2010年01月19日

鳩山とアメリカとの同盟関係

いよいよGoogleを終了し,日本の外交政策に入った。だんだん私のブログも世間の関心事に直球を投げるようになって来た。ヒットラーのゲオポリティクのころとは大違いだ。いよいよ日本人として,外国人に意見を言えるような内容のものに舵を変えて来ている。毎月研究会をやっているせいだ。

このブログは白人に勝つためのブログだから,必ずしも企業に関連していない課題も扱おうと考えている。ただ、私自身は政治に関しては一般大衆のレベルなので,専門家ではなし、政治家でもない。そこのところは理解していただいて読んでほしい。であるから選んで来た記事については私の経営者としての感覚で選んで来ているので,読者には常識のものもあると思う。

さて、小沢さんの側近が逮捕されて,民主党は昨日からの予算会議で,大揺れだ。それでは外国人がこの民主党をどう見ているのかをまずは見てみよう。やっぱりそうかみたいな内容だ。日本の国民は黙っているが,この記事を読めばうなずくのかもしれない。そもそもこうした記事が日本語にないのも変な話だ。

以前、麻生さんに理解を示したら,中曽根さんの地盤の企業から嫌われてしまったことがあったが,この鳩山政権についても、もう少し理解してあげても良いように思う。報道が,小沢さんと鳩山さんの献金問題に終始しているが,現政権の課題に足を突っ込んでいる報道がないのは如何にも寂しい。昨今は日本の報道は浅く薄っぺらだ。日本の国を良くしようと言う考えが全くないはどうかと思う。寂しい限りだ。報道がおかしいのか,日本の国民がおかしいのかいったいどっちだ。では始めよう。


鳩山とアメリカとの同盟関係

著者:Leszek Buszynski 国際大学 日本 www.eastasiaforum.org/2009/11/27

鳩山由紀夫の民主党 Democratic Party of Japan (DPJ)は8月30日の選挙で大勝した。日本の有権者は自民党 Liberal Democratic Party (LDP) を拒否し,この自民党は2006年に小泉純一郎が辞めて以来,無能な ineffective リーダーを送り出し,最後は不運な麻生太郎だった。新しい政府は「自主的な外交政策」autonomous foreign policy(後で翻訳する。) を実行する意図があると宣言し,アメリカとは「緊密で,対等な同盟関係」を要求していく。これは10月29日の議会での鳩山の演説に於いて繰り返された約束 promise である。

US President Barack Obama and Japan's Prime Minister Yukio Hatoyama in Tokyo on November 13, 2009. (Photo: Getty Images)

この気持ちの中で、鳩山は沖縄の普天間基地からアメリカ海兵隊の飛行場の撤去で苦しい立場に立たされて来た。これはアメリカとの2006年の協定に全く反している。この協定では沖縄北部の
Camp Schwabへの移転を要求していた。鳩山は現在のインド洋での給油活動の協定が2010年で終了するので,日本海軍 navy の関与を止めると宣言している。彼の党はまた,アメリカ海軍艦艇が日本に帰航する際に核兵器を運んでくることを認めた日米間の密約の情報を公開するように強く要求して来ている。

鳩山は自民党の過度にアメリカに依存した政策からはなれて、中国,韓国,ASEAN諸国との議論をしている中で,東アジア共同体の構想を提案してきた。

一つの説明として,民主党では中国が日本の主な貿易パートナーになって来ていて,そして、東アジアの貿易がアメリカのそれを凌駕しているように、日本は貿易の関係をシフトしようとしている。いくつかの議論では日本は世界的な金融危機によるアメリカの落ち込みに答えていて、この危機が中国に突出したグローバ ルの役割を押し上げて来ている。

空想家が主張して来ているのはこの変化はアジアパシフィックに於ける新たな時代の幕開けであり,アメリカとの軍事同盟は降格され,生来のアジアの地域主義による新しい形が根付いて行くと言う。こうした考え方の魅力はどうあれ,新しい政府の動きに対する政治的な状況を分析することは重要であり,その動きに際 して,より冷静な判断が当然ながら求められるであろう。

4つの要素が鳩山に影響を与えて来た。明らかなのはその変化が外部要因よりかはむしろ内部的なものであるということだ。第一番目は彼の祖父鳩山一郎で,彼は首相を1954年12月から1956年12月まで勤め、日本の外交政策に於いて,より大きな均衡を求めた。最後には彼はソビエトとの関係を正常化しようとし、 モスクワで,1956年協定に署名し,それに従って,議論の北方領土のうち二島を日本に帰すことになるであろうと言うものであった。この協定はアイゼンハワー政権によってもみ消され,それは日本がソビエトと和解することを恐れたからであった。もし日本政府がこの協定を追及していたならば,沖縄が日本に返還されないと言う恐れがあった。

第2の要素はアメリカとの同盟関係に殆ど排他的に依存する自民党の政策に対する拒絶である。この関係は日本を軍事国家にし,平和憲法を台無しにしてしまうと見られていた。9月9日に民主党は社民党の福島瑞穂と国民新党の亀井静香と連立政権を作った。社民党はもと社会党の残部であり,徹底的な平和主義者の考 え方を持っている。憲法の平和条項第9条を擁護し,日本におけるアメリカ軍の存在に反対するキャンペーンを行って来た。

連立政権の基盤は日本が「自立した外交政策によって世界に貢献する」と言うことである。鳩山は日本の平和主義運動とNGO支援者の考えを共有し,アメリカ軍の基地の完全な撤収のための地元の沖縄の要求に対して極めて敏感である。

第3の要素は小沢一郎である。彼は2006年から2009年5月のスキャンダルが彼を失脚させるまで民主党のリーダーであった。鳩山は小沢を幹事長に指名し,強力な影響力を行使している。小沢は彼が1989-91年の自民党の幹事長の時にはアメリカびいきであったが,やがて、彼は顕著にアメリカと対立するようになった。彼が民主党のリーダーであった時,日本のインド洋に於ける給油活動の更新に活発に反対し、アメリカのアフガニスタンでの侵略を違法だと述べ,日本の外交政策は国連に基づくべきであると主張した。

小沢は日本に於いては民主党の権力者として見なされていて,黒幕であり,一方で,鳩山は急速にその影響力を失って行くと言われている。

鳩山は誠実な民主党の外交政策を表現しようとして来て、彼を支援する政治勢力の連立に反映させようとして来たが,彼の理想主義がそれを阻んでしまうだろう。東アジア共同体の彼のビジョンは明確でないし,既に,中国と日本は会員の地位と指導者の地位に於いて口論になっている。鳩山は彼の提案の背後にある考 えは「友愛」であるが、実用的な言葉ではまだ説明されてはいない。

さらに、彼の党の中の派閥間の不和がアメリカとの議論によって悪化してしまうだろう。外務大臣岡田克也は鳩山の考えの一部を共有しているが,彼は普天間基地の問題についてアメリカ側により便宜を図ろうとしている。

また、日本の主要な同盟国としてのアメリカをいらだたせないようにしたいと言うかなりの反対意見が官僚組織からでている。日本の新聞が予想しているが,民主党は米国との長期にわたる張りつめた論争には耐えられないだとろうし、物別れに終わると見ている。国土交通大臣である前原誠司のような党の保守派は理想主義者とか社会主義者とかからたもとを分かれて,新党を形成するために、自民党からのリベラルな人たちと共に新党を作るかもしれない。

あるいは,ダメージを受けている党を分裂させないために,鳩山は岡田に替わるかもしれない。岡田は2009年5月から党のリーダーとして国民が選択するかも知れない。何が起るにしても,鳩山は不安定な政治的な立場に彼自身を於いている。

どうでしょうか。「鳩山とアメリカとの同盟関係」はこれで終わりだ。民主党と鳩山政権とアメリカとの関係がよく分析されていると思う。連立政権のために思うように行かないところがあるのは事実だ。8月の選挙で,民社党が過半数とをって,社民党を追い出してから,普天間の対応をしようと言うことだろう。ただ、東アジア共同体構想とか,「自立的な外交政策」とかアメリカとの対等な関係については鳩山政権の考えだ。これがよくわからない。

昨日政府の某高官と鳩山政権で話をする機会があったが,総理も外務大臣も真面目で、すれていないし,政治の技巧を全く知らない。だから、まっすぐに物事に対応して,ぶつかってしまう。だから摩擦が起きている。裏の手口も知らない。勿論,駆け引きもわからないし,知らないと言っていた。そう言われると上記で言っていることがなるほど思い当たる。

アメリカでは新政権を100日は温かく見守ると言うことだが,こういうことであれば,100日ではどうにもならない。こうしたことは国民も知らないので批判ばかりだ。こうした報道もしない。毎日のように報道番組が政治家をテレビに呼んでいるが,こうした話をし聞いたことがない。朝の番組のコメンテーターに問題があるのかもしれない。

彼が言うには中国政府も困っているようで,どう対応していいのかわからないそうだ。ここで言っている東アジア共同体の真意がわからないと言っているようだ。それをきちんと説明できる人もいないし,以前のように,背後に繋がるパイプもない。だから真意の確かめようがないそうだ。そもそも誰に電話して良いのかわからないと言っているようだ。

中国政府は真摯に対応しようとしているが,対応のしようがないのが現実のようだと言っていた。そうかもしれない。いわゆる日中に精通した事務方がいないようだ。これは大変なことだ。鳩山さんは大学の同期だが,何かうなづけるようなところがある。あれだけの数の議員と政府の役人のトップがなんとかしたいと言う気持ちが一杯なのだろうが,空回りしているようだ。鳩山さんにしてみればそれこそ隔靴掻痒と言うところだろう。彼はここに書いているように,政権が理想主義だとも言っていた。鳩山さんにも問題はありそうだ。

これについては明日からもう少し突っ込んでで行きたい。よく理解できない。この次に「自立的な外交政策」について翻訳しよう。これは同じフォーラムの200年11月18日の記事で,「民主党の外交政策は希望をもたらすととも に...憂慮ももたらしている。」DPJ’s foreign policy raises hopes … and worries Author: Yoshihide Soeya, Keio University http://www.eastasiaforum.org/2009/11/18/dpjs-foreign-policy-raises-hopes-and-worries/

これを抄訳したい。この「自立的な外交政策」を外国人がどう見ているのか,次に見てみよう。迷走する民主党の中身をもう少し外国人の意見を聞いてみよう。明日が楽しみだ。では今日はこれまで。



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海野 恵一
1948年1月14日生

学歴:東京大学経済学部卒業

スウィングバイ株式会社
代表取締役社長

アクセンチュア株式会社代表取締役(2001-2002)
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