2009年02月

2009年02月28日

反日感情による暴動や不買運動

このテーマでは2005年に発生した反日官製デモが一番有名だ.以前にも話したが、こうしたデモとか不買運動は丁度100年前の1908年からあった。日本の政治的・軍事的侵略と並行して,多数の日系工場が設立されるなど,大規模な「経済侵略」があり,それに抗するための日貨排斥運動であった.

昔のこうした運動は本当の排日運動で、昨今のような国内問題の転嫁が目的ではなかった.2005年のデモは3月下旬に反日署名運動として始まったが、4月に入って成都北京上海など中国各地で一部の反日活動は破壊行為をともなう暴動に発展した。

「2005年3月に大韓民国で竹島問題(独島問題)を契機として盛り上がった反日運動を引き継ぐように、中国各地でも3月下旬ころから歴史教科書問題や日本の国連安保理常任理事国入り反対の署名活動が始まり、インターネットサイト携帯メールなどで中国各地に拡大し、4月2日には四川省成都で日系スーパーに対する暴動が発生、4月9日には北京で日本対する大規模なデモの一部が暴動化した。4月16日には上海でも日本に対するデモの一部が暴動化した。

4月17日から18日にかけて町村信孝外相が北京を訪問して今回の事態について中国側の謝罪や賠償を求めたが、中国政府に拒絶された。しかし、水面下での取引はあったようで、4月19日中国指導部は無届デモ全面禁止を通達し、反日デモの嵐は収束に向かった。一方、この中国側の動きに呼応するように日本では東シナ海海底ガス田問題について中国提案に譲歩することが発表され、4月22日インドネシアの首都ジャカルタで開催された国際会議で小泉純一郎首相は過去の日本の侵略や植民地支配について異例の謝罪を行い、翌日の胡錦涛国家主席との会談でも謝罪要求など中国側を刺激するような発言は一切行わなかった。中国に対し、日本の首相がこの対応をとったことには、一部で批判があった。

4月23日以降は中国国内での反日運動は厳しく押さえ込まれ、徐々に収束へと向かっていく様子ではある。但し、中国本土以外に住む中国人は4月23日以降もデモを起こしており予断は許されない状況でもある。日本の外務省から出されている海外安全情報等によると、5月1日の労働節(メーデー)、5月4日の青年節(5・4運動)がもっとも危険な日と警戒している。

海外メディアなどでは中国政府側が日本大使館に危害を加えるのを黙認していたモラルの低さを非難し、中国政府に対する失望の念を表明していた。また、上海「反日デモ」公安当局が事前に周到に作戦を立てて、動員を大学、高校および各種学校に要請していた事実が判明した。」(ウィキペディア)

過去の植民地支配について日本のトップが何度も謝罪して来た過去を考えると、日本は中国の政治的な罠に無防備だ.特に報道がそうだ.表面的に騒ぐ。それを中国政府がこのような手段で、日本の報道と政治を利用して来た.今までのこうした歴史的な経緯を見てくると日本民族が純粋な国民である事がよくわかる。

中国が中国の国民の教育を都合の良いように行う事は彼らの常套な思想教育の手法だが、この手法は中国が一党独裁政権だからで、グローバルでもなんでもない.こうした中国自身の歴史歪曲と情報統制は民主主義国家にはあり得ない.

わたくしが今まで強調して来た部分はここではない.中国人のグローバル観だけだ.中国人とか中国の悪口を言えばきりがない.反日感情による暴動や不買運動をテーマとしているのはこうした中国政府の政治行動に対する日本人の理解とアクションをどうするかを視点としている.

当時の町村信孝外相のとったアクションは正しくない.こうした中国の挑発は北朝鮮のそれと似たところがある.餃子のメタミドボスのように日本は中国の野菜とか食料を輸入しないようにしようという結論はおかしい.それも極端だ.

こうした官製デモに対しては日中の貿易、ビジネスに影響しない限度で、日本はデモの収まるのを静観するべきだ.子供の喧嘩に大人が出て行くようなものだ.この町村信孝外相の訪問直後に、東シナ海海底ガス田問題について中国提案に譲歩することが発表されたが、政府はそれとこれとは関係ないと言うだろうが、明らかにそうだ.

こうしたところが日本人はグローバルな交渉力が無いと言える.単一民族のなせる行動だ.日本政府はこうした政治的な問題に対応するために中国であれば日本国籍の華人を政府の中核に採用するべきだ.

「4月23日、商務部の薄熙来部長が「不買運動」は日中貿易を防害してると伝え「日本製品のほとんどが中国から生産された商品であり、不買運動は良いものではない」と記者会見で答えた。」(ウィキペディア)

 こうした中国政府の行為は町村信孝外相が訪中しなくても当然起こった事だ.今の日中関係で不買運動は経済活動上不可能だ.そうした事は中国政府は百も承知だ.日本政府がこうした交渉には弱いと言う事を見越しての対応だ.

企業のグローバル化を今まで話をして来たが、政府も同じだ.日本は外交が外交になっていない.交渉の出来ない民族だ.だとすれば、交渉出来るように日本の長期戦略を考えれば良い.それは交渉力を持った華人の採用だ.北朝鮮であれば日本国籍の朝鮮人の採用だ.
 

日本政策金融公庫の総裁の安居 祥策氏はもともと帝人の社長をしていた方で、帝人に私がコンサルティングしていた時には相当ダイナミックな改革をされたが、この政府組織では改革はされているようだが、外国人は採用出来ないと言う.勿論、仕事を中国の大連に移管する事などはとんでもないと言う事のようだ.

平成19年5月 経済産業省 経済産業政策局の「グローバル人材マネジメント研究会」 報告書では「外国人の活用の可能性を追求することは、極めて自然な流れであるといえる。」と言っているが、言っている役所は採用出来ない.日本政府も企業もグローバリゼーションを標榜して何十年にもなる.そろそろそうしたグローバルと言う今までの幻想から 醒める時が来たのではないだろうか.外務省は日本人が外国人に対応すると言う政策を改めても良いのではないだろうか.

いま、中国がいろいろな視点から反面教師として我々はグローバルな交渉とは何かを学ぶ良い機会を与えられているが、全く学んでいない.それはそうした事がグローバル化のための良い試練の場である事を当事者が理解していないからだ.中国からのいろいろは政治的な課題に対して日本人としての日本の価値観である「誠実」「実直」「真面目」な対応をして来た.愚かな事だ.

それは中国人には通用しない.いや、通用しないのではなく、そうした事を中国政府は熟知している.中国政府はそうした対応を日本政府がしてくる事は承知しているから、こうなる。日本政府は中国政府のこうしたデモと言う交渉力に翻弄されている。私は日本のこうした美しい価値観を否定しているわけではない.日本人しか持っていないものは価値があると言う事だ.それとは別のさらにグローバルな価値観を持つべきで、それを中国から学ぶべきだと言って来た. 国歌斉唱と国旗掲揚は日本の行事の基本だ.どこの国もそうだが、日本だけが違うと言う事はそういうことはおかしいと言う事だ.

2050年には労働人口が半減する.それまでには1000万人の外国人を日本に受け入れなければ、日本が成り立たなくなってしまう.外国人を増やせば良いと言うものではない.そのためには日本人が彼らと一緒に生活出来るグローバルな人間にならなければならない.その部分のアクションが今の日本には無い.私はその一番良いアクションがBPOだと言って来ている.まずは企業からグローバル化を始めようとしている.それから政府で、そのあとは諸団体が行えば良い.一般国民が外国人への対応するための教育は最後になる.

世界に通用する何人かの日本人がこの10年で育成出来ると考えている.わたくしの会社名の2020はそう言う意味だ.美しい国ニッポンは日本の価値観だ.それダケでは我々の価値観は世界に理解してもらえない.世界と同じ価値観をまずは共有しなければならない.

日本人がこうしたグローバルな感覚を身につけることができれば、こうした官製デモにたいしてグローバルな感覚で対応することができる.靖国問題に対しても、中国の謝罪要求に対しても同様である.日本の価値観の視点からグローバルな視点へ目を移して行く必要がある.

そうなれば、国際会議でも発言出来るようになる.今の日本において、そのための教師は中国が一番だ.大きな行動から始めると日本人には刺激が強すぎるから、まずはBPOから始めようと言って来ている.このBPOは日本の本社に3ヶ月間中国人を連れて来て、その後はその仕事を中国に持って行く事を意味する.

中国人のグローバル観までとは行かないが、中国人の仕事の仕方を日本人は垣間みることができる.この仕方こそがグローバルスタンダードだ.日本の「あうん」ではない。まずはここのところからグローバル化を始めようとしている.日本の外務省も外国人を見下さずに、対等に外国人を採用するべきだ.そうすれば日本の外交も変わる.なんでもかんでも日本人が優秀だと思う時代は終わった.

よく機密情報があるから中国にBPOは出来ないと言うが、そんなことはない。コストだけの問題ではない.日本人だけで日本の仕事を行わなければならない必然性は無い.外国人を採用するとスパイが入ってくるから出来ないと言うが、アメリカはそう言う事であればスパイだらけだ.多くの中国人がスパイで、逮捕されて来た.それでもアメリカ人はアメリカに帰化した中国人を政府は採用して来ている.なぜ日本には出来ないのだろうか.

このように言うと過激のように見えるがそんなことはない.日本人として日本人の価値観で見るから過激になるのであって、グローバルの感覚で見ればこうした考えは当然だと思う.違うだろうか.

これで、昨年来からのテーマはすべて終了だ.今日は第一回目のチャイナリスク研究会だ.今日の話を受けて、今後どのように展開するか考えたい. 




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2009年02月27日

「4年かかった王子製紙」

以下の「お知らせ」が王子製紙が4年もかかった許認可の経緯で、当初の予定では2007年には稼働するはずであったが、それが延びて、下記のようになった。それでも、2009年には稼働出来ず、2010年となっている.これこそ、昨日話をした「行政手続きの不透明性」そのもの良いの例だ.

地方政府の思惑と中央政府とのずれがここまで時間を要したことになる.その背後にあるものを今日は説明しよう.これは日本人の最も不得手とする領域だ.しかしながら、中国でビジネスをするためには避けて通れない.良い勉強をしたでは済まされない事が多い.その教訓を今日は見て行こう.まずは以下の「お知らせ」からだ。

「平成18年7月31日
各位
会社名 王子製紙株式会社
代表者名 代表取締役社長 篠田 和久
(コード番号3861 東証・大証(市場第一部))
問合せ先 常務執行役員
中国事業推進本部副本部長 渡辺 正
(TEL.03-5550-2801)

南通プロジェクトの中国政府からの認可取得に関するお知らせ

王子製紙株式会社(以下「王子製紙」)は、中国江蘇省南通市に建設を計画している紙パルプ一貫工場(以下「南通プロジェクト」)について、7月30日に、国家発展改革委員会批准文書(国務院批准)を受領しましたので、お知らせします。
王子製紙は、今回の認可取得により、中国華東地区に確固たる拠点を確保することとなり、「本籍日本のアジア国籍企業」として、大きな一歩を踏み出すこととなりました。
今後、最新鋭の設備と日本で培ってきた世界最高水準の生産管理技術および環境対応技術を導入し、中国の「紙パ産業の発展」ならびに「環境問題の改善」に貢献すると共に、中国市場へ高品質の印刷用紙を安定的に供給することにより中国の「文化・経済の発展」にも貢献して参りたいと考えております。



● 申請の経緯
・ 2004年9月: 「南通プロジェクト」の中央政府への認可申請作業を開始
・ 2005年4月: 国家環境保護総局から「南通プロジェクト」の環境アセスメントの認可を取得
・ 2005年6月: 国家発展改革委員会(江蘇省発展改革委員会経由)に対し「南通プロジェクト」の認可を申請
・ 2006年5月: 国家発展改革委員会の審査が終了し、国務院へ上程
・ 2006年7月: 国務院より「南通プロジェクト」の認可を取得

● 取得した認可の内容
・ 認可された設備の内容:
・高級紙生産設備 2系列 年産能力:80万トン(40万トン×2系列)
・クラフトパルプ(KP)自製設備 1系列 年産能力:70万トン
・付帯設備 1式
・ 生産品種 : 高級印刷用紙(主として塗工紙)
・ 投 資 額 : 約19億US$
・ 設立する会社名 : 江蘇王子制紙有限公司(仮称)
・ 事業主体 : 中国企業との合弁(合弁は中国の法令による) [王子製紙 90%、中方企業 10%]

● 今後の予定
・ 2006年末 : 江蘇王子制紙有限公司の設立
● 主要設備の発注
・ 2007年初 : 土地造成工事の開始
・ 2009年末 : 1号抄紙機、1号コーター稼動開始 [年産40万トンの予定]

※ プロジェクトの詳細な、かつ具体的な実施計画は、さらに検討を加え、正式な機関決定を経た上で公表します。
※ 今回国務院より認可を受けたことにより、王子製紙は本プロジェクトを、江蘇省レベルで認可を受けていたプロジェクトに替えて、上記内容に基づき実施していきます。
王子製紙はプロジェクト全体として年産120万トンを計画しており、残りの年産40万トンについては、引き続き、認可を取得できるよう中央政府に対して申請を実施していく予定です。

以上 」

この経緯において、途中の状況が一切わからないと言う全くの不透明な経緯を経て承認された.外資系企業としては最大規模の投資であるのに、中国政府内部で、なぜこれだけもめたのかその理由がわからない.我々がその理由を想像するしかない.今日の課題はその理由がどうなのかよりも、こうした中国政府の対応の問題をどう対処したらいいのかと言う視点で、検討して行きたい.これこそ日本人がグローバルの視点を持てと私が言って来た原点がある.

このプロジェクトの許認可へのアプローチは江蘇省南通市からスタートしている.「南通市共産党委員会書記である羅一民(らいちみん)氏は、今回のプロジェクトは投資額、工場規模ともに最大で、世界でも最先進技術の導入とあり、同社を全面的にバックアップしていくと発表。また環境面でも十分な配慮を行っていく構えという。」(サーチナ 2003/06/11)

「王子製紙は2001年度策定の中長期経営計画において、「本籍日本のアジア国籍企業」を目指し、5年後を目処に年産100万トンの生産拠点をアジア地域に設置する構想を発表している。今回同社はまず約600億円を投資し、2006年末の稼動を目処に、年産60万トン規模の塗工紙生産設備を建設する。そして将来的には、年産120万トン規模の、上質紙・塗工紙を生産する紙パルプ一貫工場を建設する計画である。総投資額は約2000億円。」(サーチナ 2003/06/11)

この当時のニュースを見ると中国政府の政策に対する対応が全く理解されていなかった状況がよくわかる.2006年には稼働するつもりであったようだ.実際にはそれから4年も遅れてしまった.当初は南通市から交渉が始まった事がこの記事でわかる.この南通市から始まって、江蘇省、中央政府へと交渉のプロセスが変化して行った.勿論それぞれの政府には許認可出来る範囲があるので、それなりの対応はして来ているはずだ。

このプロジェクトは対中投資事業としては過去最大だから、南通市だけで事は進まないのは当然だが、中国は中央、省、市がそれぞれも思惑で動くと言う国だ.このような例としては今まで取り上げてきた餃子のメタミドボスがある。中央政府、河北省、石家庄市、天洋食品が関係しているが、それぞれの思惑と利権が部門にまたがり、日本との交渉には大変な調整が必要だった.

また、アセンダスが1994年に蘇州に工業園区を作った時にも蘇州市と中央政府との関係に苦労したはなしもあった.投資する側としてはそこの経済の活性化に繋がるから、問題ないと思ってしまう.要するに利害が誰でも一致すると誤解してしまう.製紙工場の場合には環境部はそうは思わない.環境汚染があるからだ.メタミドボスの場合には食品安全の衛生部と経済発展の他の関連部門との思惑は違ってくる.そこに国有企業とのつながりが個人的にあるので、ますます複雑になる.餃子の場合にはさらに別の鉄鋼関連の国有企業に横流しまで発生している.

以前大昭和の社長の齊藤公紀さんから聞いたことがあるが、日本の紙の消費量は一人当たり240kgで、中国はその10分の1の26kgだそうだ.日本のマーケットに比較して、中国の潜在市場が計り知れない事がその規模からわかる.2000年の情報では日本が年間3200万トンで、中国が3500万トンぐらいだ.すなわち、市場の潜在力は10倍あると言う事だ.これだけの市場があると言う事は日本企業だけに利益を出させるわけにはいかない.

「「日本でも規則は変わるが、まず話し合いがあってのことだ」。王子製紙の篠田和久社長は今回の経験について、こう語る。「中国では、それが予告なしに起こる。もっと透明性が必要だ」」(ウィキペディア)問題はさらに将来にわたってもある.実は中国でもまず話し合いがある.なぜ、日本企業のは無いのであろうか.そこを日本人は理解していない.

この中国は多国籍国家と同じだと言って来た.王子製紙がこの国で、120万トンもの工場を稼働させて、ビジネスをして行くためには中央政府、江蘇省、南通市のそれぞれにおいて、また、競合他社とにおいて、家族閥、地域閥の中に入らなければ日本人的な「信用」のビジネスは出来ない.それが無いと、どこかで、古紙、木材チップの輸入関税が2倍3倍に跳ね上がってしまう可能性がある.「事前にはなしが無い」のはそのグループに入っていないからだ.

中国のこうした許認可が不透明なのは中央政府が国の環境を守る、国の産業を守る一方で、地域の経済振興を計ると言う地方政府の思惑との葛藤があるからだ.地方政府にしてみれば、これだけの規模の会社が進出してくれば、雇用・税収が伸び、他企業誘致に弾みがつく。中国にはインドネシア華人が経営するAPPがある。この会社はインドネシアだが、華人が経営しているから、中国人脈がある。こうした企業とも中国国内で、今後対応して行くことになる.こうした関係があって、許認可が紆余曲折したのだろうが、そこに王子製紙が入っていなかったのはこうした「閥」のグループの一員でなかったからだ.ということはこれからも同じような「不透明」なことが起こると言う事だ.

中国でのビジネスは欧米とは違う.工場を造って販売企業を興して、マーケットを展開するだけではビジネスが出来ない.さきほど言った「閥」をからめた「信用」のネットがないとどこかで嵌められてしまう可能性が大きい.日本人の「真面目」「正直」『勤勉」『実直」『嘘つかない」価値観は中国では通用しない.「信用」のネットもすべての販売領域をカバーすることはできない.

南通市も市長が変われば、最初からやり直さなければならない.輸入税関も一緒だ.私が言っているのは賄賂とか収賄の事ではない.「閥」による人脈だ.中国はこれが無ければ多言語、多民族の世界で、自分を守ることができない.そこに入るためには彼らの仲間として認知されなければならない.アジアでのビジネスも同様だ.これがグローバルなビジネスだ.

一民族同士のビジネスとどう違うかはまず始めに相手を信用するかしないかだ.中国人は相手を信用しない.信用する仲間は限定している.信用しない相手とも取引はする.取引に不利にならないように「閥」を利用する.輸入税関、競争相手、販売先すべてにおいて、このことを考えなければならない.こうした事は日本人には出来ない.だが、こうしなければならない事を日本人は理解する必要がある.「友好」はあてにならない。損得だけで動かなければならない.日本人は直ぐに「友好」に頼るが、それは意味の無い事だ.

グローバルな考えと言う事はこう言う事だ.英語、中国語が話せる事ではない.日本人は一民族だからビジネスが整斉として、イカサマ、虚偽がない。日本の外はそう言う事は日常茶飯事だ.そこをどうこなして行くかがグローバルな考えを持たなければ出来ないと言う事だ.グローバルと言うと聞こえは良いが、きれいないものではない.それを日本人は知らない。しかし、これからは知らなければならない.

王子製紙はこうした苦労の末に、工場の建設に着手出来た.ところが、今私が言っている事はこれからももっと大きな障害がでてくると言う事だ.それは利益を出すための障害だ.欧米企業が日本企業の平均よりも10%も多い利益を中国で出しているのが現実だ.なぜ出しているのかの分析をしなければならない.彼らは目に見えない技術、サービスにも金をとっているからだ.

税務署との対応も言いなりになっていないからだ.これらすべては交渉とコミュニケーションと人脈だ.それが無ければ、今までのように言いなりになるしか無いし、事前の相手方の情報も手に入れることはできない.日本人から見ればすべてが「不透明」と言うことになる.中国人から見れば、そういうことは言い訳に過ぎない.「閥」を持っていれば情報は入る.情報が入らなければ、ビジネスは中国では出来ない.中国は清濁あわせ飲む「灰色」の国だ。くどいようだが、日本人の言う「信用」とか「信頼」はない。

明日は「反日感情による暴動や不買運動」だが、これもさんざん言って来たな.改めて議論しよう.

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2009年02月26日

「行政手続きの不透明性」

今日も4時前に起きたので、今日のテーマもまともに取り組めそうだ.こうしたボディブローのようなテーマは最低3時間は必要のようだ.2時間だと引用だけで終わってしまうし、考えることができない.問題は3時間も画面を見ていると字が読めなくなってしまう事だ.歳のせいだからしょうがない.今週の土曜日からこのチャイナリスク」研究会が始まるので、どうしよか考えなければならない.とりあえずは今日のテーマの引用から始めよう.難しいのは冒頭だけだ.少し我慢してほしい.

「中国WTO加盟時におけるひとつの焦点に、中国の行政手続等の不透明性をいかに改善するかという問題があった。この点に関連するいくつかの重要な法令が出された。

特に注目されるのが、行政許可法(全人代常務委・2003年8月27日公布、2004年7月1日施行)である。同法は、行政許可(行政機関による、公民・法人等が一定の活動に従事することに対する許可)の手続(申請手続、審査、期間、費用、監督等々)についての基本的な点について規定している。きちんと実施されれば行政手続の透明性という点で相当の進歩と言え、大きく期待したいところではある。なお、このほかに、各分野(例えば金融機関等)ごとに、許可手続に関するより具体的な規定がいくつか出されている。

 また、土地使用権の払下げ(中国では、基本的に払い下げを受けた土地使用権でないと譲渡や賃貸することができない)に関する手続については、国有土地使用権協議払下規定(国土資源部・2003年6月11日公布、2003年8月1日施行)が出された。」(http://www.cjcci.biz/sansi_pdf_2004/2_15_2.htm)

「中国政府は、WTO加盟前からWTO協定に適合するよう法制度の整備を進め、膨大な量(地方法規を含めると2,500を超えると言われる)の法律・法規の改廃・制定を行うとともに、WTO加盟文書による約束事項の遵守を表明しており、今後も関連法規の改正が期待されることから高く評価できる。

投資認可においては、銀行、保険などの分野で認可の数的制限は行わないことになっているにもかかわらず、WTO加盟後1年間で保険1社しか認可されないのは運用上問題があるとの指摘があった。また、地方政府から既に認可を取得していた投資項目について、WTO加盟後、中央政府から認可の取り直しを求められたケースなどが報告された。

製造業分野においては、特定の投資認可案件について標準的な審査期間の設定がなく、投資がいつ認可されるのかされないのか、結論が出るまで非常に長い時間がかかることが多く、中国側の全般的に投資を歓迎するとの方針に反するものではないかとの意見があった。一例をあげると、自動車、二輪車に対しては、「汽車(自動車)工業産業政策」(94年)でいうところの「1外資2合弁」(29条)規定が改定されていない現状や、二輪車を外資投資の「奨励」項目としておきながら、ナンバープレート登録規制を実施する都市が年々増えているなど、中国政府のいう投資促進の主旨に反しているとの指摘があった。

また、WTO加盟3年後に、貿易業と流通業が外資に全面的に開放されることになっているが、単一の企業が製造業の認可と併せ、あるいは、単独で、貿易業および流通業双方の認可を受けられるように規定が整備されることを望むとの強い意見が関係業界からあった。

さらに、多くの企業が投資性公司を設立し、それを中核に企業集団を形成しているが、自社の輸入製品に対するアフターサービス活動が許されていないなど、いまだ国内企業と同様の経営範囲が得られておらず、早急な改善措置を期待したいとの意見などがあった。」(WTO加盟後の中国経済2002 在中国日本商工会議所 調査委員会 江原 規由氏 2002年12月11日)

02020170この図が見えないので、以下を参照の事 http://www.meti.go.jp/report/tsuhaku2005/2005honbun/html/H2232000.html
2005年度の通商白書に中国における今後のコスト上昇要因として法制度の不備・不透明性が最大要因としてあげられている.2005年1月1日に対中国向け直接投資の指針となる「外商投資産業指導目録」が改訂され、その詳細は省略するが、「規制の強化や、具体的な規制内容が必ずしも示されない等の状況は、企業にとっては制度の不透明性の高まり、ひいてはコスト要因リスクと捉えうるものである。こうした法制度の不備・不透明性の問題は、対内直接投資が成長のけん引役を果たしている中国にとって改善が求められる課題となっている。」としている。

また、「2005年3月に行われた全国人民代表大会では、外資については、「引き続き外資を積極的かつ合理的に利用する」としている。しかしながら、外資の誘致を国内の産業構造と技術レベルの高度化によりよく結びつけることが強調され、「外資のハイテク産業、現代サービス業、現代農業、中・西部地域への投資を奨励し、消耗が大きく、汚染もひどいプロジェクトを制限する」とされており、投資の中身を吟味する姿勢を打ち出している。」(2005年通商白書)

「ビジネス上の懸念材料は、行政手続きが煩雑で不透明なことだ。特に地方では中央政府からの指令が勝手に解釈されていることもあり、あらかじめ決まっている法制度の実施時期がいつになるのかなどがわかりにくい。ライセンスを取得しても、その後の手続きに時間がかかるなど、ビジネスのスケジュールが読めない。行政手続きの効率化、迅速化、透明化が必要だ。」(古内章皓氏 日本通運取締役常務執行役員 2005年)

「地方保護主義とは地方政府機関等が地元企業を他の地方の企業よりも意図的に有利になるような不公平な扱いをすることを指し、特に外資企業に対してはその傾向が強く現れます。どこの国でも外国企業と国内企業の紛争に関して行政機関や司法機関が国内企業に味方した判断をする傾向にあることは否めませんが、中国の場合にはそれが顕著であると言われており、現実に地方保護主義の弊害を受けた日本企業も少なくありません。

外資企業が中国企業を裁判所(人民法院)に訴えた場合、その企業が地元の有力企業であれば、裁判官に圧力がかけられて、外資企業の主張が客観的に正しくても、裁判所は地元企業を勝訴させ、外資企業が勝訴することは難しいとさえ言われてきました。」(模造対策マニュアル JETRO 2006年3月)

行政の不透明性はこの地方優先主義、地方保護主義がその主な理由だ.自動車とか、保険、旅行業のようなものは中央政府だが、多くの不透明な部分は地方政府の政策だ.行政だけでなく司法においても不透明だ.今までの判例でも外資企業に不利な判決は数多くある.クレヨンしんちゃんの商標権問題もその一例だ.双葉社は未だに「蠟筆小新(ラービィシャオシン)」の商標を使用出来ないでいる.勿論、日本でも同様だが、法は合法かどうかであって、正義でないこともある。労働基準法のように法そのものが、おかしい場合もある.中国ではそうしたケースが日本と比べて、けたたましく多いと言う事だ.

すなわち、不透明と言う事はそこに中国政府の恣意性が入ると言う事だ.人の恣意性だけではない.法規そのものがおかしい場合もあるし、その解釈、運用がおかしい場合もある.中国企業に有利なように、また、その地方に有利なように行政が動くと言う事だ.中国は小さな国の集合体みたいなところがあるから、そのそれぞれの地域が自分のところの企業なり、利益を守るのは当然だ.今世界がこの金融恐慌による不況によって、保護主義に走ろうとしているが、正しくこう言う事だ.だから中国自体がグローバルな国だと言っている.

3流のレスリングみたいなもので、レフリーが見ていないところで、レスラーは目一杯反則をして、相手にダメージを与えると言った感じだ。特に地方政府の行政にはそう言うところがある.この世界はレフリー自身が反則を犯す.特に日本人は「友好」で、人が良いからターゲットにしやすい.税務が一番良い例だ.日本企業は判断が不透明な移転価格であっても、反抗せずにかならず払う.日本人は打たれ強い。いつまでも続かないが.

「経産省と中国商務省は年内に中国の投資法制や行政手続きの改善をテーマにした官民の共同研究を始め、不透明な取引慣行も、政府間の作業部会を設置して解決を目指す。」(asahi.com 2008年5月7日)

「2001年12月のWTO加盟以来、中国政府は、関連法制度の整備・改正等、WTO加盟約束の完全な遵守に向けた努力を続けており、わが国経済界としては、こうした取組みを評価している。今後についても、各種許認可等の手続の簡素化・迅速化、透明性の向上等、法制度の運用面の改善をはじめ、改革が加速されることを強く期待している。」(対外経済戦略の構築と推進を求める (社)日本経済団体連合会 2007年10月16日)

公の文章だから、こう言う書き方をしているのだろうが、こうした不透明性はWTO加盟後と今とで大して変わらない.膨大な地方法規を修正してもそうした問題ではないからだ.レスリングのルールの問題ではないからだ.そのルールを解釈するレフリーも問題だし、レスラーそのものがルールを無視して、反則し、あげくの果てはレフリーまで買収してしまえば、もうお手上げだ.

大なり小なり、反則はある.その反則にどう対応するのかは日本人が不得手とするところだろう.これこそ中国人を味方にして対応するしか無い.中国と言う国自体が多国籍だからだ。

敵の敵は味方である.善悪に関係なく手段を選んではならない.「友好」を信じてはならない.日本人の信用は通じない.家族閥、地域閥に入らなければ勝負出来ない.善意ではなく、損得で勝負しなければならない.相手が悪いと言う考えを持たなければならない.油断しては行けない.決して信用しては行けない.

このように書くと日本人としては反発したくなる内容だが、さきほども言ったように、中国は国の集合体と同じだ.よその国との交渉はこうなる。日本人は日本の国であれば、一つの国だから、こうならない。日本人のやり方を踏襲したいのであれば、中国のどこかの「閥」に入るしか無い.入らないのであれば相手を信用してはならない.油断しても行けない.それが日本人には出来ない.だから利益がでない.みんな相方にとられてしまう.

レフリーにいっても、ルール通りに判断してくれない.競争相手は反則していないと言うが、明らかに反則している.そうなると、相手は自分の国の人間でないとして、扱うか、自分の「閥」の人脈を探すしか無い.全社であれば、さきほど言った外国として扱うしか無い.日本人として日本のやり方を踏襲したいのであれば、「閥」に入るしか方法は無い.すべてのビジネスがこの「閥」に関係しているとっても過言ではない.

さきほどの中央政府に関わる自動車のような規制についてでも「閥」は関係してくる。もちろん、内容にもよるが、コネは十分に考えられる.中国には組織図とは別のコミュニケーションの組織があるとよく言われている.奥さんのルートもその一つだ.これは家族閥だ.出身地も関係している。大学の同窓も同じだ.何年もつきあっている友人関係もある.こう言うルートが中国人の「信用」のネットだ.日本人の信用とは全く違う.

このように書いてくるとなぜ行政手続きが不透明なのかその背景にあるのは何なのかがわかったと思う.地方政府がその地方の国有企業を守るのは人脈があるからだ.この人脈が予想できない不透明な結果をもたらしている.行政も司法も同じだ.そこのところが多くの日本人に理解出来ないようだ.CSRをたてにこの不透明性を否定しようとしても、否定出来ない現実がある.自分の不動産売買にはそう言うことはないと信じてしまう.自分の合弁事業にはそう言うことはないと信じてしまう.それが間違いだ.グローバルに生きて行くと言う事はこう言う事だ.

多民族、多宗教、多文化、多言語の世界ではこう言った事は当たり前だ.それが単一民族の日本人には理解出来ない.相手をまずは信用しないと言うことができない.日本人がグローバルになるための道はまだまだ遠い.いや、今の延長線上には道がないと言った方が正しい.どこかで、ワープするしかない.それがBPOだと言っている.BPOをすれば異国の慣習が隣の机にやってくる.そこから摩擦を起こす事から始めるしかない.中国人を社員にしてしまうと彼らは同化しようとするから、そうしたグローバル化の役には立たない.

明日は「4年かかった王子製紙」だ。大変な事業だったし、これからも課題山積みだ.

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2009年02月25日

「官僚の絶大な権力による法令の朝令暮改」

久しぶりに4時前に起きることができた.一昨日は風邪があまり治らないので、医者に行ったら、ウィルス性の風邪のようで、抗生物質をくれた.2日間飲んだら良くなった.最近は朝起きることができなかったので、薬が効いて来たのかも知れない.昨日、関東天然瓦斯開発の佐竹社長のところに久しぶりにいったら、太ったと言われたので、まずいなあと思っている.

毎朝45分は運動しているが、足りないのかも知れない.最近はその他の運動は日曜の朝にインラインを1、2時間しているだけだ.バイクは寒いので、冬は乗らないことにしている.女房が車で会社に送ってくれるので、そのせいもある.本当は食事の量を減らすのが一番良いのかも知れない.

ゴルフを始めたらどうかと言われるが、それだけの時間が未だ取れない.このブログを書くだけでも、大変だ.このところ、朝起きられなかったので、それなりに、ブログを書いて来たが、4時起きになると、ブログをきちんと書ける。読書も出来そうだ.以前は毎晩会食をして来たが、最近はそれも週一回ぐらいにして、朝方に勉強している.

その方が社会に貢献出来そうな気がしている.読書の量も中途半端ではなくなって来た.年を取ってくれば、こうした量がものを言う.最近週末に会議が多いので、勉強する時間が少なくなってしまうのが、一番の問題だ.56歳を過ぎたら、社会に貢献するのが私のビジョンだが、日本企業のグローバル化が当面の課題だ.

ライフワークにしても、この課題は達成出来ない.しかしながら、2050年には日本の労働人口は今の半分だ.1000万人の外国人を受け入れなければ、日本の国は維持出来ない.そうなると今から受け入れなければ間にあわない.問題は日本人側で、受け入れる方の頭の中が全く変わらなくで、外国人を受け入れることはできない.

今の日本はそうした事に気がついている人はいない.日本に来る外国人に問題があるのではない.日本人そのものに問題がある事に早く気がつかなければならない.それがグローバル化の第一歩だ.それが出来ていない.インドネシア人に日本人と同じ試験を受けさせること自体が海外音痴だ.3年間で、日本人と同じレベルに到達する外国人はいない.

さて今日のテーマだが、もう何度もこのテーマで話をして来ている.この朝令暮改は何処の政府も同じだが、中国は共産党一党独裁なので、朝令暮改に対して批判が無い.そこが日本とかと違う.日本は総理大臣の言っている事がずれたり違ったりすると野党からも報道からも矢のような批判が来てしまう.

読み方一つ間違えても、大騒ぎだ.日本人はそうした揚げ足取りが大好きな民族だ.麻生総理のおかげで、漢字検定が儲かってしょうがないと言うので、調査が入るくらいだ.馬鹿げたはなしだ.それだけ平和な国なのだ.アメリカの傘下に入っているので、株価も全く同じ動きをしている.日経平均とダウ平均は全く同じ動きだ.アメリカの景気に従属している.些末な事にたしての朝令暮改は大いに結構だ。こうした経済の状況のほうが問題だ.

アメリカの景気刺激策に日本は期待し過ぎている.GDPが世界2位であるが、日本がこれからアジアを制覇して行くようには思えない.今日のテーマと関係ないようだが、そうでもない.還暦日本が躍進中国の躍動感を是非受け入れて行きたい.受け身の日本からの脱却を計りたい.ジッと我慢して来た停滞の90年代.惰性の2000年代。これからの10年はその延長であってはならない.でも間違いなく、その延長のような状況が昨今の不況対策だ.これで良いのだろうか.明らかに日本は没落している.

さて、本題に戻すと、中国では朝令暮改に対する報道による批判は全くない。日本とは違い報道が出来ない.政府を批判は出来ない.朝令暮改と言うよりかは中南海で決めて、直ぐに実行してしまう.天安門事件のように権力抗争はあっても、実行に関しては躊躇はしない.また、税務のように細則が完備していないので、法令の判断が現場の役人の考えに左右される事も多い.だから、日本企業だけを狙ったり、移転価格だけを対象にしたり、恣意的な税務査察も多い.

政府の力は絶大だから国有企業をはじめとした企業との癒着は社会構造的なものになっている。そのため、賄賂、収賄は絶える事が無い.どのレベルで逮捕されるか、問題になるのかは金額の多寡だけでなく、政治的な力関係も関係してくる.地方政府においてはそれが著しい.下記の引用は香港返還の時のある香港の証券マンの新聞の記事だが、これが一般的だ.

「李さん一家は英国のパスポートを取得。返還後の一種の「保険」のようなものだという。「五十年間変わらないと言うけど、中国の歴史は朝令暮改。信用できない。だんだん香港を抑制してくるだろうし、デモや中国批判はできなくなるだろう。腐敗も多くなるかも」と中国への不信感は強い。それでも「生まれ育った香港」でずっと暮らしたい、と話した。」(沖縄タイムズ社 1997年7月2日)

朝令暮改の親分は乱収費だ。地方政府の財源で、費目は数限りなくあり、中央政府からの圧力で削減されたりするが、一向になくならない.各地方でバラバラで、統一されてはいない.無茶なものも多く、官僚の権力の象徴みたいなものだ.勿論、理不尽だからといって払わないわけにはいかない.

「中国では徴税・財政機能が弱く、各官庁による費用徴収(乱収費)が横行している。今や予算・決算外の収入支出は全財政収入の5割相当に肥大化し、その不効率、不正使用は深刻な問題である。財政が弱く行政費用を財政収入で賄えないことだ。20年前は財政が国内総生産(GDP)の3割を占めていたが、今や比率は1割に落ち込んだ。財政が大きく依存する国有経済のウエートが低下する一方、徴税システムが社会に根づいていない。経済急成長に財政がついて行けなくなっている。

徴収費用の内容が千差万別で総計3400種類にものぼることだ。中には地方の警察が被害者に犯罪捜査費を要求する、裁判所が法外な訴訟費用を請求する事例すらある。財政が国の骨格機能すら支えられないことが大きな弊害を生んでいる。」(徴税改革に苦しむ中国 津上俊哉氏 日経テレコン デジタルコラム 1998年12月10日)

10年前の記事で、この当時は朱鎔基がこの改革に着手したが、今でも基本的には大した変化は無い.中国は最上層を第一級行政区画と呼び、23の省、5つの自治区、4つの直轄市が存在している.このそれぞれがそれぞれの行政ルールを持って統括している.中央政府とこれら地方政府との関係は日本の政府と県との関係とは全く違う.地方政府の独立性は日本より遥かに大きい.

「行政院衛生署は23日夜、中国製毒粉ミルク事件でメラミンが検出されればすべて販売禁止にすると強い態度を示していたが、24日午後6時になって態度を軟化させ、香港の基準と同じ2.5ppmを上限とすると前言を翻した。これによって、販売禁止食品が大幅に縮小したが、驚いたのは報道陣。報道陣の追及により、午後9時にはさらに前言を翻して従来通り、食品中にメラミンが検出されれば販売禁止となった。食品中に含まれているメラミンの量を規制しているのは香港だけ。メラミンは食品添加物ではないため各国では基準もない。2.5ppmなら健康に影響はないとの専門家の意見と業者の圧力で基準を緩めたが、報道陣と消費者による反対の声で衛生署が右往左往して朝令暮改となった。」(な〜るほど・ザ・台湾 2008年9月25日)

これは台湾の話だが、こう言った例はあげたらきりがない.「オリンピック開幕まで3日に迫った8月5日、北京市政府はいきなり通達を出し、開幕式が行われる8月8日は市内の企業や行政機関を休日にしてしまった。」(日経ビジネス オンライン 2008年8月12日)

中南海で「やっぱり、オリンピックの開会式の当日は休日にしようか。」と長老の誰かが言い出せば突然休みになってしまう国だ.日本のようにややこしい議会とか法律は無い.それとこの国は日本と違ってすべてが新しい.だから、いろいろな部分で、ルールが無い.日本の「あうん」と全く正反対で、「あうん」のベースとなるルール自体が無い.だから、きちんと言わないと伝わらない.

朝令暮改の元となる法令ができたてであったり、無かったり、いろんな解釈をしたり、都合のいいように使ったりしているのが実態だ.仮に日本企業が法例が守られていないからと言って守らないととんでもないことになる.新労働契約法は解雇が簡単に出来ない.日本企業はその法律に縛られているが、中国企業はそれに縛られることはない.

彼らは政府の「政策」に対する「対策」はお手の物だ.それこそ中国の歴史がそれそのものと言える.交渉力、コミュニケーション力はどこの国の人にも引けを取らない.日本人が全く弱いところだ.グローバルビジネスにおける基本だが、その基本を日本人の経営者は未だ理解していない.

今までは日本企業は商品自体の商品の力で商売をして来た.目に見えない技術を売る事は得意ではない.だから、中国では外国企業の中で日本企業だけが圧倒的に利益率が低い.中国だけではない.日本以外の国に対しての商売が商品を通じてしか出来ていない.日本の産業構造が今後サービスに移行して行くとなると今までの商品に頼ったビジネスは立ち行かなくなる.

日本人はこうした政府の朝令暮改に対して文句を言う.中国人はこうしたお上のアクションには逆らわない.共産党だからではない.昔から逆らわない.どう対応するかの交渉力と言うか「対策」というかそうした事にはきわめて長けた民族だ.「毒」には「毒」をと言ったところがある.そこには収賄があり、日本人には訳の分からない世界がある.灰色の世界がある。

それでは中国では正しい事は正しいと言えないのかと言うとそうではない.何が正しいかの基準を何処におくのかを見極めなければならない.「日中友好」が良い例だ.「友好」とは何かを考えなければならない.日本人はかならずこの言葉を真に受けて来た。それは間違いだ.「中国は発展途上国なので」という胡錦濤主席の挨拶の枕詞も日本人は真に受けて来た.

中国はもはや開発途上国ではない.そもそもそこから、会話のベースがずれて来てしまっているので、その後がおかしくなってしまう.「友好」は言葉だけだ.毎年一回あって、10年経っても、言葉だけだ.中国人は「そんな事はわかっているでしょ。」と言うつもりで言っているのに、日本人はその本当の意味をわかっていない.言葉通りにまともにとってしまう.そう言う意味では日本は本当に住みやすい国だと言える.また、騙しやすい国でもある.

中国人は見ず知らずの相手に善意でものを言わない.相手を利用しても信用しない.相手が悪いと言う事を前提で考える.損得で判断する.虎視眈々と相手の隙を狙う。武士道は理解しない.こうした考えは中国人と言うよりかは日本人以外と言った方が良い.広い国土と数多くの異民族と異文化がこうした同質でない人たちに対する警戒感と対応の仕方が身に付いて来たのだ.

日本人は単一民族だから、こうした事が理解出来ない.だから、日本人が日本から出て行くとなると、たちまちこうした問題が根底にあるから、ビジネスで儲けることができない.いつまでたっても、こうした見ず知らずの相手としてしか扱ってもらえない.

家族閥、地域閥の中にあればこうした問題は起こらない.仮にこうした閥に入っていなくても、何年もつきあって行けば、こうした関係が出来てくる.ただ、日本人はこうした関係を作れる程、海外に出て行かないし、会話もしない.日本はこれから、ますますグローバルな付き合いが必要になってくる.そうした下地が全くない.そのためのBPOだとわたくしは言って来ているが、身近に、グローバルな中国人と接することによって日本人のグローバル観を持たせようと考えている.

日本企業の多くが中国人を採用しているが、この中国人は日本企業に勤めてしまうと、彼らの持っているグローバル観は隠してしまい、日本人になりきろうとする.なぜそうなのかと言うと、彼らの環境がそうさせて来た.どこに行っても同化しないと生きて行けないからだ.だから、BPOによる中国人の利用しかない.日本企業に勤めていない中国人であればギブ・アンド・テイクで仕事ができる.

この中国人は日本企業で働いているわけではないので、日本文化に従属していない。「あうん」もない。ギブ・アンド・テイクでしか仕事をしない.だから、効率が日本人より圧倒的に良い.よく中国人は仕事をしないと言うがそれはちがう。1990年代の初めまではそうだったが、今は違う.この10年間で、大学生数も10倍になったし、ビジネス社会も資本主義になった.まだ、低付加価値労働が主流だが、これからの10年はもっと産業が高度化し、日本を超えて行くだろう.中国はアジアダケでなく、アフリカ、南米も配下にしようと考えている.したたかである。

日本人はこの中国人の世界に同化する事はできない。しかしながら、どう言う形にしろ「閥」の中に入る必要がある。そうしなければ、アジアでビジネスが出来ない.そうした接点をまずは求める必要を認識しなければならない.日本人の「信用」とは全く違うと言う事を理解しなければならない。今までのようにアメリカの傘の下にいれば良い時代ではなくなって来た.中国への橋渡しをしっかりして行く必要だでて来た.もうODAとか「友好」ではない。本質的な関係を求めて行く必要がでて来た.

そうしたことから、まずは第一歩としてかれらの仕事の仕方を日本人は学ぶ必要がある.グローバルスタンダードの仕方だ.ギブ・アンド・テイクの仕事の仕方を学ばなければならない.「あうん」は効率が悪く、日本人にしか通用しない.そのためには社員の責任と権限をはっきりさせなければならない.いくらの給与にはいくらの仕事をするかと言う事だ.

それが日本の企業ははっきりしていない.営業と業務が分離出来ないのはそのためだ.お互いの善意が仕事を錯綜させている.誰の責任かはっきりしていないからだ.金の世界ははっきりしている.「あうん」は日本の文化だが、それを壊すつもりは無い.しかしながら、はっきりした責任と権限に基づいた仕事をする習慣を日本の組織に取り込むためにはこうしたギブ・アンド・テイクの考えも必要だ.

だから、中国人によるBPOを提唱している.そうでもしない限り、こうした「あうん」の文化は変えられない.日本は何時までの鎖国しているわけにはいかない.まずは「渡邊さん」「田中さん」の仕事を「劉さん」「陳さん」に移管して何処が変わるのかをきちんと見てみる必要がある.「劉さん」「陳さん」はタダの社員だが、本人の責任と権限を守るためにきちんと業務フローと職務分掌を書く.こうした事は日本人には出来ないし、そうした慣習が無い.日本人の仕事がギブ・アンド・テイクに基づいていないからだ.

グローバル化の第一歩がこうした仕事の仕方から変えて行こうと考えている.「閥」の中に入るのはまだまだ先の話になるが、仕事の仕方から変えて行かなければ、外国人との交渉は本来できないはずだ.日本人の仕事の仕方はこうしたギブ・アンド・テイクの考えを入れれば30%は早くなる.

明日は「行政手続きの不透明性」。同じような課題だが、チャレンジしてみよう.

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2009年02月23日

「上海万博」

「投資は30億ドル(約2700億円)、来場者は延べ7000万人を目標とし、開催地の総面積は400ヘクタールと2005年愛知万博の3倍近くになる。参加する国・組織の数は、2009年1月現在で183ヶ国を含む229の国・組織となっており、150年の万博史上でも最大の規模になる。上海万博の経済効果は日本円で3〜4兆円程度といわれている。これは北京五輪の約15兆円(野村総研)よりは低いが、当然ながら上海周辺に限れば北京五輪を上回る。アメリカは出展のために2009年4月までに8400万ドル(約75億円)を調達しないといけないのだが、それが集まらないと最悪出展中止になる可能性がある。」(ALL ABOUT 2009年 01月 28日)

「万博が開催される 2010 年は、投資の効果に消費・観光収入の効果が加わり、GDPは+0.47%ポイント 押し上げられる見込みだ。総投資は300 億元の新規投資に対して、第一次間接効果として 1.5 倍の約 452.3 億元の生産誘発効果が現われる。雇用者所得の増加による消費支出増の効果も考慮した第二次間接効果まで含めた総合生産誘発額は、2.7 倍の806.2 億元まで膨れ上がる。」(第一生命経済研究所 経済調査部 2004年7月29日)

「世界的な景気後退による資金繰りの悪化が原因で、新天地で建設していた超高級ホテル「ジュメイラホテル」の建設を中断した。ホテルは27階建て、部屋数は338室で、1泊約400米ドル(約3万6,000円)とされていたが、今回の中断で開業の見通しは全く立っていない。ヒルトングループの最高級ブランド「コンラッドホテル」もこのほど、開業時期を2010年以降に延期することを明らかにした。」(NNA.ASIA 2009年2月12日)

「歴史的に見ても、不景気だった1929年に世界恐慌が起こり、世界中に大きな影響を与えたが、1932年に開かれたシカゴ万博は大成功している。景気後退は、日本では1965年、韓国は1983年、東南アジア諸国は1997年に経験しており、1年後には経済も回復している。1970年の大阪万博をきっかけに、カジュアルウェアが流行り、ファストフードの店も普及した。2010年の上海万博も、新たな消費の潮流を生む可能性が大きい。」(EXITE ニュース 2008年12月26日)

開催日は2010年の5月からだから、あと丁度1年だ.アメリカの出展とかホテルの進出が危ぶまれているようだが、中国の面子があるから、こうした事は何とかするだろう.今の時期は確かに経済が沈滞しているからすべての投資に世界の国々が消極的だが、この上海万博は中国の国威に関わるイベントだから、そうした側面での失敗は考えられない.

一方で、北京オリンピック同様に上海万博の影響が中国全体に広がる事も考えられない.逆に上海が更なる飛躍をするいいタイミングでもあり、上海の不動産が再びバブル事が想定される.いつも貧富の差で比較される貴州省とのギャップがますます広がるに違いない.三農問題があらためて、問題になりそうだ.

ただ、上海の場合には上海市と言うよりかは上海を中心に江蘇省、浙江省地帯を総称した長江デルタ地帯である華東が今回の経済の影響範囲と見た方が良い.西は南京、南は杭州までの範囲で、大きく、経済が雇用関係も含めてこの万博を契機に変化して行くと考えていいのではないだろうか.

以前の調査で、昨年時点で、購買力平価で計算すると中国では5000万人が日本と同等かそれ以上の生活レベルの人がいると言ったが、この上海万博を契機に上海の高所得層が飛躍的に増加しそうだ.日本の人口以上の高所得者が増えると言うよりかは、所得の格差がより開くと言うのが現実的だ.

中央政府の意図している産業の高度化がこの上海万博によって、加速する.今回の恐慌による企業の倒産は中途半端な数ではない.低付加価値労働の産業は今回を契機に都市部では衰退して行く.今後、都市部ではこうした産業は再生しない.上海ならびにその近郊ではそうした産業構造が大きく変化して行くだろう.今までは農村部の中卒の農民を工場に採用していたが、今回の恐慌が終わり、上海万博が終了する頃にはそうした労働環境に変化が起こるに違いない.新たなハイテク産業の勃興だ。

今年の大学の卒業生は600万人で、以前から200万人が就職出来ないと言われていたが、この景気がさらにその就職率を下げるに違いない.今まではこうした大卒が吸収出来る労働マーケットが追いつかなかったのが現状だが、今後はこうした高いレベルの労働人口の需要が飛躍的にこの上海万博を契機に上海を中心に増加して行く.

それとは逆に、この景気刺激策である11兆元が消費されるのは農民工の雇用が目的だ.そうなると2010年末にはこうした2億3千万人の低付加価値労働者が再び失業することになる.毎年、新規の労働者が1000万人増加する国だ.そのためには8%の経済成長率を確保しなければならない.

2010年を契機にしてこうした未熟練労働者は行き場がなくなって行く.かって、1990年代に国有企業の一時帰休者(解雇者)が5000万人を超えた時があった.かつての社会主義体制を「大鍋飯(ダァグォファン)」(大鍋で作った食事)と呼んで、一律平等であった時代が終了し、資本主義社会が始まった.

そのため、終身雇用社会が崩壊し、都市の文化が大きく変化した.このときに愛国教育を行って、国民の不満を反日に煽った時代があった.こうした反日デモは2005年に終了した.2010年の終わりからは都市労働者の問題ではなく、三農問題における農民工の問題だ.昨年、不況により解雇された農民工は向こう2年間の公共工事で仕事が補償されるが、そのあとの景気のが戻った時には以前の職場には復帰出来ない.そうした低付加価値産業が都市部では復活しないからだ.

大学卒業生の就職率は向上するが、農民工の就業率は低下する.そのためには景気刺激策の対象である鉄道、高速道路の建設から別の労働需要を起こさなければならない.昨年は不動産バブルが完全に崩壊してしまった年だが、昨年暮れからの不動産購買を促進させようと言う政府の動きが向こう2年間で、不動産市況を変化させて行く可能性は十分にある.それによる建設ブームは期待出来る.

ただ、株価と不動産はここ数年ジェットコースターのような動きをしているので、その投機的な経済活動を中央政府は抑制するであろう.上海万博は中国にとって、このイベント自体の景気に与える影響より、このイベントを契機に中国政府があらたな経済政策へと転換して行くためのチャンスと見た方が良い。三農問題を先送りした、華東の先進国入りがこの上海万博の成果かも知れない.

明日は「官僚の絶大な権力による法令の朝令暮改」だ。このテーマは幾度か扱って来たので、明日は整理しよう.

swingby_blog at 06:27コメント(0)トラックバック(0) 

2009年02月22日

大連研修から戻りました。

風邪が引いたままで、大変でした。2月7日から直らないので、もう2週間になります。熱はないのですが、日中だるいのと朝起きられないので、苦労しています。今回の大連は雪が降り、金曜日から晴れました。やはり寒いですねえ。このブログも久しぶりです。『北京オリンピック」はこれから手を入れますが、今朝はスケートで、午後から仕事なので、完了できるかちょっと心配ですが、努力してみます。

新しい青空市場を見つけました。肉屋が100件ぐらいあるところで、全部は回る時間がありませんでしたが、次回からもう少し余裕を見ることにします。ここは以前の貧しいところ違って、市内の人が来るところのようですが、汚いのは一緒です。ただ、ものすごく、活気があります。終戦後の日本のようです。研修の別の側面を見ることができるので、良いところだと思います。来月も楽しみです。3月18日から21日です。もう暖かくなっていますね。参加者がもう少し少ないと、北朝鮮の店にも言ってみたいですね。

swingby_blog at 07:26コメント(0)トラックバック(0) 
livedoor プロフィール
プロフィール

海野 恵一
1948年1月14日生

学歴:東京大学経済学部卒業

スウィングバイ株式会社
代表取締役社長

アクセンチュア株式会社代表取締役(2001-2002)
Swingby 最新イベント情報
海野塾のイベントはFacebookのTeamSwingbyを参照ください。 またスウィングバイは以下のところに引っ越しました。 スウィングバイ株式会社 〒108-0023 東京都港区芝浦4丁目2−22東京ベイビュウ803号 Tel: 080-9558-4352 Fax: 03-3452-6690 E-mail: clyde.unno@swingby.jp Facebook: https://www.facebook.com/clyde.unno 海野塾: https://www.facebook.com TeamSwingby
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