2010年08月29日

チャイナモデル3

昨日はグローバルリーダーシップ研究会があった。テーマは米中の気象変動で,会議は盛り上がった。何と,全部読んで来ている人もいた。15分しか早めに行けなかったので,早く来た参加者は暑い部屋で待ってもらうことになったのと,会社のインターネットが落ちていて,いつもSkypeで参加している布施さんを15分待たせることになってしまった。

議論の内容には事欠くことはなかったのと,今回の参加者は積極的に質問したので,研究会の内容としては良かったように思う。反省点は開催の15分前ではなく,遅くとも30分前には会社についている必要がある。部屋の冷房が効いて来ないのと,出す飲料が冷えない。それと今回のように設定がうまく出来ないこともある。結局,インターネットは繋がったが,プロジェクターから映すことが出来なかった。参加者に迷惑をかけてしまった。でもこの会は夢があって楽しい。来月が楽しみだ。参加者が夢を持って参加するからだ。


やっぱり、中国は不思議な国だ。一党独裁でありながら、資本主義だ。株式も国有企業が上場しているが,企業と上場を監督する立場はどこかで癒着しているはずだ。インサイダーと言うコンセプトのない国だ。談合もないだろう。だから、表と裏がある。それが奇妙にバランスしている。しかも、中央政府と地方政府は日本の関係とは全く違う。すんなりとした上下関係ではない。中央政府の指示が思うように地方政府を動かさないし,地方政府はさらに傘下の市とか企業との収賄 がらみのしがらみとその長い歴史がある。

そのように見ると脆いガラスの国家のようだが,こうしたことが昔から延々と続いている。中国の国家そのものの範囲が何千年も今のままだし,漢民族と言っているが南と北とでは異民族だ。その大部分が,歴史的に引きずってきている。今の共産主義体制とは言っても,皇帝の体制の一部は共通している。主義思想が違うだけかもしれない。そうであれば、この不安定に見える国家は意外と安定しているのかもしれない。そうした制度が合っていると言う意味で。

そうみてくると今の我々の資本主義とは違った制度が今後も続くと見ることが正しいのかもしれない。韓国が北朝鮮との統一を良く語るが,日本もそう見ている が,中国は北朝鮮は中国の一部と見ているかもしれない。意外と我々のもっている観念は我々だけのもので,中国には当てはまらないのかもしれない。そうした目線で,今回は見てほしい。

さて、今日のHalper氏はケンブリッジ大学政治学並びに国際研究シニアフェローだ。

Stefan Halper
提議者のオープニング・リマーク
The proposer's opening remarks
Aug 4th 2010 | Stefan Halper  

The Economistは挑戦的な提議を提出しているが、
これは不適当な内容だ。:中国の「モデル」が良いか悪いかではなく,それが違っている。その上,それはそれ自体「モデル」ではない。私の本の中で、「北京コンセンサス」は過去30年以上にわたる複雑な一連の開発と改革であり,彼等の成功は中国の文化,人口統計学,地理学、統治哲学の独自の属性によるものである。

The Economist poses a challenging motion, but it is miscast: the Chinese “model” is not better or worse, it is different. Moreover, it is not a “model” per se. In my book, “The Beijing Consensus”, I described it as a complex set of developments and reforms over the past 30 years that owe their success to the unique qualities of China’s culture, demography, geography and governing philosophies.

この意味で,ラテンアメリカやサブサハラン(サハラ砂漠の南)のアフリカのようなところに複製したり,輸出したりすることが出来ると言える「モデル」はない。

In this sense, there is no “model” to speak of that can be replicated or exported to places like Latin America or Sub-Saharan Africa.

このことは世界中の発展途上国ー そしてその他の諸国ー が中国の事例を綿密に従わないとか,特定のプログラムを複製しようとしないとかを提案しているのではない。イランから,ミャンマー、ベネズエラまでの国家が問題を解決するために中国の革新を盗んで来た。;たとえば、中国のインターネット監視のプロトコルは今ではイランで使われている。

This is not to suggest that developing countries—and others—around the world have not followed China’s example closely and attempted to replicate specific programmes. Nations from Iran to Myanmar to Venezuela have poached Chinese innovations to solve problems; parts of China’s internet-monitoring protocols, for example, are now found in Iran.

しかしながら、我々が見出している中国の本当の挑戦は膨大な30年の変革の基本を越えている。それはより単純なものを、より多くの人に訴えるものを、そして本当に,西欧の優越したものに対して痛烈に批判したものを輸出する。

It is beyond the nuts and bolts of its colossal 30-year transformation, however, that we find China’s true challenge. It exports something simpler, more appealing to many and indeed more corrosive to western pre-eminence.

これは市場独裁主義の基本的な考えだ。中国の事例の如何なる他の視点を越えて,そして、中国が世界に売っているもの以外のすべてを越えて,これは世界最大の屋外広告板として、「資本主義者になり、独裁的な体制には留まる」ために機能する。

This is the basic idea of market authoritarianism. Beyond any other aspect of China’s example, and beyond everything else that China sells to the world, it functions as the world’s largest billboard advertisement for “going capitalist and staying autocratic”.

重要なことは「開発モデル」をどうするかと言うことよりかは統治するものと統治されるものとの間の最適な関係について「思想の戦い」に勝つことである。「北京コンセンサス」の詳細については中国は価値と規準を促進していて,西側諸国の統治の基礎に挑戦し、「西側諸国を越えた世界」の中の統治するエリートに対して、大いに引きつけようとしている。

Its significance has less to do with “development models” and more to do with winning the “battle of ideas” about the optimum relationship between the rulers and the ruled. As detailed in “The Beijing Consensus”, China promotes values and norms that challenge the foundation of western governance and that hold great attraction for governing elites in the “world beyond the West”.

それは論争を巻き起こす議会とか挑戦するメディアの無い政治制度による指導者達の機関を約束し,そして、人々の雇用、住居、より良い将来を約束する。それが 証明するのは環境、労働条件、社会サービスの改善をー しばらくの間ー 脇に於いておいて,「猛烈な早さの成長」を提供するためである。極めて重要なことだが開かれたみんなの広場、自由討論の権利、信仰、団体は約束されない。 大衆は権力を尊敬するように求められ,政治活動と関わりを持たない。

It promises regime leaders authority without contentious legislatures or challenging media, and it promises the people employment, housing and a better future. It demonstrates that improving the environment, labour conditions and social services can be set aside—for a while—to accommodate “breakneck growth”. Crucially, it does not promise an open public square or the rights of free speech, belief, or association. The public is invited to respect the authorities and stay out of politics.

依然として,中国の達成したものはかなり大きい。中国は「第三世界」の国家であり,世界権力の頂点に上り詰めて来ていて、そして、驚くに値しないが,同じようなことをしようとして来ている諸国の羨望の的である。

第三世界 Third World:アジア、アフリカ、ラテンアメリカなどの発展途上国の総称。

Still, China’s achievements are significant. It is a “third world” nation that has risen to the pinnacle of world power and is, unsurprisingly, the envy of others seeking to do the same.

彼は「「北京コンセンサス」は過去30年以上にわたる複雑な一連の開発と改革であり」と言っているが,私は30年ではなく、3,000年ではないかと思っている。Helper氏はチャイナモデルは開発モデルではない。といっていて、これは「主義」だと言っている。それを第三世界に広めようとしていると言っている。中国が世界の覇権をとろうとそれを視野に入れて来た。あとはアメリカを抜くだけだ。そうした視点から,中国が次の狙いは西部大開発で,文化だと明言した。世界の覇権は文化だと言うことだ。それは「主義」であり、単に独裁政権とか共産主義の普及ではなく,人材の教育だと考えている節がある。

それはまぎれもなく,シルクロードの再来であり,長安の再来を意識している。万博の中国館の135mの北宋のまき絵がそれを意図しているのではないか。中国の意図は日本が開発して来た技術の普及でもなければ,アメリカの言う民主主義の普及でもない。中国の長い歴史から編み出された新たな思想を持った成功モデルの普及であり,実証されたモデルである。そこにいま、第三世界の国家が関心を示して来ている。11月に行われるメキシコのCOP16は環境問題を討議するだけでなく,中国が彼等をリードしているかどうかを示す試金石でもある。そう考えてみると、中国はすごい国だ。今日はこれまで。



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swingby_blog at 07:16コメント(1)トラックバック(0) 

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1. Posted by すま   2010年09月01日 20:44
We are doing business in Myanmar - a isolated country, it's hard to find a web design firm in Myanmar, for your reference, finally we find this one, it's quite good.
ミャンマーもインターネット社会になりつつあります。

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海野 恵一
1948年1月14日生

学歴:東京大学経済学部卒業

スウィングバイ株式会社
代表取締役社長

アクセンチュア株式会社代表取締役(2001-2002)
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海野塾のイベントはFacebookのTeamSwingbyを参照ください。 またスウィングバイは以下のところに引っ越しました。 スウィングバイ株式会社 〒108-0023 東京都港区芝浦4丁目2−22東京ベイビュウ803号 Tel: 080-9558-4352 Fax: 03-3452-6690 E-mail: clyde.unno@swingby.jp Facebook: https://www.facebook.com/clyde.unno 海野塾: https://www.facebook.com TeamSwingby
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