2012年12月15日

失われたアメリカの夢2

アメリカの企業の富裕階級は責務の見せかけ、忠誠心もしくは愛国心さえも大いに放棄して来た。それは数百万人のアメリカ人に置き換わって、安い外国の労働者を受け入れ、それが広範囲な職業に次第に広がっていった。:農業や建設労働から高度な技術そして銀行業のプロに至るまで。企業のトップはまた、かっては国内で労働組合が管理していたブルーカラーの仕事そしてコールセンターの仕事のような、低いレベルのホワイトカラーの仕事の多くをオフショアした。第1に議会は破産法を改定し、問題ある企業を迅速に再建出来るようにし、組合契約やその他の従業員の合意を無効にすることが出来るようにした。第2に、議員達は殆ど注目されていなかった税法の条項を制定し、労働者達に既存の年金計画を個人の退職口座で補うよう設計した。企業は思いがけなく、高額で、専門家が管理していた生涯年金を廃止する口実として新たな計画を手に入れた。

In Smith’s telling, America’s corporate plutocracy has largely abandoned even the pretense of stewardship, loyalty or patriotism. It has imported cheap foreign workers to replace millions of Americans in an increasingly wide range of occupations: from agricultural and construction labor to high-tech and banking professionals. Corporate chieftains also moved offshore many of the nation’s once-unionized, blue-collar jobs and low-level white-collar jobs, such as working in call centers. (Smith cites Thomas Jefferson’s prescient warning: “Merchants have no country.”)

スミスが言うように、アメリカの企業の富裕階級は責務の見せかけ、忠誠心もしくは愛国心さえも大いに放棄して来た。それは数百万人のアメリカ人に置き換わって、安い外国の労働者を受け入れ、それが広範囲な職業に次第に広がっていった。:農業や建設労働から高度な技術そして銀行業のプロに至るまで。企業のトップはまた、かっては国内で労働組合が管理していたブルーカラーの仕事そしてコールセンターの仕事のような、低いレベルのホワイトカラーの仕事の多くをオフショアした。(スミスはThomas Jeffersonの将来を暗示した警告を引用した。「商人に国境はない。」)

Smith views 1978 as a pivotal year. First, Congress revised bankruptcy laws to allow troubled corporations to restructure rapidly by abrogating union contracts and other employee agreements. Second, lawmakers enacted a little-noticed tax-code provision designed to let workers supplement existing pension plans with individual retirement accounts. Corporations unexpectedly seized upon the new plans as an excuse to eliminate expensive, professionally administered, lifetime pensions. 

スミスは1978年を極めて重要な年だと見ている。第1に議会は破産法を改定し、問題ある企業を迅速に再建出来るようにし、組合契約やその他の従業員の合意を無効にすることが出来るようにした。第2に、議員達は殆ど注目されていなかった税法の条項を制定し、労働者達に既存の年金計画を個人の退職口座で補うよう設計した。企業は思いがけなく、高額で、専門家が管理していた生涯年金を廃止する口実として新たな計画を手に入れた。

The result: Employees’ share of retirement costs went from 11 percent in the 1950s to 51 percent by the mid-2000s; insufficient or badly managed retirement investing by individual workers has given rise to predictions that perhaps half of aging boomers may end their lives in poverty. (Employers also took a parallel path in health insurance, shifting costs to employees via higher premiums and deductions.)

その結果:従業員の退職費用の割合は1950年代には11パーセントだったが、2000年代半ばには51パーセントになった。;個々の労働者による不十分なもしくはまずく管理された退職金の投資は多分、高齢化したベビーブーマーの半分は彼らの生涯を貧しく終わるかも知れないという予測を引き起こしてきた。(雇用者達はまた健康保険において並列した道筋をとり、より高い保険金と税金の控除を用いて、従業員に費用を転嫁した。)

Finally, a 1978 Supreme Court decision permitted banks to offer high-interest, low minimum-payment credit cards, even to Americans with bad credit histories — sowing the seeds for a massive credit card debt bubble. That process, followed two decades later by a residential real estate boom and bust, eventually bankrupted millions of middle-class Americans.

最終的に1978年の最高裁の意思決定は悪い与信履歴のアメリカ人に対してさえも、銀行に高金利で、低額の最低の支払額のクレジットカードを許可し、ー 大量のクレジットカードのバブルの種をまいた。そのプロセスはその後20年にわたって、居住用の不動産ブームとその崩壊が起こり、結局は数百万人の中産階級のアメリカ人を破産させた。

“Who Stole the American Dream?” provides a grim panorama of the real-world consequences of these power shifts: concentration of financial assets and higher incomes in fewer hands; race-to-the-bottom wage and sales dynamics (epitomized by the rise of Wal-Mart) that pit American producers against Asian sweatshop factories and result in massive sales of imported, cheap merchandise that, in turn, eviscerates small, local retailers; efforts by America’s highly admired high-tech moguls (from Steve Jobs to Bill Gates) to transfer overseas much of our knowledge-based economy;the evolution of a Washington-Wall Street “symbiosis” that dominates White House and congressional policymaking and thrives on political gridlock.

「誰がアメリカの夢を盗んだのか?」はこうした力関係のシフトの実世界の成り行きの厳しい全景を提供している。:少ない人たちへの金融資産の集中と高い収入;「底辺への競争」の賃金と販売の力学(ウォルマートの勃興が典型だが)がアメリカの製造業者達をアジアの搾取工場に対して対抗させ、そして輸入した安価な商品の大量販売の結果を招き、次々に小さな、現地の小売店をだめにした。;アメリカの極めて賞賛されたハイテクの大物達(Steve JobsやBill Gates)による努力が多くの知識ベースの経済を海外に展開した。;ワシントンとウォールストリートとの「共存」の展開がホワイトハウスと議会の政策決定を支配し、政治的な行き詰まりをうまくやってきている。

'Race to the bottom' の意味は、「底辺への競争」。経済学で使われる。どんどん低水準に収れんしていく状態。グローバルな自由競争を加速させるために、減税や規制緩和などのインセンティブを与えるのだが、労働環境や自然、社会福祉などが、最低の水準に向けてどんどん低下していくことである。

今日はこれまで。年金のことは詳しくないので、関心のある人はネットで、調べてほしい。ところで、年末はどんどんいつもの仕事が後ろにずれていく。どうしようもない。今日もこれから小林さんの弊社主催の勉強会がある。夜はスケートの忘年会だ。ではまた明日。 


これより先はプライベートモードに設定されています。閲覧するには許可ユーザーでログインが必要です。



swingby_blog at 10:40コメント(0)トラックバック(0) 

トラックバックURL

コメントする

名前:
URL:
  情報を記憶: 評価:  顔   星
 
 
 
プロフィール

swingby_blog

プロフィール

海野 恵一
1948年1月14日生

学歴:東京大学経済学部卒業

スウィングバイ株式会社
代表取締役社長

アクセンチュア株式会社代表取締役(2001-2002)
Swingby 最新イベント情報
海野塾のイベントはFacebookのTeamSwingbyを参照ください。 またスウィングバイは以下のところに引っ越しました。 スウィングバイ株式会社 〒108-0023 東京都港区芝浦4丁目2−22東京ベイビュウ803号 Tel: 080-9558-4352 Fax: 03-3452-6690 E-mail: clyde.unno@swingby.jp Facebook: https://www.facebook.com/clyde.unno 海野塾: https://www.facebook.com TeamSwingby
講演・メディア出演

最新記事
月別アーカイブ
Recent Comments
記事検索
ご訪問者数
  • 今日:
  • 累計:

   ご訪問ありがとうございます。


社長ブログ ブログランキングへ
メールマガジン登録
最新のセミナー情報を配信します。
登録はこちらのフォームから↓