2011年10月07日

トルコとシリア

今日は福井元ルーマニアの大使と会食した。彼は35年前にスタンフォードのMBAをとっていて、その同窓会が来週あるそうだ。 羨ましい限りだが、もうそろそろ引退している人が過半数だろう。そうなると現役の人脈もあまりなさそうだが、昔の仲間がこうしていることは貴重だ。彼は中国に関心があると言うので、昨日説明してあげた。

さて、昨日は、国連の常任理事会があって、シリアへの制裁がロシアと中国の拒否権によって、否決された。リビアの仕返しだと言うことだが、これによって、シリアへの制裁が国連を通じて出来なくなってしまった。今日はそのシリアに対してトルコがどう動いているのかの記事だ。複雑に入り組んだ、このシリアのアラブの背景を勉強しよ う。では早速この記事を見てみよう。これはタイムの記事だ。

Why Turkey Holds the Key to the Regional Power Game on Syria
なぜトルコがシリアの地域の権力競争の鍵を握っているのか。
Posted by Tony Karon Monday, August 15, 2011 at 1:26 am

People take part in a demonstration gathering activists, including Syrians living in Turkey, opposed to Syria's regime of President Bashar al-Assad on August 7, 2011 in front of the Syrian consulate in Istanbul. (Photo: Bulent Kilic / AFP / Getty Images)

人々が活動家を集めてデモに参加していて,トルコに住んでいるシリア人もいて、イスタンブールのシリアの領事館の前で,2011年8月7日にバシャールアルアサド大統領のシリアの体制に反対している。

As the Assad regime on Sunday escalated its brutal crackdown by sending gunboats to shell the coastal city of Latakia, yet the rebellion shows no sign of abating despite at least 1,700 deaths so far, Syria's fate may come to rest less in the hands of its own people, than in the corridors of power in neighboring and more distant capitals.

 

日曜日にアサド政権はラタキアの海沿いの都市を砲撃するために砲艦を送り込んで,残忍な取り締まりへとエスカレートしていて、反乱は今までに1,700人の 死にも拘らず、衰える兆候を示していないけれども、シリアの運命は近隣やもっと遠くの諸国の一連の権力よりも自国の人々の手中にはあまりゆだねられていないのかもしれない。

 

If all politics is local, all geopolitics is inevitably regional, civil conflicts often echoing conflicts among a country's neighbors and requiring that those conflicts be addressed. The U.S. won't leave behind a modicum of stability in Afghanistan unless India, Pakistan, Iran and Russia can  agree on rules for managing Afghan conflicts; failing that, those countries will pursue their interests through local proxies in a civil war -- as some of them are already doing.

 

すべての政治問題が現地にあるのであれば、すべての地政学は必然的に地域の国内紛争であり、それはしばしば国家の近隣諸国の間との紛争に反響し,そしてこう した紛争が問題を解決しようとして取り組まれることを要求している。もし、インド,パ キスタン,イラン,そしてロシアがアフガン紛争を管理する規則に合意することができないのであれば,アメリカはアフガニスタンで,少しばかりの安定を残して去る事はしないだろう。;その事に失敗するとこうした国々は内戦の中で現地の代理人を通じて彼等の利益を追求するだろう。ー幾つかの国家は既にやっているように。

 

Iraq, too, is already a proxy battleground for regional hegemons Iran and Saudi Arabia, and avoiding a full-blown civil war when the U.S. departs is a regional challenge. The same logic applies increasingly to Syria, whose uprising has made it the focus of a complicated regional power game involving not only the usual suspects -- Iran and Saudi Arabia -- but also Turkey.

 

イラクもまた,既に地域の覇権国であるイランやサウジアラビアのための代理戦場であり,そして、アメリカが立ち去った時、本格的な内戦を避ける事が地域の課題である。同じ論理がシリアにますます、適用される。そこの暴動は通常の容疑者ー イランやサウジアラビアー のみならず、トルコも含めた複雑な地域権力の競争に焦点を当てて来ている。

 

Turkey and Iran are Syria's key foreign allies, but they have very different relationships with Damascus -- Tehran's being a long-established strategic alliance, while Ankara's is based on having lately emerged as the key source of trade and investment critical to Syria's prospects -- and very different ideas on how the Assad regime should deal with the political crisis. And even while Turkey has distanced itself from the U.S. strategy of isolating and pressuring Iran over its nuclear program, Tehran and Ankara are also rivals for influence in the wider Middle East.

 

トルコとイランはシリアの主要な外国の同盟国であるが、彼等はダマスカスと極めて異なった関係を持っていて,ー テヘラン(イランの首都)とは長く確立した同盟国であり,一方で,アンカラはシリアの繁栄にとって極めて重要な貿易と投資の主要な源泉として最近出現して来 た事がその基礎となっている。ー そして、アサド政権がこの政治的危機をどのように扱うべきか関しては極めて異なった考え方を持っている。そしてトルコがアメリカのイランの核プログラムに 対して孤立化させ,圧力をかけている戦略から距離を置いて来ているけれども、テヘランとアンカラはまた,より広範囲の中東に於ける影響力に対して競争相手でもある。

 

Saudi Arabia is also a substantial patron of the Assad regime, and no fan of Arab democracy in principle, but it would dearly love to move Syria out of Iran's strategic orbit. Viewed from that perspective, there's no contradiction between Riyadh authoring a harsh crackdown on democracy protests in Bahrain, and then condemning Assad's own crackdown: Bahrain's protestors were Shi'ites, after all, and therefore deemed by the Saudis to be illegitimate claimants of political power and a proxy for Iran; Syria's protestors are Sunnis, like the Saudis themselves, while the Assad regime is based on the Allawite minority, a spin-off of Shi'ism.

 

サウジアラビアはまた、アサド政権の強固な後援者で,原則として,アラブ民主化のファンではないが、シリアをイランの戦略的な軌道から必死にはなさせようとしているようだ。その見方からすると、リヤドがバーレーンに於ける民主化の抗議運動に対しての苛酷な取り締まり行っている事と,そして、それからアサド自身の取り締まりを非難していることとの間には矛盾はない。:バーレーンの抗議者達はシーア派であり,結局、そして、それ故に、サウジによって正当性の無い政治権力の要求者たちであり、イランの代理人だと見なされている。;シリアの抗議者達はサウジ自身と同様のスンニ派であり,一方で,アサド政権はシーア派から 分派したアラワイトの少数派が基盤になっている。


ややっこしいが、サウジはスンニ派で、バーレーンの抗議運動はシーア派なので弾圧し、シリアの抗議者達はスンニ派なので、アサドの弾圧を非難している。だから、イランはシーア派と言うことになる。注


Turkey, of course, is in neither camp, basing its foreign policy on the principle of resolving conflicts by integrating all key players into new and more equitable arrangements that take into account the vital interests of all stakeholders to ensure stability.


トルコは勿論,陣営のグループの中だけではなく,安定性を確実にするためにすべての利害関係者の重大利益を考慮した、新しくかつより公正な取り決めの中にすべての主要なプレーヤーを統合することによって、紛争を解決する原則に基づいて外国政策を作り上げている。


この長たらしい文章で今日は終わりだが、トルコ、イラン、サウジの3つどもえの紛争になっていて、そこにイスラム宗派が絡んでいて、複雑な様相を呈している。アメリカはアフガニスタンの教訓があるから、リビア同様に、容易にこの国内に踏み込めない。イスラム教徒の背後のアルカイダを警戒している。ところで、このイランの核プログラムの話が出て来ていたが、トルコは最近、アメリカの要請で NATO・北大西洋条約機構の防衛システムの1部としてレーダーの配置を受け入れている。ますます複雑怪奇だ。今日はこれまで。





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海野 恵一
1948年1月14日生

学歴:東京大学経済学部卒業

スウィングバイ株式会社
代表取締役社長

アクセンチュア株式会社代表取締役(2001-2002)
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海野塾のイベントはFacebookのTeamSwingbyを参照ください。 またスウィングバイは以下のところに引っ越しました。 スウィングバイ株式会社 〒108-0023 東京都港区芝浦4丁目2−22東京ベイビュウ803号 Tel: 080-9558-4352 Fax: 03-3452-6690 E-mail: clyde.unno@swingby.jp Facebook: https://www.facebook.com/clyde.unno 海野塾: https://www.facebook.com TeamSwingby
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