2010年01月25日

民主党は軍艦を母国に戻す

早いもので、一月ももう月末だ。日本の景気も低迷の度を増すばかりで,民主党の支持率も低下の一方で,自民党大会が開かれたが,いまいち、ぱっとしない。そうした中で,日本の政治は一体どうなるのだろうか。私は政治家ではないし,一国民のレベルを超えた知識は持たないが,日本の外交政策についてはこうして、先週から,皆さんと勉強している。

今日は自衛隊の給油活動の廃止と,日米の自由貿易協定に於いての農業の自由化についての議論だ。アフガニスタンについては50億ドルの支援を出すと言うことで民主党は決着を付けようとしているが,普天間はこれからだ。農業問題は小泉総理のことから,構造的な改革が必要だと言って来ていたが,どうするのか。解はでていないが,民主党は自由貿易協定と言うテーマを掲げている。国民の民主党へのお手並み拝見をいつまで我慢できるのだろうか。あと一年は最低必要な感じがするが,皆さんはどう思うか?では今日もそれについてのてマーマだ。Tobias Harris 氏の論文を見てみよう。


「民主党は軍艦を母国に戻す。そして、日本の経済はアメリカに対して解放するのか?」

The DPJ will bring the ships home — and open Japan’s economy to the US?

August 3rd, 2009 Author: Tobias Harris

 

民主党が現在の外交政策を完全に採用するかもしれないと言う兆候の数週間後に,アフガニスタンに於ける連合軍の活動を支援するインド洋に於ける戦艦に給油する海上自衛隊の配備の特別措置法はこの一月に失効すると鳩山由紀夫は水曜日に発表した。民主党主導の政府はこのミッションを延長しないし,新しい法案を起草しない。

鳩山の声明は民主党(DPJ)の連立パートナーになりそうな,社民党(Social Democratic Party)の承認を得たが,驚くには当たらないが,たぶん、彼等が一緒に入閣したら,社会党(SDPJ)はどのように民主党を操作することができるかの最初の現れである。社会党は民主党の新しい現実主義に困惑していないと主張している。次月に民主党が勝てば,この党は民主党主導の連立政権に参加することはかなりあり得るが、しかし、少なくとも外交政策に於いてはこのような連立政権の力学が垣間みえて来ている。

Japanese MSDF ships in Kure harbour

このことは特に驚くには当たらないし,議論もしないが,とりわけ厄介なことだ。以前話をしたように,民主党の広範囲な課題はそれを実行するためには力が長い時間持続することが必要だ。社会党との妥協は2010年の参議院選挙でもたらす議会の勝利を得るまでであることを意味する。給油活動を止める課題は容易な譲歩であり,国際的な危機がなければ,民主党は選挙に向けての数ヶ月の中で、国民により大きな関心事として選挙に焦点を合わせことは確かである。

給油活動自体はと言えば,オバマ政権はこの船を日本に戻すことの鳩山政権の意思決定に対して大騒ぎはしていないと思う。民主党は象徴的な海上自衛隊のミッションに変えて,アフガニスタンでの連合軍の活動の支援において、より実質的なものにしていく。
Richard Holbrookeが4月に東京を訪問したときに示唆したのはより実質的なものとは派兵しなければならないと言うことではない。

実際にはオバマ政権は実質的なアフガニスタンとパキスタン政府への経済的、政治的な援助を期待していて,日本政府が憂慮したような,ブッシュ政権を満足させたような形ばかりの金銭的な貢献ではない。民主党が勝つならば,一月の撤収に代わって何を提供してもらうかの考えを持っておいた方が良い。

オバマ政権は民主党を祝福しかつのろいたいのではないか。オバマ政権の中で,民主党が直面しているのはアメリカの政府は民主党の勝利の可能性に特に不安を感じていないと言うことに対して外には出していないが,相当感じていて,ブッシュ政権の時よりも,日本に対してはより不干渉で取り組もうとしていた。

同時に,しかしながら、民主党はまだブッシュが大統領であった時から,今での同盟関係に於ける美辞麗句を廃棄しなければならいと考えていた。ブッシュとともに2002年の時の ゲルハルト・シュローダー(元ドイツの首相で,社会民主党(SPD)緑の党との「赤緑連立」)のような選挙運動が出来たら、うまく行ったに違いない。オバマではそうはいかない。民主党が勝ったら,オバマ政権の存在自体が民主党に対して,日米関係に於いてより建設的になるプレッシャーとなると私は確信している。オバマは日本政府を尊敬と威厳を持って扱い、民主党が期待しているように日本を対等のパートナーとして扱うことは,目下の権力の力学の実態がどうあれ,全く新しい方向に於ける日本からの外圧となるように思える。

この背景で,民主党は日米の自由貿易協定にかなりの関心を持って交渉を求めていることがわかった。民主党がこの提案に真剣であるとすれば,実際に優先度を於き,そこに政治資本を使うのに真剣であるとすれば,日米関係の安全保障でない側面に焦点を当てる一方で,日本経済の構造的な変革に貢献し、官僚の力を弱めようとしている民主党の願望はいくらかの本質をついている。


当然ながら,日米の自由貿易協定に於ける戦いは厳しいものがあり、時に,農業政策においてである。その意味で,この提案は農民に対する直接的な所得補助金 と言う党の提案と2頭立てで見なければならない。小沢一郎が言っていたように,貿易の自由化と直接的な所得補助金は密接な関係があり,日本がその市場を開放するのであれば,農民を補助することになる。同じ理由で,農業のロビー活動はこの民主党のマニフェストに対して,声だかに反論している。(中川秀直 here)しかし、農業のロビー活動だけでなく,自民党は日米の自由貿易協定の考えに対して,攻撃的な態度をとっていて,アメリカとの農業貿易自由化の不吉な結末の詳細についての声明を出している。(statement

「民主党がアメリカとの農業を自由化する自由貿易協定を結論づける成り行きの中で,膨大な量の農産物がアメリカから輸入され、国内の農業市場をさらってしまい,その規模は数兆円にもなると予想される。...このことは必然的に致命的な打撃となり,日本の農業を売り払うのと等しいことになってしまう。」


今日はここまで。社民党が足かせになっていて,自衛隊に関連した,民主党の考えが実行できない。多分普天間もこの5月と言っているが、参院選を意識しての話だろう。自由貿易協定については農業問題の対応策はまだ結論が出ていない。自民党が非難するようなことは当たらないが,それ以上に自民党の地位を下げてしまっているように思える。


いま、民主党を非難する声が上がっているが,批判する側が,「政治とかね」のように、批判するための批判になっていて,前に進んでいない。自民党は民主党が日本の農業を破壊すると言うが、今後どうしようと言うのだろうか。今までが建設的であったのだろうか。このままではじりじりと衰退して行くだけなのではないだろうか。破壊して来たのは自民党のような気がするが,違うだろうか。

まさか、民主党がアフリカの綿花とか南米の米のように,アメリカの補助金付けの農産物をただみたいな値段で受け入れて,産業を崩壊させることはよもや考えられない。700%以上の関税もおかしいと言うことを政府が考えているはずだ。米は対象外だとここで言っているが,今のままの日本の農業に将来はない。自給率の向上も期待できない。日本国民は自民党の考えを否定し、民主党に日本の将来を託したが,そうした現状を海外の人はどう見ているのだろうか。


これより先はプライベートモードに設定されています。閲覧するには許可ユーザーでログインが必要です。



swingby_blog at 07:17コメント(0)トラックバック(0) 

トラックバックURL

コメントする

名前:
URL:
  情報を記憶: 評価:  顔   星
 
 
 
プロフィール

swingby_blog

プロフィール

海野 恵一
1948年1月14日生

学歴:東京大学経済学部卒業

スウィングバイ株式会社
代表取締役社長

アクセンチュア株式会社代表取締役(2001-2002)
Swingby 最新イベント情報
海野塾のイベントはFacebookのTeamSwingbyを参照ください。 またスウィングバイは以下のところに引っ越しました。 スウィングバイ株式会社 〒108-0023 東京都港区芝浦4丁目2−22東京ベイビュウ803号 Tel: 080-9558-4352 Fax: 03-3452-6690 E-mail: clyde.unno@swingby.jp Facebook: https://www.facebook.com/clyde.unno 海野塾: https://www.facebook.com TeamSwingby
講演・メディア出演

最新記事
月別アーカイブ
Recent Comments
記事検索
ご訪問者数
  • 今日:
  • 累計:

   ご訪問ありがとうございます。


社長ブログ ブログランキングへ
メールマガジン登録
最新のセミナー情報を配信します。
登録はこちらのフォームから↓