2009年12月26日

アフガニスタン:不可避の戦争か?

昨日は簡単な会社の忘年会を行った。大体ひと月に一度は社内で,一時間ほどのパーティを行っている。来週の月曜日が今年の最終日だが,実質はもう今年の仕事は終わりだ。4日から仕事始めだが,ちょうど休みが一週間あるので,風邪でも引かない限り,相当まとまったブログの整理が出来る。それとセミナーの原稿を作り直さなければならない。今は中国一辺倒なので,グローバル色がない。さて、今日でアフガニスタンは終わりだ。今日は3時から起きているので、次のグーグルに入れると思う。では始めよう。

「アフガニスタン:不可避の戦争か?」 Afghanistan: A 'war of necessity?

学生の読み物1
「不可避の戦争か?」

「アフガニスタンの反体制活動は今に始まったことではないし,一晩でそれを打ち負かすことは出来ない。」とオバマ大統領は2009年8月17日に対外戦争の退役軍人の大会で語った。「これは迅速には行かないし,簡単ではない。しかし、我々は決して忘れてはならない。これは選択できる戦争ではない。これは不可避の戦争だ。」

何がこのアフガニスタンの戦争を「不可避の戦争」にしているのか?大統領の答えは「9月11日にアメリカを攻撃した人たちは再びそうすることを企んでいる。もし放っておいたら,タリバンの反体制活動はより大きな安全な場所を確保することになってしまい,そこからアルカイダはもっと多くのアメリカ人を殺そうとするだろう。だから、これは戦う価値のある戦争だけではない。我々の人々を守るために必須だと言うことである。...そして我々はその道筋のすべての段階に於いて,アルカイダとその過激派同盟国を打ち負かす努力を行い,アフガニスタンとパキスタンの、彼等が求める将来を建設するための支援を行う。」

新たな評価

このオバマの発言から数週間以内に、大統領と彼の国家安全保障の顧問団はアフガニスタンに於ける状況のあたらな評価を行った。国防長官Gatesにたいする8月30日の報告書では公にできる部分に於いて,アフガニスタンに於けるアメリカの総指揮官Stanley McChrystal大将は悲観的な状況を描いた。「次の12ヶ月で,主導権をとって反乱軍の機運をそぐことは出来ない。...成果にはリスクが伴っていて,反乱軍を倒すことはもはや可能ではない。...アフガニスタンの社会的、政治的、経済的、そして文化的な事象は複雑で,不明のところが多い。」

McChrystalはが言うには「アメリカ-NATO同盟軍は地域社会の原動力を十分に認識できていないし,反体制活動、汚職、不適格な役人,黒幕、犯罪行為のすべてがどのように絡み合っ て,アフガニスタンのに影響を与えているのか見当もつかない。...」しかし、彼は加えて,「アフガニスタンの状況は深刻ではあるが,成功はまだ達成可能である。」

しかし、この状況に於いて,「成功」とは何を意味するのか?オバマ大統領は9月20日にこのように言った。「私が断固として意思決定したことは我々を安全にするための戦略を第一として,そして、そのための原資をどうするかと言うことだ。」

戦争の原因とパキスタンとの関係

2001年9月11日のニューヨークとワシントンDCのテロ攻撃の後に,ブッシュ大統領はアフガニスタンのタリバンの政府にこの原因であるオサマビンラディンとアルカイダの指導者の引き渡しを求めた。彼等はそこに隠れていた。タリバンはそれを拒んだ。2001年10月7日にアメリカとその同盟国はアフガ ニスタンに空爆を行うことによって,戦争を始めた。数週間後にタリバンはその首都カブールを放棄し,アルカイダの戦士とともに,丁度パキスタン国境の山岳地域に撤退した。

ブッシュ大統領と彼の政府は今度はイラクに注意を向けた。その間,タリバンは再編成し,パキスタンの中で支援を受けてい た。このパキスタンはアメリカの同盟国でもある。パキスタンの諜報機関と軍隊はアフガニスタンのタリバンによる統制がパキスタンの敵であるインドから守る上で、そして、そこへの影響力を増すという視点から,重要だと見ていた。

すぐにタリバンの軍隊はアフガニスタンに戻って来た。2008年のアメリカの選挙の時に、彼等は南部のアフガニスタンの殆どを管理下に於いた。かれらはまた、東部の殆どを支配した。そして、この国の残りにも脅威を与えるようになった。

タリバンとアルカイダとその指導者の残存部隊(パキスタンにいると推定されているが。)との関係ははっきりしない。パキスタン政府は彼等の国の中にタリバンがいると言うことを否定している。しかし、パキスタンのアメリカの大使である
Anne Pattersonは最近、パキスタンは明らかに,Mullah Mohammad Omarのようなタリバンの指導者達に対して,「処置を講じることに気が進まないようだ。」と言っている。オマル師はパキスタンの西部の市、Quettaからアフガニスタンの反体制活動を指揮していると考えられている。(www.mcclatchydc.com, 9/18/09)

アフガニスタン戦争に於ける基礎事実:

2002年のアフガニスタンのアメリカ軍の数:5,200
2009年末ののアメリカ軍の予想数:68,000
2001年のアメリが軍の死者:12
2009年のアメリカ軍とNATO軍の死者数:350人以上 2001年以来で最悪。
アメリカ軍の死者の累計:841
2001年以来、アフガニスタンの市民の死者数:1,500 このうちの半分以上はタリバンが,残りは無人機によるミサイル攻撃など。
2002年のアメリカの軍事費:208億ドル
2009年のアメリカの軍事費:602億ドル
2002-2009年までの合計の軍事費:2,282億ドル
2010年のアメリカの軍事予算:680億ドル
アフガニスタンのアルカイダの基地:0

Tom Englehardt 「アフガニスタンでの成功を測定する。」www.tomdispatch.com, 9/8/09)

アフガニスタンの多くの問題

ア フガニスタンは多くの深刻な問題を抱えている国であり,脆弱で,腐敗した中央政府は前回の選挙では合法的に勝利してはいない。この政府はこの国の30%しか管理していない。アフガニスタンの軍隊はしつけが出来ておらず,教育もまともでなく、殆どの兵士は読み書きが出来ない。
(www.juancole.com, 9/17/09)

アフガニスタンは世界の中で,最も貧しい国の一つである。アフガニスタンの農民は彼等の収入の殆どをアヘンの原料のケシの栽培から得ている。ここが世界のヘロインの90%以上の原産地である。この国のインフラは極めて貧弱で,道路,発電所、下水設備は不十分である。首都のカブールでさえ下水設備がない。

議論のために

1 この読み物の関してどんな質問があるか?どのように答えるか?
2 アフガニスタンの戦争で,オバマ大統領が「不可避の戦争」と呼んだが,その基本的な理由は何か?
3 タリバンについてあなたは何を知っているか?タリバンとアルカイダとの関連についてはどうか?パキスタンでの彼等の隠れ家についてはどうか?アフガニスタンの戦争はなぜ8年も続いて来たのか、そしてなぜまだ続いているのか?もしあなたが殆ど知らなくて,もっと知りたい時にはどうしたら良いのか?
McChrystalはアフガニスタンの状況を「深刻だ」と見なしたのか?
5 アルカイダがアフガニスタンに前進基地がないのに,なぜ戦争が続けられるのか?



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海野 恵一
1948年1月14日生

学歴:東京大学経済学部卒業

スウィングバイ株式会社
代表取締役社長

アクセンチュア株式会社代表取締役(2001-2002)
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海野塾のイベントはFacebookのTeamSwingbyを参照ください。 またスウィングバイは以下のところに引っ越しました。 スウィングバイ株式会社 〒108-0023 東京都港区芝浦4丁目2−22東京ベイビュウ803号 Tel: 080-9558-4352 Fax: 03-3452-6690 E-mail: clyde.unno@swingby.jp Facebook: https://www.facebook.com/clyde.unno 海野塾: https://www.facebook.com TeamSwingby
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