2008年11月

2008年11月30日

今日も晴れ。昨日は忙しい1日だった.予定をこなせず、今日に持ち越し.

バイクなしの生活だが、昨晩はテールランプが基から割れてしまったので、ガムテープとボンドで修理.今日は10時からインライン・スケート。その前に明日の講演原稿の作成がある.それまではこのブログを書ける.それに朝の体操もある.今日も忙しそうだ.さて、昨日は「高速道路」のはなしが終わった.株式会社化して5年。公共性、地域振興、景気対策があり、生産性だけを追求することはできないが、TQMを導入し、BPOを活用したらどうかと言う提案をした.今日は「円の価値(購買力平価)」について話をするが、OECDの30カ国のうち日本の労働生産性は20位と言う事で、日本の生産性の悪いところを中国人と比較して、話をしようということで、その一つにこれを取り上げている.

テーマそのものは昨日同様に、専門分野ではないので、あしからず。まずは、中国の事から話をしよう.国立国会図書館調査及び立法考査局 (2008.5)によると米国議会図書館議会調査局(CRS)レポート「中国経済はどのくらいの規模か?考慮 を要するか?(How Large is China’s Economy? Does it Matter?)」 (2008年2月13日刊行)では世界銀行は、2005年の中国経済は米国に次いで第2位と評価され、数年で 米国経済を凌駕するものと予測された。

しかし2007年12月に新たに推計された購買力平価を適用した結果、世銀は2005年時点で評価した中国経済の規模を40%減少させた。古い購買力平価に基づく評価では、中国のGDPは日本の 約2.2倍であったが、新しい評価では約1.4倍となり、その差が減少されることになる。 (http://fas.org/sgp/crs/row/RS22808.pdf)この修正された表によれば、中国が為替レートだと2235billion$が購買力平価だと5333billion$で、日本がそれぞれ、4549と3870となる。一人当たりの換算値で言えば、中国が4091$で、日本が30290$となる。この時点での為替レートと購買力平価は中国がそれぞれ8.2、3.4で、日本が110.2、129.6である。現在の為替レートは中国が6.8、日本が95.6。だから、元はこの時点より、17%高く、日本円は13%高い.
3購買力平価について少し説明しよう.Purchasing Power Parity Theory ,PPPといって、外国為替レートの決定要因を説明する概念の一つで、為替レートは自国通貨と外国通貨の購買力の比率によって決定される、という説である。さて、今度は中国の都市と農村に目を当てよう.情報が古いが、2003年度の中国統計年鑑によれば、農村と都市の所得格差は3倍.disallさらに都市部の最高所得層10%である5200万人は平均所得の4.4倍。と言う事は先ほどの購買力平価で換算した数値にこの都市部の再興所得層の所得は18000ドルとなり、日本の30000ドルの60%にあたる。

discityこれは2003年の統計で、中国のGDP成長率年度別数値を見てみると以下のようになる.2004年以降の右の数値は日本の成長率。

年度    成長率     
1998年 7.8パーセント
1999年 7.6%
2000年 8.4%
2001年 8.3%
2002年 9.1%
2003年 10.0%
2004年 10.1%     2.0%
2005年 10.4%     2.4%
2006年 11.1%     2.5%
2007年 11.5%     1.6%

※出典:IMF
2007年度は予想値

2004年以降は10%伸びている.日本が大体2%。成長の格差が8%。中国の都市部と農村部との格差はこの5年でさらに開いているが、その格差を無視して、乱暴ではあるが、先ほどの18,000ドルにかけ算しみる.2008年を11%とすると29,921ドルになる.日本は先ほどの30,290ドルに2008年を2%として、同様のかけ算をしてみると、33,606ドルになる。その差は11%。この5年間の農村部と都市部との格差を考えると、この中国の都市部の高額所得層5200万人は購買力平価換算で日本と同じ所得になったと言うことになる.

5200万人は中国の人口の4%であるから、大連の人口で見て行くと600万人の4%は24万人になる.いつも大連の研修で、ウォルマートに行くが、そこの顧客層を見ているとうなずける.ここのスーパーは値段が結構高い.それだけのマーケットがあると言う事だ.産經新聞(2006年4月11日)によると、国連予算の各国分担率は一位は米国の22%で、二位が日本の19・5%で、日本は米国を除く四常任理事国の合計(約15%)よりも多い分担金を支払っている。購買力平価で換算すると、2003年では米国20・0%、日本7・2%、中国12・7%と日中が逆転する。

中国人は「発展途上国の国ですから。」と枕詞のように誰でも言うが、これこそ、中国人のグローバルな価値観としてのしたたかさだ.中国は後進国、発展途上国そして今は5000万人しかいないが、日本と同じ先進国の混合国家だ。日本人はこうした中国の現状をきちんと見る必要がある.2007 日中共同世論調査 「日中両国に対する印象」によれば、65%の日本人が中国に良い印象を持っていないが、そうはいっていられない事がわかる.

日本もそろそろ中国を対等の経済国家としてビジネスを対等にして行く必要がある.私はBPOをなぜ大連で行っているのかは散々述べて来たが、対等でビジネスをシェアできる相手だと言う事を認識してほしい.それでもBPOでのコストが半減できるのは今後は給与格差ではなく、仕事のパーフォーマンスの差だと言う事だ.

中国の元の価値は購買力平価と比較すると2倍元が安い。日本円はさらに格差が広がって、36%も円が高いと言うことになる.この購買力平価は金利の高い安いは設定の仮説に入っていないから、今のように円の金利が安いと言う事はほかの国に金が流れて行くと言う要素は入っていない.また、為替相場取引で利用している日米卸売物価基準の購買力平価は2007年5月で、116−117円程度としても、21%も円高である.過去の数値のグラフを見てもわかるように購買力平価に実勢の為替も動いている.やがて、日中の格差も実勢にあって行く.

yoshida_070510今はこうした事から、中国で物を買えば為替格差があるから2倍以上安いことになる.だからといって、BPOのコストが安いから、中国に持って行くのは危険である.今日のテーマの趣旨から言えば、生産性の悪さがこの購買力平価の評価のおかげで、多少順位が悪くなっていると言う事か.ここでは中国と比較する事に意味がありそうだ。明日は「過剰品質(曲がったキュウリ)」の話をしよう.


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2008年11月29日

今朝は昨日の怪我でギブスをはめているので、ブログをいつものようなスピードで書くことができない.

大した怪我ではないが、片手が使えないので、キーボードの入力時間が3倍以上かかる。しばらくバイクはダメ.クラッチが握れない.今日は晴れなので残念だ.神様がしばらく休養せいということだろう。ほっとしている事も事実だ.毎朝、4時起きはきつい.今日は3時だけど.打つのが遅いので、仕方が無い.ともかく、ギブスが邪魔で、余計なキーを打ってしまう.

今朝は早く起きたので、なんとか書けそうだ.邪魔なので今ギブスの先端をペンチで切った.少し打ちやすくなった.じっとしていれば、痛みはない.先生はたくさん薬をくれたが、捨ててしまった.骨折は慣れているので、どうっていうことはない。先生は針金を入れて、矯正したいと馬鹿なことを言っていたが、きっと自分は骨折した事がないのだろう.いずれにしても、大した事ではない.指が折れただけだ.引っ張って縛っておけば1ヵ月でなおる。バイクは2週間はダメかも知れない.今日は土曜日だが、忙しいので、先を急ごう.

昨日はBPOのセミナーがあった.このブログのような話をさせてもらった.こうした私の考えに賛同していただける人が増えて行く事はありがたい事だ.毎月企画しているので、是非参加してほしい.12月は15日に企画している.今日は新日本監査法人の木村さんからの質問で建設業ではどうのような事が適用できるかと言う質問があった.営業のバックオフィス業務と実績の収集と工事の進行情報の管理が出来ると言った.まさかそこまで出来るとは思っていなかったようだ.今までのBPOはデータ・エントリーとかCADが主体だからそう思うのも無理はない.そもそもCADにようる図面の作成はBPOではない。工場の延長だ.採用する社員の質も全く違う.

こうした質問の答えに対して、「それじゃあ、うんのさん。何でも出来ると言う事ですか?」と聞いてくる人もいる.違う.営業マンとかバイヤーが顧客とか仕入れ先と直接交渉する仕事は基本的には日本だ.ただ、コールセンターと言う機能もあるから、一部は移行できる.先日まで、日本人のオペレーターのコール・センターを大連でやっていたが、採算が取れない.中国人でないとインバウンドのコール・センターは中国では無理だ.

さて、昨日の続きで、「高速道路」の話を続けよう.OECDの30カ国のうち日本の労働生産性は20位と言う事で、日本の生産性の悪いところを中国人と比較して、話をしようということで、その一つにこの「高速道路」をあげた。この高速道路の運営がまずいのではないかと言う事で、天下り先の代表格のつもりで、あげたが、小泉内閣の時に公団から、株式会社化して、体制が大きく変わって来た。昨日の高速道路の距離数も日本が多いわけではない.また、新光証券の財務情報から見ても、所定の損益の管理はされているようだ.社保庁とは違う.

株式会社化することによって、今までの道路公団の課題がすべて解消したわけではないが、大きく改善した事は事実のようだ.しかし未だ、いくつかの懸念事項は残っている.当然、生産性と言う視点だけで、高速道路を議論することはできない.公共性、地域振興、景気対策と言う観点がある.それゆえ、生産性を上げるための測定手段であるとか収益採算の目標の設定が容易ではない.すなわち、特定の高速道路に対する投資と収益の採算を単純に計算できない.そこで、以前の公団時代には歯止めのきかないずさんとも言える支出管理の実態があった.

公共性の高い事業はこうした採算管理が難しいので、どうしても生産性が落ちてしまうのはやむを得ないところがある.株式会社化することによって、かってのような放漫管理はなくなったと思う.今後の大きな課題は高速道路の料金とガソリン税があるが、高速道路の建設、維持にこうした収入をどう扱うかは行政経営の課題であるがここでは取り上げない.私がここで議論したい焦点は生産性である.この生産性について言えば、TQM(トータルクオリティマネジメント)手法が第一にあげられると思う.プロセスを管理する事によって、費用の妥当性を高めることができるからである.

民営化されて未だ、4年であれば、公団時代の残滓が未だ多くあるはずである.こうした残滓をTQMが相当部分は取り除けるのではなかろうか。当然このTQMの実施の成果としては高速道路を利用する人だけでなく関係する人たちに対する調査も生産性の評価項目として、必要になってくる。「効率の悪い政府」でも話をしたように、ここでも私が提唱しているBPOのコンセプトはそのまま適用できる.中国に仕事を持って行くことによって、ともかくコストが半減できる事と持って行かない仕事に対する仕事のやり方を「あうん」から欧米流に変えることによって、30%の効率は追求できるはずである.BPOはこうした古い体質の組織には相当の摩擦はあるが、TQMと合わせることによって、その改革の推進力も倍加できる.

株式会社化によって、いままで、様々か改革を行って来たと思うが、次なる課題は社員の内なるグローバル化であると思う.そうした意味で、まだまだ、活性化による生産性の向上は期待できる。よく、まだまだ、そうしたレベルではないと言う経営者がいるが、どうすればそうしたレベルになれるのかと思う.情報システムによる改革、組織改革、業務改革等いろいろあるが、BPOが一番手っ取り早い.後先が逆だと思う.

さて、本来であれば、効率の悪さで言えば、社保庁が良い例かも知れないが、資料の「改ざん」のような犯罪が平気で行われて来た役所は生産性以前の問題が累積しているので、対象とはしなかったが、いずれにしても同様のことが言える.これこそ未だそのレベルではないと言う良い例かも知れない.明日はいよいよ「円の価値(購買力平価)」について話そう.本当のことを言うと毎日ここのところテーマがでかすぎて、肩が凝ってしまう.あげく、思うように打てないので、参ったなあと言う感じだ.

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2008年11月28日

今日は天気予報も雨で、小雨でした.道路は大渋滞。

今朝は城南島からお台場へのトンネルで、交通規制があり、大渋滞.車だったら、多分2時間以上は待たないとダメ.トラックの間をぬって、いつもより、15分おくれ.途中、止まっているトラックとガードレールの間をうまく抜けられず、トラックに指を挟んで、左手薬指が伸びず、曲がったまま.こういうのは慣れているので、大丈夫。右手でないので、仕事に支障はない.あとはいつもの通り.

今日は労働生産性の悪さの中で「高速道路」について話をしよう.まずは情報を見てみよう。国土交通省道路局ホームページから引用しよう.
右端は有料道路の比率
日本(05)    7363km     100%
アメリカ(03)  90712km      7%
フランス(04)  103083km    76%
イタリア(04)  6491km      86%
ドイツ(03)   12044km     ー
中国(05)    34200km    100%

日本の高速道路がこうしてみるともっと多くても良いように思う.有料か無料かについてもここでは議論しない.ここでの話は社保庁と同様に、天下りと効率の悪い経営の代名詞になっている事だ.高速道路の建設コストとその内容についての指摘はここではしない.なぜ生産性が悪いのかと言う視点で議論したい.

【高速道路会社6社が2007年度決算発表~増収により債務返済は計画よりも前倒し】
高速道路会社6社の2007年度決算が6月上中旬に公表された。6社とも道路料金収入の増加によ って増収となったが、ETC利用者への料金割引でコスト増となり、阪神高速道路を除く5社が最終損 益ベースで減益となった。高速道路建設に係る債務は、高速道路完成後その道路とともに独立行政 法人である日本高速道路保有・返済機構が引き取ることになる。その債務の返済原資は各高速道路 会社への高速道路賃借料から支払われるが、当該賃借料は各高速道路会社の収益である道路料金 収入が原資となる。2007年度は道路料金収入の増加したので、2005年の民営化後45年かけて返済 する計画である高速道路建設に係る債務は今のところ計画よりも前倒しで返済されている。
                                               (新光証券 2008年7月)

2005年から株式会社化され、上記のように収益体質は問題ないように見える.また、40兆円の借金、天下りの議論はしない.ここでの議論は本来の株式会社としての活性化とコスト削減についての話である.今日は中途半端だが、時間が来てしまった.明日継続しよう.

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2008年11月27日

雨が降って来て、またまた転倒.今週は2回目?小雨。

最近は雨の時によく転倒するが、今日はバックミラーが両方ともひん曲がったぐらいだった.あとは何ともなし.

昨日は効率の悪い政府だった。.そろそろ外国人の採用とかBPOをして活性化を計っても良いのではないか.そう思った。今日は終身雇用だ.日本の労働生産性の悪さがここにもある。この制度は戦後出来たもので、法的に終身雇用と言うものがあるわけではない.いったん雇った期間の定めのない従業員を解雇する際には、解雇した従業員からの解雇権濫用による解雇無効訴訟のリスクを抱えることにはなる。かといって解雇できないわけではなく、実際、労働基準法上(労働基準法第20条)は、「終身雇用」であっても、合理的な理由があって常識的なものであれば、一定の予告期間をおいて解雇できる。

だから、終身雇用は「無期雇用」である。法的に終身雇用と言う制度があるわけではない.中国では労働契約法が今年発効され、終身雇用が法的に制度化された.ただ、その制度が発効されたばかりなので、その通りに定着するかはわからない。日本と同じような方向に是正されて行くのではなかろうか.そうでないかぎり、膨大な窓際族が発生してしまう.そんな事はあり得ない.

1990年代から2000年代にかけての平成不況で、この終身雇用が崩壊したと言われているが、私はそうは思わない.日本は依然として終身雇用の風習は残っている.ただ、終身雇用が何%あるのかと言う統計値はないので検証はできない.終身雇用は教育費用の節減にもなり、戦後の組合運動の残滓とばかりとは言えない.会社に対する忠誠心とかコミットメントは醸成できる.一方では長期雇用は年功序列と言われるように、キャリアアップが遅い.欧米とか中国では大企業の30代の社長はざらだが、日本ではあり得ない.

以前、10数年前に日産自動車の本社改革の仕事をしたが、そのときに経理部門のキャリアパスの調査をした.経理の決算課長になるためにはジョブのローテションを入れると最低15年かかった.かりに、超特急で人材を育成した場合現有の仕組みの中で、7年半で出来る事がわかった.しかしながら、当時の人事制度を変更することができなかったので、それは実現できなかった.

終身雇用でも、キャリアアップの加速は可能である.傷害は終身雇用制度ではなく、人事制度である.そうした人事が組めない.課長を3年、部長を7年と言うシステムが日本企業では組めない.そこが問題である.先日、欧米企業でのサービス残業はないのかと言う質問を受けた.彼らも帰宅が遅い.アクセンチュア時代に聞いた話ではニューヨークでは日本企業の社員の帰宅が8時.韓国が9時。台湾が10時。アクセンチュアが11時半.

だから、日本企業がアメリカの社員は定時で帰れていいなあと言う話があったが、そんな事は幻想だ。と言う議論があった.それは当たり前で、アクセンチュアのような企業は社員が出来ると言えば基本的のそのように仕事をアサインしてあげるが、出来ないと場合によっては首になる.なぜ彼らがサービス残業をするのかは会社にもっと貢献したからではなくて、自分のポジションを定時の仕事ではカバーできないから、会社に残っているのである.

もしくはもっと上のポジションを狙うためである.日本人は違う.ただ単に、サービス精神だけだ.今のポジションを維持できないから残って仕事をしている人はよほど仕事が出来ないかその部門の適正がないかだ。アメリカ企業も中国企業も昇進が早い.だから、絶えず背伸びしているか、先を急いでいる.だから30代半ばで、社長になれる.40代で引退できる.日本では考えられない.

それが良いのかどうかは別にして、海外の企業はみなそうだ.韓国も1997年の金融恐慌で大企業では50代以上は全部辞めてしまった.だからそうなってしまった.日本だけがこうした終身雇用と年功が残ってしまった.そうではないと言う経営者がたくさんいて、もうそう言うシステムがないと言われるが、私はそうは思わない.日本企業の過去の制度と比較してと言われればそうかもしれない.

しかしながら、欧米、中国企業の比較してと言ってしまえば、依然として終身雇用と年功は残っているし、キャリアのスピードは以前と変わらない.戦後脈々として築かれた人事のシステムが変わっていないからだ.人材の教育システムも大して変わっていない.グローバル化と私が言って来た最も大きな障壁はここにあるのかも知れない.自分の企業の研修制度が世界いで一番好いと思っている人事部門がたくさんあるが、日本の中だけの話である.これも問題だ.

私がGLT(Global Leadership Training)をもう57回の実施して来ているが、今まで続いて来たのはそうした背景がある.私の研修は部課長の頭の中の革新を目的にしている.頭の中のグローバル化だ.参加者は参加した時にはだれでも、自分は会社のなかではスピード感があり、チャレンジ精神を持っていて、幅広い常識の持ち主だ.と一様に自負している.こうした意識は戦後60数年経過して来た結果としての惰性的な幻想でしかない.そう思って来た.でもいつの間にかそうではなくなっていたということだ.

そう言う事実錯誤を4日間で証明して行く.日本の中にいるだけであればそうかもしれない.でも世界にでて行けばこうした視点だけを見れば日本人の先端をいっている人材のレベルは中国の先端をいっている人材の後塵を拝しているということだ。ともかく日本人は遅い.すべてに遅い.中国人の悪口を言えば、時間通りに来ないとか、遅刻するとか言う事がよく言われるが、自分自身の利益のことになれば、脱兎のごとく誰よりも早い.それを日本人が気づかないだけだ.

中国人のチャレンジは日本人とは違い、彼らはチャレンジしていると言う意識はない.何も今まででなかったから、すべてがチャレンジで、それが日常だ.大連桑扶蘭時装有限公司董事長 鄒 積麗女史が新しい消費者層にマーケットを展開するために新たなブランドで、ビジネスを始めたが、彼女にしてみれば、チャレンジと言う言葉はない.ただ単に、新規事業の展開に過ぎない.日本人にしてみれば、会社存亡のチャレンジに等しい.本人からしてみれば、何でも新規なので、ただ単に事業の展開ぐらいにしか考えていない.

常識の範囲も違う.「あうん」の世界の常識は確立していて、中国人から見るときわめて狭い範囲の常識に見える.と言うもの中国人にとってみれば、ビジネスそのものの歴史が未だきわめて浅いから、ビジネスのルールが未だ決まっていないから、何でもありだ.だから、ビジネスの常識が無いに等しいから、日本人からしてみると非常識になってしまう.こうしたところは欧米人と中国人は全く違う.

こうした点で、中国人から学ぶところがあるかと言うとある。日本人の常識の範囲が狭すぎるからだ.中国人のようになれとは言わないが、彼らの考え方とか行動を理解できるようになる必要がある.日本企業の上海とか広州の現法はそうしている.本社もそう出来るべきだと言っている.終身雇用が社員の安住の安定した地位だと言う現実は否めない.それをどう変化させるかはBPOをどう利用して行くかだと考えている.異質な文化を本社に入れて行くと言う事は正しく変化だ.Changeだ。

中国人の社員ではダメだ.彼らは日本に同化しようとしてしまうからだ.我が社のような中国の企業でなければダメだ.中国の価値観、すなわちグローバルな価値観、もしくは「多様性を持った価値観」と言った方が良いのかも知れない.

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2008年11月26日

昨晩は石油会で、帰宅が9時。今朝も4時20分。

昨晩は妻が1時頃まで仕事をしていた。大きな声で、大連と電話していたので、夜中に目が覚めた。私のマンションの壁は薄い。昨日の石油会は6ヶ月ぶりで、次回は3月。コスモ石油の木村弥一社長、出光の大宮副社長、新日石情報の岡本格五社長以外はOB。アクセンチュアに戻った高頭が来た。他に総勢10名で、久しぶり。景気が悪い割には皆さんご機嫌だった。今朝もいつもの通り。ガソリンが空なので、今夜は給油しないとガス欠になる。

昨日のブログは農業保護のはなしだったが、今日は効率の悪い政府(国土交通省など)だね。日本の生産性が悪いと言うはなしの一環だが、今日もテーマが重いな。明日以降も以下のとおり。

 終身雇用
 土建業(いらない高速道路)
 円の価値(購買力平価)
 過剰品質(曲がったキュウリ)
 高い貯蓄率
 土地担保の銀行貸し出し
 見えない物に対するサービス価値
 サービス残業
 貧しい衣食住
 米国の倍の情報投資
 外国人の活用
 共産党 社会主義国
 言語
 カントリーリスク

先日、合併直前の中小企業金融公庫の安居総裁を訪問した。かっての帝人の社長で、アクセンチュア時代に経理とかSCM(Supply Chain Management) の改革を一緒にさせていただいたことがあった。革新的な方である。彼のところに訪問した理由は中国人の採用と仕事の大連への移管の是非についてのお伺いだった。政府機関はこうした外国、外国人を利用した合理化は出来ないと言っていた。アクセンチュが社内の改革を進めていると言っていたので、社内の合理化はやっているようだ。しかしながら、海外へのBPOが出来ないと言う事には残念至極である。

今日のテーマの効率の悪い政府をどうするかと言う一つの視点として、政府業務の民営化、海外へのアウトソーシングと言う視点で今日は話そう。仕事が払った金に対する行為として認識出来るような仕掛けが政府には必要だ。それが今無い。給与に対する仕事のバランスが曖昧で、組織自体が収益構造になっていないから、採算の考えが無い。採算を取ることができる部門でもそうしていない。銀行の業務を大連にもって行ったらどうかと言うはなしもしたことがある。金融監督庁は国内の目に届くところで仕事をしてもらわないと、監督できないと言っていたが、時代錯誤も甚だしい。大連に調査に行けば良いだけの話だ。

平成19年5月 経済産業省 経済産業政策局の「グローバル人材マネジメント研究会」 報告書 に「昨今、市場は高度化・多様化し、多様な人材を配置し、異質な人材が化学反応を起こしやすい組織風土を作り上げることが必要となる。外国人の活用の可能性を追求することは、極めて自然な流れであるといえる。 」とある。さらに「OECD諸国の高等教育修了者に占める他国からの流入割合は、先進国では概ね1割前後であるのに対して、日 本は、わずか0.7%に過ぎない。加えて、高度熟練技能者における海外人材割合も、他の先進国が4.0%~6.0%であるのに対して、日本は1.1%しかなく、他の先進国 に比べ高度な外国人材の活用が遅れている」

と政府は言っているが、政府は外国人を採用していない。仕事も国内に限定したアウトソーシングをしている。かって、社保庁がデータエントリーを中国に出したことがあったが、「金田」を「金」と名前を間違えたので、止めてしまった。こんなことは受注した側のケアレスミスで、この業界では通常はあり得ない。よっぽどひどいところに頼んだに違いない。政府のグローバル化によるサービス業務の生産性向上を計るべきだと思っているのだが、前述したように、とっかかりすらつかめない。

安居さんがダメなら、BPO良いと言う人は政府にはいない。かって、大連の日中友好人材育成センターが日本のODAで建設された。その建設される前に我が社が協力しようと申し出たのだが、取り付く事すら出来なかった。今は昼間は電気すらついていない。出来て未だ2年だ。なぜか?それはODAは作るところまでで、運用して「利益」を出すところまでは考えないからだ。だから、直ぐにお荷物になってしまう。これは政府の行革の基本的な課題をついていると思う。

企業の本社と同様に、政府の仕事はサービスが主体だ。そうなると、どのように効率とか効果を測定することは難しい。そう言う事であるから、政府の業務改革はBPOが最適だ。中国人に仕事を洗い出してもらえば、業務分掌に無いサービス業務とか余分な業務を洗い出すことができる。かって、私がアクセンチュアの現役の時にブルネイ政府とかあちこちのアジアの政府にBPOをこうして推進していた。勿論アメリカの政府に対しても同様のことをしていたように思う。

もう一つ。政府ではないが東京証券取引所のシステムで、感じたことがある。なぜ、富士通はインド人を起用しないのだろうか。なぜ銀行のシステムの再構築にインド人を起用せず、自前でシステムを構築しようとするのだろうか。日本人が一番優秀だからとか任せられるからとかと言う事だからだろうか。だとすれば、馬鹿げたはなしだ。確かに私がいつも言っている日本人の価値観は「真面目」「正直」「勤勉」「実直」「嘘つかない」ということだが、それだけではこれからの世界はまわせない。効率が悪すぎる。

「あうん」は一見効率が良さそうだが、「あうん」のなかに余分な仕事がかならず入ってくる。お互いの日本人的な信頼関係で、仕事を信頼しあって任せているが、こう言うものは信頼して任せては行けない。「一つ一つの善意が地獄への道につながる。」とかって言ったのはヘーゲルだ。一つ一つの仕事、一つ一つの部門は最善を尽くしている。でもあわせると最悪だ。今の政府はそうなっている。戦後60数年の惰性が積み重なっている。今の日本は戦争で、ゼロベースにすることはできない。だとすれば、それに近いのが仕事を中国に持って行けば良い。中国人が余分な仕事を洗い出してくれる。ギブアンドテイクで仕事を見れば無駄な仕事が浮かび上がる。

そう言いながら、こうした議論はむなしさを感じる。銀行のシステムにしろ、政府機関が絡むものは日本国内で、なおかつ日本人でしなければならない。これはきわめて効率が悪い。しかもこれは日本人の価値観として、変えることができそうにも無い。私はそれを変えさせるための仕掛けを考えて行く必要があると思っている。世界がそう言う方向に動いているのに、なぜ日本だけが効率が悪いままに鎖国のような仕事の仕方を続ける事が良いのだろうか。政府の仕事を中国の持って行けば、中国政府に情報が漏れるとでも思っているのだろうか。馬鹿げた議論だ。

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2008年11月25日

雨上がりの曇り.今日はスリップして転倒。

シールドを替えたのは良いのだが、スモークだったので、暗いところだとよく見えない.こりゃあダメだ.今日は雨上がりなので、久しぶりに転倒.ミラーが曲がって、ハンドルまで曲がってしまった.大したことはないので、未だ修理しなくても大丈夫.ゴミ箱に捨ててしまったシールドを拾って来た。とりあえず、戻してしばらく新しいのが来るまで使おう.バイクと言う物はかならず少しではあるけど滑りながら回転して行くが、雨の日は本当に滑ってしまうので、傾き加減に気をつけないとそのまま転倒してしまう.40kmなので、怖くはない.転倒すれば痛いけど、我慢できる.

さて、昨日あげたテーマをもう一度見てみよう。
 高い製造業の生産性 (3位)
 農業保護
 効率の悪い政府(国土交通省など)
 終身雇用
 土建業(いらない高速道路)
 円の価値(購買力平価)
 過剰品質(曲がったキュウリ)
 高い貯蓄率
 土地担保の銀行貸し出し
 見えない物に対するサービス価値
 サービス残業
 貧しい衣食住
 米国の倍の情報投資
 外国人の活用
 共産党 社会主義国
 言語
 カントリーリスク

昨日は製造業の生産性について話をしたが、順番に農業保護から話をしよう.私のこのブログの視点を忘れないでほしい.私はこれらの項目の専門家でもなければ、これらの項目をそのまま議論しようとしているのでもない.グローバル化の価値観と言う視点から中国人との関連でこれらを取り上げているので、今日の農業保護もそうした視点からの議論になる.多少議論の飛躍もあるが、そこらへんのところは主旨を理解してもらい、我慢してほしい.

日本の農業が戦後の保護政策で、脆弱になってしまったし、自給率がどんどん減ってしまったのは周知の事実だ.自給率を上げようと言う議論もあるが、今の日本はそう言うレベルからかけ離れてしまっている.しかしながら、農林水産省は食料自給率向上のために具体的な行動を起こそうとして、2008年10月6日に食料自給率向上に向けた国民運動『FOOD ACTION NIPPON』推進本部が設置された。現在の日本の食料自給率は40%である。主な輸入の農産物と自給率を見てみよう。

■日本の農産物輸入
・豚肉 4822億円     (アメリカ33.1% デンマーク26.4% カナダ22.5%)
・とうもろこし 2851億円 (アメリカ93.8% 中国4.7%)
・牛肉 2219億円     (オーストラリア89.8% ニュージーランド7.2% )
・冷凍野菜 1020億円   (中国44.1% アメリカ28.9% タイ6.0% 台湾5.1% )
・生鮮野菜 955億円    (中国42.8% アメリカ14.4% 韓国10.1% ニュージーランド9.9% )
             (農林水産省,2005年)

■日本の農産物自給率(重量ベース)
・米 95%
・野菜 79%
・果物 41%
・肉類 54%
             (農林水産省『食料需給表(平成17年度版)』,2005年概算)

全国農業新聞によると、中国は日本に対する野菜の輸出増もあり、安い人件費を武器に強い競争力のイメージがある中国農業だが、農家1戸当たりの経営面積は50アールと日本の3分の1以下。ほとんどの農家は零細で機械化も進んでいない。安い米国産などの流入で主要穀物への農家の生産意欲は下がるばかりだ。この結果、コメや小麦、トウモロコシなど主要穀物の生産量は近年一貫して減少を続け、5年前に比べると18%、8,000万トンも落ち込んでいる。 

中国が大食料輸入国になることを警戒する声は多い。13億の人口を抱える中国の食料自給は、国内のみならず国際貿易にとっても大きな問題だ。中国が今後も食料輸入を増大させていった場合、国際穀物価格の上昇も懸念される。中国政府は事態を重く見て、農業の振興、農村の経済成長、農民の所得増と負担減を「三農問題」として最も大きな政治課題と位置づけている。(全国農業新聞 2005/04/15)

このような情報から日本は農業保護による農業の生産性の悪さもさることながら、農業の自給率と中国における農産物の輸入の激増の方が日本へのインパクトが大きい.今日の議論は日本人の価値観と言う視点で見て行こう.今年の5月に餃子事件があった.メタにドボスが混入していたので、日本国内は大騒ぎになった.2008年5月は農水省検査によると昨年同時期より49%減で、中国野菜の輸入量は大きく落ち込んだ。日本は食料自給率が40%で世界最大の食料輸入国である。また、中国は米国に次ぐ二番目の食料輸入先で、植物防疫所の検査対象の3分の2(重量ベース)が中国からの輸入品である。

会社を設立した当初は高見さんの黄土高原で、農業をしようとしたことがある.日本から農業技術を移転してと言うような考えだったが、うまくいかなかった.あまりにも黄土高原の気候が厳しすぎた.5月に雪が降り、9月に霜がおりる。農民はたくさんいるのだが、どうして生きて行けるのかが不思議なくらいだ.もう何千年、何万年も生きている.すごいことだ。会社の採算がどうしてもとれず、ここでの農業は諦めざるを得なかった.

さて本題に戻ろう.日本は農産物の輸入が消費量の60%もあると言う事だ.その40%以上が中国からだ.この餃子事件の時に報道機関は一様に中国からの野菜の閉め出しの議論だった.どうすれば問題の解決が出来るのかの発想が極めて乏しい議論だった.最近では粉ミルクにメラニンが混入していたと言う事件もあった.さらに中国品に対する警戒が強まるのも当然と言える.すなわち、中国と中国人は信用できない.と言うことになってしまった.しかしながら、この粉ミルク事件では中国人も騒然となった事件である.実は中国人もこの一連の農産物、餃子に対しても相当敏感になっている.

今ひとつここで、グローバルな視点として考えてみよう.日本は戦争前にABCDライン包囲網と言うのを覚えているだろうか."ABCD" とは、日本に対して貿易制限を行っていたアメリカ (America)、英国 (Britain) 、オランダ (Dutch) と、対戦国であった中華民国 (China) の頭文字を並べたものである。このときの戦争への日本の対応がこの一連に事件に関連して思い起こしてしまうのは私だけであろうか。

ちょっとだけこの話をしよう.昭和14年(1939年)に日米通商航海条約の廃棄をアメリカが日本に通告した。昭和15年(1940年)1月に条約は失効し、アメリカは屑鉄・航空機用燃料などの輸出に制限を加えた。アメリカの輸出制限措置により日本は航空機用燃料(主に高オクタン価ガソリン)や屑鉄など戦争に必要不可欠な物資が入らなくなった。アメリカの資源に頼って戦争を遂行していたため、その供給停止による経済的圧迫は地下資源に乏しい日本は苦境に陥った。(出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』)

これを契機に日本は石油を求めて、仏領インドシナに進駐し、太平洋戦争へと突入してしまう.この一連の事件というか経緯はここでは議論するつもりはないが、日本人の価値観から戦争になってしまったと言う側面もありそうだ.ルーズベルトとチャーチルに対して近衛内閣が戦争回避のために軍部と葛藤しながら、続けたが、戦争回避のルートを持っていたのだろうか.

今の日中間はこの戦争に比べれば桁違いに小さい問題だが、問題としては同じだと思う.問題の解決方法に日本人はグローバル的なというか外国人的なというかそう言う視点を持っていない.日本人の価値観として、中国人に対しては特にそうかもしれないが、相手が悪いと言う決めつけのような判断をしてしまう.「あうん」が通じない世界に対する鎖国的な発想がある.欧米人は今回の餃子事件に対する解決方法としてはお互いに協議して再発しないような対策を講じるのが当然だが、日本人は違った.

しかしながら、日本の警察が中国の公安と会議を持ったが、それも行き違いだった.こうした事は中国人だからではなく、外国人との会議は大体行き違いだ.今環境問題がホットな課題だが、これについても日本人の技術が中心であるべきだが、日本人が出て来れなし、発言すら出来ない.ましてや、リードする事は決して出来ない.これは何とかしなければならない.ともかく、外国人との接点を絶えず持つようにしなければならない.それがBPOだ。採用はダメだ.上下関係が服従関係になってしまう.

swingby_blog at 06:03コメント(0)トラックバック(0) 
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海野 恵一
1948年1月14日生

学歴:東京大学経済学部卒業

スウィングバイ株式会社
代表取締役社長

アクセンチュア株式会社代表取締役(2001-2002)
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海野塾のイベントはFacebookのTeamSwingbyを参照ください。 またスウィングバイは以下のところに引っ越しました。 スウィングバイ株式会社 〒108-0023 東京都港区芝浦4丁目2−22東京ベイビュウ803号 Tel: 080-9558-4352 Fax: 03-3452-6690 E-mail: clyde.unno@swingby.jp Facebook: https://www.facebook.com/clyde.unno 海野塾: https://www.facebook.com TeamSwingby
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