2009年11月

2009年11月24日

ゲオポリティク2

昨日は京都議定書を終わらせ、ゲオポリティクにいよいよ入った。ドイツの地政学だ。

ドイツは正式な独立国家として遅く参入して来たが、より古く、より確立された植民地国家に比べるとその地位は攻撃され易いと感じていた。反自由主義で、反社会主義キャンペーンによって、プチブルジョア階級(18世紀から19世紀の初期のより下流の中産階級)を結集しようとして、これらの人たちは工業化の変動によって、その多くが職を失っていた。この動きは反ユダヤ主義に結びついていった。最初は宗教に対して、それから人種、そして、新たな民族主義へと融合していった。

中央ヨーロッパの関税同盟を創設しようと言う努力は英国、アメリカ、ロシアからドイツ文化を守ろうと言う試みとして、そして多分、中国支配も正当化しようとした。この動機はただ単に経済的なものではなく、文化的なニーチェ哲学で言うところの「権力への意志」と言う側面を持っていた。

Wilhelm自身はドイツの成長を恐れる種族を相手にして、彼らの存続の対立としてドイツの争いを見て来た。彼はガリア(Gaul) 人とスラブ人 (Slavs) 人と一緒にやるために、「アングロ・サクソン人」にすべてを期待した。彼は彼らとはチュートン人とスラブ人との最後の大きな戦争があると考えていた。

「アングロ・サクソン人」:5世紀以降ドイツ西部からイギリスに移住してノルマン征服(the Norman Conquest)までイギリスを支配した、ゲルマン民族の総称。Angles, Saxons, Jutes の3部族から成る。

チュートン人:Jutlandにいたゲルマン人の一派。古代、ユトランド半島に住んでいたゲルマン民族の一部族。前2世紀、キンブリ人とともに南下して、ローマの将軍マリウスに撃滅された。現在は、ヨーロッパのドイツ人をはじめゲルマン系諸民族•言語の称。テウトニ

ガリア人:ケルト語派を話すいわゆるケルト人のうち、ガリア地域に居住してガリア語あるいはゴール語を話した諸部族の人々を指す。

古代ローマ人は、ローマ側による呼称「ガリア人」 (Gallī)と「ケルト人」 (Celtae) をおおむね同義として扱った。しかし、いわゆるケルト人の中でも、小アジアに移住したケルト人(ガラティア人)やブリテン島の諸部族に対してガリア人は明らかに区別することができよう。

ローマ帝国の支配に組み込まれたガリア諸部族はローマへの同化が進み(ガロ・ローマ文化)、やがてゲルマン人とも混血が進んで、後のフランク王国フランスを形成していった。現代のフランス人(白人)は、ガリア人を自分たちのルーツ・祖先として意識している。http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AC%E3%83%AA%E3%82%A2%E4%BA%BA

スラヴ人中欧東欧に居住し、インド・ヨーロッパ語族スラヴ語派に属する言語を話す諸民族集団である。東スラヴ人ウクライナ人ベラルーシ人ロシア人)・西スラヴ人スロバキア人チェコ人ポーランド人)・南スラヴ人クロアチア人セルビア人ブルガリア人など)に分けられる。言語の共通性を何よりのアイデンティティとしている。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%83%A9%E3%83%96%E4%BA%BA

彼は外交に希望を持っていなかった。この闘争は政治の問題ではなく、民族の問題であったと。プチブルジョア階級の民族としての結集を民族的国家主義者運動へと拡大し、国際政治の概念を民族の文化と価値を守るための闘争として考え、主にスラブに対するドイツの民族的な紛争によって、ヨーロッパに於けるドイツの立場を認識することとなった。

世界権力を求めるドイツの正当化は人口増加率の高い若い国家、低い国民の平均年齢、著しい移民と都市の拡張に基づいていた。ドイツはこのようにして産業の拡張を行うためのより大きな生活領土と市場を求め始めるために覚醒された。その国境はその急激な拡大を維持するためにはあまりに小さすぎると感じられて、3国協商 (1907年から第1次世界大戦までの英仏露間の)を分裂させようとした。これはドイツを取り囲み、拡張を妨げていた。

今朝はこれくらいにしよう。ここら辺の歴史背景を勉強しないと行けない。丁度良い機会だ。今日は左目の手術があって、一泊だけの入院だ。昨年の眼底出血の後遺症で、ヤブ医者の誤診によって、こうなってしまった。早期発見すれば、何ともなかった。医者には気をつけよう。以前もアキレス腱を切った時も品川と青山のヤブ医者は切れていることがわからなかった。整形外科の医者だったが。外から見ても明らかに切れているのに。眼底出血も症状は明らかにわかるのに、その老人の眼科医はわからなかった。相当なヤブが一杯いる。今日は昭和医大だ。

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2009年11月23日

ゲオポリティク

今日からは日本人の最も弱い地政学に入る。以前、中国を書いていた時に「地政学10ヶ条」を書いたが、2009年1月29日の「地政学上での周辺国」をもう一度復習してほしい。これを読めば、日本人が如何に地政学に疎いかがわかる。これはまた、中国の36計はそれに通じるものがある。「箱庭日本」とか「あうん」、「移民拒否」がこの地政学の範疇に入ると思う。

36計:兵法は戦術、いわゆる戦い方の術だけでなく、戦略や政略といった政治・外交まで幅広く使える技だ。正直に真正面からぶつかるだけでは、平和を望むのは難しい。また、正々堂々とぶつかるにしても、相手が打ってくる変化球を見極める事ができれば、更なる手がうてる。この兵法は基本中の基本で、実際は複数の兵法を組み合わせたり、裏技を使ったりしてくる。
http://www4.ocn.ne.jp/~tishiki/hyouhou36.html

日本人はこの技法が出来ない。「あうん」のせまい国にいたせいか、こうした策略の世界を知らない。私の家族は中国なので、こうした世界に中にいるので、私は理解できるが、使うことは上手ではない。彼らはもの心ついた時から徹底的に叩き込まれている。だから、交渉術にはたけている。日本人がこの中国人とインドのタミール人とで組めることが出来れば、世界のユダヤ人に勝てる。日本人だけでは決して勝てない。と言うことは将来単独でアジアでビジネスを考えていては成功できない。拙書『本社も経理も中国へ』(ダイヤモンド社)に詳しい。

日本では65%の人が中国をよく思っていない。歴史的な問題が最大の原因だが、中国は昔から戦争ばかりしているので、漢民族とはいえ、多くの人種が混在した国だ。我々のような単一文明の国ではない。そうした意味で、中国から学ぶべきものは多いが、今回は英語を原典にしているので、このドイツの地政学の翻訳を通じて、この議論をしたい。中国のすごさは英語圏では最近少しずつ理解されて来ているが、大した量の記事はまだない。さて始めよう。

ゲオポリティク

Geopolitik 「ゲオポリティク」は独特のドイツ戦略地政学の一派である。Otto von Bismarckのドイツの統合後に思考の明確な形態として開発されたが、本格的には皇帝Wilhelm二世の時にその開発は始まった。

皇帝ウィルヘルム二世:1888–1918
Otto von Bismarck: 首相 1871–1890
ドイツの統合:1871
ドイツ帝国 第二帝国:1871–1918
ヴァイマル共和国:1918 - 1933
ナチス・ドイツ 第三帝国:1933 - 1945

ドイツ民族に関しての、経済空間としての中心的な考え方はドイツ帝国から Adolf Hitlerの第三帝国まで継続性を持っている。しかしながら、帝国の戦略地政学者、ドイツの政治地政学者、ナチ戦略家達は相互に広範囲のコンタクトがあった訳ではなく、ドイツの「ゲオポリティク」がコピーされたのでもないし、次の世代に渡されたのでもない。しかし、多分、ドイツの地理学、政治地理学、文化地理学の恒久的な側面を反映して来ていることを示している。

「ゲオポリティク」は広く、様々な源泉から開発され、Oswald Spengler, Alexander Humboldt, Karl Ritter, Friedrich Ratzel, Rudolf Kjellén, and Karl Haushoferらの著書を包含する。これはついにはAdolf Hitlerのイデオロギーに適合するようにして、採用された。

その定義した特色の中に生体組織理論 organic state theoryがあり、それは社会ダーウィン主義によって、特徴づけられている。

社会ダーウィン主義 Social Darwinism

ダーウィンの生物進化論の所説に立脚して、社会過程を説明し、社会進化の観点から社会変動解釈しようとした、19世紀後半以降今日に至る社会思潮の流れを、一括して社会ダーウィン主義とよぶ。

その内容は、具体的には、次の三つの類型に分けられる。第一に、ダーウィンの生存競争と自然淘汰(とうた)という考え方を社会現象、とりわけ自由放任の経済現象に適用し、資本と資本の競争とその下での利潤の追求をこの文脈から解釈しようとした、H・スペンサーやW・G・サムナーの社会理論があげられる。ただし、スペンサーの社会進化の考え方は、ダーウィンの生物進化論の主張に先行するものであり、社会ダーウィン主義からはみだす部分を含んでいる。第二に、生存競争と自然淘汰を、人種と人種の間の闘争や征服の事例に適用しようとしたグンプロビッチ、ラッツェンホーファー、アモンOtto Ammon(1842―1916)、ラプージュGeorges Vacher de Lapouge(1854―1936)、チェンバレンなどの社会理論があり、先進資本主義諸国による植民地獲得競争や帝国主義的進出を合理化し、部分的にはファシズムの人種理論にも影響を及ぼしている。第三に、クロポトキン、ノビコフ、ウォードなどの社会理論にみられるように、社会的連帯を中心とする社会進化のとらえ方があるが、この考え方は今日ではあまり採用されていない。

http://100.yahoo.co.jp/detail/社会ダーウィン主義/

これはまた、「文明の衝突」The Clash of Civilizationsタイプの理論付けによる特徴もある。

ちょっと長い引用だが、
「文明の衝突」:ハンチントンは、冷戦後の国際社会がグローバルな一体化へと進むという当時の一般的な見方に対して、国際社会はいくつかの文明圏に分裂しそれらの対立・衝突によって世界秩序がつくられていくという見方を示した。彼の理論は、その後のコソボ紛争東チモール紛争、あるいは2000年の南北朝鮮首脳会談の実現などでも予見性の高さを示した。とりわけ2001年9月11日に起こったアメリカ同時多発テロ事件は、「西欧文明と非西欧文明の対立」という「文明の衝突」のシナリオがにわかに現実味を帯びてきた事件であり、膨大な実証データに裏づけられた彼の理論が今日でも通じることを証明した。

ハンチントンの説に従えば、1980年代末の共産主義世界の崩壊後、さまざまな民族におけるもっとも重要な違いは、イデオロギーではなく文明の違いとなった。冷戦後の世界は、冷戦時代の三つのブロックではなく、中国、日本、インド、イスラム、西欧、東方正教会ラテンアメリカの七つ(もしくはアフリカ文 明を加えて八つ)の文明に分けられる。新しい世界においては超大国同士の抗争にとってかわって、「文明の衝突」が起こるようになるという。同じ文明に属する国家やグループは力を合わせて「同類国」を支援しようとする。そのため、文明の異なる国家やグループのあいだで暴力闘争がひとたび起こると、それはエス カレートしかねず、きわめて危険であるという。逆にイデオロギーによって引き裂かれていた文化的に一体感をもつ人々が連帯し、統一へと向かうことになる。

冷戦終結以降もっとも強力な文明であるアメリカを中心とした西欧文明は、彼によれば他の文明に対する力が相対的に衰えつつある。中国文明やイスラム文明は経済力や軍事力を強化し、西欧に対抗している。このように冷戦後の世界は、西欧文明と非西欧文明の相互作用が中軸となっていくという。

彼によれば来たるべき時代の平和は、世界の主要文明の政治的・精神的指導者たちの理解と協力いかんに かかっている。世界平和にとって、「文明の衝突」こそが最大の脅威であり、文明にもとづいた国際秩序こそが世界戦争を防ぐ安全装置なのである、とハンチン トンは主張している。

ハンチントン:Samuel P. Huntington(1927― )

アメリカの国際政治学者、ハーバード大学政治学部教授。ニューヨークに生まれる。1946年エール大学で学士号、48年シカゴ大学で修士号を取得。50年よりハーバード大学で教鞭をとり、51年同大学で博士号を取得する。59〜62年コロンビア大学の「戦争と平和研究所」の副所長を経て、62年ハーバード大学に戻り、同大学政治学部長などを務める。77〜78年国家安全保障会議安全保障政策担当コーディネーター、89年よりハーバード大学の「ジョン・オリン戦略研究所」所長。93年に『フォーリン・アフェアーズ』誌で「文明の衝突」The Clash of Civilizations?という国際政治理論に関する論文を発表し、注目を浴びた。

http://100.yahoo.co.jp/detail/ハンチントン/

これは多分、戦略地政学のいかなる学派でも良いのだが、それを純粋な国家主義的な概念に最も近づけたものであり、他のより普遍的な要素を加えて作り上げたものであった。

ドイツは2つの世界大戦の間国際システムの中にあって、修正主義国家として行動して来て、イギリスの支配を覆し、アメリカとロシアの覇権の出現に対して迎え撃とうとした。文字通りの独立国家としての新参者としてドイツは工業生産のための植民地と市場がなく、また、急激な人口増加を経験していて、国際システムの中で、富と領土のより公正な分配を求めた。近代の学者はドイツによって引き起こされた2つの世界大戦は一つの戦争として扱われ始めている。その戦争の中で、修正主義者ドイツは国際システムを再秩序化するための覇権支配にかけようとした。公然の動機が民族の問題であり、この時期の多くの紛争がそうであったように、ドイツの外交政策は双方の戦争に於いて、大いに一貫していた。ナチの外交政策は過去の帝国の間違いを経験して来た限りにおいて、独特であり、本質的にはドイツの地政学「ゲオポリティク」と帝国の歴史的な記録によって、用意された極めて似た設計となっている。

ウィルヘルムの地政学

政策の多くの源泉は後に地政学者のよって支持され、民族社会主義者実行されたが、第一次世界大戦前のドイツの帝国の野望からでて来たものである。それらは中央ヨーロッパの考えからでて来ている。それは後の「生活領土」lebensraum(ナチのスローガン)と経済の支配の概念の基礎を提供し、これらは後に、全地域のなかの地政学者の理論を特徴づけることになる。

Map-deutsches-kaiserreich

ドイツ帝国 1871-1918

権力を得たウィルヘルム2世の即位は「太陽の場所」のためのドイツの多くの望みが解き放たれ、併合の政策を要求し、ヨーロッパに於けるドイツの資源と名声を増大させようとした。


WilhelmIIx

Kaiser WilhelmII



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京都議定書12

いよいよ京都議定書は今日で終わる。長いなあと思ったが、12日間で終わった。昨日は雨上がりのスケートで、現地には数人しか来ていなかった。愚妻は再び台湾に戻ったので、家族は再び愚息とおばあちゃんだけになった。25日にはカナダから愚息がもう一人一時帰休してくる。その意味で、このブログも今日一日はかどりそうだ。さて始めよう。

最近の Copenhagen合意プロジェクトでは京都議定書は地球温暖化の進行を鈍化させるだろうが全体の効果は表面的だと言うことを言っている。

Copenhagen合意は厚生経済学の理論に基づいた方法論を使って、地球の福祉を進める上での優先度を確立しようと言うプロジェクトである。http://en.wikipedia.org/wiki/Copenhagen_consensus

これについてはhttp://d.hatena.ne.jp/roadman2005/20070127/1169913923に詳しい日本語の解説と意見がある。

しかしながら、京都議定書の擁護者は初期の温室効果ガスの削減の効果は小さいかもしれないが、それらは将来の大きくかつより効果的な削減のための政治的な先例であると言っている。彼らはまた「予防原則」に対する誓約を支持している。

予防原則 Precautionary Principle:欧米を中心に取り入れらてきている概念で、化学物質や遺伝子組換えなどの新技術などに対して、人の健康や環境に重大かつ不可逆的な影響を及ぼす恐れがある場合、科学的に因果関係が十分証明されない状況でも、規制措置を可能にする制度や考え方のこと。
この概念は、因果関係が科学的に証明されるリスクに関して、被害を避けるために未然に規制を行なうという「未然防止(Prevention Principle)」とは意味的に異なると解釈される。
1992年の国連環境開発会議(UNCED)リオ宣言は、 原則15で予防原則について以下のように記している。「環境を保護するため、予防的方策(Precautionary Approach)は、各国により、その能力に応じて広く適用されなければならない。深刻な、あるいは不可逆的な被害のおそれがある場合には、完全な科学的確実性の欠如が、環境悪化を防止するための費用対効果の大きい対策を延期する理由として使われてはならない」。
これは、地球温暖化対策などで、科学的な不確実性を口実に対策を拒否または遅らせる動きの牽制とする意味合いもある。

http://www.eic.or.jp/ecoterm/?act=view&ecoword=%97%5C%96h%8C%B4%91%A5

批判している人達の指摘では二酸化炭素のより更なる削減はより重大なコスト増加を引き起こす原因となるかもしれないと主張し、またそうしたことを擁護する討論会も開催して来ている。さらに、「予防原則」はいかなる政治的、社会的、経済的、環境上の結論に当てはめることが出来るが、この原則は、一方では貧困と 環境の観点から壊滅的な影響を与えるかもしれないし、このことは予防の議論とは無関係である。

どんなに金をかけてもやるべきだと言う議論を進めて行くとアフリカのような発展途上国とか後進国では貧困化がどんどん進んでしまい、環境問題の予防原則ではなく、地域の経済問題が深刻化すると言っている。(私注)

Sternレビューはイギリス政府がスポンサーした報告書で、気象変動の経済的な影響に関したもので、その結論として、地球のGDPの1%が地球変動の影響を軽減するために投資することが必要であり、そうしないと、地球のGDPの20%以上の価値の後退のリスクがあると言っている。

Sternレビュー :英国スターンレポート 気候変動と経済に関するスターンレビュー  Stern Review

英国政府が、2005年7月の主要国首脳会議を受け、ニコラス・スターン元世界銀行上級副総裁(現在は英国政府気候変動・開発における経済担当政府特別顧問)に作成を依頼した、気候変動問題の経済影響に関する報告書。2006年10月に公表された。
報告書では、気候変動問 題に早期に断固とした対応策をとることによるメリットは、対応しなかった場合の経済的費用をはるかに上回ること、具体的には、対策を講じなかった場合のリ スクと費用の総額は、現在及び将来における世界の年間GDPの5%強に達し、より広範囲のリスクや影響を考慮に入れれば、損失額は少なくともGDPの 20%に達する可能性があること、これに対し、気候変動の最大要因である温室効果ガスの排出量を削減するなど対策を講じた場合の費用は、世界の年間GDPの1%程度で済む可能性あることが示された。
その対応として、今すぐに行動を起こして、現在の大気中の温暖化ガスの排出量レベルを2050年までに少なくとも25%削減する必要があること、その場合二酸化炭素の 濃度は500から550ppmに抑えられる(現在は430ppm)こと、究極的には80%の削減が必要であることが報告されている。また、政策立案者は最 も安くつく経済的削減手段を作成する必要があるとして、長期的ゴールについての相互理解と対応策の枠組みに関する合意をもとに、国際規模で気候変動に対応することを求めている。さらにその枠組みには、国内排出量取引、テクノロジー協力体制、森林伐採を減らすための対応策、順応化、が含まれるべきであるとしている。

社会的割引率

便益と費用は必ずしも同じ時期に発生しない。割引とは、便益と費用の比較が可能となるよう、両者を現在価値に換算するために用いられる。www5.cao.go.jp/seikatsu/koukyou/data/18data/ze180613-shiryou.pdf

地球温暖化に対する「絶対」コストと異なった政策の便益を測定する試みに於ける一つの問題は適切な社会的割引率の選択である。京都議定書のもとで発生する便益のように長期的な期間にわたって、社会的割引率の小さな変更も、様々な研究の中で、純便益の間で、極めて大きな相違をもたらしてしまう。しかしながら、この困難な問題は長期間に於ける代替政策の「相対的な」比較には一般的に当てはまらない。と言うのは社会的割引率の変化はこの異なった政策の純コスト/便益に等しく調整されるからであり、時間軸において、コストと便益の重大な相違でもなければ問題にならない。

1990年以来の温室効果ガス排出の増加

下記の表は国連で報告されたように、気象変動条約の一部の国々に対する1990年から2004年までの温室効果ガス排出の変動一覧表である。

国家
温室効果ガスの変動(1990
-2004)
  LULUCFを除外
温室効果ガスの変動 (1990
-2004)
  LULUCFを含む
2012まで
のEUが決めた目標
条約義務 2008
-2012
Denmark -19% -22.2% -20% -11%
Germany -17% -18.2% -21% -8%
Canada +27% +26.6% n/a -6%
Australia +25% +5.2% n/a +8%
Spain +49% +50.4% +15% -8%
Norway +10% -18.7% n/a +1%
New Zealand +21% +17.9% n/a 0%
France -0.8% -6.1% 0% -8%
Greece +27% +25.3% +25% -8%
Ireland +23% +22.7% +13% -8%
Japan +6.5% +5.2% n/a -6%
United Kingdom -14% -58.8% -12.5% -8%
Portugal +41% +28.9% +27% -8%
EU-15 -0.8% -2.6% n/a -8%


LULUCF:  Land Use,Land Use Change and Forestry  土地利用、土地利用変化及び林業部門。二酸化炭素吸収源である森林などの陸上部門のこと。
京都議定書では、1990以降の人為的な植林などに限定して、この分の吸収量を算出にいれることを認めた。また、吸収源の範囲に関しても今後検討するとしており、土壌などにも拡大される可能性がある。
これにより、巨大な吸収量が生じると、化石燃料からの二酸化炭素排出の削減がなおざりにされることが懸念されている。また、この部門の吸収量の把握は、不確実性が極めて大きいといわれている。

http://www.eic.or.jp/ecoterm/?act=view&serial=1964

下記の表は温室効果ガス排出の変化の表である。

国家 温室効果ガス排出の変化 (1992-2007)
India +103%
China +150%
United States +20%
Russian Federation -20%
Japan +11%
Worldwide Total +38%

1990年の水準から2004年の全体の温室効果ガス排出を比較してみる と、アメリカの排出が15.8%上昇していて、年ごとの変動幅は不定期であるが、総じて増加している。同時に、23ヶ国のEUグループは彼らの排出は5%削減された。加えて、EU23ヶ国のうち15ヶ国の大きい方のグループは1990-2004年の間に0.8%削減しているが、1999-2004年では2.5%上昇した。EUの何ヶ国かの増加の一部はまだ、条約の範囲内であり、いくつかの国家の集団では既に達成されてしまっている。(上記の目標参照。)

2006年の終わりではイギリスとスウェーデンだけが2010までの京都の排出誓約を達成したEUの国家であった。国連の統計が示しているのは36の京都の署名国は、全体として、2012年までに5%の削減目標を達成できる一方で、温室効果ガス削減の進展の多くは1990年代の社会主義の崩壊後に東ヨーロッパ諸国 の排出の激しい減少から来ている。

京都議定書の後

2007年2月16日に合意した拘束力のない「ワシントン宣言」の中で、Canada, France, Germany, Italy, Japan, Russia, United Kingdom, the United States, Brazil, China, India, Mexico, South Africa各国の政府の首脳は京都議定書の次の要綱の原則に合意した。彼らは地球レベルのキャップ・アンド・トレード システムを考察し、先進工業国と発展途上国双方に適用し、2009年に発効することを望んだ。

2007年6月7日に第33回G8サミットでの指導者はG8の国家は「2050年までに地球のCO2排出を少なくとも半分にする」ことを目途にすることに合意し た。これを達成可能とするための詳細はUNFCCCの中で環境大臣によって交渉され、また、主要な新興国も含めて話が進められることになる。

UNFCCC主催で気象変動の円卓会議(Vienna気象変動会議2007)が2007年8月31日に気象変動に対して効果的な国際的対応が出来るようにするための主要な要素について合意に達した。

この会議での主な特徴は国連の報告書であり、エネルギー効率によって最低のコストで、排出を著しく削減できるかを示した。

この会議は2007年12月3日に始まった Nusa Dua, Baliでの主要な国際会議(第13回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP13)および「京都議定書」第3回締約国会議(COP/MOP3)私注)に向けての段取りをすることを意図していた。

2008年の会議(第14回締約国会議 (COP14) )がPoznańポズナニ), Polandで、12月に開催された。この会議での主な議題の一つは将来の京都議定書に於ける、「森林減少・劣化からの温室効果ガス排出削減 」(REDD)として知られている森林減少をどう回避するかの実行の可能性についての議論であった。

「森林減少・劣化からの温室効果ガス排出削減 」(REDD):Reduced Emissions from Deforestation and forest Degradation REDDは、開発途上国における森林の破壊や劣化を回避することで温室効果ガス二酸化炭素)の排出を削減しようとすること、またはそのプロジェクト。言い換えれば、炭素が森林やその土壌に固定された状態を保つことで森林伐採による大気への炭素の排出が起こらないようにすることである。日本語で、「森林減少・劣化からの温室効果ガス排出削減」とも言う。
これによって排出削減できた炭素量は、再生可能なエネルギー源を使用することで発生する炭素削減クレジット、あるいはエネルギー効率の改善で発生する炭素削減クレジットと同じとみることもでき、カーボンオフセットなどに利用することも考えられる。このタイプの排出削減プロジェクトは生態系保護に役立つとともに、生態系が提供する機能の対価を支払うこと(PES)を促進するものとの評価もある。
2006年のスターンレビューでも、世界の温室効果ガス排出量(2000年)の18%が土地利用変化によるもので、その原因は途上国における森林の過剰伐採や農地への土地利用転換だとしている。また、その排出量は運輸部門よりも多く、森林減少の防止が地球温暖化防止対策における費用対効果の高い方法だと指摘している。
また、気候変動枠組条約の第11回締約国会議(COP11、2005年)でREDDが初めて議題とし取り上げられ、COP13(2007年)では締約国がREDDの取組を支援するとともに、CDMの方法論に関する議論を開始することを決めた。

http://www.eic.or.jp/ecoterm/?act=view&ecoword=REDD

国連の交渉は今、2009年12月のCopenhagenでの会議に向けて、前もって、歩調を合わせている。

クリーン開発と機構に関する太平洋パートナーシップ

クリーン開発と機構に関する太平洋パートナーシップ:Asia-Pacific Partnership for Clean Development and Climate   京都議定書を補完するものとして、2005年7月にラオス・ビエンチャンで立ち上げられた自主的な集まりである。その目的は、よりクリーンかつよい技術及びプラクティスの開発・普及・展開・移転を通して、国内汚染削減、エネルギー安全保障及び気候変動の目的達成を 促進することである。実行の促進に当たって、全体枠組、政策、手順を管理する政策実施委員会とパートナーシップのコミュニケーションや活動における主要な調整役となる管理支援グループを設立され、各パートナー間の協力や情報交換、民間部門の参加および進展状況の評価を図る。http://www.eic.or.jp/ecoterm/?act=view&serial=3668

これはAustralia, Canada, China, India, Japan, South Korea, United Statesの協定である。彼らの間で、これら7ヶ国は二酸化炭素排出の半分以上の責任を持っている。

このパートナーシップは2006年1月にSydneyで、公式に開始した。この協定では加盟国は開始以来、100近いプロジェクトを開始し、クリーン・エネルギー能力構築と市場形成に努力して来た。これらの活動を行うにあたって、クリーン・エネルギーと環境の技術、サービスを展開するために長期プロジェクトが計画された。この条約はこれらの国々が任意の目標を決めて、温室効果ガスを削減し、これらの目標にはいかなる強制のメカニズムを設けなかった。

この条約の支持者達は「京都議定書の補完」と見なし、と同時によりフレキシブルなものと考えていた。批判する人たちはこの条約はいかなる強制力のある制限がないので、有効的ではないし、現在の京都議定書におき代わるための議定書の交渉を侵害した手段だと非難した。(2005年の12月にモントリオールで始まった交渉)アメリカの上院議員であるJohn McCainはこのパートナーシップは「ちょっとした広報活動以上の何ものでもない。」と言った。一方で、 the Economist誌はこのパートナーシップを「アメリカとオーストラリアが京都を批准を拒否するための明らかにアダムのイチジクの葉」だと酷評した。(すなわちこれが隠れ蓑だと言う意味。以前このパートナーシップについてこのようなことを言ったがここでそう言う指摘をしている。しかし、オバマは京都議定書に批准したい意向を持っている。私注)

以上で京都議定書は約束通り、月曜日に終了した。引き続き、今日からはウィキペディア英文のGeopolitikの翻訳を行う。http://en.wikipedia.org/wiki/Geopolitik

 

 

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2009年11月22日

京都議定書11

昨日のグローバリゼーション研究会は陰謀論を講義した。9月分だ。10月のところにに少し入ったが、まだ来月も陰謀論の続きになる。さて今日は長いアメリカ合衆国の続きで、州政府にも言及する。では始めよう。

この当局者の立場がアメリカで一様に認められている訳ではなかった。たとえば、Paul Krugmanは 温室効果ガス原単位の18%の削減目標はまだ、実際には総排出量の増加になると言った。ホワイトハウスはまた気象変動に対する人間の活動と温室効果ガス排 出との関連を指摘した報告書を軽視していると批判されて来ていて、ホワイトハウスの高官であり、以前の石油産業の擁護者であり、現在はExxon Mobil の役員である Philip Cooneyは 既に政府の科学者のよって承認されてきた気象研究の記述を骨抜きにしてしまった。それはホワイトハウスの諸々の否定を非難したからであった。批判する人た ちは Bush政権が石油ガス産業との関係が深いことを指摘している。2005年6月に国務省の報告書の中で当局は気象変動政策並びに京都議定書へのアメリカの 立場を決めるにあたって、この企業の「積極的な参画」をしたことに対してエクソンの経営者に感謝の意を表した。企業ロビーグループである地球気象連合 Global Climate Coalitionからの入力もまた当政権に影響を与える要因であった。

2002年に米国連邦議会の研究者たちは議定書の法的な位置づけを検討しているが、UNFCCCへ署名することは議定書の目的と意図を傷つけてはいけない という義務が生じていると指摘し、大統領だけで、この議定書を実行できないのであれば、議会は自身の主導で互換性のある法律を作ることは出来ると助言し た。

Barack Obama大 統領は今までのところは上院にアクションを取っておらず、この議定書に対するアメリカ合衆国の位置づけを変更してはいない。Obamaが2009年4月に トルコにいた時、Obamaは「京都議定書にアメリカがサインしないのは道理にかなっていない。議定書の期限がもうじき終わってしまうからだ。」と言っ た。この時点で、4年の誓約期間のうち2年と11ヶ月が残っていた。

州と地方政府

気候変動枠組条約(UNFCCC)は国連の加盟国間で協議された条約である。

気候変動枠組条約 Framework Convention on Climate Change   [略]UNFCCC FCCC   [同義] 「気候変動に関する国際連合枠組条約 」「地球温暖化防止条約」「温暖化防止条約」 :大気中の温室効果ガスの濃度の安定化を究極的な目的とし、地球温暖化がもたらすさまざまな悪影響を防止するための国際的な枠組みを定めた条約。1992年に開催されたリオの地球サミットにおいて採択され、1994年3月発効。日本は、1992年に署名、1993年に批准。2002年12月現在の締約国数は、187カ国+EC。条約事務局はドイツのボンにある。

条約においては、1)締約国の共通だが差異のある責任、2)開発途上締約国等の国別事情の勘案、3)速やかかつ有効な予防措置の実施等の原則のもと、先進締約国に対し温室効果ガス削減のための政策の実施等の義務が課せられている。気候変動枠組条約の交渉会議には、最高意思決定機関である締約国会議(COP)の他、2つの常設の補助機関(SB)である、(1)実施に関する補助機関(SBI)と、(2)科学的、技術的な助言に関する補助機関(SBSTA)がある。
http://www.eic.or.jp/ecoterm/?act=view&ecoword=%B5%A4%B8%F5%CA%D1%C6%B0%CF%C8%C1%C8%BE%F2%CC%F3

だから、個々の国家はこの議定書の中の条約に個別に参加する自由はない。にもかかわらず、いくつかの先導的な行為が州とか市のレベルで個別に始まって来ている。8つの北部のアメリカの州では地域温室効果ガスイニシャティブが発足し、これは州レベルのキャップ・アンド・トレード システムであり、彼ら自身が自分たちで開発したメカニズムを使っている。この最初の排出権は2008年11月にオークションされた。

ー参加している州:Maine, New Hampshire, Vermont, Connecticut, New York, New Jersey, Delaware, Massachusetts, and Maryland これらの州は4,600万人以上の人口で、アメリカの20%を占める。
ーオブザーバーの州、地域: Pennsylvania, District of Columbia(Washington, D.C.市のこと), Rhode Island


2006年9月27日にCaliforniaの州知事Arnold Schwarzeneggerは AB32法案、地球温暖化解決法として知られているが、そこに署名し、州の温室効果ガス排出削減に時間軸を設定し、2020年に25%削減するという世界で20番目の大きさとしてランクされた。この法案は京都議定書の制限にそって、Californiaで発効しているが、この期日は京都議定書の誓約日である2008-2012年よりも遅い期日である。Californiaシステムの機能の多くは範囲と目標が異なっているが、京都メカニズムに似ている。西部気象イニシャティブのメンバーはこのCaliforniaモデルの一部かすべてのものと互換性のあるものを検討したいと考えている。

西部気象イニシャティブ Western Climate Initiative WCI:2007年設立。北アメリカの西側の州。目的は温室効果ガスの削減。参加州はArizona, California, Montana, New Mexico, Oregon, Utah, Washington, British Columbia, Manitoba, Ontario, and Quebec オブザーバーはAlaska, Colorado, Idaho, Kansas, Nevada, Wyoming, Saskatchewan, Baja California, Chihuahua, Coahuila, Nuevo Leon, Sonora and Tamaulipas

シアトルの市長 Greg Nickelsがアメリカ全土に向けて、議定書への賛同する市を募ったら、2009年6月14日現在で、50州の944の市、District of Columbia and Puerto Ricoがアメリカの人口の80%を超えてが、議定書を支持することになった。2007年12月29日にシアトルは2005年に彼らの削減目標を達成したと言 われていて、1990年比で8%以下に温室効果ガスの排出を削減した。944の市の名前はここでは省略する。

支持

京都議定書の支持者たちはこれらの排出の削減は極めて重要だと言っていて、二酸化炭素が地表の温度を上げていると信じている。これは地球変動の特性分析によって支持されている。

京都議定書の支持者でも最も著名なところはEUと多くの環境問題専門家組織である。国連と個々の国家科学アカデミー(G8の国家科学アカデミーを含めて)もまた、京都議定書に賛成のレポートを発行している。

2005年12月3日にモントリオールのCOP会議に会わせて、行動の国際デーが計画されていた。この計画されたデモは世界社会フーラムの集会で、承認された。

世界社会フォーラム(前出 World Social Forum、略称WSF)とは、スイス・ダボスで開催される「世界経済フォーラム」に対抗するため作られたアルテルモンディアリスムサミット。ダボスでは、大規模なデモを開催するには、人々を運ぶ交通能力に限界があることと、ニュース番組における、世界経済フォーラムの報道量を減らす両方の側面から、1月に開催されることが多い。

世界社会フォーラムは、地域の「社会フォーラム」を次々に発生させたほか、多くの地域別、国別の社会フォーラムができた。すべてではないが、ほとんどの場合、世界社会フォーラムで作成された、世界社会フォーラム憲章に基づいて運営されている。

http://ja.wikipedia.org/wiki/世界社会フォーラム

多くのカナダ企業のグループもまた、気象変動に関する緊急アクションを呼びかけていて、京都が最初のステップだと提案して来ている。

アメリカ合衆国に於いては少なくとも一つの学生グループ Kyoto Now!があり、京都議定書遵守によって目的とされている排出削減に向けて、社会的な圧力をかけて行こうと学生の関心を求めている。

批判

この議定書は温室効果ガス削減には全く十分ではないと言う意見がある。Niue(ニウエ:人口1,591人のニュージーランドの北東の国), The Cook Islands(同じく2万人のニュージーランドの近くの国), and Nauru(ミクロネシアにあり、人口1万人)がこの議定書に署名した時にこの効果についてこう言っていた。

環境経済学者の幾人かは京都議定書を批判して来ている。その多くが指摘しているのは京都議定書のコストの方がその効果をしのいでいると言うことであり、幾人かは京都が決めている標準はあまりに楽観的だと言っていて、また他のものは極めて不公平で、不効率な協定であり、温室効果ガス削減には殆ど貢献し ていないと言っている。ついにはGwyn Prins and Steve Raynerのような経済学者が言うには京都議定書で提案したアプローチとは全く違ったものが今後必要であると言っている。

さらに、1990年を基準年とする議論と一人当たりの排出量を基準にしていないことに対しての議論がある。各国は1990年では、エネルギー効率に於いて達成度はまちまちであった。たとえば、以前のソ連と東ヨーロッパの国々ではこの問題に殆ど取り組んでいなかったし、彼らのエネルギー効率は1990 年においては最悪のレベルであった。この年は社会主義体制が崩壊する直前であった。

他方、日本は天然資源の最大の輸入国であり、1973年の石油危機後に於いてはその効率を改善しなければならなかった。であるから、1990年の排出水準は多くの先進国よりも優れていた。しかしながら、そのような努力は横に於かれて、以前のソ連の何もしていないことが過大評価されて、排出権取引に於いて巨大な収入を得ることが出来てしまった。同様に、次ぎにくる京都議定書のような条約では一人当たりの排出量を基準を採用すれば、先進国、発展途上国間の不平等意識を削減できると言う議論がある。そうすれば、各国において活動していないとか責任を取っていないとか言うことが明らかになってくると言う意見である。

費用対効果分析

経済学者は費用対効果分析を通じて京都議定書の全体的な純効果を分析しようとして来た。経済変数に於いて、大きな未確定要因による意見の不一致があ る。ある予測では京都議定書を遵守することがしないよりかより費用がかかりと言い、別の意見ではかろうじてだが、地球温暖化だけを調整する費用よりも純効果の方が多いと指摘する意見もある。しかしながら、De Leoらの研究でわかったことは「京都議定書にそって、エネルギー戦略を作り、それを遵守するために製造コストを含めた局所的な外部費用だけを見てみると全体のコストより低く、高いと言うことはない。」と言っている。

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swingby_blog at 08:24 

2009年11月21日

京都議定書10

やっと週末だが、今日は一日忙しい。午前中は経営会議で、午後からはグローバリゼーション研究会がある。朝この研究会の予習をしておかないと行けない。今日は陰謀論なので、大分忘れてしまった。最近は気温の変化が激しい。今日は暖かい。さて始めよう。

ロシア

Vladimir Putinは2004年11月4日に条約を承認し、ロシアは公式に2004年11月18日に国連に批准を通知した。ロシアの批准の課題は特に国際社会の中でしっかりと観察されて来ていた。そして、ロシアの批准後、90日の2005年2月16日に発効した。

大統領のPutinはロシアの内閣とともにそれに先立って2004年9月に議定書に賛成を決めていた。ロシア科学アカデミー、産業エネルギー大臣、当時の大統領経済顧問 Andrey Illarionovらの反対を押し切って、また、ロシアがWTOに加盟出来るようにEUの支援と交換で、決めた。期待どおりに、このあと、2004年10月22日に上下院の承認になんら支障は起こらなかった。

京都議定書は1990年の水準からの増減%を排出制限として決めるのだが、以前のソ連の多くの国々の経済は崩壊していたし、温室効果ガス排出においても同様の状況であった。このため、ロシアは京都議定書での誓約のための会議では問題がなかった。現在の排出水準は実質上その制限以下であった。

ロシアが実際に未使用のAAUのクレジットを販売して利益を得て良いのかどうかについては科学的な議論が進行中である。

AAU 割当量単位 初期割当量:排出枠(クレジット)の1分類。地球温暖化防止を図るために、国連気候変動枠組条約附属書I国それぞれに割り当てられる二酸化炭素に換算した人為的温室効果ガスの削減量。基準年排出量と数値目標から算定される初期割当量の一部で、割当量の具体的計算方法などは、マラケシュ合意の中に記載されている。
なお、クレジットにはAAU(初期割当量)、RMU(吸 収活動に基づくクレジット単位)、ERU(JIの実施によって生じた排出削減量に基づくクレジット)、CER(CDMの実施によって生じた排出削減量に基 づくクレジット)の4分類があり、これらによって国としての総排出枠が決まる。その内訳は、「割当量単位(AAU)」+「吸収量(RMU)」+「排出量取引による排出枠(AAU、ERU、CER、RMU)の取得・移転分」±「JIおよびCDMで発行されたクレジットの取得分(ERU、CER)」となる。
http://www.eic.or.jp/ecoterm/?act=view&ecoword=%B3%E4%C5%F6%CE%CC%C3%B1%B0%CC

アメリカ合衆国

ア メリカ合衆国は京都議定書の署名国ではあるが批准もしていなければ、撤回しているわけでもない。署名だけでは単に象徴だけであって、批准しなければ、アメ リカ合衆国に対して、拘束力はない。アメリカの2007年気象安全保障法は一般にアメリカ国内ではキャップ・アンド・トレード法案と呼ばれていて、京都議定書の標準と目標にアメリカがより連携するための提案であった。

気候安全保障 Climate Security :気候変動問題を安全保障の問題として位置づける考え方。その背景には、次のような認識がある。(1)気候変動が及ぼす影響は、環境の変化のみならず、貧困撲滅や平和構築の努力をも妨げる大きな障害となる可能性があること。(2)気候変動が及ぼす影響は、特に脆弱な国にとって直接的な、また、世界的規模での経済撹乱によって多くの国の、安全保障上の問題となる可能性があること。(3)このような深刻な影響をもたらす気候変動問題は、それを緩和する対策についても、気候変動の影響に適応する対策についても、高い優先順位を持って取り組まなければならないこと。
気候変動の影響の深刻さを、気候安全保障という言葉で最初に明確に表現したのは英国のベケット外相であった。彼女は2006年秋に行った演説で、「気候安全保障なくして、国家安全保障や経済的な安全保障を確保することは困難である。温暖化によって気候が不安定になれば、政府の基本的責任である、経済・貿易・移民問題・貧困などへの対応は果たせなくなる」と述べ、温暖化への対応を英国外交の主要課題に置くことを表明した。2007年4月17日には、英国の主導で、国連安全保障理事会において史上初めて気候変動問題が「エネルギー、安全保障および気候に関する安保理公開討論」として取り上げられた。
気候変動を「気候安全保障」として捉えることにより、次のような国際政治上の効果が期待される。すなわち各国の首脳が直接関与すべきハイ・ポリティックスの課題として認識されることによって、本来気候変動に与えられるべき高い優先順位が正当に与えられ、その結果、国内対策や国際的な連携の促進が期待される。さらに気候安全保障が優先順位の高い政策項目とされることにより、低炭素で発展する経済社会に必要な技術や制度、ライフスタイルが促進されることも期待される。
http://www.eic.or.jp/ecoterm/?act=view&serial=3781

Cap and Trade(キャップアンドトレード):排出量取引において、排出枠が設定されている主体間で、排出枠の一部の移転(または獲得)を認める制度のこと。(前出)

この法案はほぼ500ページもあり、命令権を持たせた、炭素取引、規制、強化の連邦局の確立のために提供され、ある当局筋によれば、アメリカの歴史において、こうした事は最大の税収に繋がっていると言っている。

1997年7月25日に京都議定書が最終化される以前、すなわち、ネゴが完全に終了したが、最終直前のドラフトが終了した時点で、アメリカ合衆国の上院は満場一致で、Byrd-Hagel Resolution を95–0で、可決した。

Byrd-Hagel Resolution バード決議:「主要な途上国の意味のある参加がないと京都議定書は批准しない」という趣旨の米国の上院で可決された決議のこと。「米国経済に深刻な被害を与えるようなもの、また米国に温室効果ガスは排出量の制限ないし削減を課す一方、同期間内に発展途上国に対し特に予定を定めて温室効果ガスの制限ないし削減を課さないものについて、米国は署名すべきではない」という内容のもので、提案した上院議員の名をとってバード決議と呼ばれる。

COP3において当初米国が附属書I国だけの削減目標設定に対して激しく反対したのは、このバード決議が背景にあったからである。結局、温室効果ガスの削減割当量はアメリカが-7%まで受諾したものの、2001年の大統領選で誕生した共和党ブッシュ政権は同年3月に京都議定書離脱を表明、今日に至っている。

http://www.eic.or.jp/ecoterm/?act=view&serial=2125

これは上院の意見として、アメリカ合衆国が工業先進国同様に発展途上国の拘束力ある目標とその予定表が含まれていない、もしくは「アメリカ合衆国の経済に重大は損害をもたらす」ような、いかなる議定書にもその署名国であってならないと言っている。

1998年11月12日に副大統領 Al Goreはこの議定書に象徴的に署名した。Goreと上院議員Joseph Liebermanは開発途上国が参加するまではこの議定書は上院では採決されないだろう指摘した。クリントン政権では議定書を上院に批准の件で提案する事はしなかった。

クリントン政権は1998年7月に経済諮問委員会が作成した経済分析を発表し、附属書I国間の排出権取引とCMDにおける発展途上国の参加について、 2012年までは最近の通常のビジネスにおける排出率を認め、京都議定書の実行のコストが多くの予測から60%程削減出来ると言う結論に達した。

以前でて来たアメリカの政策「適応」adaptationとEUと日本の政策「軽減」mitigationを思い出してほしい。2009年11月11日参照。

ア メリカ合衆国における京都議定書の炭素削減目標を達成するコストの予測は、エネルギー情報局によって比較されているように、2010年までに1.0%から 4.2%のGDPの損失が予測され、2020年までには0.5%から2.0%となる。これらの予測のいくつかはアクションが1998年になされると仮定していて、アクションが遅れればそれは増加するだろうと言っている。

George W. Bush大統領は中国を除外する事に基づいたこの条約の上院への承認を申請しなかった。今や中国は一人当たりの二酸化炭素排出量は少ないが、世界最大の排出量である。 Bushはこの条約に反対した。条約は経済にのしかかる重圧であると彼は信じていて、科学的な証拠が未確定だと言う事も彼は信じていて、それを強調していた。さらに、アメリカはこの条約が広範囲な除外をしている事にも関心があった。たとえば、アメリカは附属書I国とその他の国とを分ける事を支持していなかった。Bushはこの条約についてこう言っている:

「これは100%の成果を要求するチャレンジだ。我々もそして世界のその他の国々も。世界の二番目に大きな温室効果ガスの排出国は中国だ。しかし、中国は完全に京都議定書の要件から除外されている。インドとドイツはトップの排出国だ。 しかし、インドもまた京都議定書から除外されている。

アメリカがこの欠点のある条約を喜んで受け入れないのは責任の放棄だと我々の友人や同盟国は考えるべきではない。反対に、我が政権は気象変動の課題に対してリーダーシップの責務を誓約している。我々のアプローチは大気中の温室効果ガスの濃度を安定化させるのが長期的な目標である事を首尾一貫しなければならない。」

2002年6月に環境保護機関は「気象アクション報告書2002」を発行した。幾人かの観察者はこの報告書自体は明示的にこの議定書を承認していないが、支援していると評している。2005年6月のG8の会議で、政府当局者は「先進工業国に経済的な損害を与えないような実務上の誓約」が望ましいと言っていた。これらの当局者によれば、アメリカ合衆国は2012年までに温室効果ガス原単位(国内総生産(GDP)単位当たりの排出量を計算。 温室効果ガスの排出量を、排出量と密接な関係を持つ値(生産数量や建物延床面積など)で除した値のこと。 carbon intensity )を18%削減する公約実行の途上にある。

アメリカ合衆国はクリーン開発と機構に関する太平洋パートナーシップに署名して来て、この条約はこれらの国々が個々に温室効果ガスは出の削減目標を設定するためのものであるが、実施のメカニズムは持っていない。

クリーン開発と機構に関する太平洋パートナーシップ(前出):京都議定書を補完するものとして、2005年7月にラオス・ビエンチャンで立ち上げられた自主的な 集まりである。参加国は米国(主催国)、オーストラリア、中国、インド、韓国、日本の6カ国である。その目的は、よりクリーンかつよい技術及びプラクティ スの開発・普及・展開・移転を通して、国内汚染削減、エネルギー安全保障及び気候変動の目的達成を 促進することである。実行の促進に当たって、全体枠組、政策、手順を管理する政策実施委員会とパートナーシップのコミュニケーションや活動における主要な 調整役となる管理支援グループを設立され、各パートナー間の協力や情報交換、民間部門の参加および進展状況の評価を図る。資金調達は各パートナーの判断によるものである。

この条約の支持者たちはこの京都議定書をより柔軟性を持たせて、実行しようと考えている。

今日はここままで、アメリカの続きはまた明日。アメリカは連邦政府と州政府があるので、それも含めて明日にしよう。明日までに終了させることは出来ないが、この週末は3連休なので、月曜日までには終わらせることが出来るかもしれない。課題はまだまだあるが、環境問題はここまでで、次はドイツの
戦略地政学であるGeopolitikを今考えている。もしくはその辺りのことを考えている。日本人の弱いところで、Globalizationには必須科目だ。最近は中国がご無沙汰しているが、この延長線上に地政学で、絡ませたい。


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swingby_blog at 08:09コメント(0)トラックバック(0) 

2009年11月20日

京都議定書9

昨日は久しぶりに夜更かしをしてしまった。篠崎さんの招待で、中国の習近平国家副主席の夫人、彭麗媛さんが芸術総監督を務める中国歌劇「木蘭詩篇」の日本公演を観に行って来た。人民解放軍総政治部歌舞団と指揮者の堤俊作氏が率いる日本の楽団ロイヤルチェンバーオーケストラが演奏を担当し、すばらしかった。東京オペラシティで行われたので、帰ったら10時を回っていた。結局就寝が11過ぎになってしまい、今日はきつそうだ。昨日紹介した、矢野さんと大野さんは篠崎さんの段取りで、閉演後、彭麗媛さんと歓談されると言うことだった。ところで、よく睡眠時間が短くて大丈夫ですかと問われるが、実は生まれてこのかた8時間が睡眠時間で、なかなかとれないが、そうしないと体調が悪い。

さて、今日はあまり時間がないので、すぐに内容に入ろう。

イギリス

イギリスのエネルギー政策は完全に二酸化炭素排出削減のための目標を承認し、段階的に国家の排出に対して削減を割り当てることを誓約して来た。イギリスは京都議定書の署名国である。

2007年3月13日に気象変動法案の原案が数年かけて、超党派の圧力で、環境グループによって出版された。(この法案は2008年11月26日に法制化 され、2050年までに温室効果ガス6品目について、少なくとも80%削減すると言うものである。私注)2003年のエネルギー白書にもあるように、この 法案の目的は1990年の水準から2050年までに炭素を強制的に60%削減(先ほどの注のように後で変更したようだ。)しようと言うものであり、2020年までにその中間目標として、26-32% を削減しようとしている。イギリスがこうした長期の、そしてかなりの炭素削減目標を法制化した最初の国である。

イギリスは現在温室効果ガスの目標のために、京都議定書の制限を達成しようとその途上にあり、政府は2007-2012年までにCO2排出を削減できると考えている。イギリスにおける全体の温室効果ガス排出が落ちて来てはいるが、労働党が1997年に政権を取って以来、毎年、二酸化炭素の純排出量が約2%上昇して来ている。結果 として、政府が1990年の水準より2010年までに二酸化炭素を20%削減するという言質は今や、かなり疑わしくなって来ている。気象変動法案を承認したので、それのもとで、直ちに、劇的なアクションを取らないと、達成できない。

フランス

2004年にフランスは最後の炭坑を閉鎖し、原子力発電から電力の80%を得ており、それゆえ、CO2排出は相対的に低い。

ノルウェー

1990-2007年の間にノルウェーの温室効果ガス排出は12%増加した。直接的に彼ら自身の温室効果ガスの排出削減だけでなく、「カーボンニュートラル」のノルウェーの考えは中国に植林再生の財政支援をすることであり、これは京都議定書で法規定されている。

カーボンニュートラル carbon neutrality:ライフサイクルの中で、二酸化炭素の排出と吸収がプラスマイナスゼロのことを言う。例えば、植物の成長過程における光合成による二酸化炭素の吸収量と、植物の焼却による二酸化炭素の排出量が相殺され、実際に大気中の二酸化炭素の増減に影響を与えないことが考えられる。このように、化石燃料の代わりにバイオマスエネルギーの利用はカーボン・ニュートラルだと考えれ、二酸化炭素の発生と固定を平衡し、地球上の二酸化炭素を一定量に保つことができる。また、二酸化炭素排出量を削減するための植林や自然エネルギーの導入などは、人間活動による二酸化炭素の排出量を相殺できることもカーボン・ニュートラルと呼ぶことがある。
http://www.eic.or.jp/ecoterm/?act=view&serial=3670

インド

インドは2002年8月にこの議定書に署名し批准している。インドはこの条約の枠組みから免除されて以来、この議定書から、技術の移転とそれに関連した投資を得ようと期待している。2005年6月のG8の会議で、インドの首相 Manmohan Singhは 発展途上国の人口一人当たりの排出率は先進国のそれよりとても小さいことを指摘した。「共通だが差異ある責任」の原則に従って、インドは排出を削減する主要な責任は先進国同様に停止している。先進国は長年にわたった累積した排出量がある。しかしながら、アメリカとその他の西欧諸国はインドは中国とともに、 来るべき数十年の中で、彼らの急速な工業化と経済成長により、多くの排出の責任を取るべきであると強く主張している。

共通だが差異ある責任 Common but Differentiated Responsibility :地球環境問題を解決するための責任について用いられるようになった国際的に合意されている考え方。地球環境問題のような課題は全人類の抱える問題であり先進国はもちろん発展途上国にも共通の責任があるという主として先進国側の主張と原因の大部分は先進国にありまた対処能力においても異なっているとする途上国側の主張との両者の意見を折衷して形作られてきたもの。
一言でいえば、地球環境問題に対しては共通責任があるが、各国の責任回避への寄与度と能力とは異なっているという考え方である。このような考え方の類似のものは以前からあるが、1992年の地球サミットで採択された「リオデジャネイロ宣言」や「アジェンダ21」においてはじめて明示的に用いられ、同サミットで採択された「気候変動枠組み条約」でも採用されている。最近では、特にヨハネスブルグ・サミットの議論のなかでも、この考え方を開発分野にも適用していこうという動きがみられる。

パキスタン

環境担当国務大臣Malik Min Aslamは最初はあまり受け入れてはいなかったが、そのあとで、Shaukat Aziz内閣を説得して、議定書に批准した。この意思決定は2001年に行われたが、国際情勢のために2004年にアルゼンチンで公表され、2005年に承認され、政策枠組みを造る道を開くことができた。2005年1月11日にパキスタンは京都議定書加盟の資料を提出した。環境大臣はDNAとして、作業を行う職務をアサインした。

DNA:Designated National Authority(指定国家担当機関)
CDMプロジェクトに参加する締約国が、窓口として国家に作成する機関。

economy_2_05_table
アラブ首長国連邦のCDMプロジェクトが国家承認されるまでのフロー 詳細は以下参照。http://www.dubai.uae.emb-japan.go.jp/middle%20east_economy_01_05_j.htm


2006年2月に国家CDM業務戦略が承認され、2006年4月27日に最初のCDMプロジェクトがDNAによって承認された。硝酸の製造による大きなN20の削減で、投資家は三菱商事だが、年間で百万CER(クリーン開発メカニズムで発生するクレジット)と予測されている。最終的に2006年11月にこの最初のCDMプロジェクトはUNFCCCに登録された。

この議定書は再生可能エネルギープロジェクトを通じて、パキスタンが化石燃料への依存度を下げさせる支援となる事が期待されている。パキスタンは大きな汚染排出国ではないが、犠牲者であった。地球温暖化が記録破りの温度の寒暖、日照り、洪水により、この国を「異常天候」へと導いてしまった。

今日はここまでだが、明日は大物のロシア、アメリカがある。さて、明日はグローバリゼーション研究会がある。今回は前回の続きなので、まだ、陰謀説のところだ。3時間しかないので、なかなか進まない。時間のある人は以下のところなので、ホームページから申し込んでほしい。最寄りの駅は都営浅草線の東日本橋か新宿線の浜町。

スウィングバイ2020株式会社
 〒103-0004東京都中央区東日本橋1-11-15 リバーサイド和興ビル3F

さて、今日の経営研修だが、我が社はベンチャーなので、経営がめまぐるしい。今日の研修は組織改革と新規事業だ。組織の本体を中国に移すと言うことと、躍進する中国企業をサポートする体制の構築について議論する。弊社は殆どの社員が中国人なので、日本のノウハウを中国に生かして行きたいと考えている。勿論、このブログの趣旨にもあるように、日本企業のグローバル化支援は本体の柱であることには変わりはない。現在は東京、大連、西安の3極で行っている。

日本企業も製造ばかりでなく、管理も業務も中国にでるべきで、昨日言ったように、政府もそうするべきだ。コスト削減だけではない。グローバル化だ。昨日の報道にあったようにインドネシアの看護士が一人条件が違うと言うことで帰国したようだ。これを単に一人が条件が合わなかったから帰国したと言う受け止め方はしては行けない。その背後にこうしたグローバリゼーションの大きな問題が潜んでいる。今日はこれまで。













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プロフィール

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プロフィール

海野 恵一
1948年1月14日生

学歴:東京大学経済学部卒業

スウィングバイ株式会社
代表取締役社長

アクセンチュア株式会社代表取締役(2001-2002)
Swingby 最新イベント情報
海野塾のイベントはFacebookのTeamSwingbyを参照ください。 またスウィングバイは以下のところに引っ越しました。 スウィングバイ株式会社 〒108-0023 東京都港区芝浦4丁目2−22東京ベイビュウ803号 Tel: 080-9558-4352 Fax: 03-3452-6690 E-mail: clyde.unno@swingby.jp Facebook: https://www.facebook.com/clyde.unno 海野塾: https://www.facebook.com TeamSwingby
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