2010年01月24日

アメリカが新しい現実を認めるとき2

昨日はグローバリゼーション研究会があった。参加者の方々ご苦労様。現在の日本の外交政策も多少言及したが,中国の地政学が中心であった。この頃からのテーマは結構関心が持てる内容なので,楽しく議論することが出来た。以前は硬い内容ばかりだったので,解説には苦労もし,大いに反省し,白人に勝つためのテーマを厳選し直した。

毎日100人以上の方々がこのブログを読んでいただいていると言うことは私も内容を厳選しているだけではなく,目的に見合った論文を探している。論文そのものは太平洋の中に釣り竿を垂れるようなところがあって,そこから、メダカを釣るような感じだ。それでも、この地政学以降は結構まともな内容だと私も思っている。現在のテーマは日本の外交政策で,その批判とか支援とか様々だが,外から見た日本の政策は日本の中での論調とは全く違ったものがあって,面白い。

日本の外から見ていると,意外と日本は今回の政変で化けるかもしれない。一般の国民の過半数は景気を良くしてくれと言っているが、こうした目先ではなく,東アジア共同体とアメリカとの「平等の」同盟関係が新たな日本の政治経済体制をこのアジアを中心に築いて行くのかもしれない。鳩山政権の支持率が低下したとはいえ,自民党に変えようとする考えはよもやあるまい。

こうした動きにアメリカもようやく理解を示しだして来たようだ。一方で,日本の報道が政治と金の話ばかりで,下ねたと変わらない。なぜ低俗になるのかよく私もわからないが,その方が勉強しなくていいので,らくだからそうなってしまうのだろうか。小沢一郎の記事ばかりだ。普天間基地についても,このアメリカとの同盟関係に言及したニュースとか記事は見たことがない。朝番組は政治と金と殺人が半分以上で,あきれてものが言えない。政治家もでてくるが、彼等の考え方を言う場ではなく,誘導尋問の場でしかない。気の毒だ。そうした番組を作るディレクターのレベルが低いのかもしれない。

日本人が戦後、低俗になったとは思っていない。低俗な人たちだけが世の中の前面に出ているだけだと思う。自民党が低俗だと言うことではないが,国民はこの自民党を切ってしまった。もう戻るとこはあり得ない。確かに天網恢々粗にして漏らさず。だから、議員に農業とか公共事業に張り付いていた人たちはもういない。そのうちに,この報道も国民が切ってしまうのだろうか。日本の将来をこのブログのように考えて書いている人もたくさんはいないが,いるように思う。

断定した言い方をしていないのはそこまで調査する余裕がないからだ。経営とこのブログで,手一杯だからだ。最近は運動不足になるので、運動の時間を増やさなければ行けないと考えている。毎日の経営は戦争だが,他のことまでする時間がないのも事実だ。さて、昨日の続きだが,言い回しに難しいところが多々あるが,日本がアメリカ一辺倒からアジアの日本へと変貌しようとしていることが伺える。

以前から,アジアの記事から日本の記事が消えて行ったと言う話をして来たが,日本政府はいよいよ躍起になって,アジアの中の日本を再起しようとしている。これは凄いことだ。そうした政府の意図を国民が理解していないのか,理解できないのか,いや、きっと関心がないのかもしれない。箱庭日本と言われるゆえんだ。せめて、私がここで意図している,100人の日本人のグローバルリーダーが輩出できれば,日本はこの鳩山政権が言っている東アジア共同体の日本が確立できる。日本はまだ捨てたものではない。そうした視点で,これからの論文を選んで行きたい。前置きが長くなったが始めよう。


ほぼ間違いなく,日本は小泉の後はアジア中心の外交政策の方向に既にシフトしていった。しかし、福田康夫は目だった例外ではあるが,これらの総理大臣たちは足下の変化に対して明確ではなかった。彼らは忠実にお題目を唱え,日本を安全保障中心の日米同盟関係から離れて,新しい方向を向けようとしていた。

以前私が論じたように,鳩山政権で何が変えられるのかはその殆どの部分は同盟関係と言う決まり文句とともに廃棄され,隆起する中国、まだ強力だが、もがいているアメリカ,そして、日本と同じようなジレンマに直面している国々のある人口の多い地域によって特徴づけられている時代の中に、実質的には、日本の外交政策が考えているようなところに統合しようとしている。

鳩山の熱狂的なアジアの外交が提案しているのは彼の政府が日本のリーダーシップの役割を開拓するのに躍起になっている。日本はその新しい現実主義のアメリカの側面を無視することは出来ないと言うDevin Stewartの提案は正しい。しかし、思うに,Stewartが日本のためのより「独立した」外交政策への道が世界最強の軍事国家との同盟関係を弱くすることによってではないと提案しているが,間違えている。

反対に,鳩山政権がその外交政策で,世界最強の軍事国家との同盟関係に偏っていないと言うことを示すことが出来ると言う範囲に於いて,こ の地域に於けるリーダーとしての信頼性は高まっている。福田が安全保障の協調はアメリカに任せると強調した時に達成しようとしたことは一体どっちだ。そ して、アメリカの中のどの部分が評価に値するのか。民主党はまさにアメリカとどのような種類の安全保障関係を求めているかの疑問に答えようとしてきた。

勿論、これが、鳩山政権が本来12月に発行されるはずであった国家防衛計画大綱を急いで決めないと言うことがなぜ良いのかと言う理由だ。そのかわり,民主党主導の政府がこれからの防衛政策の内部レビューを実施するのと同じ時に,アメリカと日本は2国間の同盟関係のレビューを行うだろう。

その一方で,日本国民は日本の外交政策に於いて,アジア中心のやり方が必要なのか敏感である。一般大衆は小泉の中国に対するやり方に殆ど関心を持っていない。日本国民が中国についてどのような関心を持っていようとも,中国を怒らせる政策には関心がない。

実際に注目に値することはStewardの言葉で言えば,好戦的な北朝鮮と増大する力強い中国にもかかわらず、一般大衆は日本の軍事力の劇的な増大、海上自衛隊の役割の拡張、今まで以上により密接なアメリカとの防衛協力を支持していない。と同時に,完全な同盟関係の終了も支持していない。

ア メリカと日本の双方はこうした構造的な誓約の中で,作戦行動する上でのかなりの余裕を持っている。実際に、アメリカは日本がその外交政策を新しい方向に向けて押し進めて行く中で,決して無力ではない。始めはオバマ政権はアジアに於ける通商政策では逆のコースをとるかも知れない。この地域はDaniel Dreznerに言わせると単にワシントンを迂回して来た。(アメリカを入れて来なかったと言う意味)この地域に於ける民主党の主導権はアメリカを背後に残した見方ではなく,オバマ政権はこのゲームに参加するために拍車をかけると見るべきだろう。

その上,オバマ政権は民主党のメッセージに対して,自らを調整しなければならない。今まではワシントンは民主党への過渡期の扱いを誤って来た。間違いなく, この政党に対しての公開されている情報の収集の失敗であった。ワシントンは遅くなりすぎるまで,民主党を真剣に扱わなかった。ワシントンのアナリストが同盟関係と沖縄について話をする時に民主党が左翼の議員とか社会民主党をだましたり,宥めたりしようとしていることを彼等がまだ考えていると言うことを民主党から聞き始めた時でさえ,真剣に取り合わなかった。民主党はいっている通りのこと(裏がないと言う意味)を意味している。

クー パーが言っている例で言うと,8月の選挙に勝つ前から民主党はすべてをはっきりと言って来た。それは民主党が左寄りだと言うのではなく,同盟関係の再検討と日本の外交政策をアジアの中にその中心を於くと言う必要性については党の中で,幅広いコンセンサスをとって来ている。

オバマ大統領がこの週末を利用して,日米関係がこの岐路をもたらしたこの構造的な力に対して,アメリカがどうのように答えて行くかその変化を画策し始めることは見込めそうにない。 Michael Cucekが鋭く観察しているように,鳩山とオバマが金曜の夕方にあった時に言わなかったことが多すぎる。

現在の問題は単に民主党の成果,そのリーダー、連立のパートナーでもないと言うことをオバマ政権は理解する時だ。アメリカがそのアジア政策と日本との同盟関係を再生させるには遅すぎていはいない。

 

以上だ。Tobias Harrisの論文はアメリカがこの日米同盟関係を見直し,アジアの外交政策を再検討したらどうかと言っている。いよいよこの鳩山政権のおかげで,アジアは面白くなりそうだ。何が変わるのか何を変えようとしているのかを見て行こう。

 

次は日本の給油活動の撤退についての彼の論文を見てみよう。The DPJ will bring the ships home — and open Japan’s economy to the US?

August 3rd, 2009 Author: Tobias Harris



これより先はプライベートモードに設定されています。閲覧するには許可ユーザーでログインが必要です。



swingby_blog at 07:49コメント(0)トラックバック(0) 

トラックバックURL

コメントする

名前:
URL:
  情報を記憶: 評価:  顔   星
 
 
 
プロフィール

swingby_blog

プロフィール

海野 恵一
1948年1月14日生

学歴:東京大学経済学部卒業

スウィングバイ株式会社
代表取締役社長

アクセンチュア株式会社代表取締役(2001-2002)
Swingby 最新イベント情報
海野塾のイベントはFacebookのTeamSwingbyを参照ください。 またスウィングバイは以下のところに引っ越しました。 スウィングバイ株式会社 〒108-0023 東京都港区芝浦4丁目2−22東京ベイビュウ803号 Tel: 080-9558-4352 Fax: 03-3452-6690 E-mail: clyde.unno@swingby.jp Facebook: https://www.facebook.com/clyde.unno 海野塾: https://www.facebook.com TeamSwingby
講演・メディア出演

最新記事
月別アーカイブ
Recent Comments
記事検索
ご訪問者数
  • 今日:
  • 累計:

   ご訪問ありがとうございます。


社長ブログ ブログランキングへ
メールマガジン登録
最新のセミナー情報を配信します。
登録はこちらのフォームから↓