2010年10月26日

オバマとビジネス21

昨日、第一法規の菊池さんから誤訳の報告があったので、掲載する。その通りで、trap in a cage(檻に閉じ込める)って言うよね。ありがとう。

「24日の、最初のところで”・・・ trapped on campus" を ”キャンパスで仕掛けられた”と訳されていますが ”キャンパスで詰まってしまっている(外に流れていかない)”ではないでしょうか?」
 
昨日から参加者の意見を翻訳しているが、内容のレベルが高いのでびっくりしている。それと同じアメリカ人であっても、こうしたことに対しての格差が大きい。一昨日の日曜日にスケートの仲間で、アメリカ人の高校生がいて、彼はアメリカンスクールに通っているのだが、この英文を見せたら、理解できると言っていた。来年はアメリカの大学に行くと言っていた。私の愚息と同年だが、彼はカナダに留学しているが、この文章は理解できない。それが普通だ。

普通は経済学を専攻していなければ、カーネギーメロン大学を卒業していても、このテーマでは議論できない。私の友人に、この大学を卒業した若い人がいるが、 こうした今回のテーマについてはディベートはできなかった。彼は毎日、新聞とかCNNを見ていると言っていたが、見ているだけのようだ。一般人はそうだ。 ましてや、日本人はこうした内容の記事に巡り会うことは滅多にないし、ましてや議論することはない。さらに、突っ込んで考える習慣が無いから、ディベートができるアメリカ人にあっても、会話にならない。

天気とか為替とかG20の話しかできない。でもその中での課題に突っ込めない。それでは信頼されない。昨日、帝人の森田順二代表取締役にお会いしたが、この話題が出た。このブログはそうした問題を解決しようとしている。愚妻に言わせると翻訳ばかりしていないで、もっと議論した方が良いのではないかと指摘さ れたが、多分それは来年の春からだろう。まだこのブログの参加者は私と同様に、アメリカの課題を勉強しているので、ディベートを日本人の中でしても深くならない。毎月研究会をしているが、だんだんレベルが上がって来ては入るが、まだそのレベルではない。あと半年だ。どうかな。

昨日は菊池さんが私の誤訳を指摘してくれたが、この一般参加者の意見は結構難しいので、また誤訳があったら、是非指摘してほしい。菊池さんは英語が先に来るようにしたおかげで、英語を先に読むようになったと言っている。たった、これだけのことで、大分違ってくる。日頃から英語に接している人でも、このディベートは難しい。考えないと行けないからだ。最近、NHKの英語ニュースも聞いているが、この内容は平易で理解しやすい。なぜかと言えば、日本語を英語に翻訳して話をしているからだ。聞く方が頭を使わなくてすむような内容だからだ。だから、英語の理解と欧米人との理解とはそうした意味で、全く違う。英語ができても全く理解できないと言うことだ。今日の内容もそうした意味で、難しい。

では今日も始めよう。

socrates2009 wrote:
Dear Sir,

The notion that the seizing up of business during this recession is a response to fears of increased government regulation is something ideology-based pundits say who either (1)are not running a business right now (2) work in the finance industry that brought us into this recession or (3) the oil and health insurance industries that made it worse.

この景気後退の間のビジネスの行き詰まりは増大した政府の規制に対する恐れに対しての反応であるとの考えはイデオロギーに基づいた専門家が言っていることであり,彼らは(1)今現在、ビジネスをしていないか、(2)我々を景気後退に陥れた金融産業で働いているか,もしくは(3)景気後退をさらに悪くした石油と健康保険産業で働いている人たちである。

This administration has not been on a regulatory-spree: new regulation coming out of Obama has been narrowly focused on the finance, healthcare, and oil industries, in response to legendary catastrophes in all three of them!

この政権は規制し放題ではなかった。:オバマ政権から出て来た新しい規制は金融,健康医療,石油産業に狭く焦点を当てていた。これらの3つの産業の伝説的な災難に応えて。

But to the point, be honest with yourselves: The overriding fear in my business and most others in the economy is not increased regulation but where the heck the demand is going to come from. Business uncertainty is driven by the fact that analysts are finally realizing that incomes in America have been flat for the past 20 years, spending has been falsely inflated by bolstering low incomes with enormous debt, and the palliative option of loosening credit to support a debt-fueled economy is off the table this time since that is what led to the crisis in the first place.

しかし、この点にあなた自身は正直でなければならない。:私のビジネスと経済に於ける他の多くの人々の最優先の懸念は増加した規制ではなくて、何たって、需要が発生してくるところだ。ビジネスの不確実性はアナリストが最終的に理解している事実によって進行していて、それはアメリカの収入が過去 20 年間増えて来ていない。巨大な債務を伴った低い収入を支えるために、支出は誤って膨張して来た。そして、借金漬けの経済を支える借り入れを和らげるための軽減策は当初、危機に導いて来たとき以来、提案されていない。

長い文章だが、ここでは本論で、議論したように、オバマ政権が州政府の支出を削減するための施策をしていないと言っているが、本論では景気刺激策でそんなことは無いとGeorge氏が反論していた。注

Our overdone fascination with finance as an academic discipline has driven our economic policy to a state of perpetual imbalance, where boosting real incomes must, at every decision-point, take a backseat to bolstering earnings per share reflected in the stockmarket. Is a new wave of deregulation going to solve that problem? No. A downsizing of the scale of government? That is positive in the long-term for unrelated reasons, but right now stimulus is the only thing preventing the bottom from falling out.

大学の学科としての我々の行き過ぎた、金融に対しての強い興味は経済政策を永続的に不均衡の状態にして来た。そこでは実収入を押し上げることは、それぞれの意思決定の場面で,株式市場に反映された一株あたりの利益の次にこなければならないと言って来ている。規制撤廃の新しい波がこの問題を解決しようとしているのか?ちがう。 政府の規模のダウンサイズか?このことは無関係な理由だが,長期的には明白だ。しかし、今現在、景気刺激策は大暴落するのを防止するだけだ。

ここで彼が言おうとしているのは失業率を改善する以前に、株式の大暴落をどう阻止するかで、手一杯だと言うとしている。注

I do wish some of us would deal with the economic consequences of the kinds of ideas we are proposing (or bashing).

我々の幾人かが我々が提案している(もしくは非難している)何種類かの考えの経済的な論理的な結論を扱うだろうことを私は希望する。

posted on 28/09/2010 22:05:35 pm Recommended (3)Report abuse

Sherbrooke wrote:
Nicole, I hate to tell you, but as of August 26th the 5-year CDS spread for Goldman was at 140 bp, while IBM was at 40. Both of these companies are A-rated.

Nicole, 私は言いたくないが、8月26日付けのGoldmanの5年もののCDSスプレッドは140bpだった。一方で,IBMは40bpだった。これらの双方の企業ともA評価である。

CDS:クレジット・デフォルト・スワップ (Credit default swap) とは、クレジットデリバティブの一種で、債権自体を移転することなく信用リスクのみを移転する取引である。最も取引が盛んなクレジットデリバティブのひと つ。ja.wikipedia.org/.../クレジット・デフォルト・スワップ

スプレッド:外国為替取引の為替レートには、買う値段(AskまたはOffer)、売る値段(Bid)が同時に提示される。買う値段、売る値段には差額がある。この差額をスプレッド(Spread)と言う。
例えば、ドル円を買う値段が110.55円、売る値段が110.50円のとき、スプレッドは5銭。この差額が取引の時のコストになるので、スプレッドは小さければ値動きの幅が小さくても利益になる。

例えばドルを110円55銭(Ask)で買った場合、Bidの値段が110円55銭になれば損益はゼロ。 Bidの値段が110円55銭より上がっていけば、その分すべて利益になる。ちなみにスプレッドが5銭なので、Bidの値段が110円55銭の時、 Askは110円60銭になっている。 www.fmsound.net › FX の基礎知識

bp: ベイシス・ポイント(basis point)の略。FXと国債(債券金利)などで、微妙に定義が違う。FX(外国為替証拠金取引)では、取引レートの最小刻み幅が1bpだ。これは 1pipsと書くほうが一般的 だ。(金利の方と誤解するので)金利の場合には、0.01%が1bpだ。「米国債とユーロ債の利回りの差が約200basis point(=約2.00%)」と書かれる。最低でも「ドル金利とユーロ金利の差が〜」「ドルとユーロの金利差が〜」と書かれるべきだ。
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1112581161

If you want to make an argument that US banks can borrow too cheaply too fast and thus distort marketplace, please bother to go to Bloomberg first and do your homework. You sound just like a kid who didn't study the night before and invents his own facts on the fly.

ア メリカの銀行があまりに安く、あまりに早く借りることが出来、それゆえに、市場を歪めることができるとあなたは議論したいのであれば、まず最初に Bloombergにわざわざ行って、宿題をしてください。あなたはまるで昨晩、勉強しなかった子供のようだ。そして、こっそりと、自分自身の事実をでっち上げている。

posted on 28/09/2010 21:57:41 pm Recommended (6)Report abuse

Gelinas女史は市場は統制せず、市場の秩序に自由に任せるべきだが、政府が介入していると言っていた。ここでは彼の意見はもしそうだとすれば、今の状況をもっと
Bloombergに行ってみてこいと言っている。この彼女の意見は10月21日にあるので、復習して欲しい。今日はこれまで。










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swingby_blog at 06:28コメント(2)トラックバック(0) 

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コメント一覧

1. Posted by IBMer   2010年10月29日 23:00
5 海野さん、

今晩、お世話になりました。IBMerです。
(最後に正面に座っていたものです。)
早速、Blogを拝見しております。
日本と中国の違い、米国から学ばないといけないことなどのご指摘は、とても有意義でした。どうもありがとうございました。
2. Posted by UNNO   2010年10月30日 07:19
ぜひ、今後ともこのブログの購読を続けてください。きっと仕事にプラスになると思います。

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海野 恵一
1948年1月14日生

学歴:東京大学経済学部卒業

スウィングバイ株式会社
代表取締役社長

アクセンチュア株式会社代表取締役(2001-2002)
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海野塾のイベントはFacebookのTeamSwingbyを参照ください。 またスウィングバイは以下のところに引っ越しました。 スウィングバイ株式会社 〒108-0023 東京都港区芝浦4丁目2−22東京ベイビュウ803号 Tel: 080-9558-4352 Fax: 03-3452-6690 E-mail: clyde.unno@swingby.jp Facebook: https://www.facebook.com/clyde.unno 海野塾: https://www.facebook.com TeamSwingby
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