2012年05月27日

アルカイダの飛行機爆破の失敗3/スンニ派とシーア派

昨日はひさしぶりにサムソンの吉村さんと会食ができた。いつも思うが、もう5年間サムソンの会長の顧問をしている。たいしたものだ。日本人にもこうした人材がいる。会うたびに私は刺激をもらうことができる。さて、今日は昨日の続きだ。更に続けて、イスラム教の話をしよう。

  In 2009, al-Qaeda’s branches in Yemen and Saudi Arabia merged to become AQAP and set up operations inside Yemen. The leader of the group is Yemeni, but many of the other senior operatives are Saudi, and AQAP has continued to attract radicals from the kingdom. The Saudis have used their vast network of tribal and family connections inside Yemen to infiltrate jihadist cells and tribal communities — something the Americans could never do, Alani said.

2009年にイエメンとサウジアラビアのアルカイダの支部はAQAPに統合され、イエメンの内部に作戦行動の計画を立てた。このグループの指導者はイエメン人であるが、他の上級工作員の多くはサウジアラビア人であり、AQAPはその王国から過激派を引き込み続けて来た。このサウジアラビア人はイエメン内の部族や家族の繋がりの膨大なネットワークを利用して来ていてジハードの集団や部族の社会に潜入して来た。ー アメリカ人に決して出来ない事だとアラーニは言った。

 In a 2010 plot  to down cargo planes, and in the most recent plan, it was intelligence from Saudis inside Yemen that thwarted disasters over U.S. skies, according to American and Saudi officials. “They’re very good on Yemen because it’s the same tribe, the same language, the same people, the same culture,” said a former CIA official who spoke on the condition of anonymity to discuss the ongoing operation.

アメリカやサウジの役人によれば、2010年の貨物機を墜落させる計画に於いて、そして、殆どの最近の計画に於いて、アメリカ上空での災害を阻止したのはイエメン内にいるサウジから来た諜報部員だった。「イエメンの中では彼らは極めて良い。と言うのは同じ部族、同じ言語、同じ人々、同じ文化であるからだ。」と元CIAの役人は言ったが、継続中の作成行動を話をするには匿名と言う条件で話をした。

  The recent political chaos in Yemen, which has allowed al-Qaeda to secure territory in the southern part of the country, has sharpened Saudi concern about its neighbor’s stability. The United States also has stepped up airstrikes against AQAP in recent months, including drone operations. “Even with the drone strikes, the air raids, the Americans need someone on the ground,” Alani said. “The Saudis are the ones who can pinpoint targets for the Americans.” Finn and Miller reported from Washington. Staff writer Sari Horwitz and staff researcher Julie Tate contributed to this report.

イエメンの最近の政治的な混沌はこの国の南部に安全な地域をアルカイダに許して来ていて、近隣の安定に関してサウジの懸念を激しくさせて来た。アメリカ合衆国はまたドローン作戦を含めて、最近の数ヶ月にAQAPに対して空爆を強化して来ている。「ドローン攻撃、空爆でさえ、アメリカ人達は地上に誰かを必要としている。」とアラーニは言う。「サウジアラビア人はアメリカ人に対して目標を特定することができる人達だ。」

以上だが、面白い内容だった。アルカイダのイエメンに於ける内情がよくわかった。さて引き続き今日はイスラム教のスンニ派とシーア派に関連した記事を扱おう。日本人はこのイスラム教の事はほとんど知らない。これはエコノミストの記事だ。

The sword and the word
In the struggle between the two strands of Islam, the Sunnis are on the rise
May 12th 2012 

文武
イスラムの2つのDNAのようならせん構造の間の闘争の中で、スンニ派が力を得ている。

シーア派はイラン、イラク(旧フセイン政権はスンニ派)、レバノン、バーレーン、シリアの政権(アラワイト派)。シリアの人口の殆どはスンニ派で、全イスラム教徒の9割はスンニ派。今年の1月24日のブログより。この両派のことを知らないと中東の政治と紛争は全く理解できない。




IT SEEMED historic. Muslim scholars, 170 in number and representing nine schools of legal thought (including four main Sunni ones and two Shia), gathered in Amman and declared that, whatever their differences, they accepted the others’ authority over their respective flocks. Implicitly, at least, they were renouncing the idea that their counterparts were heretics. Some called that meeting in Jordan in 2005 the biggest convergence since 969, when a Shia dynasty took over Egypt.

それは歴史的なようだ。イスラム教の学者達、数にして170人そして法の思想の9つの学派を代表している(4つの主流のスンニ派と2つのシーア派を含めて)アマンに集まって
彼らの違いが何であろうと、彼等のそれぞれの集団に対して他方の権威を認める事を発表した。少なくとも暗黙のうちに彼らは彼らの相方が異端者であると言う考えを放棄していた。ある者はシーア派の支配者層がエジプトを引き継いだ時、2005年のヨルダンの会議を969年以来の最大の集まりだと呼んだ。

Many of the globe-trotting greybeards who met there, and at a similar gathering in Qatar in 2007, remain actively and optimistically engaged. But seen from the outside, feuds between Sunnis, who make up roughly 80% of the world’s Muslims, and the Shia minority (most of the rest), remain savage and are, in some ways, worsening.

多くの世界を駆け巡る灰色のあごひげの人たちはそこで合い、そして2007年にカタールでの似たような集会で合っていて、活発にそして楽観的に、従事している。しかし、外部から見ていると、世界のイスラム教の約80%を占めているスンニ派とシーアの少数派(その残りの殆ど)との間の不和は激しいままで、そして、幾つかの点で、悪化して来ている。

In conservative Sunni monarchies (especially those with restless Shia populations) dislike and suspicion of Iran, the Shia bastion, is running higher than ever. Theology intertwines with geopolitics—and an incipient strategic-arms race. Far beyond the Gulf or Middle East, from western Europe to North America, Sunni agitation (often Saudi-sponsored) is intensifying against the supposed heresies contained in Shia teaching.

保守的なスンニ派の君主国に於いて(特に落ち着きの無いシーア派の人口の国において)シーア派の橋頭堡であるイランへの嫌悪と疑いが今まで以上に高くなって来ている。神学は地政学ー そして初期の戦略的軍備競争と絡み合っている。湾岸と中東を遥かに越えて、西欧ヨーロッパから北アメリカまで、スンニ派の煽動(しばしばサウジアラビアがスポンサーとなって)はシーア派の教義に含まれている想定された異端信仰に対して増大して来ている。

今日はこれまで。



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海野 恵一
1948年1月14日生

学歴:東京大学経済学部卒業

スウィングバイ株式会社
代表取締役社長

アクセンチュア株式会社代表取締役(2001-2002)
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