2010年03月31日

日本経済不況の原因

昨日は「失われた10年からの教訓」の話で,日本,アメリカ,中国の話をした。日本は政治が相変わらず混乱しているが,世界は景気が激動している。昨今の日本 の報道は日本の政治に手一杯で,海外の動きには関心を持っていないようだ。さて、先週、海南島に行って来たが,南洋諸島に行ったみたいで,中国と言う感じ は全くなく,毎日食傷気味で,朝から晩まで,いそがしく,やっと夜遅くになってプールに行けたぐらいだった。ただ、ここのプールは監視員がいないので,溺 れても誰も助けてくれない。市の景色は下の写真通りだ。これが中国とは思えない。そうした中国らしい雰囲気も全く無い。

ただ少し前まではやくざと麻薬と売春の島だったのも事実で,かってはここの日本企業の工場長が殺害されたこともあった。いまはそう言ったことは無く,三亜の市内から2時間ほど行ったところに,博鰲(ボーアオ)と言う場所に大きな国際会議場がある。以前行ったことがあるが,ここは本当の田舎で,何でこんな田舎に国際会議場を作ったのかと言う感じのところだ。外国の要人はどうやって、そこに行くのだろうか。いつも疑問に思う。


http://www.kainantou.com/news.php?nowmenuid=56

さて、不動産の暴騰が今年から激しいが,現地では全くそう言ったことは感じられず,活気ある町がそこにあるだけだった。ただこうした海の風景はのんびりした海浜風景と書くのだろうが、ここ三亜はのんびりしたと言う感じは全くなく,中国どこにでもあるような,喧噪とした町であった。中国の雰囲気は殆ど感じないが。三亜の中心街はワイキキビーチ によく似ている。海岸と大きな道路を挟んで、建物が並んでいる。ワイキキビーチのようにホテルが並んでいるのではまだ無い。そのうちにそうなるだろう。

よく、中国はものすごく変化していると言われるが,毎月大連に行っているが,それほど感じないし,今回の海南島も全くそうしたことは感じなかった。ただ びっくりしたことが、五万数千円で,3泊4日で,5つ星のホテルで朝食付きであったことだ。午後便で,深夜着,朝5時出発でも飛行機は満杯。朝食もフルコースで,和洋中、全部あって,なんでもあると言う凄いものだったので,昼食は食べられなかった。そうした商魂は凄いものを感じた。部屋も一流で,イン ターネットも東京の会社と変わりがない。一方で,ビーチの前の安ホテルでは一泊300元(4,500円)だと言うのでびっくりだ。

現地には中国人の家族がいるので,観光とは言っても,大きな観音様を拝みに行ったり,市内から一時間ほど行った,亜龍湾の開発状況を見に行ったり、地元の旅館を見学したりしただけなので、面白くも何ともなかった。ただ不動産だけが政府の政策によって,暴騰していると言うのが現状だった。ということは政府の 役人はものすごく儲けたと言うことだ。そう言うのは相変わらずだ。我が家も中国人だが,残念ながら,そう言う恩恵にはあずかったことは無い。

中国にはこうした富裕層が急激に拡大して来ているので,会費50万円で,健康診断ツアーを企画しようとしているが,こうした背景があるから,応募 者が殺到するのは間違いない。日本人の感覚では考えられない一面もこの国は持っている。家族がこの国と一緒に生活しているので,私自身がなれてしまっているのだろうか。さて始めよう。日系だがアメリカ人が見た日本の不況の原因だ。






日本経済不況の原因

なぜ日本の経済はかって、世界の羨望の的であったが、このような厳しい時代になって来て、なぜ回復にそれほどの長い時間がかかってきてるのか?1985年から 2000年までの日本の経済危機を分析して来た9人の学者が6つの基本的な原因を認識して来た。

貯蓄に於ける余剰

日本は伝統的に極めて高い貯蓄率と比較的に低い消費率を維持して来た。回復と高速の成長の数十年の間に、この「貯蓄余剰」は銀行ローンの形で民間の産業にもっぱら必要な資本として供給された。この資金は日本の産業インフラを構築し、拡張するために利用され、世界クラスの製造力の地位を達成した。しかしながら、1990年代に「貯蓄余剰」はかって、高速の成長には書かせない燃料であったが、需要をひどく急落させ、日本の経済回復の重い障害物となり、重大な構造的な障害になった。

自由民主党と既得利害関係者集団

日本経済の保護された、非効率な領域を代表する利害関係者集団から支持されて来た自民党は日本経済の不調に寄与して来ただけでなく、日本の国が軌道に戻るのに必要な改革の実行を困難にして来た。自民党は権力の座に居続けることに焦点を置いて来たので、不良貸出債権の不吉な突出したもののような、広範囲に及 ぶ改革を実行したり、困難な問題に取り組んだりすることに気乗りしなかった。利害関係集団を支援する人たちとの自民党との協力体制は資金と票を提供し、改革の手段を襲い、希薄化するために、激しく議員に働きかけて来た。日本の資産デフレと流動性の罠の前例のない長さは大いに効率的で、長期的視点を持った政治的なリーダーシップの欠如によるものである。

流動性の罠:貨幣に対する需要の金利弾力性が無限大になり, マネーサプライを増加させても金利が低下しなくなる状態。流動性のわなとは利子率がゼロ近くまで下落すると投機的需要が無限に大きくなる、という現象をいう。




流動性のわなは、流動性選好説の重要な性質だ。利子率がほとんどゼロ近くまで下落すると、貨幣保有のコスト(もらえたはずの利息)もゼロになる。す ると、人々は資産を債券ではなく、すべて貨幣で保有しようとするので、投機的需要が無限に大きくなる。この現象を「流動性のわな」といい、投機的需要曲線やLM曲線のグラフは水平(勾配がゼロ)で表される。

ここでは、利子率が1%まで下がったところで「流動性のわな」にはまっている。この状態で貨幣供給量を増やしても、投機的需要が増えるだけで、金利水準 は低下しない。このとき、貨幣需要の利子弾力性は無限に大きくなり、取引的動機貨幣需要は無視できる状態になる。これを「貨幣需要が利子率に完全に弾力的である」という。こうした状況に陥っているときには、貨幣供給量を増やして金利を下げる金融政策は無効となる。 http://www.findai.com/yogow/w00362.htm

小泉首相は陳腐化した経済システムを改革するための明確な選挙民があたえた権限を持っていて、必要ではあるが政治的に痛みを伴う変化をやり遂げることができるかどうかはまだわからない。

政策の間違い

政治的な意思と効率的なリーダーシップの欠如は重大な政策の間違いをもたらす。以下のようなことだ。1997年の消費税率の引き上げ。これは回復の芽を摘んでしまった。不良貸出債権の処理に対して前代未聞の対応の鈍さ。そし て、プラザ合意の次に起こった急激な円の評価によるデフレ対策のための1985-1987年の金利削減に対する過度の依存。バブル,資産のデフレ,流動性の罠に対して,ただ,日本政治家とか政策策定者を責めるのはアンフェアであり,政策の間違いが問題を悪化させ、回復の過程を遅らせたと言うのが正しい。

プラザ合意:1985年9 月22日、G5(先進 5ヶ国蔵相・中央銀行総裁会 議)により発表された、為替レート安定化に関する合意。1970年代末期のようなドル危機の再発を恐れた先進国は、協調的なドル安を図ることで合意した。 とりわけ、アメリカの対日貿易赤字が顕著であったため、 実質的に円高ドル安に誘導する内容であった。

発表の翌日の1日 (24時間)で、ドル円レートは1ドル235円から約20円下落した。1年後にはドルの価値はほぼ 半減し、150円台で取引されるようになった。日本においては、急速な円高による『円高不況』が懸念されたため、低金利政策が継続的に採用された。この低金利政策が、不動産や株式への投機を加速させ、やがてバブル景気をもたらすこととなる。


1985年〜1988年までの為替レート(日次)。プラザ合意が行われてから数日間で、急激に円高が進行している。






この論文は小泉政権の2005年頃に書かれているようだが,先見の明で,確かに自民党が崩壊した。一方で,ここで言うように,「政治的な意思と効率的なリーダーシップの欠如は重大な政策の間違いをもたらす。」と言っているが、今の政権の方が既存権益の壊し方に,不安を覚える。普天間とか郵政の課題を見ていると悪い方向に変化していってしまうのではないかと言う危惧がある。

ここで言う日本の貯蓄率は今は高くなく,3.1%(2007年OECDデータベース)で、アメリカは米国商務省の統計雑誌 Survey of Current Business の08年7月号によれば、5%で日本より高くなっている。http://jp.fujitsu.com/group/fri/column/opinion/200808/2008-8-1.html

明日はこの続きで,さらに3つの課題を説明している。このように過去の論文を読んでいると,正鵠を得たものが多い。日本も確かに変化して来ているのは事実だ。その方向にグローバルな考え方をどう経営者が、そして為政者が入れ込んで行くのかが大きな課題だ。少なくとも今の政治はそれが後退していると言わざるを得ない。今日はここまで。


これより先はプライベートモードに設定されています。閲覧するには許可ユーザーでログインが必要です。



swingby_blog at 07:12コメント(0)トラックバック(0) 

トラックバックURL

コメントする

名前:
URL:
  情報を記憶: 評価:  顔   星
 
 
 
プロフィール

swingby_blog

プロフィール

海野 恵一
1948年1月14日生

学歴:東京大学経済学部卒業

スウィングバイ株式会社
代表取締役社長

アクセンチュア株式会社代表取締役(2001-2002)
Swingby 最新イベント情報
海野塾のイベントはFacebookのTeamSwingbyを参照ください。 またスウィングバイは以下のところに引っ越しました。 スウィングバイ株式会社 〒108-0023 東京都港区芝浦4丁目2−22東京ベイビュウ803号 Tel: 080-9558-4352 Fax: 03-3452-6690 E-mail: clyde.unno@swingby.jp Facebook: https://www.facebook.com/clyde.unno 海野塾: https://www.facebook.com TeamSwingby
講演・メディア出演

最新記事
月別アーカイブ
Recent Comments
記事検索
ご訪問者数
  • 今日:
  • 累計:

   ご訪問ありがとうございます。


社長ブログ ブログランキングへ
メールマガジン登録
最新のセミナー情報を配信します。
登録はこちらのフォームから↓