2010年12月30日
失敗した大統領への途上2
昨日は某社の欧米人向けの上海研修の研修日程と研修資料を作成した。各予定の講師にはその旨のメールを出し、再度、仔細を書いて、お願いをした。フォーカスメディアの稽海荣副総裁が急遽、ご令嬢の手術で、日本に来ることとなり、彼の予定がだめになってしまったが、他の予定は確定できた。後はその日のためのテーマの整理がある。時間がまだあるので、ゆっくり考えよう。この正月はちょうど良かった。普通の日であったら、 とてもそんなことはできない。2月の日本人向けの大連研修のテーマとしても利用できそうだ。
こういう研修は予定表の表面的なものよりもその中身をどうするかが100倍難しい。予定を楽にしておかないと、議論が中途半端になってしまう。そうなると参加者はフラストレーションを起こしてしまう。しかも参加者は世界中から来るので、その文化の背景が違う。突っ込んだ議論になるので、それぞれの国の文化、習慣の違いだけでなく、歴史的な背景まででてくる。こうした議論は大事なことだ。日本の企業でこうした議論をしている企業は多分ないだろう。だから海外のトップが短期間で、止めてしまうのかもしれない。
来年からは秘書が永井から寺坂に代わるので、寺坂にとってみれば、ラッキーだ。この連休があるから、キャッチアップができる。なかったら、大変なことになっていただろう。来月は2度中国出張が重なる。13日からは上海研修、20日からは大連出張。2週間週末がつぶれてしまうので、気をつけないとばててしまう。
昨日の「失敗した大統領への途上」の最後のところの「この大統領は保守的な支配の30年の不幸な失敗から国家を指導しなければならない。」の続きだ。さて始めよう。
This requires beginning to reverse the perverse tax policies that have contributed to gilded-age inequality and starved the government of resources needed for vital investments. This demands correcting destabilizing global imbalances, laying a new foundation for reviving American manufacturing and shackling financial speculation. It means ensuring the United States leads rather than lags in the green industrial revolution.
このことは金持ちの世代の不平等に貢献して来た、そして、活力ある投資に必要な政府の資源を切望して来た、歪んだ税政策を元に戻し始めることを要求している。このことは不安定なグローバルな不均衡を是正し、アメリカの製造業を回復させ、金融投機に足かせをつけるための新たな基礎を提供することを要求している。それはアメリカ合衆国が環境の産業革命において、遅れを取るよりもリードすることを確実にすることを意味する。
And it requires unwinding the self-destructive military adventures abroad. The president must strengthen America's basic social contract in a global economy, not weaken it.
そして、それは自滅的な海外での軍事の冒険を止めることを要求している。大統領はグローバル経済においてアメリカの基本的な社会契約を強化しなければならないし、それを弱めてはならない。
社会契約説:17—18世紀のヨーロッパで展開された自然法的合理主義に基づく社会理論。理論の前提には個人の確立があり,平等な個人間の自由意志に基づく契約によって人間は自然状態から脱して国家を設立する,すなわち,平等な個人間の契約によって社会は成立すると主張。
kotobank.jp/word/社会契約説
This daunting project is not a matter of ambition or appetite - or even unconscious Kenyan socialism. It is the necessary function of a progressive president elected in the wake of calamitous conservative misrule. Every entrenched corporate and financial interest stands in the way; it is easier to take a less confrontational path. President Bill Clinton, for example, found it convenient to join in the conservative project of corporately defined trade, financial deregulation and social welfare constriction.
この困難なプロジェクトは野心でも欲望の問題でもない。ーもしくは無意識のケニヤの社会主義ですらない。それは不幸な保守的な失政の結果として選ばれた革新的な大統領の必要な役割だ。すべての自らを保身する企業並びに金融機関の利害が障害になっている。;より少ない衝突の道をとった方がより容易である。 例えば, Bill Clinton大統領は企業が定義した取引の保守的なプロジェクト、(すなわち)金融緩和、社会福祉の緊縮に加わることが便利だと言うことがわかった。
ケニヤはちなみに:ケニア人のバラク・オバマ・シニアとアン・ダナムの間に生まれたバラク・オバマがアメリカ合衆国初の黒人大統領に就任した。オバマはケニアでは育たず、過去に数回訪問した。両親は故人であるが祖母サラ・オバマは生存しており、彼女の元に世界中の10以上のメディアが押し寄せたそうである。ムワイ・キバキ大統領は、ジョン・マケイン候補が敗北を認めた直後に、「オバマ氏の勝利はケニアにとっての勝利でもある」と歓迎する声明を発表。さらに、祝意を表するため6日を国民の祝日にすると宣言した。オバマという姓はルオ族の姓であり、ヨーロッパ系の姓のみであった歴代アメリカ大統領の中に初のアフリカの独自の姓が現れたのである。ちなみにオバマの父はイギリス植民地時代に生まれ、オバマの母はイギリス人の血を引くためにオバマは大英帝国に関わりが深いアメリカ人である。ja.wikipedia.org/wiki/ケニア
アフリカ社会主義:古典的な社会主義とは別に、伝統的なアフリカの流儀で経済資源を共有するといった思想。1950年代と1960年代の多くのアフリカの政治家は、アフリカ社会主義に対する支持を明言する。この用語の定義と解釈は後に大幅な変化を見せる事となる。彼らの社会主義思想や要求は、単にアフリカ人である事が何であったかという精神を取り戻そうとしたものだった。しかし、アフリカ社会主義のプログラムの後の大部分の体制は、自足・ 繁栄・平等といった公約を果たす事が出来ず、その結果、多くの民衆はアフリカ社会主義に幻滅する事となった。www.weblio.jp/content/アフリカ社会主義
From NAFTA to the repeal of welfare and the failure of labor law reform, to deregulating derivatives and repealing Glass-Steagall, he got his agenda wrong. He was seduced far more by Wall Street's Robert Rubin than by Monica Lewinsky.
NAFTAから福祉の廃止そして労働法改革の失敗まで、デリバティブの規制緩和とGlass-Steagall法の廃止まで彼は彼の政治課題を間違って扱った。彼は Monica LewinskyよりもウォールストリートのRobert Rubinに遥かに誘惑された。
Robert Rubin:1995年から1999年までの財務長官。2007年にはシティグループの会長
Monica Lewinsky:1995年から1996年のBill Clintonの情婦。
Glass-Steagall法:1933 年に成立した米国銀行法。銀行の証券引受業務や株式の売買を禁止するなど、銀行業務と証券業務の分離を定めた4カ条を指すことが多い。世界大恐慌の反省か ら、預金者保護・銀行経営の健全性確保を目的として制定された。しかし、1999年のGLB法(グラム=リーチ=ブライリー法)によって、この銀行と証券 の分離条項は廃止された。http://ten-navi.com/fin/glossary/k/50.ph
10月20日のブログで、George氏の以下のくだりがあるので、引用する。
He recognised that the 2008 meltdown had destroyed trust in business and created an enormous gulf between Wall Street and Main Street. This required new rules and sounder oversight of financial institutions, leading to the passage of the Dodd-Frank bill. Mr Obama knew that major changes like these would incur opposition, but he was committed to solving these intractable problems, even at the expense of his popularity.
2008年の金融危機はビジネスに於ける信頼を破壊し,ウォールストリートとメインストリートとの間に大きな溝を作ってしまったと彼は認識した。このことは新しい規則とより健全な金融機関の監視、Dodd-Frank法案の成立に導くことが要求された。オバマ氏はこうした主要な変更が反対を引き起こすだろうことは 知っていたが、彼の人気を落としてでも、これらの扱いにくい問題を解決することにコミットした。
メインストリート Main Street:伝統的な価値観にしばられている普通の人々[社会]。S. Lewisの小説Main Street(1920)に描かれた米国の小都市から。
Dodd-Frank法案:大恐慌時代以来と言われる抜本的金融制度改革を目指す法案、Dodd-Frank Wall Street Reform and Consumer Protection Actが2010年7月21日に成立した。金融機関のアカウンタビリティーおよび透明性の改善によって金融制度の安定化を促進すること、大き過ぎて潰せな いという事態を回避すること、金融機関の救済による納税者負担増を回避すること、消費者を金融取引リスクから守ることなど、幅広い政策目標をもった法律。http://www.e- associates.co.jp/jp/magazine/backnumber/irgovernancenews152.html 」以上引用。
Now Obama faces the same challenge. This isn't about conventional politics. This is simply about the fate and future of our country. This president has a clear and imperative historic mandate. If he shirks it, he risks more than failing to get reelected. He risks a failed presidency.
現在、オバマは同じ挑戦に直面している。これは従来の政治ではない。これは完全に我が国の運命と将来についてだ。この大統領は明瞭で,威厳のある歴史的な選 挙民からの委任をもっている。もし彼がそれを回避するのであれば,彼は再選に対して失敗する以上のリスクがある。彼は失敗した大統領となる危険を冒している。
今日はここまで。明日は民主活動家で服役中の劉暁波氏のノーベル賞受賞についてだ。