2009年01月

2009年01月31日

「不公正であると指摘される裁判制度」

昨年の12月27日に「経済法制度の未整備」、28日に「恣意的な法制度の運用」をかいており、今回はその続きになる.前回は死刑の数がやたら多いこととか、地方政府と企業の癒着があるため土地の使用権で、不当な判決が出た例を紹介した.東芝のノートブックの事件は反日がからんでいる.ヤマハの場合には反日ではないが、良くある模造品だ。今では地元のバイクは立派な産業になってしまった.クレヨンしんちゃんの商標権の敗訴の問題も以前、知財のところで、取り上げた.

また、高速道路の騒音の話もした.騒音公害で、これは国を相手に北京の市民が勝訴して、損害賠償を勝ち取った.この裁判は2002年の事だった.環境に対する意識だけではなく、裁判そのものは基本的には公正だ.たしかに、いくつかの点では他の世界とは異なるところがある.

その第一点は「人治」国家だと言う事だ.交通事故は人身事故の場合、当て逃げをしてしまう率は相当高いと思う.統計はないのでわからないが。現場に居合わせた人たちは人身だけでなく、車同士でも、どっちが悪いと判断してくれる.たくさんの人が集まるから、警察が来る前に一般大衆が評価してくれる.交通違反も日本ように、収賄しようとしたら逮捕されるが、中国ではそう言うことはない.値引きも出来る.これは中国の国民性だ.こうしたところは中南米と一緒だ.

第2点は地方主義だ.これが裁判の公正さを欠く一番の根源と言える.収賄、利権、人脈、汚職は地方の特権であり、歴史そのもので、決してなくならない.地元企業と外資企業との裁判では外資が負けてしまう.だから、よっぽど、そうした地元の「信用」のネットワークに入って行かないと勝てない.「真面目」「正直」に生きて行こうと思うなら、日本からでない方が良い.

第3点は反日だ.交通事故だけでなく、あらゆる訴訟も同様に日本人と言うだけで、損害賠償とか慰謝料の桁が増えてしまう.だから、私は上海の総経理の車には絶対乗らない.私が日本人だと言うだけで、人身事故をおこしてしまうと、100万円ですむところが一億円になってしまう.中国で、日本人で車を運転している人がいるが、いくら保険に入っていても、理解出来ない.

地方政府の地元優先主義については今まで、いろいろな場でさんざん述べて来たが、これが一番裁判の不公正をおこしている原因だ.最終的には北京の最高裁があるので、そこがおかしいと言ってくれる可能性はある.また、反日の場合で、日本製の携帯電話に国別コードの中に「ROC」(中華民国)とあったのが、大問題になった事がある。

このケースは2001年に中央政府から1年間の販売停止の行政処分を受けた.そうなると、現地法人は倒産してしまう.ところが中国のメーカーも同様に「ROC」となっている事がわかって、こうした処分が取り消しになったことがある.これは正しく反日の例だ.もともと中国のメーカーであればこう言うことはない.

裁判まで行かなかったが、日本企業が日系のデパートでレストランを出店していて、任せた中国人にすべてを持って行かれたケースがある.こう言う事例は多い.私の友人が経営していたのだが、雇った総経理に株を持たせて、3年位ほっておいた.利益がでないので、おかしいと調査をしたら、別の店まで出していたと言う事がわかった.

相手の中国人の素性はきちんとした人だが、結局、新規の店の権利をあげる事で、和解出来た.今までの利益に対する請求は放棄した.まかしきってしまうと言う日本人の「信用」に対する考えは中国人には通用しない.ほっておく方が中国では悪い。このときの相手の和解条件は日本人ではできないし、また、先方との交渉も日本人ではできない.

また、地方主義ではないケースで、裁判官との癒着のケースもあった.不動産売買で、依頼した不動産の売買を解約しようとしたら、仲介に入った不動産業者から法外な違約料を請求された.それを調解(調停機関)に申し立てをして解決しようとしたが、その審判が仲買業者に味方をした結果となった.日本企業はその和解合意書のプロセスにおいて、いい加減な対応をしてしまったと言う経緯もある.合意出来ない場合には日本と同様に人民法院(高等裁判所)に持って行けば良いのであるが、放置していたために、問題が大きくなってしまった.

1985年までは国有企業は銀行から資金の供給をいわば自由に受けていたが、その後、国有銀行から優先的に資金提供は受けて来ている.そう言う地方での癒着関係が嵩じて、不正が起こるケースもある.2002年に交通銀行錦州支店の公文書偽造で、裁判官も収賄された事件だ.(中国での事業におけるリーガル・リスク・マネージメントに関する調査報告書 国際協力銀行 2005年1月)

国有銀行のコーポレートガバナンスがで来ていないと言う事だ.最近は上場して来ている企業の数も増えてきたから、そうしたいい加減な経営は減って来てはいるが、上場企業自体がグループの子会社であるケースも多く、親会社との利益配分の実態が不明瞭だ.そこに地域が絡んでくると収賄が起こるが、こうした事例は程度の差こそあれ、数限りがない.

労使関係に関する紛争は日本と同様に、労働者保護の立場が強く、法律自体が経営者にとっては不公正と言えるかも知れない.社員が今の仕事に不適任であると言う証拠があれば、解雇日の30日前に通告すれば労働契約は解除出来る.言い方を変えれば、雇用契約とか就業規則が曖昧だと規則に違反したかどうか、処罰規定が明確かどうかに問題の視点が移ってしまう.

また、解雇も会社の一方的な解雇通知は労働者保護の視点から認められない.しかしながら、雇主は会社の状況と社員の社内における行動を鑑みて即時解雇を言い渡し、かつ、一ヶ月分の給与を支払って、止めてもらうのが通常だ.その社員が労働争議仲裁委員会に申し立てると雇用契約解除から仲裁が終わるまでの期間の給与を支払うように命じるのが一般的な事例のようだ.こうした事例は日本と全く同じだ.きっと日本を見本として法律を作って来たのだろうか。

こうした事は日本と同じだが、日本の場合には失業保険があるから、本来そうした金額は相殺するべきだが、現行法は日本も中国も労働者の立場に立っており、企業の存続を保護していない.今回のように、未曾有の不景気に場合には仲裁金額を支払ったら、企業の方が倒産してしまうケースが多々出そうだ.

倒産しないために社員を解雇するのであるが、解雇した社員にこうした労働争議費用も含めて支払っていては企業が倒産してしまう。何のために残った社員を守ろうとしたのかわからなくなってしまう。これは正社員の話だが、中国にも派遣契約はある.派遣合意書がきちんとしていれば労働争議仲裁委員会は法律に沿った判断を行うのは当然である.

「国際経済法にかかわる国際条約にもほとんど加入している。対外経済貿易関連法の体系があり、WTO加盟により法改正や制定が行われている。この法制度、立法状況を見ると、先進資本主義国の整備状況とほぼ同様である。外国企業との貿易、合弁事業などは中国特有の法が形成されている。

合弁事業に関しても、会社の設立手続、資本、機関、計算、整理、解散・継続・清算、分割の問題について独自の法体系があり、日本と大きく異なり、さらに頻繁な改正がある。」(中国での事業におけるリーガル・リスク・マネージメントに関する調査報告書 国際協力銀行 2005年1月)

よく中国は法律が未整備だから、と言う事は良く聞くが、確かに、税務諸則に関して言えば、細則はほとんどなく、地方税務署の判断に任せているところが多い.地方と聞いただけで、人為的な恣意性が入ってきてしまう。また、中央政府も日本企業だけをターゲットとした徴税も行って来ている.

しかし、本日の課題の裁判に関連した法律は完備しているようだ.問題はその適用の仕方とか考え方が違う.中国人の文化、性格、風習が日本人とは違う。年間10万件の暴動は日本では考えられない.地方政府が不公正な判決をしても、不公正な抑圧をしても、農民はおとなしくしていない.『泣く子と地頭には勝てぬ』と言う日本のことわざは中国にはない.先ほどの報告書から以下引用する.

「日系企業から法制度に関連して指摘される問題点は、法律の条文内容ではなくその全国統一的な判断基準の曖昧さ、および適用基準の不一致である。このような問題が発現する理由として以下のことが考えられる.

1 国内産業保護(国有企業経営の苦境)
2 縦割り行政
3 政策の周知徹底の不備
4 地方保護主義」

日本人の場合にはこれに加えて、日本人の特殊性を考えなければならない.中国人に比べて、日本人は国際的だと考えている人がほとんどだが、それは全く逆で、中国人が国際的で、日本人は特殊な民族だと言うことだ.先ほどの不動産の調解でもそうだが「あうん」を相方に期待してしまう.「まさかそう言うことはないだろう。 」という前提で行動してしまう.その「まさか」が中国では頻繁に起こるのである.

先ほどの労働仲裁の事件で、労働法が労働者に有利だと言う事ばかりではない.日本企業が負けてしまう理由がある.日本企業は仕事の仕方が以心伝心だから、仕事の範囲も責任も明確でないばかりでなく、評価体制も曖昧だ.そのうえ、日本人はコミュニケーションが粗雑で、中国人のように交渉能力がない.だから、中国人に一方的にやられてしまう.

これは労働争議とか労働仲裁だけでなく、対外的な問題についてもすべからく同じ事が言える.反日問題は確かにある.しかしながら、もっと根が深く、大きな課題は日本人のグローバル感覚の欠如だ。こんなことを言うとほとんどの人は反目するが、そういうことすら、認識出来ない程、日本人はグローバル音痴になって来ていると言う事だ.

東アジア金融危機以来、日本が東アジアを主導する「雁型構造」の分業システムは既に崩れてしまって久しい。BRICSの経済発展にかっては日本が先頭を行っていたのだが、今はその面影すらない.世界第2位のGDPという事実だけがまだあるが、この事実は成長を伴っていない.還暦ニッポンの斜陽国だ。

中国に滞在する日本人数は外務省の調査(2004年10月1日現在)によれば、中国(香港を含む)における長期滞在者は9万8172人で、永住者1007人を合わせた滞在総数は9万9179人、ざっと10万人である。在外日本人の10分の一になる.JETROの人たちのように中国人、中国の商慣習、風土、文化を吸収しようとしている人たちはいったい何人いるのだろうか.

中国から学べるものは何だろうかと言う視線を持った日本人がいったい何人なるのだろうか.中国はもはや発展途上国ではないと思っている人は何人いるのだろうか.この裁判も一緒だ.かれらは先進国だ.しかも地方人脈がそこに歴史の重さを持ってのしかかっている国だ。

不公正は後進国であるとか、発展途上国とかではない.100年経っても、今まで述べて来たような不公正は決してなくならない.昨日の「地政学10か条」をもう一度読んでほしい.世界の人たちの感覚だ.こうした感覚は日本人は持っていない.

     自国が利用されているのではないかと疑う.
     油断しない。
     「友好」を真に受けない.
     徹底的に人が悪いという考えに立つ.

くどいが、こうした感覚は日本人は持っていない.だから、さきほど日本人は世界でも特殊だと言った.平たく言えばお人好しだ.また、地政学では「君主論の著者マキャベリも『隣国を援助する国は滅びる』と言っている。」とも書いた.こうした日本人のファンダメンタルな部分が悪いと言ってるのではない.世界から良い獲物だと見られていると言う事だ.

この裁判も同じだ.同じ土俵に立たなければ、勝つことはできない.確かに中国の裁判は不公正なところもある.その不公正な部分がなぜ不公正なのかを分析してみる必要がある。中国の問題だけでなく、日本人の問題もあると言う事だ.日本人のグローバル化はやっぱりここでも課題だ.

明日は「対日本抗議行動」だが、魚釣島、東シナ海のガス田、李登輝の訪日をあげて行くと、逆の場合も多いことに気がついた.対中抗議行動も多いが、どう違うんだろうか.

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2009年01月30日

「情報・人権に関する制限の問題」

「中国人権発展基金会の林伯承副会長は「中国国民の国民権と政治権は民主法制建設の中で保障されている。基本的文化権益はさらに実現されている。経済社会権利は社会建設の中で急速に発展している。中国人権の国際交流協力も平和発展の道程において大きな成果を果たした」と述べた。」(exiteニュース 2008年12月11日)

2008年は「世界人権宣言」60周年と中国改革開放30周年にあたる為にこうした発言があったが、中国は情報は制限されており、巨大な検閲システム「金盾」が稼働し、それに数千人が従事しているようだ.また、人権についても、チベット騒動に見られるように、相当制限された状態だ.こうした検閲にマイクロソフトとかグーグルの大企業が協力しているので、国際的な非難を受けている.彼らにしてみれば、協力しなければ、中国でのビジネスを阻止されてしまうので、行わざるを得ない.

この問題は共産党一党独裁を維持するためのものなのか、中国の今までの皇帝の仕組みを継続して来たからなのか、多民族国家を維持して行くためには必要なのか、昨日の地政学で言うアメリカの偽善の「人権」のカードは大きなお世話なのか.そうした事を今日は話をしたい.

「2004年11月には検閲されていない違法なインターネットカフェ1600店あまりを摘発し、更にはネット上で政府を非難する中国人を逮捕し、メールの文章も検閲している。GoogleやYahoo!、Microsoftなどの企業も政府の検閲に協力している。しかし、ネットやメディアが発展した都会では、諸外国からの批判を見ることがある程度できるようになっている。2006年6月、中国のインターネット人口は1億2300万人に達した。」(ウィキペシア)

インターネットはそのアクセス人口も領域も驚異的に拡大しているので、検閲を仕切れない領域が出て来ているのも事実だ.中国政府はアクセス出来る領域、項目を仔細に限定しているが、以前あった反日運動がネットによって広がった時には政府はそれを押さえることができなかった.煽動をネットで煽ることはできても、沈静化することはできない.携帯電話が3億まで普及して来ており、また、3Gが導入されて来ているので、政府はこの世界まで干渉出来ない.

「2004年には韓国人の議員らが脱北者に関する記者会見を中国国内で行おうとした際、中国政府により強引に記者会見を解散させられることがあった。諸外国の報道機関は、中国政府に対して「報道の自由が保証されていない」として非難しているが、中国政府は「これが中国の文化である」と主張している。」(ウィキペディア)

100年以上も前に排日運動(日貨排斥)が数多くあったが、その目的は日本の政治的・軍事的侵略と並行して,多数の日系工場が設立されるなど,大規模な「経済侵略」があり,それに抗することにあった。第1回目の対日ボイコットは1908年,日本商船の第二辰丸が鉄砲94箱,弾薬40箱を密輸しようとして清朝に拿捕された際,日本は日章旗侮辱問題にすりかえて、賠償金を支払わせたことにある。

この屈辱外交に対して対日ボイコット運動が広東・香港中心に華南一帯で闘われた。こうした排日運動は1931年の第9回まで続く。この期間にイギリス、アメリカに対する排斥運動もそれぞれ一回ずつあった. 実はこうした20世紀初頭頃には人権問題も情報操作も日常茶飯事であった.清帝国はこうした日本の圧力に屈して、賠償金を払っている.対華21か条もこのころだ.この件は来週だ.

「中国の死刑執行 3ヶ月で1781人」(ダライ・ラマ法王代表事務所のHP)は以前話をしたが、人口が多いのかも知れないが、死刑執行の人数が世界の9割が中国で、執行までの期間が極めて短い.人間の命の軽重を問うことはできないが、死刑は多すぎる.なぜだろうか。

「2005年に炭鉱事故は3341件で、死者は5986人。炭鉱事故が頻発している中国では、地方政府や企業の安全意識を高めるために、2006年から、事故の発生状況が地方幹部の出世の考課対象に加えられる見通しとなった。」(サーチナ  2006/01/06)

「人命を軽視し、法律も無視して、違法生産を行うものは、厳罰に処す」「官民癒着や不正な利益供与に対しては、中国共産党の監察部門とともに厳しく取り調べる」と言ったことを言わない限り、いや、言っても、こうした事故は一向に減らない.そもそも、これは人命に関わる安全基準以前の問題で、事故件数を地方幹部の幹部の考課項目にいれると言う事自体が異常だし、中国では人命が軽いとしか言いようがない.

「後漢末から五胡十六国時代(304-439)の戦乱や豪族による土地兼併によって土地を失った農民は流民となって各地をさまよい、あるいは豪族の奴婢となった。このことを放置すれば、国家が直接支配する土地と人民を減少させ、軍事面での破綻や税収の減少にともなう国家財政の破綻を引き起こすことになるので、各王朝は何とかして豪族の大土地所有を抑えようとして様々な対策を行った。」(http://www.wind.ne.jp/khari/hist/keizu-3,3koku,tou,10koku.html)

この時代から中央政府と地方政府の葛藤があり、農民は奴婢であり、「奴婢は、一般的に職業の選択の自由、家族を持つ自由、居住の自由などが制限されており、一定の年齢に達したり、その他の条件で解放される場合もあった。しかしながら基本的には家畜と同じ扱いであり、市場などで取引されていた。明・清代にも奴婢は残っていたが、基本的に私奴婢が中心であり徐々に廃れていった。しかしながら19世紀には、代わりとも言えるクーリー(苦力)が現れた。これらの制度は中華人民共和国の成立で正式に廃止される。」(ウィキペディア)

ところが、何千年も奴婢として扱われて来ていたので、中華人民共和国となって、彼らが解放されても、その生活レベルが大きく変わったわけではない.また、昔からの習慣、風土、文化は容易には変えられない.しかも、彼らが解放で得た農地は極めて少ないものだ.それが今の三農問題だ.

「奴婢(ぬひ)は、律令制における、良民(自由民)に対する賤民(自由のない民)の中の位置づけの一つであり、奴隷階級に相当する。」(ウィキペディア)とあるように、良民と賤民と言う階級制度が今はないが、そうした残滓が歴然と残っている.工場で働く女工が良い例で、彼女たちの中には上昇志向を持っている人は1000人に数人しかいない。現状に満足して、3年したら、国に帰って、結婚すると言うパターンだ.

抑圧されて来た歴史があるから、彼らに修学意欲、出世意欲を持ったものは少ない.そうした背景があるから、先ほどの炭坑のような話が出てくる.人種差別であり、人権軽視となる。それがこうした人権の問題で、これが「中国の文化だ。」と言わしめているのかも知れない.

日本にも奴婢制度はあったが、日本の奴婢制度は、律令制の崩壊と共に消滅し、900年代には既に奴婢制度の廃止令が出ている。だから、日本人はこうした差別された階級を知らない.アメリカではキング牧師が暗殺されたのは1968年であり、黒人と白人のバスの乗る部分が分かれていたのはこのころの事だ.だから、アメリカの人種差別廃止も未だ40年しか経っていない.

「反日活動における中国政府の関与については見解が別れる。西側諸国においては中国政府が情報操作、もしくは一時的に故意に報道管制や言論の自由を緩めることで「反日活動を事実上行わせている」との見解が多い。」(ウィキペディア)

また、「ワイルドスワン」とか「中国農民調査」は販売されていない.また、基本的に宗教の自由はあるが、新興気功集団「法輪功」の弾圧事件は周知だ.基本的に戸籍は移動出来ない.特に大都市は移動の制約が多い.農民工が1億2600万人もこうした都会に働きに出ているが、かれらの社会保障、居住、教育が保証されていないため、問題が多い.政府が農民工に都会に出てくるなと言う事はもはやできない.そうしたことから、この戸籍制度はもはや限界に来ている.

最近は人権問題と言えば、チベット騒動があげられている.インターネットもチベットの問題についてアクセス出来ない.チベット動乱が1956年から59年に起こり、ダライラマ14世はインドに亡命した.1959年〜1961年に中印戦争。1965年に、西蔵自治区が成立した。

「2006年に「青蔵鉄道」が全線開通したが、その9月30日に、ネパール国境地帯でヒマラヤ山脈を歩いていた子供を多く含むチベット仏教徒ら数十人に対し、人民解放軍兵士が銃撃を加えた。先頭と後方部を歩いていた2名(うち1名は15歳の少年)が死亡、数十名らが行方不明となった。」(ウィキペディア)このビデオはYOUTUBEでみることができる。(http://jp.youtube.com/watch?v=-6Fu2FNBFAU)勿論この映像は中国ではアクセス出来ない.

「国際人権団体「アムネスティ・インターナショナル」(本部・ロンドン)は1日、中国の人権問題に関する報告書を発表した。この中で北京五輪を前に国際オリンピック委員会(IOC)や世界の指導者らがチベットや北京で行われている人権弾圧に「暗黙の了解」を与えていると厳しく非難するとともに、中国当局に対して人権状況の改善を迫るよう強く求めた。」(産経ニュース 2008.4.2)

さて、情報規制だが、以上いくつか述べて来たが、報道の自由はない。また、インターネットも規制されている.しかしである。日本企業は主に、上海、北京、大連で日中間のビジネスをしているが、ビジネス上はその支障はない。弊社は大連にBPOセンターを持っているが、日中間での情報の規制は今までないし、問題もない.

規制されているのは政治的なものとか教育上好ましくないものとか上記の人権に拘るものだけだ.よく中国はこうしたカントリーリスクがあるから中国へのビジネスの展開に躊躇している企業が多いが、ビジネス面での支障はこの特定分野以外は全くない.どちらかというと地方政府との利権、企業との「信用」に関連した問題は五万とある.そのために弊社はその解決のビジネスをしている.できれば、問題を起こす前のビジネスを支援していると言った方が正しい.

明日は「不公正であると指摘される裁判制度」だ。これこそ中国の縮図だ.何でもありで、公正も不公正もある.また、利権と収賄もある.政治もからむ.きりがないが、中国を理解する上では裁判制度は無視出来ない.昨年の12月28日に「恣意的な法制度の運用」とその前日に「経済法制度の未整備」を書いているので、そっちの方も参考に。

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2009年01月29日

「地政学上での周辺国」

「地政学とは、地理的な位置関係が政治、国際関係に与える影響を研究する学問で、地理的な環境が国家に与える政治的、軍事的、経済的な影響を巨視的な視点で研究するものである。歴史学、政治学、地理学、経済学、軍事学、文化学、宗教学、哲学、などの様々な見地から研究を行う為、広範にわたる知識が不可欠となる。また、総合的な研究がまだ行われていない未熟な学問である。

世界各地には生存適地と資源地域が局地的・不平等に存在しており、それに関連して人口密度も国家発展の度合いも一律ではない。人間の適応能力は限定的であるため地域の特性は人間の行動への影響には一定の法則性が存在することは歴史を見ても明らかである。近年は人口増が急速に地球規模で進み、各国の経済発展によるエネルギー需要が増加し、また国際関係は様々な問題に直面しつつある。」(ウィキペディア)

これが地政学の定義で、中国はここに書いてある通り、人口が増大し、人口抑制をしているが、産業の発展にエネルギーの供給が伴わない.そのため、現在はその資源を求めて、アフリカを中心として世界中に展開している.そのため、そうした国々との様々な摩擦と国際非難を浴びている.

また、中国の歴史を見てみると昨日も話をしたように清の時代(1644年から1912年)に広東省、福建省の人たちが南方に新たな生活の場を求めて移民している.インドを除いた東南アジアのすべての国々の経済はこうした移民の祖先の華人がその90%を握っていると言われている.

また、この地政学としてこの中国は大陸国家で、しかも、アメリカ、ドイツ、インド、フランスとは異なり、長い歴史の中で、内戦の連続ではあったが、終始、一貫して統一されて来ている.この中国は西は砂漠、北はタイガの不毛地、南は山脈に囲まれた「生存適地」であり、今でも「資源地域」ではあるが、石油のように枯渇して来ており、海外にその資源を求めている.

地政学では「交通地域」という用語を持ちいて、資源をどのように入手するかを重視する.かってはシルクロードがそれであり、現在は石油資源の運搬経路となる、マラッカ海峡、スエズ運河、ジブラルタル海峡であり、最近はソマリア沖の海賊に中国は軍艦を派遣している.ついでに、航空母艦の必要性まで便乗している.

また、中国は食料は基本的に「自給自足」が可能であるが、農民の一人当たりの耕作地が日本の3分の一と小さく、7億の農民を農業に従事させることはできない.そのため、3億の余剰人員が発生し、2億2600万人が農民工として出稼ぎに出ている.今回のアメリカの金融恐慌で、最も被害を受けているのはこの農民工である.労働人口も含めると自給自足経済ではない.輸出の相手先がないと内需だけでは毎年の1000万人の新規労働力を養えない.

中国は「シーパワー」と対比して、「ランドパワー」があるとされ、「ランドパワーとは「陸上のさまざまな権益、経済拠点、交通路などを支配、防衛するための陸軍の能力や陸上輸送力、陸地の加工力(土木技術や農業技術など)などを含めた総合的な陸地を支配・利用する能力である。」(ウィキペディア)地政学ではこの「ランドパワー」を持った国家が「シーパワー」を持つことはできないとされているが、最近、中国が航空母艦を製造しようとしている動きがあるが、この地政学上の法則に反している.

「ハートランド」とはシーパワーの影響がほとんど皆無であるユーラシアの中央部から北部に広がる地域を指し、「リムランド」とはランドパワーとシーパワーの接触地域である中国東北部から東南アジア、インド半島、アラビア半島を経てヨーロッパ大陸にいたる長大なユーラシア沿海地域を指す。(ウィキペディア)だから、中国はリムランドになる.

「マッキンダーは1900年代初頭の世界地図をユーラシア内陸部を中軸地帯(ハートランド)、内側の三日月地帯(リムランド)、外側の三日月地帯とに分け、『東欧を支配するものが、ハートランドを支配し、ハートランドを支配するものが世界本島(ワールド・アイランド)を支配し、世界本島を支配するものが世界を支配する』として、独ソ戦を予言した.」(ウィキペディア)

この地政学ではマッキンダーのような学者がたくさんいるが、日本ではあまり多くないようだ.この地政学には法則があるが、その是非はともかくとして、なるほどと思うところがあるで、WorldWar2 Onlineと言うゲームがあるが、そこから以下引用する.


 「地政学10箇条
        
  第1条、国際政治は自国の生存と繁栄のみを目的とする。
     国家とは常に、自国の安全と利益を考えて行動すべきだ。
     国益よりも自身の利益を考え行動した指導者たちの多くは
     「売国奴」の名の下に失脚する。
        
  第2条、国際関係は手段を選ばず、損得だけで考える。
     国際政治においては、生き抜くことが最重要課題であり
     良い行いをしても、殺されてしまっては元も子もない。
        
  第3条、善悪、道義は擬装の道具である。
     生き残るためには、善悪に関係なく手段を選ばない。
     所詮善悪は、自身を正当化したり、相手を非難したりする
     だけの道具だ。
     現在、「人権カード」はこれのもっとも最たるものだ。
        
  第4条、隣接する国は敵国である。
     隣接していれば、互いに利害関係でぶつかる事も多く、
     どんなに友好関係を築こうとも、潜在的な敵対国である。
     そもそも、真に仲が良く対立点などが無ければ、
     2つの国ではなく、当然1つの国として成り立っている。
     また君主論の著者マキャベリも「隣国を援助する国は滅び
     る」と言っている。
        
  第5条、敵の敵は戦術的な味方である。
     隣接する国を恐怖させる敵が存在する場合、
     その脅威を退けるまでは、敵国であったとしても手を組む
     ことが出来る。
        
  第6条、敵対していても、平和な関係を作ることはできる。
     敵対しているからと言って、
     自国の利益が得られるのであれば、
     平和的な関係を築くことも可能だ。
        
  第7条、国際関係は利用できるか、利用されていないかで考える。
     国家は自国の利益のためだけに動きます。
     その為には、自国が有利になるように、
     世界各国はいかに他国を利用を考えている。
     他国をいかに利用するか?
     そして、他国が自国を良いように利用していないか?
     国家の指導者たるもの、それを考えて行動すべきだ。
        
  第8条、国際関係を2国間だけでなく、多国間的に考える。
     世界では多くの国が複雑に入り組んでいる為、
     自国の利益拡大が国の権益を損なうという事も珍しくない。
     国際政治は、当事国である2国間だけでなく、
     多国間的に考慮し、行動しなければなりません。
     日清戦争後の三国干渉は、この顕著な実例だ。
        
  第9条、決して他国を信用してはならない。
     他国は常に油断のならない相手であり、利用しても信用
     してはいけない。
     他国は利益拡大のために、虎視眈々と自国の隙を狙っている。
     チャーチルは「我が国以外は全て仮想敵国である」と語り、
     キッシンジャーも「国家に真の友人はいない」と言っている。
        
  第10条、科学技術の発達を考慮する。
     多くの人間は、自身の経験から対策などを考えるが、
     科学技術の進歩は恐ろしく速く、それを常に考慮しなけ
     ればならない。
     マジノ戦や大艦巨砲主義も、教訓となる。
        
  補項、優れた陸軍大国が同時に海軍大国を兼ねることはできない。
     陸にも、海にも、両方に巨大な資金を投入できない事から、
     1人勝ちする超大国が現れた場合、
     必ずしも、この限りとは言えない。」

さらに、「外国を利用出来るか考える。
     自国が利用されているのではないかと疑う.
     油断しない。
     「友好」を真に受けない.
     徹底的に人が悪いという考えに立つ.」
    
    (地政学名言集 一部修正加筆 2008年09月25日)

ここでは日本人の価値観を否定している.いわば、グローバル価値観を国家レベルで見るとこうなるのかも知れない.日本人の価値観とは「真面目」「正直」「勤勉」「嘘つかない」ということと武士道がある.背中から敵を撃たないのは日本人だけだ.グローバル価値観がこのベースにあるが、それすら日本人は持ち合わせていない。地政学はこれからの日本人にとっては必須科目だ。

アメリカが中国に「人権カード」を使うが、第3条の「善悪は擬装の道具である。」と言うことになり、中国が日本に使う「靖国問題」もこの類いだ.日本は援助がスキだ。マキャベリは「隣国を援助する国は滅びる」と言っている。大連にODAで作った研修センターは未だ3年ぐらいしか建っていないが、昼間は電気が消えている。研修の都度利用しているが、10億も投資する価値があったのか、はなはだ疑問だ。こんなことをしていたら確かに国が滅びる。

第5条の「敵の敵は戦術的な味方である。」日本、アメリカにとっては台湾がその政治的な利用価値があると言う事だ.補項の「優れた陸軍大国が同時に海軍大国を兼ねることはできない。」は中国の事かもしれない.日清戦争の清の軍艦に「定遠」「鎮遠」という立派な軍艦があったが、結局、当時。発展途上国の日本の海軍にまけてしまった.また、戦前の日本の海軍と陸軍の予算の均等分割がそれにあたる。尾崎學堂先生がいつも嘆いていた.

中国は強大な軍隊を保有している。総兵力224万人、予備役約50万人、他に人民武装警察66万人(2007年)。このうち海軍は兵力約28万人しかいない。近代化を進めてはいるが、旧式装備の数の方が多い。弾道ミサイル搭載原子力潜水艦2隻、攻撃型原子力潜水艦の漢型を4隻(稼働1隻のみ)ということで、2004年に日本の領海を侵犯したと言うのはこのうちの一隻だ.日本の報道は大騒ぎしたが、大したことはない。日本はやっぱり平和ボケしている。

だから、中国が航空母艦を建造しようが、どうってことはなさそうだ。海軍はきわめて脆弱だ.陸軍は中越戦争で1978年に侵攻し、直ぐに撤退はしたものの、昆明軍はベトナムの山岳地帯を90年代まで占領し、中国軍の実践の場としてさんざん利用してきた.だから、陸軍は強い。

実はこうした地政学は中国の歴史そのものだ.36計がこれにあたる。

第一計 天を瞞して海を渡る    第二計 魏を囲みて趙を救う
第三計 刀を借りて人を殺す     第四計 鋭気を養い疲れた敵にあたる
第五計 火を見てこれを奪う    第六計 東を指して西を撃つ
第七計 無中に有を生ず       第八計 暗かに陳倉を渡る
第九計 対岸の火を見る       第十計 笑いに刀を隠す
第十一計 李は桃に代わって枯れる 第十二計 手に順って羊を牽く
第十三計 草を打って蛇を警む    第十四計 屍を借りて魂を返す
第十五計 虎を山から誘き出す    第十六計 捕らえるために暫く放つ
第十七計 煉瓦を投げて玉を引く   第十八計 賊を擒えるには王を擒にせよ
第十九計 釜の底から薪を引く    第二十計 濁り水に魚を捕らえる
第二十一計 金蝉脱殻        第二十二計 門を閉じて賊を捉える
第二十三計 遠交近攻        第二十四計 道を借りてカクを伐つ
第二十五計 梁を盗んで柱を換える 第二十六計 桑を指して槐を罵る
第二十七計 醒めていて痴を装う   第二十八計 屋根に梯子
第二十九計 樹上開花        第三十計 客を転じて主となす
第三十一計 美人計         第三十二計 空城計
第三十三計 反間計        第三十四計 苦肉計
第三十五計 連環計         第三十六計 走ぐるを上計となす

36計の中身についてはここでは説明しないが、日本人は中国人に以上の策のどれか2つを組み合わされて、仕掛けられたら決して見破る事はできない。中国のドラマ「首富」はこの策略ばかりを使っている。中国人にとっては日常茶飯事の策だ。私の妻の母親はこうしたドラマを毎日見ているから、こうした問題の解決能力は極めて高い.

22の省の他に、4の直轄市(北京、天津、上海、重慶)、5の民族自治区(内蒙古、広西チワン、チベット、寧夏回族、新彊ウイグル)及び2の特別行政区(香港特別行政区、マカオ特別行政区)がある。これらの省級地方すべてに幾つものテレビ局があり、歴史大河ドラマを無限に制作している。24時間見ても見切れる数ではない。しかもそのほとんどが人脈ネットワークがらみの歴史大河ドラマだ。

さて、ロシアとかアメリカはいわば先にあげた「ハートランド」で、中国は「リムランド」になる。マッキンダーのような話は昔の事だから、世界を制覇するのはどうのということはないが、今の中国は周辺国がたくさんあるが、地政学上は中国は生存適地に存在し、地理的に国が守られている.地続きで侵入するのに障害のない国はロシア、北朝鮮、ベトナムだけであり、ほかは山岳地帯、砂漠に阻まれている.

日本との関係は海を隔てているために、元寇があったように、大陸間弾道ミサイルがある現在でも、北朝鮮に侵入するようには行かない.また、先ほど示したように、中国は海軍がきわめて弱い.地政学で言えば、シーパワーがない.海軍で攻めて来れない.

台湾は違う。中国側が台湾攻撃用ミサイルを1000発配置している。距離が近いからだ.また、金門島は中国大陸から最短でわずか2kmの位置にある中華民国の領土で、厦門は台湾の高雄市から306kmだ。ちなみに、福州から日本の最南端の魚釣島までは420km、魚釣島から那覇までは同じく420kmで、魚釣島から台湾までは190kmで、石垣島までは175kmだ。

石垣島へは、沖縄・那覇空港より約1時間毎に1便、計10往復運航しており、那覇まで1時間かからない.那覇空港は自衛隊との共用空港であり、かつ那覇空港の北東約20kmには米軍管轄の嘉手納飛行場がある。中国、台湾に近いので、ビジネスの要衝になっても良いのだが、今は、軍事の重要拠点だ.img046この図は桜井よし子ブログより転用した。また、宮古島の近くにパイロットの訓練用の飛行場がある下地島の安全保障上の価値をどう判断するかは地政学上興味のあるところだ.

プロイセン首相・ビスマルクが大久保利通らに語った言葉によると「今、世界各国はみな親しく交わっているように見えるが、それは全く表面的なことで、本当のところは弱肉強食であり、大国が小国を侮るというのが実情である。 例えば国際法というものがあっても、それは大国の都合で存在するものであり、自国の都合のいいときには国際法をふりまわし、自国に都合が悪くなるときには軍事を用いる。小国は実に哀れである。国際法の条文を一生懸命に勉強し、他国に害を与えること無く自国の権利を守ろうとしても、大国というものは国際法を破る時には容赦なく破る」 (参考文献・『米欧回覧実記』地政学名言集 2008年09月25日 )

100年前のはなしだが、地政学も所詮こうした事が今でも通用しそうだ。北朝鮮もこの地政学10か条から照らしてみると、北朝鮮のスポークスマンの言っている事はまったく信用せず、格の廃棄についての6カ国協議も徹底的に北朝鮮を信用せずに、悪い連中をどう扱うか、自国の利益のみを考えて、打算で、交渉するべきと言う事になる。

平和的な関係は維持しているが、所詮敵国で、援助などは考えては行けない。善悪抜きで、手段を選んではいけない。ということになる。自国の繁栄と生存を考えれば、今のテポドンのレベルであれば心配するに値しないのかも知れない。拉致問題は日本の朝鮮総連の送金の金額と拉致の人質の金額を相殺すれば良いのかも知れない。それ以上他に関わる必要は日本にはない。

中国はどうかというと、北朝鮮は資本主義国との緩衝地域だと言う事以外にはなさそうだ。となると崩壊しないように適当に管理していれば、良いと言うことになる。生かさず殺さずと言う事かも知れない。ビジネスの上でのメリットはなさそうだ。多少の資源があるが、アフリカに比べれば比較にならない。

明日は「情報・人権に関する制限の問題」だ。これもいろいろありそうだ.ただ、問題は難しくない。

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2009年01月28日

「国家正当性を巡る台湾」

今日のニュースでメタミドボス入りの餃子の話が出ていたが、「中国製冷凍ギョーザによる中毒事件で、製造元の「天洋食品」(河北省石家荘市)が回収、保管していたギョーザ約15万食が08年4〜6月にかけて複数の地元国有企業に横流しされていたことが分かった。」(毎日新聞 2009年1月24日)

天洋食品を救済するためだと言う事だが、日本人の感覚では理解出来ない.配布した結果、食べた人は食中毒を起こしている.そのことがまた地方レベルで、隠蔽されてしまう.環境問題に対する意識が低いだけでなく、情報自体が統制されてしまうのだ.そこに、地元政府との癒着関係が相当ありそうだ.日本人には到底信じられない事件だ.私の家族の中国人も中国では野菜を食べたくないと言っているが、その通りだ.

さて、台湾の話をしよう.台湾はご存知のように中国が台湾省としてその領有権を主張して来ている.1971年に台湾は国際連合から追放され、未だに、再承認されていない.「現在、22の加盟国とローマ教皇庁が中華民国との外交関係を維持している。」(ウィキペディア)

中国と台湾の話は政治的には紆余曲折して来ているが、台湾独立に関しては家族が台湾人であることもあり、独立したいと言う事自体がよく理解出来ない.この台湾に関してだけは短いニュースはあまりなく、みんな長文の内容だ.書いてある事は複雑ではなく、単純なので、わかりやすい。要約したものをとりあえず、以下引用する。

「中国政府の考えはきわめて明確で、台湾をその母国たる中国に戻すことは、最重要課題と位置付けられています。米中間で1972年、1979年、1982年に3つのコミュニケが調印されましたが、そのいずれにおいても台湾が中国の一部であることを米中両国が認めるとの記述があります。これは対米のみならず、全世界に向けて中国がやっていることです。中国と何らかの関係を持ちたい国は、必ずこの「1つの中国」原則、つまり台湾は中国の領土で、統治するのは中華人民共和国であることを認めなければならないのです。」

「中国政府のもう1つの対台湾政策の特徴は、台湾との経済統合の積極的な推進です。過去数年間、とくに台湾経済の悪化を背景に、多数の台湾企業が中国に進出し、直接投資をすすめ、台湾から中国への人材の流入も活発に行われています。」

「米国政府は、おそらく中国・台湾両方との関係を良好に保つ努力をすると思われます。中国とは3つのコミュニケに基づいた関係を維持し、台湾とはインフォーマルな関係を保つべく、武器輸出を続けることになります。不明確で矛盾した外交政策ですが、この戦略はいまのところうまくいっているし、米国政府は今後もこの戦略を維持すると思います。台湾とは友好関係を保ちつつ、中国との関係改善にもまじめに取り組んでいる、というのが現状のようです。」(経済産業研究所 Ramon H. Myers (Senior Fellow, Hoover Institution) 2002年2月12日)

「現中華民国総統の馬英九は党綱領から「統一」の文字を削除して「台湾」の文字を新しく盛り込み、党規約に「台湾主体」を明記しているが、中国との間で、欧州連合(EU)加盟国同士並みに関税、資金、労働力の自由流通を目指す「両岸共同市場」を提唱した。現在も「両岸対等、共同協議、市場拡大」を掲げ、総統就任後の2008年12月15日には、中国との間で「三通」を実現させた。」(ウィキペディア)

「三通(さんつう)は中国大陸と台湾の「通商」、「通航」、「通郵」を示す言葉で、2008年12月には、直行チャーター便を毎日運航、中国大陸側の就航都市を5都市から21都市に増加、貨物便の就航、経路を香港上空経由から最短ルートに変更することとなった。海運についても台湾が11港、中国大陸側が63港を開放する。郵便、送金についても、香港経由をとりやめることとなった。」(ウィキペディア)

台湾の人口が2300万人で、そのうち労働人口は2007年の統計で約1000万人。150万人から200万人が中国に在住してビジネスをしている.すなわち2割近くが中国にすでにいることになっている。それもこの5、6年で2倍に増加して来ている.この三通によって、ビジネスが加速するのは間違いない.

「2008年9月30日、中国本土から台湾へパンダが贈与されることになっているが、29日、台湾当局上層部が明らかにしたところによれば、パンダと引き替えに台湾固有の動物が中国本土へ渡ることになるという。台海ネットが伝えた。」(EXITEニュース 2008年10月1日)

「台湾国防部は、中国は台湾に向けて1000基以上の短距離弾道ミサイルや巡航ミサイルを配備しているとし、報告書では「中国は台湾問題を平和的に解決したいと主張しているが、台湾との軍事紛争に備え軍備拡張を続けている」と強調している。」(AFP 2008年05月13日 )

「中国中央軍事委員会の徐才厚副主席は「台湾問題は緩和の兆しが見えてきたが、敵対関係の解消には至っていない」と述べている。」(日経ネット 2008年7月2日)

「台湾の対中国交流窓口機関、海峡交流基金会トップ、江丙坤理事長が7日から訪中し、中国側の海峡両岸関係協会トップ、陳雲林会長と金融危機をめぐる中台間の協力などについて話し合うことが5日分かった。中台関係筋が明らかにした。」(産経ニュース 2009.1.5)

大分引用が長くなってしまったが、この背景には国民党と共産党の歴史があるが、台湾では戦後国民党とともに台湾に移ってきた中国大陸出身者とその子孫を「外省人」と言い、それ以前から台湾に住んでいた人々を「本省人」というが、この「本省人」は福建省出身者が多い。

台湾語は閩南語とほとんど同じで、中華人民共和国福建省南部の言葉だ.漳州、泉州、厦門あたりの出身者は台湾の人たちと閩南語で会話が出来る.いわば同族、同郷と言っても良い.これらの都市は台湾の対岸の都市だ.「本省人」といっても、清の時代に移民して来た人たちで、福建省南部の風俗、文化、言語が全く同じ人たちだ.

台湾は鄭成功(1624−1662)政権があったが、実質的に中国人が移民して来たのは清の時代だから、1644年から1912年の長期にわたって、移民して来たことになる.そのほとんどが対岸の福建省からだ.シンガポール、マレーシア、ボルネオの中国人も1700年代から広東、福建から移民して来ている.だから、年代的にはそう大きな違いはない.シンガポールの華人出身地が混在しているが、ボルネオは都市によって出身地が明確になっていて、話す言語も違う。ただ、台湾との違いは出身地だろうか.本省人が台湾の人口の8割だから、彼らは福建省南部の人たちだ.シンガポール人は違う.異民族の集合だ.マレーシアもそうだ.同じ中国人だが、人種が違う.

中国は昔から戦争の歴史だと言って来た。なぜ戦争をするかと言うと、民族が違う、言語が違うからだ.異民族同士が戦って来たのが中国の歴史だ。この台湾は国民党という過去の経緯はあっても、台北の市民生活と福建省南部の人たちとのそれとは全く同じだ.食堂、クリーニング屋、金物屋すべてが一緒だ.違うものは貨幣の単位ぐらいだろう.

こうした人たちが戦争をするとは思えない.中国は同じ民族同士では戦争して来たことはない.中台米の関係は政治の駆け引きにしかみえない。一国二制度と言うことはあり得るだろうし、今のままでずーっと行くかも知れない.ただ、今の台湾の経済人がビジネスに支障のある動きを台湾政府がして来た場合には勿論反対して来たし、これからも反対するだろう.

しかしながら、台湾の一般のビジネスマンとか一般の市民はこうした事には関係なく、中国と行き来している.また、中国に行っても、アメリカに行くのと同様に、同郷の人たちがいるところにすんでいる.彼らにとっては共産党も国民党も関係ない。同じ生活が出来る。お互いに信用できれば良いのだ.だから出身が福建省南部であれば信用できる。これが正しく中国人の地域閥だ.中国人は人脈ネットワークが一番強い.

この地域閥は政治がからんでも崩すことはできない.陳水扁が独立を叫ぼうが、連戦が訪中しようがこの関係は崩せないと言う事だ.台湾を政治的に利用することはできるが、戦争する事は決してない.福建省南部とか漳州、泉州、厦門の地方政府は何が何でも台湾人の本省人を守ろうとするだろう.同じ民族だからだ.最近は私の家族みたいに、本省人と外省人が混血して来ているから、そうした区別がなくなって来ているが、彼らは言語、風俗、習慣が同じだ.家族閥の次に強い絆を持っている事を忘れては行けない.

明日は「地政学上での周辺国」。地政学はジオポリティックスといい、「地政学とは地理的な環境が国家に与える政治的、軍事的、経済的な影響を巨視的な視点で研究するものである。イギリス、ドイツ、アメリカ合衆国等で国家戦略に科学的根拠と正当性を与えることを目的とした。歴史学、政治学、地理学、経済学、軍事学、文化学、宗教学、哲学、などの様々な見地から研究を行う為、広範にわたる知識が不可欠となる。また政治地理学とも関係がある。」(ウィキペディア)さあ、どうしよう.

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2009年01月27日

「周辺の社会主義国」

「中国では1980年代後半、東北地方に住む朝鮮族の親戚訪問などの名義による北朝鮮旅行が盛んになった。2004年には北朝鮮のカジノが中国の官僚でにぎわっていることが、中国メディアの暴露記事がきっかけて広く知られるようになり、中国政府は海外で賭博行為の禁止令を出した。国家観光局は2日、中国人の北朝鮮団体旅行(ツアー旅行)を認めたことを明らかにした。平壌を訪れた同局の杜江副局長が8月29日、北朝鮮観光局の姜哲秀副局長に伝えた。」(サーチナ 2008/09/03)

副題に「ソ連よりの衛星国」とあったが、ソ連はもうないので、ロシアになるが、この国は社会主義国ではないので、副題をとってしまった.ロシアとの関係はまた別途機会を設けたい.

「北朝鮮の金正日(キム・ジョンイル)総書記は同日午前、平壌を友好訪問している中国共産党対外連絡部の王家瑞部長と会談した。2008年秋に健康が悪化したと報じられて以来、金正日総書記と外国の要人の会談が伝えられたのは初めて。」(サーチナ  2009/01/23)

「6カ国協議は朝鮮半島の非核化を実現させる国家間会議である。各国はこの目標を実現するために自国の義務を果たさなければならない。しかし、日本だけが義務の履行(経済援助)を拒否し続けている。一部の国が日本の代わりに経済補償を提供すると表明している中、日本は6カ国協議に参加する資格はない。日本が6カ国協議に参加する意向を引き続き示しても、朝鮮は日本を相手にしない」(サーチナ 2008/12/09)

まずは北朝鮮から話をしよう.北朝鮮は吉林省と接触しており、中国側に朝鮮族が300万人いる.我が社にも社員が一人いるが、大連の研修の講師にも一人いる.彼は韓国、北朝鮮にビジネスで、行き来している。親族が北朝鮮にいて、出入りが自由のようだ.中国側の開発区が琿春市で、図們江(豆満江)地域開発の拠点都市であり、金大中元韓国大統領の太陽政策で韓国企業が多数進出したところだ。ここには小島衣料が進出している.

北朝鮮側の開発区が羅津(ろじん)で、正確には「羅津・先鋒経済貿易地帯」である。ここは中国側の琿春市の開発区と対になったっている。都市名は羅先直轄市(ラソン)と言っているが、中国人は羅津と言っている.講師の朴さんは毎週のようにここに行き来している.彼の拠点は大連だ。

もう一つ中国と北朝鮮との接点は遼寧省丹東市がある。ここは大連に近くて、車で3時間のところだ.鴨緑江を隔てて北朝鮮新義州特別行政区が対面だ.楊斌(ヤン・ビン)はオランダ国籍をもつ華人実業家。北朝鮮の新義州特別行政区の初代長官に任命されたが、中国当局に逮捕された。瀋陽のテーマパークオランダ村開発にまつわる詐欺や農地不法使用、贈賄などの罪で起訴、懲役18年、罰金230万元の有罪判決になった。特別行政区は事実上凍結状態にある。(ウィキペディア)

私は10数年前に名古屋から里帰りの朝鮮人の飛行機便があったので、平壌と板門店に行ったことがある.今でもそうだが、国交がないので、帰りの便が保証されない.その前の年には飛行場までのバスが故障して、結局離陸までに間に合わなくて、一週間延泊したあげく、北京経由で帰ったそうである.そういう国だから、中国との関係はと言うと悪くない。

日本人とか韓国人は北朝鮮と韓国が将来統一すると考えているが、中国人はそう考えていない.韓国政府の公式訪問では統一を支持するようなニュースがあったが、実際にはそうしたことを考えている中国人はいないようだ.中国にとって北朝鮮は「夷狄(いてき)」で、中華思想における漢民族以外の異民族のことだ。日本も一緒だが、北朝鮮に関しては中国の一部みたいな感覚だ.

北朝鮮は人口が2300万人で、韓国の4860万人の半分だ.中国の朝鮮族が300万人だから北朝鮮の15%の人口が中国側にすんでいる.朝鮮族は日常は朝鮮語なので、北朝鮮の人たちとの会話は全く問題ない.だから、大連にいる朝鮮族の中国人の北朝鮮に対する感覚は日本人とは全く違う.彼らにたしては同族と言う意識だ.だから韓国との統一は中国人からすると考えた事すらなさそうだ.

さて、今日は「周辺の社会主義国」と言う事なので、ベトナムの事を少し話をしよう.ベトナムとは1978に戦争をしている.小平が廣州軍区と昆明軍区の60万の軍と400輌の装甲兵器で、侵入し、結局、廣州軍区の軍隊は直ぐに敗退し、昆明軍区の軍隊はなんと1999年まで老山・者陰山地域を占領していた.

その間、中国はこのベトナムの占領地で、中国の軍隊の実戦経験をここで積ませてきた.その結果、「2008年12月31日を以って中越両国の陸上国境が確定した。現在でも南沙・西沙諸島の領有権を巡っての領土問題は残されており、双方の武装船が相手方漁船を銃撃する事件がたびたび起こっているが、中越双方ともに共存する以外に選択肢がないのも自明の理であり、この共通認識が中越の両共産党による柔軟路線を導いている。」(ウィキペディア)

「1988年、ベトナムは、憲法の序文から中国非難の言葉を削除し、1989年9月、カンボジア駐留ベトナム軍20万人の全面撤退を国際的に公約した。1991年11月5日、カンボジア問題をめぐるパリ協定が調印され、その直後ド−・ムオイ書記長が公式に訪中し、14年ぶりに関係が正常化した。1971年の周恩来首相以来21年ぶりだった。」(http://www17.tok2.com/home/yueliang/China-Vietnam.htm#6)

ホーチミン、ハノイにはドイモイ(刷新)政策を開始して、しばらく経った1990年頃に訪問したことがある.当時のアクセンチュアの責任者は台湾人で、華人がベトナム進出のビジネスの実権を握っていたようだ.中国人街も大きなところがあって、そこには50万人の中国人が住んでいた.当時、日本人がお土産に買うものが何もなく、北朝鮮の朝鮮人参が北朝鮮から輸入されていて、ひどく安かった.

北朝鮮ではその当時、外国人向けに売っていたが、その10倍位の値段だった.この当時のハノイは中国の北京と同様に、まだ、すべてが国営と言う雰囲気だった.現在は中国から低付加価値産業がこのベトナムに移動して来ている.2007年の情報だが、ベトナムでは労働者の平均賃金が中国の沿海部に比べて3分の1程度の水準だ。(新生銀行 2007年9月28日)

最後に、アフリカの話をしたい.

「中国はアフリカへ進出する目的の表向きは資源調達です。代表的なのはリビアの他に、アンゴラ、ナイジェリア、スーダン、ケニア、そして、先日当ブログで記事にしたザンビア。中国政府「内政には干渉しない」と発言しています。つまりどのような国家状態であっても取引はするし、援助も行うのです。中国はこれらの国家に対して武器支援も行っています。

アフリカ各国の事業については中国の国営企業が次々に安値で落札しています。ほとんどの地域で、彼らは歓迎されていないようです。中国人の現地での住居は最高級住宅地に構えている場合が多いこと、中国企業で働く現地の労働者の待遇の悪さは各地で問題になっており、タンザニアでは中国企業が保有する炭鉱の労働者が、低賃金に抗議して大規模な暴動を起こしました。また、アフリカ諸国では、衣料品や家電など安価な中国製品が大量に流入、事業閉鎖に追い込まれる現地企業も相次いでいるのです。」
(アフリカ・ニュース 2008年10月06日)

「中国の温家宝首相は19日、アンゴラのドスサントス大統領と北京で会談し「国際的な金融危機を理由にアフリカ援助を削減することはしない。アフリカ諸国と国際金融体制の改革問題で緊密に協力したい」と述べた。アンゴラは中国のアフリカでの最大の貿易相手国。温首相は中国企業のアンゴラでのインフラ建設や資源開発への進出を後押しする方針も示した。」(日経ネット 2008年12月19日)

2002年にアンゴラの内戦が終了した時に、マレーシアの友人から打診があって、アンゴラの新政府が石油の利権を売りたいと言う話があったので、クアラルンプールまで言ったことがある.当時のアンゴラ政府の幹部が来ていて、仔細を聞いて、日本の石油会社全部に打診したが、関心を示さなかった.結局、中国の石油会社が出資した.中国は資源が足りないので、なりふり構わずにアフリカに投資している.アンゴラ自体は1990年には社会主義体制を止めている.アフリカでは社会主義体制はリビアだけだ.中国が武器を輸出して、問題となっているところだ.

明日は「国家正当性を巡る台湾」だ。ところで、先日、中国人からこのブログの半紙が途中で終わっているのが多いと言う話を聞いたが、その通りで、時間が来たら、終わるようにしている.休みの日は時間があるので、最後まで書いているが、平日は時間が来たらそこで、打ち切りにしている.言いたいこともあるが、書けない時が多い.またの機会にと思っている.

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2009年01月26日

「軍事力の増大とナショナリズムによる周辺諸国との摩擦」

「2008年10月22日、英国の軍事専門誌「ジェーンズ・ディフェンス・ウィークリー」がこのほど2008年世界軍事力ランキングを発表した。上位5か国は米国、フランス、ロシア、中国、英国だった。中国は4位。日本は22位。多くのランキングで中国は過大評価されるケースが多いが、隣国の軍事的脅威を誇張することで、自国の軍事予算を増やす狙いもある。」(レコードチャイナ 2008年10月23日)

日本の自衛隊の防衛予算は長い間、GDPの1%に押さえられて来た.現在は0.8% (2008)で、4兆7,797億円(2008)、自衛官:248,303 人(2008)、一方、中国はGDPでは1.8%、2008年は約6兆600億円、224万人で、予備役50万人、武装警察66万人.(ウィキペディア)このように見ると、予算も拮抗していて、日本との違いは兵隊の人数ぐらいかと思うが、実は全然違う.国を挙げて、周辺諸国だけでなく、主要な利害の対立国にたして、周到な軍備を行って来ている.中国においては軍事は最重要な国策だ.日本とは全く違う.

戦争と言うと物理的なものを想定してしまうが、そうではない.2007年6月、アメリカ国防総省にあるロバート・ゲーツ国防長官のコンピューター・システムへの不正侵入のようなサイバー攻撃もあれば、長い年月にわたって計画するスパイ活動もある。こうした中国のスパイ活動は中国の歴史のなかにその事例は数限りがない。日本人はそうしたことに対して、全くと言っていい程、鈍感だ.まさかそんなことはないと言う感じだが、中国はこの5000年以上にわたって、国内で、絶えず戦争をして来た国だ.その戦略とか戦術は国外に対しても全く同じだ.そうした事から、こうした軍事に長けている国は中国をおいてほかにない.

「米国防総省は3日、2008年度の「中国の軍事力」報告書を発表した。同報告書は中国が不透明な体制で軍事力を大幅に増強し、台湾制圧の能力を短・中距離ミサイルの1000基以上の配備で高めるほか、海軍力の強化で尖閣諸島の領有や東シナ海の権益をめぐる紛争への対処能力を高めている実態を伝えている。中国は米国本土に届く長距離核ミサイルの強化や航空母艦の開発にも着手しているという。

2007年の公表国防費は前年より19・47%増の約500億ドルだが、実際の軍事費は年間1400億ドルにも達する。自国防衛の消耗戦から遠隔の地での領有権や資源の獲得を争う戦いを遂行する能力の保持を目指す。中国の軍事力の目的として台湾攻略や米国との競合、その他の国家主権の発揚をあげ、日本との尖閣諸島の領有権紛争や東シナ海でのガス田開発をめぐる排他的経済水域(EEZ)の権益争いの軍事的解決をもその主目的の一つ。」(産経ニュース 2008.3.4)

先ほど軍事は国策と言ったが、経済の海外展開と同じように、軍事においても同様の展開をして来ている.軍事予算は実際には日本の比ではない.領土摩擦においても日本以外は軍事に依存するところが多いが、中国も同様だ.軍事力による威嚇は常套手段だ.テポドンの飛来すら確認出来ない国とは大違いだ.

「中国外務省の秦剛副報道局長は中国の国防費が20年連続で2けた台の伸びを示したことについても「中国の軍備は防御的なものだ」と指摘。「軍事的な透明性を口実に“中国脅威論”をまき散らし、中国の内政に干渉することに反対する」と批判を突っぱねた。」(産経ニュース 2008.3.4)

こう言うメッセージは中国は得意だ.中国の国家戦略として、1992年の南巡講話は経済の発展を促したが、外資の導入と相俟って、海外への輸出、資源の輸入がこの経済の発展の維持には必須だ.当然その裏腹として、軍事的な行動が世界に向けて展開されて来ている.それも物理的なミサイルのようなものばかりでなく、情報とかインターネットによる軍事行動が目立って来ている.

「米政府はサイバーセキュリティ対策に巨額の資金を投じてきたにも関わらず、その努力がほとんど認知されていない。向こう4年間における米国の最大のサイバーセキュリティ脅威は、他国の正規軍からもたらされると見ており、現時点では中国およびロシア軍が最大の脅威である。」(エンタープライズニュース 2009年01月13日)

「靖国神社はこのほど、Webサイトにサイバー攻撃が続いているとして、攻撃の状況を公開した。昨年9月から現在まで継続的にDDoS攻撃を受けており、ほとんどは中国ドメインからと見られるという。靖国神社によると、DDoS攻撃は9月3日夕に始まった。毎秒1万5000回のリクエストを受けることもあったという。攻撃は現在も続いている。」(IT Media ニュース 2005/01/06)

「DDoS攻撃:DoS攻撃がサーバなどのネットワークを構成する機器に対して攻撃を行い、サービスの提供を不能な状態にすることだが、DDoS攻撃は数千・数万のホストからの攻撃で、防御が出来ない.OS上のセキュリティホールから侵入する.」(ウィキペヂア)

こうした類いの攻撃は数限りないようだ.今まではインターネットは反日活動のように情報操作に使って来たが、インターネットの普及が3億人を超えてしまい.操作しきれなくなって来ている事は事実だが、こうしたサイバー攻撃は諜報活動と会わせて、今後減ることはない.日本は民間の銀行も含めて、金融システム、交通管制はサイバーセキュリティを前提に設計はされていない.

「1999年に中国人民解放軍の二人の空軍大佐が書いた「超限戦―グローバル化時代の戦争と戦法についての考え方」の中で「コンピューター攻撃、暗殺、爆弾テロ、麻薬密輸、生物・科学兵器、金融錯乱、宣伝・脅迫、環境破壊、メディア戦等」これまでタブーとされてきたあらゆる手段を動員して戦争を遂行することを説いている。DDoS攻撃により、航空管制システムや交通及び流通システムが機能しなくなり、電力はじめ多くのエネルギー供給が止まり、情報通信システムの機能が破壊されるなど政治・経済・社会・安全保障のシステムが機能しなくなる。」(サイバー戦に関する緊急政策提言 2002/10/30)

アメリカ軍ですら生物・化学兵器をイラク戦争で使った.クラスター爆弾禁止条約は物理的な戦争のためのものだ.日本だけでなく、サイバー戦争に対しては多くの国が無防備だ.人民解放軍はこうしたことに対して、タブーはなさそうだ.日本は「武士道」と言うのがあって、敵を背後から撃たないと言う暗黙のルールがある.これは世界でも日本だけだ.スパイ活動はするが、敵の情報は盗まないと言う正義感がある.敵の陣地に侵入するが、敵の情報は持ってこない.日本人のこうした文化は変と言えば変な国かも知れない.

「米連邦捜査局(FBI)は中国による軍事機密スパイ事件を摘発し、国防総省の分析官1人を含む計4人を逮捕した。ボーイング社の中国系元技師が関与した事件では、超大型ロケット「デルタ4型」や、スペースシャトルなど米国の宇宙航空技術に関する情報も中国に引き渡されていた。米国の軍事機密を狙った中国のスパイ活動は、事件が後を絶たない「モグラたたき」の状態となっている。」(産経ニュース 2008.2.12)

ここまで入り込むためには相当の年月をかけて来ているはずだが、そうした中国人がたくさんいる。中国の軍事設備はコピーばかりだと言われているが、一般の製品と同様に性能についてはきっと馬鹿に出来ないレベルなのだ.実際に、有人宇宙衛星が成功していると言う事は少なくとも日本の技術よりかはレベルが高いと言う事だ.そう言う認識を日本人が持っているのだろうか.つい最近まで日本は中国にODAを払っていたのは事実だ.これは日本人の価値観だ.さらにグローバルなセンスを全く持っていないと言える.

「中国は1986年3月に「863計画」と呼ぶ高度技術の総合的開発計画を決め、バイオ、宇宙、レーザー、情報、オートメーションなどの技術の外部からの取得を国家政策として決めた。産業スパイなど秘密や違法の手段でも取得する方針が決められ、実行されている。」(産経ニュース 2008.2.12)

もう20年も前からこうしたスパイ活動を国の政策として実施して来ている.1986年と言えば、中国はこの年を国際平和年と言っていた.中国の改革開放初期にあたる1986年、中国は猛烈な勢いで対外関係を発展させており、中国各都市は世界各国の都市との間に友好都市関係を築きつつあった。

「中華思想は中国を世界の中心にすえ、中国より遠方(夷狄の地)に住む民族を野蛮人とみなす。普遍性をもつ中央の文明を夷狄の地で教化していくことをミッションとしているので、外交も積極的である。中華思想は民族的な問題は特に気にしない。中国のナショナリズムは、徹底した愛国教育や情報統制によって築きあげられてきた。しかし、それがニューメディアの登場によって変化を余儀なくされているのは間違いない。

領土問題というのは、ナショナリズムというものが大きく寄与するが、尖閣諸島は1885年からは日本が実効支配し、一時アメリカに預けるものの1971年にアメリカから日本に返還されている。」(中国とナショナリズム 2006年作成)

中国は5000年の歴史が戦争の歴史だ.軍事の戦略、戦術はだから、世界一流だ.戦争は物理的なものが20%で、それ以外はその前の情報戦になる.そのための動きに対して、米中がしのぎを削っているが、日本は蚊帳の外だ.私は20年以上も前に、アメリカの軍事システムを日本の防衛庁に提案したことがある.確か、提案は200億円だったと思うが、彼らの予算は20億円だった.結局日本の企業がそのシステムを落札したが、その位の値段だと、敵機が決まった方角から決まった時間に飛来してこない限り、撃墜出来ないと言うことだった。昔のはなしだが、そのスタンスは今でも変わっていないんだろうなあ.その当時のシステムを防衛庁に売った会社の役員がその後何年かして、収賄で逮捕されたというオチもついた。

明日は「周辺の社会主義国」。なんだかわからないが調べてみよう.

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プロフィール

海野 恵一
1948年1月14日生

学歴:東京大学経済学部卒業

スウィングバイ株式会社
代表取締役社長

アクセンチュア株式会社代表取締役(2001-2002)
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海野塾のイベントはFacebookのTeamSwingbyを参照ください。 またスウィングバイは以下のところに引っ越しました。 スウィングバイ株式会社 〒108-0023 東京都港区芝浦4丁目2−22東京ベイビュウ803号 Tel: 080-9558-4352 Fax: 03-3452-6690 E-mail: clyde.unno@swingby.jp Facebook: https://www.facebook.com/clyde.unno 海野塾: https://www.facebook.com TeamSwingby
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