2011年11月01日
アメリカの7つの経済の間違い2
昨日に引き続き今日もアメリカの経済問題を扱う。この記事を書いているのはRobert Reichで、バークレーのカリフォルニア大学の公共政策の教授だから、まともな人だ。それでも、こうして、彼が言っていることは政治的に左右されていて、経済から見ると、正しくないこともある。今日の内容の中の「社会保障制度はポンジスキームだ。」と言う論理は間違っていない。この論理は正しいが、そう言ってしまうと政府を真っ向から批判することになる。大統領候補の共和党のリックペリーはそう言ってのけたが、非難ごうごうだ。メディケアとメディケイドの議論も微妙だ。彼の意見はオバマを支持した意見だ。こじつけ的なところがある。
そうしてみて行くと、彼の言っていることが間違いだと言うのではなく、経済だけで物を言うと間違いで、政治がそこに絡んで来ていると言うことだ。そうした背景をきちんと見て行かないと、立派な肩書きの人が言っていることが正しいと言う判断をしてしまうと間違えてしまう可能性がある。この記事はそうした背景を踏まえながら、慎重に読む記事としては良い内容だ。では今日も彼の意見を見てみよう。
その通りだ。今増税したら、元も子もないし、赤字を削減したら、その手段によっては、さらに景気を沈滞させてしまうかもしれない。菅さんの消費税論議と一緒だ。注
メディケア:65歳以上の老人や身体障害者などに対する医療保険制度
エンタイトルメント(政府の給付, 社会保護, Medicare, Medicaid, フードスタンプ, 農業補助金など)の費用はいずれにしても抑えなければならない。財政赤字の要因であることは間違いない。ここで言っているのはメディケアとメディケイドのやり方を変えれば、赤字は増えないと言っている。
今まで強制保険の対象でなかった3,200万人に対するオバマの健康保険医療法案によって薬品会社や病院は儲けようとしている。彼はそこを管理すれば、コストは抑えられるはずだと言っている。果たしてそうだろうか。
こうした法案は赤字を増やすことは間違いない。ここで言っているのはそうしたやり方を改善すれば赤字の影響は抑えることができると言っているがそうはならないのが世の常だ。製薬企業にしても病院にしてもこの法案を機会にもうけようとしている事は事実だ。政治家の思惑通りにはいかない。注
ポンジスキーム:ネズミ講。米国のネズミ講の創始者Charles Ponziから。
こうしたことを言ったのは副大統領のバイデンだ。しかし、米大統領選の共和党候補指名を争うテキサス州知事のリック・ペリー氏は、連邦政府の社会保障制度 (Social Security)を“Ponzi scheme”と批判して最近、物議をかもしている。
ねずみ講とは詐欺的な投資事業のことである。組織が稼いだ実際の利益ではなく、投資家自身のお金や、後か ら加わった投資家が支払ったお金で、それぞれの投資家に配当している。社会保障制度は「ねずみ講」だとペリーは言っている。受給者は、自分の支払ったお金が運用されて得られた収益を受け取っているのではない。今給付されているお金は、現在の収益(現在の出資者)から集めたものだ。と言うのである。
ねずみ講と社会保障制度の比較を最初に行ったのは、新ケインズ主義者でノーベル賞受賞者のポール・A・サミュエルソン氏である。1967年の『ニューズウィーク』誌のコラムで、社会保障制度を擁護したサミュエルソン氏は、こんな見解を述べている。
成長する国家とは、かつて構想された中で最も壮大なねずみ講である。これは事実であり、パラドックスではない。と言っている。ここでこのポンジスキームを否定しているのは政府の立場としてはそうかもしれない。
この課題は日本でも同じで,社保庁がずさんな記録をしていて、今後高齢社会になって来たら,給付年齢の引き上げとか給付金自体の減額の問題が出てくる。そのため日本ではこうした費用を支払わない若い人たちが増加している。アメリカでは高齢化社会は来ないからそうした心配なないはずだが、そのシステムはペリーが言うようにポンジスキームかもしれない。注
その通りだ。注
歴史を通じて,煽動政治家は大きな嘘が頻繁に繰り返され,信じられ始めている事を知って来ている。ー もし彼等が反論されないのであれば。これらの7つの経済の嘘が単なる明らかな間違いだ。あなたが真実を知っているかどうか確かめてくれ。ー そしてそれを広めてくれ。
とかれは言っているが、彼こそが煽動政治家であり、社会保障制度のように、何度も言っていると国民もそれを信じてしまい、国民をだましてしまう。エンタイトルメントの費用は正しいが、今のように景気が悪い時期にその費用は正しくない。注
Robert Reichはバークレーのカリフォルニア大学の公共政策の教授だ。彼は3つの政権に仕えて来た。最も最近はビルクリントン大統領での労働長官として。彼は12冊の本を書いていて,「ザ・ワーク・オブ・ネーションズ—21世紀資本主義のイメージ」、「内閣に閉じ込められて」そして彼の最新作「超資本主義」がある。彼の「市場」解説はpublicradio.comや iTunesに見つけることができる。
そういうことだ。今日はこれまでだが、彼が今日のテーマで言っていることはオバマ政権を支持している立場で物を言っている。その背景も私のコメントをよく読んで、きちんと理解してほしい。こ のように見てくるとアメリカの政治家も日本の政治家と似たり寄ったりで,結構ひどいことを言っている。こうした意見が国民に受けいれられたりしている事が理解出来ない。経済にある程度の造詣が無いとそうかと思ってしまう。日本も政治家は善人が国民に受ける傾向にあるが,すぐにその政策を批判して政権交代させてしまう。だからいつまでも対外的な政策はTPPのようにほったらかしになったままになってしまう。だから今の日本の政治家は海外での発言力もないし、そのスキルも持っていない。日本もアメリカも政治が混迷している。ではまた明日。
そうしてみて行くと、彼の言っていることが間違いだと言うのではなく、経済だけで物を言うと間違いで、政治がそこに絡んで来ていると言うことだ。そうした背景をきちんと見て行かないと、立派な肩書きの人が言っていることが正しいと言う判断をしてしまうと間違えてしまう可能性がある。この記事はそうした背景を踏まえながら、慎重に読む記事としては良い内容だ。では今日も彼の意見を見てみよう。
- Cutting the budget deficit now is more important than boosting the economy. Untrue. With so many Americans out of work, budget cuts now will shrink the economy. They’ll increase unemployment and reduce tax revenues. That will worsen the ratio of the debt to the total economy. The first priority must be getting jobs and growth back by boosting the economy. Only then, when jobs and growth are returning vigorously, should we turn to cutting the deficit.
その通りだ。今増税したら、元も子もないし、赤字を削減したら、その手段によっては、さらに景気を沈滞させてしまうかもしれない。菅さんの消費税論議と一緒だ。注
- Medicare and Medicaid are the major drivers of budget deficits. Wrong. Medicare and Medicaid spending is rising quickly, to be sure. But that’s because the nation’s health-care costs are rising so fast. One of the best ways of slowing these costs is to use Medicare and Medicaid’s bargaining power over drug companies and hospitals to reduce costs, and to move from a fee-for-service system to a fee-for-healthy outcomes system. And since Medicare has far lower administrative costs than private health insurers, we should make Medicare available to everyone.
メディケア:65歳以上の老人や身体障害者などに対する医療保険制度
エンタイトルメント(政府の給付, 社会保護, Medicare, Medicaid, フードスタンプ, 農業補助金など)の費用はいずれにしても抑えなければならない。財政赤字の要因であることは間違いない。ここで言っているのはメディケアとメディケイドのやり方を変えれば、赤字は増えないと言っている。
今まで強制保険の対象でなかった3,200万人に対するオバマの健康保険医療法案によって薬品会社や病院は儲けようとしている。彼はそこを管理すれば、コストは抑えられるはずだと言っている。果たしてそうだろうか。
こうした法案は赤字を増やすことは間違いない。ここで言っているのはそうしたやり方を改善すれば赤字の影響は抑えることができると言っているがそうはならないのが世の常だ。製薬企業にしても病院にしてもこの法案を機会にもうけようとしている事は事実だ。政治家の思惑通りにはいかない。注
- Social Security is a Ponzi scheme. Don’t believe it. Social Security is solvent for the next 26 years. It could be solvent for the next century if we raised the ceiling on income subject to the Social Security payroll tax. That ceiling is now $106,800.
ポンジスキーム:ネズミ講。米国のネズミ講の創始者Charles Ponziから。
こうしたことを言ったのは副大統領のバイデンだ。しかし、米大統領選の共和党候補指名を争うテキサス州知事のリック・ペリー氏は、連邦政府の社会保障制度 (Social Security)を“Ponzi scheme”と批判して最近、物議をかもしている。
ねずみ講とは詐欺的な投資事業のことである。組織が稼いだ実際の利益ではなく、投資家自身のお金や、後か ら加わった投資家が支払ったお金で、それぞれの投資家に配当している。社会保障制度は「ねずみ講」だとペリーは言っている。受給者は、自分の支払ったお金が運用されて得られた収益を受け取っているのではない。今給付されているお金は、現在の収益(現在の出資者)から集めたものだ。と言うのである。
ねずみ講と社会保障制度の比較を最初に行ったのは、新ケインズ主義者でノーベル賞受賞者のポール・A・サミュエルソン氏である。1967年の『ニューズウィーク』誌のコラムで、社会保障制度を擁護したサミュエルソン氏は、こんな見解を述べている。
成長する国家とは、かつて構想された中で最も壮大なねずみ講である。これは事実であり、パラドックスではない。と言っている。ここでこのポンジスキームを否定しているのは政府の立場としてはそうかもしれない。
この課題は日本でも同じで,社保庁がずさんな記録をしていて、今後高齢社会になって来たら,給付年齢の引き上げとか給付金自体の減額の問題が出てくる。そのため日本ではこうした費用を支払わない若い人たちが増加している。アメリカでは高齢化社会は来ないからそうした心配なないはずだが、そのシステムはペリーが言うようにポンジスキームかもしれない。注
- It’s unfair that lower-income Americans don’t pay income tax. Wrong. There’s nothing unfair about it. Lower-income Americans pay out a larger share of their paychecks in payroll taxes, sales taxes, user fees, and tolls than everyone else.
その通りだ。注
Demagogues through history have known that big lies, repeated often enough, start being believed — unless they’re rebutted. These seven economic whoppers are just plain wrong. Make sure you know the truth – and spread it on.
歴史を通じて,煽動政治家は大きな嘘が頻繁に繰り返され,信じられ始めている事を知って来ている。ー もし彼等が反論されないのであれば。これらの7つの経済の嘘が単なる明らかな間違いだ。あなたが真実を知っているかどうか確かめてくれ。ー そしてそれを広めてくれ。
とかれは言っているが、彼こそが煽動政治家であり、社会保障制度のように、何度も言っていると国民もそれを信じてしまい、国民をだましてしまう。エンタイトルメントの費用は正しいが、今のように景気が悪い時期にその費用は正しくない。注
Robert Reichはバークレーのカリフォルニア大学の公共政策の教授だ。彼は3つの政権に仕えて来た。最も最近はビルクリントン大統領での労働長官として。彼は12冊の本を書いていて,「ザ・ワーク・オブ・ネーションズ—21世紀資本主義のイメージ」、「内閣に閉じ込められて」そして彼の最新作「超資本主義」がある。彼の「市場」解説はpublicradio.comや iTunesに見つけることができる。
そういうことだ。今日はこれまでだが、彼が今日のテーマで言っていることはオバマ政権を支持している立場で物を言っている。その背景も私のコメントをよく読んで、きちんと理解してほしい。こ のように見てくるとアメリカの政治家も日本の政治家と似たり寄ったりで,結構ひどいことを言っている。こうした意見が国民に受けいれられたりしている事が理解出来ない。経済にある程度の造詣が無いとそうかと思ってしまう。日本も政治家は善人が国民に受ける傾向にあるが,すぐにその政策を批判して政権交代させてしまう。だからいつまでも対外的な政策はTPPのようにほったらかしになったままになってしまう。だから今の日本の政治家は海外での発言力もないし、そのスキルも持っていない。日本もアメリカも政治が混迷している。ではまた明日。