2014年03月30日

清の時代に崇厚と言う役人が新疆のイリ地方をロシアから取り返す為に、最悪の交渉をロシアと行った。しかし、無能な彼がまずいのかそれとも彼を交渉につけた皇帝が悪いのか?

これはエコノミストだ。

China's worst diplomat
The fall guy
Bad emperors get all the credit for crumbling dynasties. What of the incompetent functionaries who do all the work?
Dec 21st 2013 | From the print edition

中国の最悪の外交官
間抜けなやつ
悪い皇帝達が崩壊しつつある王朝の功績を独り占めする。これら全ての仕事をして来た無能な役人はどうなのか?

 fall guy:まぬけ/かも
crumble:崩壊する
get all the credit for :の功績を独り占めする
incompetent:無能な
functionaries:役人
崇厚 Wanyan Chonghou:1864年、中国西部の新疆でイスラム教徒による反乱が起こります。「しめた!」と、これを契機にロシア帝国が侵入し、イリ地方を占拠します。理由は、反乱がロシアに及ぶことを防ぐためということです。そこで、左宗棠が派遣され、反乱を鎮圧し新疆を確保します。  さあ、反乱は終わりました、イリ地方を返してください。 「やなこった」  と、ロシアは返しません。事態を打開すべく、崇厚という人物が交渉に派遣されたのですが、なんと「○日までに帰還しないと、死ぬ」という占いを信じて、早く帰還するべくロシアの言い分を全部聞いて、イリから西・南という広大な範囲をロシアに割譲、さらにロシア駐留軍に500万ルーブルを支払うという、とんでもない条約を結んできました(リヴァディア条約)。これ、ロシア側も流石に驚いたんじゃないですかね?  もちろん、清の政府がそれを認めるわけがありません。崇厚はクビになり死刑を宣告され(のちに赦免)、左宗棠は武力でロシアと戦おうと考え出発、ロシア側も応戦の構えをみせ、一発触発の状況となります。これに驚いたのは李鴻章で、左宗棠を呼び戻し、駐英公使の曾紀沢をロシアに派遣し、イリ条約(正式名:サンクトペテルブルク条約)を結びました。すなわち、イリの東部を清に返還し、そのかわりロシア駐留軍に900万ルーブル支払うというものでした。  何故、最初の条約を撤廃し、イリ条約が結べたかというと、ロシアでアナーキスト(無政府主義者)による動きが活発になっていたため、軍が動かしづらかったという理由があります。実際、翌年にロシア皇帝アレクサンドル2世は暗殺されてしまいました。



IT WAS the summer of 1880. In China’s rugged north-west, Russian soldiers were skirmishing with Chinese forces. In the seas to the east, the tsar’s navy was approaching Chinese waters. Thousands of Chinese troops were dispatched to Tianjin, near the capital, Beijing, where an army was mobilising for a war the Qing empire did not wish to fight. Considering that China and Russia had just negotiated a treaty, things were not going terribly well. 

rugged:険しい
skirmish:小競り合いをする
tsar:ロシア皇帝
mobilize:軍隊が動員される
Qing:清
treaty:条約

1880年夏、中国北西部でロシア軍と中国軍が小競り合いをしていた。東方の海域ではロシア帝国海軍が中国海域に迫ってきていた。清朝皇帝はこの望まざる戦争のために数千の中国軍部隊が首都北京から近い天津に配置された。中国とロシアがまだ協定交渉をしていたことを考えると、事はそれ程上手く行っていなかった。

In Beijing the blame for all of this was falling heavily on the head of one plump, bewhiskered gentleman, Wanyan Chonghou. A wealthy nobleman and formerly a trusted confidant of the imperial family, Chonghou, then 54, was in prison awaiting decapitation. He had been sentenced to death, essentially for the crime of being China’s worst ever diplomat. Sent to Russia to extract concessions from the tsar, he made them instead. 

blame:非難 
plump:ふくよかな 
bewhiskered:ひげを生やした 
nobleman:貴族 
confidant:側近 
decapitation:斬首 
sentence:宣告する 
extract:引き出す 
concession:譲歩 

北京ではこの事についての全ての非難は一人の小太りでひげを蓄えた男(崇厚 Wanyan Chonghou)に向けられていた。裕福な貴族で以前は皇室の側近であった彼は牢獄で斬首を待っていた。彼は中国史上最悪の外交官として死刑判決を受けていたのである。ロシア皇帝から譲歩を引き出すためにロシアに送られながら、ロシアのためにそれをしてしまったのである。 

The Qing had negotiated humiliating treaties before, but that had been at the barrel of a gun. This was a different kind of indignity, achieved by way of incompetence and naivety. The empress dowager Cixi (pictured below), who for a second time held power while a young boy sat on the throne, refused to abide by the treaty, and her court condemned Chonghou for treason. 

humiliating:屈辱的な 
barrel:銃身 
indignity:侮辱 
incompetence:無能力
naivety:馬鹿正直 
empress dowager Cixi:西太后 
throne:王座 
abide:順守する 
condemn:有罪の判決を下す 
treason:反逆罪

清朝は以前、侮辱的な条約を結んでいたが、それは紛争直前であった。今回は無能さ、馬鹿正直さによってなされた異なる種類の侮辱であった。幼い息子が王位にある間に2度目の権力を手にした西太后はその協定に従うことを拒否し、裁判所は反逆罪で崇厚に有罪判決を下した。 

A “war party” agitated for his death. Foreign diplomats, meanwhile, pleaded for his life. Many feared that if Chonghou were executed, Russia would invade, or that a newly bellicose China would also reject its “unequal treaties” with the West, inciting new conflicts. Chonghou had so thoroughly failed as a peacemaker that the only thing keeping him alive was the threat of war. 

agitate:扇動する 
plead:嘆願する 
execute:処刑する 
invade:侵略する 
bellicose:好戦的な 
incite:駆り立てる/扇動する 
thoroughly:完全に/すっかり

「戦争論者達」が彼の死を扇動する一方、外国の外交官は彼の命を嘆願した。多くの人は、もし死刑が執行されればロシアが侵略してくるか、好戦的になった中国が新たな対立を扇動し西欧との「不平等条約」をも拒否するのではないかと恐れていた。 崇厚は戦争調停者として完全に失敗してしまったので彼を生かしておく唯一の理由は戦争の脅威だった。

One man’s life hung in the balance. But should the defendant have been Chonghou or the dynasty that made him? What is strangest about the case of China’s worst diplomat is that he was given this fateful mission at all. For he had bungled things before. 

life hung in the balance:生死の縁をさまよっている
defendant:被告 
dynasty:王朝 
fateful:運命を決する/重大な 
bungle:へまをする

1人の男の命がかかっていた。しかし、被告は崇厚であるべきだったのだろうか、それとも王朝の方であろうか。中国の最悪の外交官のこの件で一番変なのは、彼がとにかくこの重大なミッションを与えられたということである。なぜなら彼は以前にもしくじったことがあった。 

日曜日。今日は是まで。昨日は8時間の研修があり、そのあとの反省会も楽しく終了することができた。また、孫子の勉強会も始めることを決めたので、これからは研修が毎週土曜日にあることになった。今日は朝雨なので、スケートは中止。午前は英語の予習、午後から中国語と英語の勉強があり、家に戻るのは5時過ぎだ。ではまた明日。


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海野 恵一
1948年1月14日生

学歴:東京大学経済学部卒業

スウィングバイ株式会社
代表取締役社長

アクセンチュア株式会社代表取締役(2001-2002)
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海野塾のイベントはFacebookのTeamSwingbyを参照ください。 またスウィングバイは以下のところに引っ越しました。 スウィングバイ株式会社 〒108-0023 東京都港区芝浦4丁目2−22東京ベイビュウ803号 Tel: 080-9558-4352 Fax: 03-3452-6690 E-mail: clyde.unno@swingby.jp Facebook: https://www.facebook.com/clyde.unno 海野塾: https://www.facebook.com TeamSwingby
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