2011年02月25日

アメリカとイスラエルの今後の関係

研修2日目も無事終了した。とんでもなく忙しい一日だった。

さて、これもThe Economistの記事だ。今アラブ諸国が荒れている。リビヤのカダフィ大佐も失脚した。あとは時間の問題だ。このことが中東の政治を大きく変えようとしている。その渦中に あるのが、唯一の民主主義国であるイスラエルだ。エジプト政府はイランの船のスエズ運河の運航を許可した。もうじき四面楚歌だ。一体どうなるのだろうか。 アメリカはどう対応するのだろうか。さて始めよう。

A marriage of inconvenience
What an Arab democratic spring will mean for America’s relations with the Jewish state
Lexington
Feb 10th 2011 | from PRINT EDITION
不都合な結婚
アラブの民主化の春はユダヤ人の国家とアメリカとの関係にとって何を意味するのか?

BRITAIN’S is based on history and showing its age. Geography dictates that Canada’s and Mexico’s will stay strong. Saudi Arabia’s will endure as long as America needs to buy its oil. The one with Hosni Mubarak (though not the one with Egypt itself) was dropped like a hot potato once the protests began.

イギリスとの関係は過去の歴史に基づいているし、 年代が証明している。地理が示しているのは、カナダとメキシコの関係は強いままだろう。サウジアラビアとの関係はアメリカがその石油を買う必要がある限り持続するだろう。 Hosni Mubarakとの関係は(エジプト自体との関係ではないが)その抗議が始まってから、ホットポテト(厄介な問題)のように関係が絶たれた。

America, in short, is both promiscuous and flighty when it comes to “special” relationships. One of the most fascinating is its long-standing fling with Israel. What, exactly, does America see in the Jewish state? And is the relationship in danger from the wind of change rattling Egypt and the wider Arab world?

手短かに言えば、 アメリカはそれが「特別な」関係になる時は行き当たりばったりで、気まぐれだ。もっとも興味をそそる関係の一つはイスラエルとの長く持続した火遊びだ。まさに、アメリカはユダヤ人の国の中に何を見ているのか?そして、この関係はエジプトとさらに広範囲のアラブの世界をガタガタさせている変化の風からの危険が迫って来ていないか?

These questions are best tackled in reverse order. It is easy to see why an Arab democratic spring might chill relations between America and Israel. The peace between Israel and Egypt was made between leaders, not peoples.

これらの疑問は逆の順番で取り組むのがベストだ。なぜアラブの民主化の春がアメリカとイスラ エルとの関係を冷めさせるかも知れないと考える方が容易だ。イスラエルとエジプトとの和平は指導者間でなされたのであって、その国民とではなかった。

That hardly mattered when the people of Egypt, like other Arabs, had no voice. But it will matter once they find one. Right now, the demonstrators in Tahrir Square are demanding their own freedom, not Palestine’s. But the statelessness of the Palestinians remains the great unifying cause of the Arab world. So even Israelis acknowledge that if Arab leaders have in future to respond to the wishes of their people they will become more hostile to Israel—and, by extension, to Israel’s American paramour. In that case, if America’s relationship with Israel was a marriage of convenience, like the one it has just annulled with Mr Mubarak, America might begin to see the case for a divorce, or at least some separation.

エジプトの国民は 他のアラブ諸国のように発言権がなかった時はそれは殆ど問題はなかった。 しかし、ひとたび彼等がそれを見いだしたとなると、問題が起こるだろう。たった今、タリール広場のデモの人たちは彼等自身の自由を要求している。パレスチナ人の自由ではない。しかし、パレスチナ人の国家がないことはアラブ諸国の大きな一体化の原因となっている。だから、イスラエル人でさえ、アラブの指導者達が将来、彼等の国民の願いに応えなければならないのであれば、彼等はイスラエルに対してー そして、延長線上で考えてみれば、イスラエルの愛人アメリカに対して、より敵対するようになることは認識している。そうした場合にはイスラエルとアメリ カの関係は好都合な結婚であったならば、まさにムバラクとの関係が取り消されたように、アメリカは離婚のための事態を考え始めたかもしれない。もしくは少なくとも、何らかの別居を。

パレスチナ人:シオニズムに基づいた欧米からのユダヤ人の再入植活動が本格化する以前からこの地域に居住していたアラブ人を指す。東ローマ帝国治下のユダヤ人やサマリア人などの子孫がアラブ人の征服に依りイスラムに改宗、言語的にアラブ化したのがパレスチナ人の起源である。ローマ帝国による征服以来、パレスチナは大国の版図内に組み込まれ続けており、また3大陸の結節点に位置する交通の要衝として人の往来や戦役も多く、さまざまな民族と混血している。現 在、パレスチナに在住するパレスチナ人は約400万人、ヨルダン在住の難民が300万人、その他の国への移民や難民を含めると約940万人であるといわれる。ja.wikipedia.org/wiki/パレスチナ人

But, of course, America’s attachment to Israel is not a marriage of convenience. It looks a lot more like true love. Listen to all the sweet talk, for a start. Even Barack Obama, who in his desire to mend America’s relations with Islam has been tougher on Israel than many presidents, goes misty-eyed when he harps on the “special relationship”. It is founded, he says, on “shared values, deep and interwoven connections, and mutual interests”. And the billing and cooing is the least of the evidence. The strongest proof of America’s feelings for Israel is all the inconvenience America puts up with for the relationship’s sake.

しかし、勿論、アメリカのイスラエルへの愛情は好都合の結婚ではない。それは真の愛のようにもっとずっと深いようだ。まず第一に、そのすべての甘い言葉を聞いてみよう。バラクオバマでさえ、イスラムとアメリカとの関係を修復しようとする彼の願望の中で、多くの大統領よりもイスラエルに厳しい態度で臨んで来ているが、彼が 「特別な関係」をくどくどと何度も繰り返すうちに感傷的になっている。彼が言うのはその関係は「共通の価値観、深く、そして、複雑に絡み合った関係、そして相互の利害関係」の上に築かれている。愛をささやきあうのはその証拠の序の口に過ぎない。イスラエルに対するアメリカの感情の最も強い証拠はアメリカがこの関係のために我慢しているすべての不都合だ。

Some American friends of Israel argue gamely that Israel is a strategic asset to the superpower, a doughty democracy that provides intelligence, high technology, storage for American weapons and so forth. But that was an easier argument to make during the cold war. More recently, the benefits have been eclipsed by the costs. These range from the billions American taxpayers give Israel and Egypt to underwrite the 1979 peace, to all the resentment America’s Muslim allies harbour towards the superpower for being soft on the oppressor of the Palestinians. Its help to Israel may not be al-Qaeda’s main grievance against America, but in the war on terror this past decade Israel has surely been more of a liability than an asset in the contest for hearts and minds.

幾人かのイスラエルのアメリカ人の友人はイスラエルは超大国に対して戦略的な資産であり、諜報、高い技術、アメリカの武器の貯蔵などを提供している勇敢な民主主義国家だと果敢に言っている。しかし、それは冷戦時代にはより議論しやすかった。最近になって、費用が利益を凌いで来ている。これらの一連の事は数多くのアメリカの納税者達がエジプトとイスラエルに1979年 に平和を承諾させたことから、アメリカのイスラム同盟国がパレスチナ人の抑圧者に優しくするために超大国に向けたすべての敵意にまで多岐にわたっている。 イスラエルに対するその援助はアメリカに対するアルカイダの主要な不満ではないかもしれないが、テロの戦争の中ではこの過去の10年間、イスラエルはこの戦争に於いて、心の中では資産よりも明らかに、一層多くの債務であった。

今日はここまで。イスラエルはこれから大変だ。どうなるのだろうか。明日も続く。ではまた明日。研修は今日は旅順で,山場だ。



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swingby_blog at 06:48コメント(1)トラックバック(0) 

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コメント一覧

1. Posted by qq   2011年02月25日 08:51
偶に海野社長のブログを見ています、内容は確かに難しく理解できない。そこで、一点だけ気になるのは人の名前が多々掲載されているのですが、その個人様の気持ちあるいは許可は取られているのでしょうか?

許可はとっていませんが、書いても良いだろうと言う人の名前は書いています。書かないでくれという会社もあるので,その際には書いたあとで,消去しています。

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海野 恵一
1948年1月14日生

学歴:東京大学経済学部卒業

スウィングバイ株式会社
代表取締役社長

アクセンチュア株式会社代表取締役(2001-2002)
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