2009年07月

2009年07月31日

不正資金浄化8

いよいよ7月も終わりの金曜日になってしまった。日曜日はインラインスケートの恒例のバーベキューパーティでこれが終わると秋になる。来週は13日まで上海で、6日は南京で講演がある。弊社のホームページにアップしたので、簡単な内容が書いてあるが、このブログの一連の中間報告で、グローバリゼーションをテーマとした講演のデビューになる。たまたま、講演依頼元が中国が先になってしまったが、日本でも行いたい。東レの社内報の原稿がやはりグローバリゼーションなのだが、これは10月号になるが、今書いている。明日はチャイナリスク研究会がある。中身は実際にはグローバリゼーションだが。

「我々が直面している問題に資金浄化がどの程度の大きさなのかを客観的に学究的な分析を行う作業は殆どしてこなかった。ということは法的措置の適正さを評価しうる枠組みをもっていないと言うことを意味する。この枠組みがないと、当局を「人騒がせな」地位につけるという挑戦は難しいことになるが、この枠組みがあれば、こうした推測が押し出され、引用され、繰り返され、その繰り返しを通じて、一見したところでは確立した真実となっていくのである。グローバルな推測は情報に基づいた推測以上のものではないが、「大きな数字がしっかりと検証することもなくしばしば、投げ出されたままになっている。」(Reuter and Truman, 2005, p.56)ことを考慮すると、単なる繰り返しによってではあるが、ある種の信頼できる精度、もしくはそれらしきものを得ることができるところまで再現できるようになったと言う議論ができる。」

ここは回りくどい言い方だが、不正浄化が繰り返し繰り返し行われているのを鑑みると、それらしき枠組みが浮かび上がってきても良いのではないのかと言っている。昨日の訳の最後で、以下のようなことを言っている。「一部の学者たちは政府もしくは多国籍組織で利用されている数字そのものの信頼性と基礎に本当の関心を寄せている。いつも非合法活動に関する真の数字を見つけ出すことは困難だ。」

大衆文化において
テレビでは

ー不正資金浄化はアメリカのテレビドラマであるThe Sopranosのいくつかのエピソードの主題になっている。
ーアメリカの漫画喜劇のThe Simpsons のエピソードの132では資金浄化のギャグがでてくる。ギャングのリーダー Fat Tonyが犯罪仲間に夕食をホストし、彼の客にもし資金浄化をしたい金があったら、一晩中ドアの外に出しておけば、朝までにクリーンな金を用意できると言っている。
ーHBO(新作映画中心の米国の有料ケーブルテレビ局)のアメリカのテレビドラマであるBig Loveのシリーズで、主人公の母親であるLois Henricksonが非合法で得たお金を浄化するためにコインランドリーの蓋を開けている。
ーアメリカのコメディドラマであるWeeds(マリファナ入り巻タバコと喪服の双方の意味を持たせている。)で、主人公の未亡人Nancyが麻薬の密売などの様々ないかさま商売を通じて、資金浄化をしている。
FunlandはBBCの喜劇/スリラーシリーズだが、Katrina Raffertyが扮するTeddy Picker Girlが資金を浄化する役になっている。
ーアメリカのコメディドラマBurn Notice(スパイの解雇通知)では主人公Michael Westonが資金浄化をやっている好意的なBarryをよく使っている。
ーアメリカのドラマであるBreaking Bad(物事が悪い方向に行ってしまうと言うアメリカ南部のことわざ)主人公で末期の肺ガンのWalter Whiteは地下組織との関係で、いかがわしい弁護士を通じて、常識の意味で、また、洋服の乾燥機で、ぬれた現金を乾かすと言う言葉通りの意味で、 資金浄化をする人としてみられている。



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2009年07月30日

不正資金浄化7

元新日鉄ソリューションズの徳田さんが会社に来てくれた。中野に住んでいた頃からの付き合いだ。昼は森ビルの渡邊五郎さんと会食。いつもながら、心臓を手術したとは思えない。どこからこの元気が出てくるのだろう。お書きになった資料をいただいたが、大したものだ。最近暑いので、私は少し夏バテだ。さて、今日はだいぶ時間が払暁前からというか、夜中と言うか、時間が取れたので、たくさん書ける。内容は殆どの日本人の知らないことだ。

不正資金浄化との戦い
KYC

KYC:(Know Your Customer) はこれまでの犯罪収益移転防止法に基づく本人確認から発展した新しい本人確認業務である。取引先については、マネーロンダリングの実態把握に必要なカスタマー・デューデリジェンス(CDD)、エンハンスド・デューデリジェンス(EDD)などの 情報管理を実施しなければならない。またマネーロンダリングの評価に必要な要因情勢の変化にも柔軟に対応し、正確かつ網羅的な顧客情報を管理した業務フ ローが必要である。日本でもNTTデータ ジェトロニクスが以下のような専門サービスを行っている。
  • CDD/EDD調査支援
  • 各種調査機関、情報データとの連携
  • 金融機関の定めるKYC手続に応じた内部統制機能の搭載
  • フィルタリング、トランザクションモニタリングシステムとの連携
不正資金浄化の最初の防衛は上記KYCに対する金融仲介機関への要件である。この「顧客を知る」ために、金融仲介機関はしばしば、通常取引でない、もしくは嫌疑ある行為を識別できるし、それには嘘の身元、通常でない取引、変わった行動もしくはその他の資金浄化の兆候がある。しかしながら、こうした機関には数百万人の顧客と顧客に接する数千人の従業員がいるので、顧客を知ると言う伝統的な方法に対して情報技術の支援が必要である。Lexis NexisWorldComplianceのような企業がソフトウェアやデータベースを提供し、これらの処理を支援している。銀行や企業の安全対策の取締役もまた、不正資金浄化と戦うために重要な役割を演じている。

情報技術の利用

情報技術はよく訓練された調査員を代替することは決してできないが、資金浄化の技術がだんだん複雑化してきているので、同様に技術もそれに見合ってきている。反資金浄化(AML)プログラムが一般的になる前はアメリカ合衆国では銀行安全対策法は金融機関に1万ドル以上の現金取引に対して、通貨取引報告書(CTRs)を要求していた。これらのCTRsは調査員にとってはかけがえのないものであったが、資金浄化をする人たちはこの報告要件を避けるために彼らの取引を作ることを始めた。結果として、アメリカ合衆国はこうした報告要件を回避するために取引を作ることに対抗する法律を作り、多くの作られた取引は金融機関によって嫌疑ある活動報告書に掲載されることになる。

様々なソフトウェアパッケージが名前の分析、ルールに基づくシステム、統計的かつプロファイリング(犯人の心理を分析しながら事件を解明すること)するエンジン(問題解決のための専用ツール)、ニューラルネットワーク(neural networks 神経回路網:脳神経系をモデルにした情報処理システム)、リンク解析( link analysis 略称:LA「分析・解析」)、ピア・グループ・アナリシス(peer group analysis:同輩集団分析)、時間系列照合(time sequence matching)を行うことができる。また、特定のKPC解決方法があり、事例に基づいた勘定の書類の承認、修正を行うのだが、顧客の自動的なリスク得点分析をして、国家、ビジネス、事業体、製品、取引のリスクを考慮して、知能を利用して分析することができる。反資金浄化(AML)技術の他の領域に知識データベースとe-ラーニングにより、研修と意識付けをおこなうポータルもある。

ポータル:インターネットのユーザーが最初にアクセスするページ。

このソフトウェアは資金浄化を追跡するためだけではなく、クレジットカードとか小切手の一般的な盗難の方がより一般的である。勘定の通常でない取引活動があるとカード発行者からその誤用の可否を確かめる電話が来る。

金融犯罪捜査網 (FinCEN:Financial Crimes Enforcement Network) はアメリカ合衆国財務省が作った組織である。このFinCENは金融機関から嫌疑ある活動報告書を受け取り、それらを分析し、アメリカの警察組織、金融情報機関(FIU 資金洗浄捜査の端緒となる金融情報の受理、分析を行い捜査当局へ提供する組織)、ならびに海外のFIUとデータを共有している。戦略目標の一つにeガバメントを通じた情報共有の改善がある。

eガバメント:コンピュータシステムやインターネットを利用し、処理を電子化した行政機構。

公共工事などの業務発注や、住民票登録などの各種手続き、行政文書の管理などにコンピュータシステムやインターネットを活用することで、効率化とコスト削減、サービスの質の向上をはかる。また、情報システムとネットワークの利用により、情報公開や手続きの簡略化も期待されている。

1999年に策定された「ミレニアム・プロジェクト」の一環として電子政府の実現がうたわれており、具体的目標として、2003年に行政手続きの大半をペーパーレス化することを目指している。実現すれば、役所への手続きが自宅のパソコンから行えるようになったり、行政の持つ様々な情報がインターネットを通じて閲覧できるようになる。

しかし、期待が集まる反面、セキュリティの問題や国民背番号化への懸念などから、課題は多く残っているとの指摘もある。

またこのeガバメントは諸外国の政府組織に研修と助言をこない、彼ら自身の反資金浄化(AML)プログラムの効能を改善できるよう支援している。

9.11並びに地下経済に対する国際的な反応

2001年9月11日以降は資金浄化はアメリカ合衆国のテロに対する戦争の主要な関心事となってきている。ホワイトハウスにとってはだんだん重要性が少なくなってきていると言う批判はあるにしても。

ルクセンブルグに本拠のあるClearstream Internationalは中央証券供託所であり、証券決済機関であり、ここは「銀行の銀行」として、数百の銀行の金融の決済と、貸し借り業務の集中処理を行っている。

Clearstream クリアストリーム:国際証券決済機関で、欧州市場における株式や債券の受渡し・決済を集中管理等をおこなっている。欧州最大の証券決済機関(クリアリング・ハウス)である。

欧州の通貨統合によって、欧州証券市場の統合が進み、内外の投資家は欧州を一つのマーケットとして捉えるようになり、そんな環境下、1999年にルクセンブルグのセデルとドイツ・ベルゼ・クリアリングが合併して設立された。

ここでは未公開の口座システム経由で、地下経済の主要なオペレータを摘発してきた。バーレーン国際銀行はOsama bin Ladenの所有だが、こうした送金施設を利用して、利益を上げてきている。スキャンダルがクリアストリームのCEOであったAndré Lussiを2001年12月31日に辞任に追いやった。いくつかの司法の調査が行われ、ヨーロッパ委員会に対して、ヨーロッパ議会(MEPs)のメンバーであるHarlem Désir, Glyn Ford, Francis Wurtzが質問し、彼らはこの委員会への告発を調査するように依頼し、1990年6月10日の指令(91/308 CE)は財界の管理のためであるが、ルクセンブルグを含めて、効率的に、すべてのメンバー各国に適用されるべきであることを確かめるよう求めた。

地下経済に対する国際的な反応は「FATF」、また、フランスでは「GAFI」になるが、この組織によって、調整されてきており、資金浄化に対する多くの国際的な反応に基づいて、最初に40の勧告をまとめた。更に8つの勧告がテロリスト組織への資金を妨害するために考えられ、9.11に対する対応として、2003年6月30日に追加され、更に、2004年10月22日にもう一つが追加され、いまや、資金洗浄・テロ資金対策(AML/CFT)として知られているところのものとなっている。

FATF(Financial Action Task Force on Money Laundering: 金融活動作業部会)は、マネー・ローンダリング対策における国際協調を推進するために、1989年のアルシュ・サミット経済宣言を受けて設立された政府間 会合であり、2001年9月の米国同時多発テロ事件発生以降は、テロ資金供与に関する国際的な対策と協力の推進にも指導的役割を果たしている。FATFへの参加国・地域及び国際機関は、現在、OECD加盟国を中心に、以下の32か国・地域及び2つの国際機関である。

これらの勧告の承諾もしくは少なくともこれらの勧告に対する措置は国際的に活動する銀行もしくは他の金融サービスを行う法人の要件として今は考えられている。

金額

多くの取締機関と政府当局は世界のもしくは自国経済における不正資金浄化の金額の推測を出している。よく言われている数字はIMFが言うように世界中のグローバル経済の2-5%である。しかし、一部の研究者たちはそうした数字は単なる「ベストの推測」だと言っている。1997年に、FATFは不正資金浄化と戦うためにOECDが創設した片腕だが、率直に、「FATFメンバーの広範な大多数がいかなる信頼できる見積もりをサポートする十分なデータがない」ことを認めている。こうした不正資金浄化の本質をもはや容認し続けないとはいえ、世界中で、実際に資金浄化された金額のデータは欠如したままだ。一部の学者たちは政府もしくは多国籍組織で利用されている数字そのものの信頼性と基礎に本当の関心を寄せている。いつも非合法活動に関する真の数字を見つけ出すことは困難だ。

 

 

 

 

 

 



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2009年07月29日

不正資金浄化6

昨日は朝、環境を考える経済人の会の朝食会がニューオータニであった。8月の8日に佐渡での研修会があるようだが、丁度、中国で参加できず残念だ。そのあとすぐに汐留センターでANAの中川さん、日野さん。超多忙の方々で、あわただしかった。すぐに私も取って返して、カナダ大使館のCCTで日本バルカーの瀧澤社長と熊田専務。一方的にグローバリゼーションの話をしてしまい、恐縮だった。また、ゆっくり話がしたい。今度は銀座で、田宮さんとヨネイの野部社長と中村常務。伝統ある企業だ。ビル自体が文化財だ。すぐに今度は新宿のHISの和田取締役に会いにいった。ということで、昨日はメールを見る時間がないくらい、大忙しだった。昨日はブログも書けなかった。国貿促の原稿も篠崎さんが訂正してくれたが、そのまま、片寄専務理事に送ってしまった。すみません。さて、続きだ。今日の話は日本では聞いたことがない。

アメリカで2番目のアフリカ出身の最高裁判事であった Clarence Thomasが判決した満場一致の意見によると裁判所はAcuna, MexicoでのHumberto Cuellarに対する有罪判決を覆した。「81,000ドルの現金を車の床下に隠し、メキシコに向けて運転することで運転者を不正資金浄化の罪にするのは十分ではない。そのかわり、検察側はまた、運転者がメキシコに旅行することがその資金の本当の源泉を隠すことが目的であることを証明しなければならない。」と判決した。すなわち、この起訴を自明の事件とすることができなかった。裁判所は更に、「連邦検察官は麻薬密売人と組織犯罪と戦うために不正資金浄化による告訴が度を超してきており、不正資金浄化管理法198, Sec. 18 U.S.C. § 1956 (a)(2)(B)(i)における不正資金浄化による起訴は非合法な賭博組織の利益のためにのみ適用されるのであって、運び屋がマリファナ取引の現金の収益である81,000ドルをテキサスーメキシコ国境に向けて運んでいると言うだけで、犯罪の証拠とすることはできない。その資金がフォルクスワーゲンの秘密の仕切りに隠されていただけでは証拠にならない。そのかわり、検察側は不正資金浄化事件においては資金輸送の目的がその所有者、源泉、管理を隠蔽するためであると言うことを示さねばならず、その隠匿はその源泉、金の性質を隠蔽するためにより大掛かりに企画された一部でなければならない。」と判決した。

後に、意見が分かれた判決があったが、裁判所はインディアナのEfrain SantosとBenedicto Diazを非合法の宝くじで得た現金を不正資金浄化とした判決を覆した。複数意見として、裁判官であるAntonin Scaliaは法律は「合法でない活動の結果である収益に言及しているが、ギャンブルの勝者への支払いとか掛け金を集めた従業員への給与は不正資金浄化の対象ではない。連邦不正資金浄化法 18 U.S.C. § 1956 ならびに §1956(a)(1)(A)(i) and §1956(h)における「収益」と言う言葉は犯罪利益による取引のみに適用され、犯罪収益ではない。これらに取引には費用があり、検察側は利益が非合法な活動によるものであることを示さなければならない。」論述している。議会は2009年度詐欺行為執行救済法での法律の解釈を明確にし、「収益」をはっきりと利益と総収入を含むと定義した。

議会は大統領の組織犯罪における委員会が海外の銀行勘定並びに合法的なビジネスを経由して犯罪収益を「浄化」する問題に重点をおいたので、1986年度にその法律を制定した。これは最長20年の刑期となる。

今日はこれで終わるが、アメリカはこうしたことが真剣に議論される国だ。日本では考えられない。多民族、多文化の社会のなせる行為だ。日本人は当たり前と言う「あうん」の世界が通じないのが世界の殆どだ。日本人の常識で考えれば、不正で得た収益はすべて犯罪だが、アメリカでは費用を控除しても良いと言う考えがあったことは上記でわかる。しかも、2009年のことだ。



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2009年07月28日

不正資金浄化5

昨日は大忙しで、朝、経営会議のあと昼はイマジニアの神蔵会長からお昼をごちそうになった。静かだが、迫力のある方だ。午後は楽天の相川役員。昔からのスキーの友人だ。夜は三島食品の三島社長。経営改革の話をしていただいた。今朝はこれから、三橋さんのB-lifeの朝食会がある。講師は原亮弘氏(おひさま進歩エネルギー株式会社代表取締役)で、
テーマが「おひさまパワーでエネルギーも地産地消」ということで、ホットな話題だ。7時前には家を出ないと行けないので、今日の翻訳は殆どできない。今日も一日、夜まで動き回っているので、大変だ。ブログの読者にとっては今日はホッと一休みだ。昨日はちょっと長過ぎたので、丁度いい。今日も2時半に目が覚めたが、さすがに、2日間の寝不足は堪えるので、なんとか起きないで、じっとしていた。

不正資金浄化したのかしないのか?

不正な活動によって得たお金自体は資金浄化された金ではない。資金浄化の犯罪はその元を隠そうとする試みから始まる。取引自体は違法である必要なないし、また、別途違う犯罪かもしれない。アメリカ合衆国の最高裁は2008年6月2日に被告人たちに2つの判決を下し、連邦の不正資金浄化の法律に対する適用を厳格にした。





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2009年07月27日

不正資金浄化4

昨日は東京は33度あったので、インラインスケートはきつかった。午後は久しぶりにブックオフに行って、英語の古本を漁ってきた。午後はスケートでばててしまい、残務はできなかった。今朝は2時半に起きたので、昨日の分はなんとかこなせそうだ。まずは昨日の続きを始めよう。法文も今日でそろそろ終わりにしたい。

イギリスの法律では他の人によって犯罪となる財産を取得、保管、利用、管理のどのような手段によってもそれを手助けした準備に参画したり、関わったりしていれば、不正資金浄化の罪になる。これらの犯罪で起訴された顧客のために働いた弁護士並びにその他の専門的な助言者は利害関係者となる。彼ら自身もまた同じ法律でさばかれる。

イギリスの法律は範囲が広いので、組織犯罪対策本部 SOCAは数多くの重大な会計報告(SARs)を受け取っている。2005年には20万件近くあった。この SARsの報告件数は毎年ほぼ50%も増大している。

このイギリスの法律は2005年に幾分、緩和され、銀行ならびに金融機関は犯罪が疑われそうな財産に関連した少額の取引についてはそれぞれの取引毎に特定の同意を顧客に要求する必要はなく、ただ、すべての取引を報告すればよくなった。

両替店

イギリスのすべての両替店はMLR100の用紙を使って、歳入関税庁(HMRC)に登録される。ここは各拠点での取引許可証を発行する。MLR8もまた各販売店に適用され、AML(マネーロンダリング対策)として要件をチェックしている。このチェックは歳入関税庁(HMRC)によってすべての金融サービスビジネス(MSB)に適用されるが、これは送金者だけに適用される傾向にある。

アメリカ合衆国

アメリカの法律では「無理なく現金を受け取ると言う行為」はそのビジネスが定期的に、平均して500ドル以下のサービスでなければならないことを意味する。その金額以上であれば、人々は小切手、クレジットカード、その他の追跡調査ができる支払い手段で支払うことが想定される。会社は実際には妥当な金額のレベルで仕事をするだろう。 ヘアスタイラーの例をとれば、染料、機械油などの比較的細かいものはあるが、ビジネスの殆どが労働力だと言うことは全く妥当なことだし、その殆どの取引が現金で行われる。しかしながら、材料を使わないで仕事をし、現金だけが入ってくるのは妥当なことではない。妥当なビジネスと言うのは仮に少なくても妥当な量の材料を使うのであり、追跡できるこのような取引データによって、妥当でない仕事を暴きだすことができる。

不正資金浄化対策・テロ資金対策(AML/CFT)法は概して、その他の犯罪に関してであり、例えば、「内部の情報(通告)」、「故意目をつぶっていること」、「嫌疑ある活動を報告しない」、「不正資金浄化の故意の助長」、「テロリストへの出資者を支援することによってテロリストへの金融支援を行う」がある。

1970年の銀行機密法Bank Secrecy Actは$10,000.01かそれ以上の現金取引を銀行に報告させるようにしている。1986年の不正資金浄化管理法Money Laundering Control Actはさらに進めて、不正資金浄化を連邦犯罪として定義している。2001年のアメリカのテロ対策法 通称 愛国者法(Patriot Act)は以前の法律の範囲をより多くの種類の金融機関に広げ、テロリストへの金融に焦点を当て、金融機関が「あなたの顧客を知ろう(KYC)」という特定のアクションをとるように指定している。

アメリカ合衆国では連邦法で以下のように定義している。「誰でも、故意に、金融取引を行うか行おうとして、それが事実、明確に非合法の活動の利益によるものであり、明確な非合法活動を行うことを奨励する意図を持っていれば、50万ドル以下の罰金か取引に関わる財産の2倍の価値の金額のどっちか多い方をを罰金として宣告し、もしくは20年以下の懲役を科すが、双方を課す場合もある。

不正資金浄化は概して、「汚い金」すなわち犯罪の収益がクリーンな銀行勘定もしくは小切手のような流通性のある証券への流入であり、テロリストへの金融はしばしば、その逆の流れとなる。明らかにきれいな資金が「汚い」目的に変換される。ハワラ(イスラム世界の地下送金組織)は麻薬取引の収益の資金浄化を行い、テロリストへの資金を支援し、入りと出の資金を相殺して、ほんのわずかなたまに起こるネット決済取引としてしまう。

カナダ

不正資金浄化に対する戦いは直接、麻薬と麻薬犯罪とに対する戦いに関連する。国連麻薬委員会は麻薬取引の年間の金額は5,000億ドルに近いと予測している。その金額の約70%が資金浄化されている。

麻薬委員会(Commission on Narcotic Drugs)は、国際連合組織内における麻薬政策決定の中核的機関である。国際連合経済社会理事会の機能委員会の一つである。英語での略称は、CND。

カナダでは王室カナダ騎馬警察(RCMP)は麻薬取引は卸レベルで、30億ドル以上の価値があり、犯罪となる街頭レベルでは約130億ドルとなる。麻薬の乱用によるカナダでの戦いは法の実行であるが、それは主に、防止、教育、治療、社会復帰に焦点を当てている。カナダではまた、法の試行、その実施、調査研究に対するガイドラインに力を入れてきている。くわえて、カナダでは不法な麻薬の需給を減らすためにその資源に焦点を当ててきた。この問題を扱う11の連邦の機関と部門は2001年で5億ドル使い、2002年では更に、5億ドル使っている。

カナダでは最初の包括的な麻薬撲滅戦略であるカナダ麻薬戦略を実施した。この国家的な麻薬戦略は1987年に発効した元の国家麻薬戦略と既に機能しているが、飲酒運転を減らすための国家戦略と合わせた結果である。この新しい結合した戦略は「アルコールとその他の麻薬に関連した害を個人、家族、地域からなくす」のが目的である。この戦略は麻薬の供給を減らし、そして、麻薬の需要も減ることになるから、その帳尻を反映している。様々な人たちが関与しており、14の連邦部門、州、地方政府、中毒治療機関、NGO、専門家協会。警察組織、私的機関そして地域社会がある。」

不正資金浄化と戦う国家イニシャティブはカナダの法務次官、王室カナダ騎馬警察(RCMP)、カナダの司法、カナダ税関、歳入庁、カナダ市民権移民省が参画しており、1998年から稼働を始めた。

法務次官:法務大臣の次官ではない。法務長官(Attorney General、政府に重要法律問題で助言する)の次官。法務長官は、ほぼ法務大臣に相当する大法官(Lord Chancellor)とは独立している。

米国航空宇宙局の例

1992年から1996年まで総括監察官の米国航空宇宙局事務所主導で、9つの機関による連邦の特殊任務のグループがヒューストンとカリフォルニアのOmniplan Corporationの調査を行った。これはNASAの歴史上最大の起訴と有罪判決の数となった。Omniplanの所有者である、Ralph Montijoには数百万ドルの使い込み計画で、179の重罪の判決が下った。彼の5つの会社もまた重罪の判決が下り、それらはOmniplan、テキサスのPapa Primo's、アリゾナのPapa Primo's、Omnipoint Production ServicesとMercury Trustであった。これらの企業は2つの法人化されていない企業である、Space Industries LeasingとSpace Industries Propertiesと一緒に解散した。それぞれの使い込みの勘定はそれぞれに対応した資金浄化の勘定と結びついており、それが不正資金浄化のいくつもの有罪の判決に結びついた。New York Timesの話では総括監察官の米国航空宇宙局事務所の上級専門官であるJoseph GutheinzはOmniplanを主導していたが、彼が言うには「我々はピザを一個ももらったことがなかったが、請求書はもらった。」と言うことで、NASAとの契約で、間違ってされていたと言われているいくつかはRalph Montijoのピザ会社2社とテキサスのPapa Primo'sとアリゾナのPapa Primo'sに関連した費用であったと言う事実に基づいている。





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2009年07月26日

不正資金浄化3

今年の夏もいよいよ中盤にさしかかってきた。昨日の昼は品川区の公園で家族とバーベキュー。午後は経営研修。夜は会社で、隅田川花火大会パーティがあった。楊ご夫婦、篠崎さん、幸地さんご苦労様。確かに会社から花火は見られるが、東日本橋なので、ちょっと距離がある。丁度警備艇が警備しているところなので、ぎりぎりのところだ。だから、社員は見ると言うよりかは懇親会だ。さて、今日は不正資金浄化の各国の法文からだ。ちょっと難しい。ただ国によって、解釈がだいぶ違うので、よく比べてほしい。イギリスでは服を盗んでも不正資金浄化の犯罪になる。今日は日曜日なのに、頭の凝る話しで恐縮だが。法文なので、尚更だ。

バングラデッシュ

バングラデッシュではこの問題は2002年の不正資金浄化防止法 (法 No. VII  2002)で取り扱ってきている。第2章(tha)の条文で、「不正資金浄化は (a) 非合法手段によって直接的にもしくは間接的に取得もしくは稼いだ財産 (b) 合法もしくは非合法な手段によって直接的にもしくは間接的に取得もしくは稼いだ財産の上記条文において、非合法の移動、変換、場所の隠蔽もしくはそれらの支援を意味する。」この法文において、「財産とはいかなる性質および特徴を持った動産もしくは不動産の財産を意味する。」


インド

2002年の不正資金浄化防止法 (法 No. VII  2002)は2005年7月1日に発効した。この法の第三章で不正資金浄化の犯罪は個人もしくは事業体が直接的にもしくは間接的に犯罪による収入を得ることに従事したり、それを知っていて支援したり、いかなるそうしたプロセスの一部もしくは全部に、知りながら実際に参画したり、実際に関与し、それを不正行為でない財産として計画する人たちを対象とし、そのような人たちもしくは事業体は不正資金浄化の犯罪で有罪となる。

第四章は不正資金浄化の罰則規定であり、厳格な投獄の規定があり、その期間は3年以下はなく、7年まで延長ができ、また、罰金の義務があり、50万ルピー(985,000円)まで増加できる。他の国ではこの犯罪による刑罰は10年までである。

第12章の一項では銀行、金融機関、仲介者の義務として(a)所定の性質と価値の詳細な記録を残す。その記録ではそのような取引が単一の取引からなっていたり、お互いに一体化した一連の関連した取引からなっていたりするが、一連のものは一ヶ月以内に起こったものである。(b)(a)で言及した取引情報を所定の期間内に、当該長官宛に提供する。そして(c)そのすべての顧客の身元の記録を検証し維持する。第12章2項において、上述された一項で述べられている記録は取引が完了してから、10年間保管されねばならない。

この法律の条項は頻繁に見直され、様々な修正が時宜を得て、行われてきている。

イギリス

イギリスは「すべての犯罪」の管理体制をもっている。イギリスにおける不正資金浄化に関する法律は主に3つの法律からなっている。

ーテロリズム法 2000
ー反テロリスト犯罪並びに安全保障法 2001
ー犯罪収益法 2002

副次的な規則として不正資金浄化規則2003ならびに2007がある。専門的な指導書が大蔵省によって提出承認されており、これは合同の不正資金浄化運営グループを含めた産業グループとロー・ソサエティ (イングランド・ウェールズの事務弁護士会)によって提供されている。「不正資金浄化」は必ずしも金である必要はなく、その金とは有形無形のいかなる種類の資産に関連したり、債務の回避に関連したりしたものであり、また、必ずしも資産の受け渡しが必要でもない。泥棒自身が所有している場合も含まれる。報告されるべき金額に最低限度はなく、単一の5ポンド紙幣であっても嫌疑ある取引であれば報告しなければならない。技術的に誰もが金融サービスの従業員とか企業でなくても、報告が要求され、同意が求められるのはいかなる種類の金銭もしくは資産に関わる犯罪もしくは嫌疑ある活動への彼自身の関与である。洋服屋からベストを盗んだ泥棒は普通の泥棒と同様に不正資金浄化の犯罪を犯している。と言うのは犯罪から得た資産を所有しているからだ。もし彼が不正資金浄化で起訴される危険を回避したいのであれば、彼は技術的にベストを継続して所有することに対して、法的機関から同意を得ることが要求される。



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プロフィール

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プロフィール

海野 恵一
1948年1月14日生

学歴:東京大学経済学部卒業

スウィングバイ株式会社
代表取締役社長

アクセンチュア株式会社代表取締役(2001-2002)
Swingby 最新イベント情報
海野塾のイベントはFacebookのTeamSwingbyを参照ください。 またスウィングバイは以下のところに引っ越しました。 スウィングバイ株式会社 〒108-0023 東京都港区芝浦4丁目2−22東京ベイビュウ803号 Tel: 080-9558-4352 Fax: 03-3452-6690 E-mail: clyde.unno@swingby.jp Facebook: https://www.facebook.com/clyde.unno 海野塾: https://www.facebook.com TeamSwingby
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