。」しかしながら、1990年の水準から21%のCO2排出を削減するというドイツの自発的な誓約は実際に達成している。排出は既に19%削減してきたからである。だから、ドイツはEUが約束した8%削減の75%を貢献して来ている。

今日はこのくらいにしておこう。各国の対応は面白い。今朝もこのブログを書きたくて、3時半に起きてしまった。今夜は篠崎さんの招待で、中国歌劇「ムーラン(木蘭詩篇)」〜MULAN〜日中友好特別公演がある。もとプロミス社長の矢野さんともとマイクロソフトCFOの大野さんも来られるので、楽しみだ。中国の習近平国家副主席の夫人、彭麗媛さんが芸術総監督を務めている。ピンポン外交と昔言ったが、さしずめ、歌劇外交だ。

コペンハーゲンの京都議定書第2ラウンドでの中国の動きが活発だから、その辺のところかもしれない。そうなると、このブログとも関係なくはない。すなわち、今日の炭素課税の最大の対象国だ。これからはNo obligationと言う訳には行きそうにない。このブログで書いてるように先進国からと言うわけにはいかない。中国の一部はもう既に先進国だ。今まで見たいに発展途上国だと言ったODAアプローチは通用しない。今年は彼らの飛躍の年だ。経済成長率はだんトツに高く、世界の景気の牽引車を自任もし、オバマも認めている。

彼らはG2の地位に一体幾ら金を払おうと考えているのだろうか。WTO加盟の時には新疆の農業を犠牲にしたが、今回はどうしようと考えているのだろうか。中国はこうした時には日本と違い、中途半端なアクションは取らない。後一ヶ月後に控えたCOP15を前にした中国歌劇だ。そっちの方が楽しみだ。彼らに取ってはこの環境は経済と表裏で、G2、8%成長、CO2、炭素課税は同じ土俵だ。そうなると、コペンハーゲンでのインドの出方が面白そうだ。今まで見たいなわけには行きそうにない。明日はインドだ。そうした目で、この京都議定書を勉強してほしい。


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swingby_blog at 07:14コメント(0)トラックバック(1) 

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1. [people]刺激を受ける  [ 主に札幌ではたらく株式会社恵和ビジネス社長のblog ]   2009年11月19日 20:50
東京出張から帰ってきました。スケジュール調整がへたくそなせいで相変わらずのどたばた。昨日は午前中から品川で打ち合わせのあと、東京アメリカンクラブまで天気もよかったのでてくてく歩いて、スウィングバイ2020 スウィングバイ2020株式会社は、中国業務移管BPO支援サー

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海野 恵一
1948年1月14日生

学歴:東京大学経済学部卒業

スウィングバイ株式会社
代表取締役社長

アクセンチュア株式会社代表取締役(2001-2002)
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海野塾のイベントはFacebookのTeamSwingbyを参照ください。 またスウィングバイは以下のところに引っ越しました。 スウィングバイ株式会社 〒108-0023 東京都港区芝浦4丁目2−22東京ベイビュウ803号 Tel: 080-9558-4352 Fax: 03-3452-6690 E-mail: clyde.unno@swingby.jp Facebook: https://www.facebook.com/clyde.unno 海野塾: https://www.facebook.com TeamSwingby
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