2010年02月19日

日米同盟かみ合わぬ期待20

昨日はアメリカの選択肢が5つでて,今日は日本の選択肢も5つでてくる。未だに何が最終的な結論かは出して来ていないが,今のままでは最悪だと言うことははっきりしている。日本は日本の防衛だけに集中するのか,グローバルな仲間に入るのか。集団自衛権、集団安全保障をどうするのかもう数日考えよう。そうした視点で,今日の彼の論文を読んでほしい。

日本の将来はこの集団自衛権を放置したままではあり得ない。鎖国日本をどう開国し,フェアな国家として,世界に認知してもらうのか。戦後のままなのはこの軍事問題だけだ。これをこのままにして,経済のグローバル化もあり得ない。しかもこうした日本の動きはこのインターネットで変革していくように思う。けっ して、一方通行の報道テレビではない。


日本のための選択肢

問題の片方として、日本は国家の伝統的な安全保障戦略に於いて、安全保障と経済の脅威に対して 「二重保険外交」を行い、親密なアメリカとの軍事協力を他の諸国との多様な経済関係で補完し、その何ヶ国かはアメリカ合衆国が伝統的に脅威と見なしている国も含まれている。(例えば、ソ連と中国)

しかしながら、その上、近年において、日本は政治的かつ軍事の安全保障の最前線にこの保険戦略を多様化して来ていて、創造的に(おそるおそるではあるが) 追加的に、二国間の、そして、多国間の関係を構築しようとしている。明示的に言ってはいないが、これらの努力は、この同盟関係が完全には日本の期待と将来 の安全保障の必要性を満足させないだろうと言うリスクに対する保険と見ることができる。最小限、このアプローチは東京の新しい選択肢である。

くわえて、日本人の幾人かは超保守的と言われているが、実際には様々な政治の広い範囲の人たちであり、日本の核兵器の不所持も含めて、日本の安全保障政策の意思決定の主要な要素を見直すことを要求している。その上、国民の反核感情も消えつつあるのかもしれない。

明らかに、核の道に降りて行く意思決定は日本にとっても、世界にとっても、パラダイムの変革であり、この同盟関係がそのような意思決定に逆らうことができるかどうか明確ではない。幾人かはこうした課題での議論を支持していて、そうした要求が正当として出て来ていると言う事実はこの同盟関係の能力が国益にか なうかどうかという日本の信頼の欠如の深刻な兆候として受け止めるべきである。

中国は明らかに日本がどのような代替案をとろうとしているのかに大いに計算している。もし日本がアメリカとの同盟関係で基本的な期待に合わないと言う結論になるとそれは中国との関係になるかもしれない。いまや、日本の経済に中国が不気味に迫って来ているが、それはただ重要性が増大しているだけであって、日本が中国へ傾斜することは日本の安全保障の基本的な必要要件に合っているとしても、考慮に値しない。

あらためて、現実主義者そして公平な立場から見ると日本はその懸念を述べている幾つかの可能な選択肢がある。

ーリスクと保険を認める。 現在設置されているような日米同盟が国家が展開している必要性には完全には合っておらず、ならびに限定した保険戦略を継続するということを認めることを日本は選択出来る。あらためて、このことは本質的に現状のアプローチである。日本の外部への保険戦略は全く経済的かつ政治的なも のであるようだが、また、主要な軍事的な能力を取得することによって、追加的なインターナ ル・バランシング(internal balancing)が起こってくるかもしれない。

インターナ ル・バランシング(internal balancing):相互核抑止等を通じて、アメリカもソ連も軍事的な均衡を図り、それをそれぞれの国内で調達された資源に基づいて均衡を達成する。 www.nids.go.jp/dissemination/other/studyreport/pdf/study_j2007_03.pdf 

多分 ここで言っているのは今までアメリカの軍事物資を日本が購入しない問題で、今後ますます日本の軍事産業が盛んになってくると言う意味だと思う。このことは明らかに、アメリカの経済的、政治的な今後の摩擦になると言うことを意味する。私注

ー防衛に対する焦点を強化する。 日本は防衛軍事姿勢を強化するために優先度付けを再考し、重要視することを選択出来る。そのような戦略はアメリカ合衆国は相互のグローバルな利益を確保し続ける期待とともに、日本の防衛力が地域の安全保障問題に於いてより大きな役割が増大すると同時に、国家防衛に於いて主 要な役割を演じることになる。同時に、日本はこの同盟関係の抑止姿勢の信頼性を強化し、保持するために活動するであろう。

ー同盟関係を正常化する Normalize。 日本は活発な同盟関係の防衛能力を開発するだけでなく、地域のそして、グローバルの安全保障作戦行動への参加を拡張する戦略を採用することができる。現在のアメリカの期待に沿うためには長い道のりがあるが、このためには東京の指導者の途方もなく大きな政治的な意思決定と重大な政治リスクを伴う。

ー同盟関係の外で正常化する。 日本はアメリカ合衆国との公式な安全保障関係をやめることを選択し、その代わりに、攻撃も防衛もその双方於いて、国家防衛に必要な能力のあらゆる方法を展開する。東京は独立の抑止能力を求めるようになり、非核並びに核攻撃の能力を備える。そのようなアプローチは日本領土の当 面の防衛以外の、日米の安全保障の協力の重要な位置づけを妨げるものではないが、明らかに、日本からアメリカ軍が離れてしまうことを意味する。

ー中国と仲良くする accommodation。 日本はこの同盟関係が日本の必要性にそぐわないので、その代わりに、中国と仲良くして、日本がアメリカとの同盟関係をやめて、地域の安全保障の自覚と日本の独立を維持すると言う決定をすることはできる。そのような中国との和解は日本の自己防衛能力の増強が即時に必要になり、それ故に、国内での政治の摩擦が生じることを十分に考慮しなければならない。アメリカによる平行の和解なしではそのような動きは重大な潜在的なリスクをもたらすだろう。そのような場合にはアメリカ合衆国は中国にたいして自ら和解を求めるか、単独でアプローチを行うかしてその板挟みのジレンマに陥る だろう。

両サイドはこの関係の進展をはかる時に,政策決定者は双方が代替案を持っていることとこの同盟関係は所与ではないと言う事実とともに,両サイド間の期待に於ける矛盾を認識する必要がある。この最後の点は重要である。両サイドは個別にそしてパートナーシップに於いて、それぞれの国の、 ならびに共通の利益にあったベストの道具として任務を果たすためにこの同盟関係が続くのか、もしくは続くようにさせることができるのか冷静な評価をしなければならない。これを行うためにはすべての選択肢が吟味されねばならない。

この同盟国が優先しているのはこの同盟関係を維持し、改善することであるが、効果的にそれをおこなうために、十分な政治的な意見の一致もしくは必要な手段を講じるための責務があるのかどうかが明確ではない。したがって、日本もアメリカ合衆国もこの同盟関係はもはや彼らの利益を提供していない、そして公式の同盟関係の終結もしくは着実な衰退への認容が一方もしくは双方のパートナーが彼らの安全保障の必要性にとって必要であると言う結論に達するかもしれない。

このことは同盟関係を終結するための議論ではなく、むしろ、一方もしくは他方のパートナーが本当にこの結論達するかもしれないと言うことを認識しなければならないこととそのようなことが起こることを考慮しなければならないと言うことである。


今日はここまで。相変わらず,朝の冴えた頭でよく読まないと何を言っているのか理解が出来ない。ここではどれを推薦すると入っていない。どの可能性もあると言うことを前提で考えるべきだと言っていて,同盟関係が所与であるとも考えるなと言っている。また、その終結の可能性も念頭に入れるべきで,その原因もよく検討する必要性があるとも言っている。

ここでの5つの代替案は昨日のアメリカの案もそうだが,すべてが現実的ではない。日本が防衛に特化するのか,同盟関係を正常化するのかのいずれかだろう。ここで面白いのは「グローバルの安全保障作戦行動への参加」を彼は正常化 normalizeと言う表現をしている。彼が言いたいのは日本を正常にしようと言う意味だろうか。今までアメリカとかNATOが批判して来たのはこの部分であるが,「東京の指導者の途方もなく大きな政治的な意思決定と重大な政治リスクを伴う。」と言うことも言っている。

今までの自民党政権時代の保守的な歴史を十分にわきまえている。そう言う意味で,だめだろうと言うニュアンスが漂う。しかしながら、彼が提案したいのはこれだと思う。世界の仲間になるためにはこれしかないからだ。国民が世界の中の今の日本の自体を把握すれば必然的に決まってくるのではあるが。

双方の選択肢がでて,明日からはその選択肢の検討に入る。フィネガンは日本の政治状況をワークショップを通じてよく把握していて,麻生政権時代にこれを書いている。そのため、かなり、慎重になってはいる。今日も6時から経営会議なので,そろそろ終わりにしなければならない。


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海野 恵一
1948年1月14日生

学歴:東京大学経済学部卒業

スウィングバイ株式会社
代表取締役社長

アクセンチュア株式会社代表取締役(2001-2002)
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