2012年04月25日

オリンパスのCEOの辞任

今日から数日間はダイバーシティの例として、オリンパスの例をとって日本人の外国人に対する対応を検証する。そろそろビジネスで、グローバリゼーション研修が始まるのでそうした題材を記事にしている。ところで、日本人が欧米の会議とかパーティに参加していない記事が見つからない。そもそも欧米の人は日本人を気にしていないのかもしれない。それも問題だ。さて、今日の記事はニューヨークタイムズからだ。

Former Olympus C.E.O. Resigns as Company Director 
HIROKO TABUCHI 
December 1, 2011
前任のオリンパスのCEOはこの企業の役員を辞任する。 

In a bid to sweep away the old guard and salvage Olympus from a damaging accounting scandal, Michael C. Woodford, its ousted president, said that he would resign from the company’s board and work with supportive shareholders to plan an eventual return to his former job. 

守旧派を追い出し,被害を出した経理スキャンダルからオリンパスを救出することを目指して,Michael C. Woodfordは追放された社長だが,彼はその企業の役員を辞め、最終的に彼の前職に戻るために支持してくれている株主と一緒に取り組むと言った。

 Mr. Woodford, who was fired by Olympus in mid-October after raising questions about a series of irregular acquisition payouts, said Wednesday that he would join with shareholders to pressure the company into calling an extraordinary shareholders’ meeting as soon as February — and suggest his own set of “untainted” candidates for a new company board. The former executive now faces a battle against the current Olympus president, Shuichi Takayama, to see who can garner more shareholder support. 

Woodford氏は一連の不正な企業買収の支払いに疑義を呈した後、10月半ばにオリンパスを解雇されたが,彼は2月になり次第、臨時株主総会を招集して,株主とともにこの企業に圧力をかけるだろうと水曜日に語った。ーそして、新しい企業の取締役会に彼自身の「不正に染まっていない」候補者達を提案すると。この以前の経営者は現在、誰がより株主の支援を集めることが出きるかを調べるために、現在のオリンパスの社長高山修一に対しての戦いに直面している。

【2012年2月28日AFP】巨額の損失隠し問題で揺れる光学機器大手オリンパスは27日、笹宏行執行役員(56)が社長に昇格する人事を発表した。経営体制の刷新を目指す次期経営陣11人のうち、笹氏を含む3人が内部昇格し、8人は社外から招く。同社は次期経営陣の顔ぶれについて、4月20日に開く臨時株主総会で承認を求める。約1400億円の損失隠しをめぐってオリンパスが損害賠償を求めて提訴した高山修一社長ら現取締役6人を含む現在の経営陣は、臨時株主総会後に全員退任する予定。注

ウッドフォード元社長、無効訴訟へ オリンパス株主総会
朝日新聞 2012年4月20日(金)

オリンパスのマイケル・ウッドフォード元社長は20日の臨時株主総会で、高山修一社長らが十分な説明をしなかったのは会社法違反だとして法的措置をとる考えを示した。笹宏行新社長ら新経営陣を選んだ総会の決議を無効にする仮処分などを、東京地裁に求めるとみられる。元社長は、自らが事前に提出した質問にオリンパス側が「訴訟に影響するので回答を控えたい」などとしたことが取締役の説明義務を定めた会社法314条に違反しており、総会決議の取り消しの理由になるとしている。元社長は自らの解任が不当だったとして、オリンパスを相手取って報酬の支払いや損害賠償を求める訴訟を英国で起こしている。注

【まさわたの気になる人物】2012年4月21日【オリンパス元CEO】 マイケル・ウッドフォードさん  今、気になっている人である。この人は本物の匂いがする。昨日開かれたオリンパスの臨時総会。
ウォールストリートジャーナル日本版の記事によると:
【オリンパス、新取締役全員承認=ウッドフォード氏選任は否決―臨時株主総会】
オリンパスは20日午前、臨時株主総会を都内のホテルで開催した。巨額の損失隠し事件の責任を取り、高山修一社長ら現経営陣は総退陣。新社長に笹宏行執行役員、新会長に三井住友銀行出身の木本泰行氏を起用するなど新任取締役11人、監査役4人全員の選任議案が賛成多数で承認された。疑惑を追及して解任された元社長のマイケル・ウッドフォード氏の取締役選任を求めた動議は否決された。株価急落による損失を被った株主からは厳しい声が相次いだ。

議長役の高山社長は総会冒頭、「役員一同、心より深くおわび申し上げる」と謝罪。損失隠しの発覚に伴い2007年3月期までさかのぼって訂正した過去の決算も承認された。総会には過去最多の975人が来場した。開催時間も2時間59分で過去最長だった。 [時事通信社]

誤解しないようにしたいのは、この人はオリンパスで30年間勤めた生え抜きのサラリーマン社長であり、元々は一販売代理店の営業マンだった人である。外人社長というと、すぐにハゲタカとか、海外投資ファンドを連想しがちであるが、まったく関係ない。オリンパスがその手腕を評価して、子会社の社長から欧州、アメリカ、と任せていき、最後に全社の経営を任せ(いや、任せるふり?をし)たら、過去の粉飾に気づいてしまったのである。

「フィナンシャルタイムズ」の編集長が「2011年にビジネスにおける勇気の精神を体現した人物をひとり挙げるとすれば、それはマイケル・ウッドフォード氏です」と述べている。その彼の言動を注目したい。日経新聞の記事によるとオリンパス元社長「笹氏、社長の資格ない」 人事を批判 2012/4/20 

オリンパスのマイケル・ウッドフォード元社長は、オリンパスの臨時株主総会が終了した20日午後に日本記者クラブで記者会見した。総会まで社長を務めた高山修一氏について「(主力銀行である)三井住友銀行の操り人形だ」などと経営陣を批判。

笹宏行新社長については、「医療機器事業の専門家ではあるが、グローバルな経営の経験はなく社長としての資格はない」と述べた。ウッドフォード氏は、「プロクシーファイト(委任状争奪戦)を断念するまでは、役員になりそうな人と何人も会っていた」と役員候補の対案を模索していたことを明らかにした。役員としてふさわしいのは、「透明性を重視する人だ」と強調したうえで、「そういう人こそ三井住友銀行に好まれないだろう」と語った。役員以外のオリンパス人事についても苦言を述べた。「損失隠しに使われたジャイラス社の買収を主導し、その後ジャイラスの役員も務め、IR(投資家向け広報)室長として投資家に嘘の情報を提供し続けた本人が、4月1日付で財務本部長に就任した」と指摘。「これが本当にオリンパスの再出発なのだろうか」と話した。

日本の株式相場をどうみるか、との質問には「日本株は売りだと思う。海外の投資家からは財務諸表は信じてよいのかとよく聞かれるし、三井住友銀行が(オリンパスを)支配していると堂々と示した点もどうか」と答えた。〔日経QUICKニュース〕
http://ameblo.jp/masawata0/entry-11228810702.html 注 

Though Mr. Woodford has the support of major foreign investors, he may face resistance from institutional investors in Japan who still control a bulk of Olympus’s shares. “Let me make it explicitly clear: I am not walking away from Olympus,” Mr. Woodford said in a statement from New York, where he has met with F.B.I. officials who are investigating the case. “I would like nothing more than to return to Olympus and lead it.” Since Mr. Woodford went public in October with his concerns over Olympus’s finances, the company has admitted to using acquisition payments to hide old investment losses. 

ウッドフォード氏は主要な外国投資家の支援を得ているけれども、彼は日本の機関投資家からの抵抗に直面しているのかもしれない。彼等はまだオリンパスの株の大半を管理している。「そのことをはっきりさせておこう。私はオリンパスから立ち去ろうとしていない。」ウッドフォード氏はニューヨークから声明で言った。そこで,彼は
この事件を調査しているFBIとあった。「私はオリンパスに戻り,そこで指導する以上のものを求めていないだろう。」ウッドフォード氏はオリンパスの財務に対しての彼の懸念について10月に公開して以来,この企業は昔の投資損失を隠すために買収での支払いを利用していたことを認めて来た。

Still, Olympus maintains that Mr. Woodford was fired because his aggressive, Western style of management was not a good match for the 92-year-old maker of endoscopes and cameras. Mr. Woodford had remained a director of the company since his dismissal, however, because only a shareholders’ meeting — or a resignation — could remove him from that position. He said Wednesday that he would resign, however, to be able to cooperate more freely with shareholders and other supporters. 

依然としてオリンパスはウッドフォード氏を解雇したままであり、と言うのは彼の積極的な経営のウェスタンスタイルが92年の歴史を持った内視鏡とカメラの製造企業にあわなかったためである。しかしながら、ウッドフォード氏は彼が解雇されてから、この企業の役員に留まっていた。と言うのは株主総会だけがー もしくは辞表ー が彼をそのポジションから解任することができたからである。しかしながら、彼は株主とその他の支持者達と自由に共同出来るようにするために辞任すると水曜日に彼は語った。

今日はオリンパスが損失客死した事よりも、このウッドフォード氏の就中に関心を持ってこの記事を取り上げた。今日はこれまで。


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海野 恵一
1948年1月14日生

学歴:東京大学経済学部卒業

スウィングバイ株式会社
代表取締役社長

アクセンチュア株式会社代表取締役(2001-2002)
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海野塾のイベントはFacebookのTeamSwingbyを参照ください。 またスウィングバイは以下のところに引っ越しました。 スウィングバイ株式会社 〒108-0023 東京都港区芝浦4丁目2−22東京ベイビュウ803号 Tel: 080-9558-4352 Fax: 03-3452-6690 E-mail: clyde.unno@swingby.jp Facebook: https://www.facebook.com/clyde.unno 海野塾: https://www.facebook.com TeamSwingby
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