2010年01月29日

展開中の新しい同盟関係2

早いもので,金曜日の経営会議がもう来てしまった。もう一月も終わりだ。今朝は6時前には終らなければならない。早起きは3文の得だと昔の人は言ったが,その通りで,習慣だと思う。ところでなぜここに翻訳して書いてあるようなことが、日本の記事のどこにもないのだろか。不思議でしょうがない。外国人のこうした論文の抄訳もあるが,内容が著者の恣意で変えられてしまっているのであろうか。では昨日の続きだ。


普天間に於けるアメリカとの不和に対して、ある程度は鳩山政権の他の取り組みから切り離して,配慮をして来た。他の取り組みとは首相の多国間外交であり、しかし、これはより重要な事だ。彼のインドへの訪問とか、彼の政府の最初の北方領土に対するロシアとの交渉とか、(鳩山一郎の孫としては特に重要で、1956年にソビエトと日本の関係を彼が回復したからだ。)韓国との活気を取り戻したパートナーシップの可能性である。

アメリカか中国かと言う2者択一として日本の外交政策を考えているアナリストは日本がどちらにも依存したくない、もしくは双方ともによい関係を持ちたい(2重保険)と言う現実を見落としている。そして、さらに、アメリカと中国との競争と協調に対しての防衛策としてこの地域の他の諸国とのより親密な関係を持ちたいと考えている。

こうした外交の取り組みが成果を出すためには時間がかかるだろうが、鳩山政権は明確なビジョンを持って前に動いている。この政権はこの地域において、日本の影響力を高める必要性を認識していて、過去の日本の戦時中のイメージを変えるために新たな気持ちを伝え、この地域の中の経済的な日本との結びつき深めようと望み、(この政府の新しい成長戦略の重要なテーマであり、)鳩山政権はアジア中心の外交政策を展開している。

日本とアメリカが今後どうするかと言う質問は同盟関係がこのより流動的な地域の環境の中にあって、どのような役割を果たすかと言う事である。アメリカと日 本が他の民主主義国と一緒に平和裏に、中国を(国際ビジネスシステムの中に、私注)統合するための共同戦線を張ると言う希望は非現実的である事は証明されている。(いつ中国が暴れだすかわからないから。私注)

その代わり に、この地域の中の最も突出した師団である日本がアメリカと中国をこの地域の中小国から分離する事かも知れない。従って、アメリカとの安全保障関係は縮小するだろうし、普天間に対する議論をするが、よりイライラさせることになるだろう。日米関係の将来は日本の防衛と日本におけるアメリカの前線部隊のある形態とが連結した安全保障の中核となるのかも知れない。(シンガポールがその地域のアメリカの前線部隊を手助けしているように)この地域で、緩やかな政治的、 経済的な協力関係を持って、気象変動、核の拡散防止などのようなグローバルな問題にはより密接な関係を持って行くことになる。

あと答えなければならない事はアメリカが何時までこの地域に軍隊を維持して行こうとしているのか、維持出来るのかであり、日本の東京の基地にかけるコストをどれほどまで持ちこたえようとしているかだ。これらの疑問に対する答えはまだわからないが、しかし、小沢一郎のざっくばらんな昨年の見解では、そのうちに、ある日、アメリカの前線部隊が第7艦隊に吸収されるというのは(そして、あとで、空軍部分も追加された。)当たっていると言える。

これらの変化が明らかになるには何年もかかるだろう。そして、前もっては決まらない。一つか2つの何か外生的なショックが、ここで描かれたものとは違った方向で、この地域と主要な参加国に起こればそうした変化が起こるだろう。

しかし、1996年の夢は過ぎてしまった。アメリカと日本の関係はより緩やかになり、同盟関係の管理者たちが1996年の安全保障宣言に続いた、1997年 のガイドライン、小泉政権のブッシュ政権への西部中央アジアへの支援を希望して来たよりも安全保障中心の考えは後退するであろう。

以上が Tobias Harrisの論文だ。アメリカの覇権の衰退とアジア中心の日本の政策。そうしたものが基地問題そのもののあり方も変えて行く。日米の安全保障そのものは 今までの延長線上にはなく、小沢一郎が言ったように、基地は日本からそのうちに消えて行くのだろう。もう少し大局的に考えて行くとそうなるのかも知れな い。

今日本の議論は沖縄の住民の利害とアメリカの利権みたいな議論だが、こうしてみて来ると別の世界が見えて来る。日本の政治は経済とどうも違うようだ。今の民主党は小沢一郎幹事長を始めそうしたことを理解しているようだ。問題は日本の国民と報道がこのグローバリゼーションの動きについて来ていないような気がする。

明日ははニューヨークタイムズのコラムを翻訳しよう。今日はこれまで。

An Alliance Larger Than One Issue  By JOSEPH S. NYE Jr.  January 6, 2010
http://www.nytimes.com/2010/01/07/opinion/07nye.html?partner=rss&emc=rss



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海野 恵一
1948年1月14日生

学歴:東京大学経済学部卒業

スウィングバイ株式会社
代表取締役社長

アクセンチュア株式会社代表取締役(2001-2002)
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