2010年06月
2010年06月30日
オバマ2
さていよいよこのオバマのディベートは始まる。きょうは司会者がいろいろ課題を提起する。昨日紹介したように2人の論客の紹介もしている。今日はまだ良いが、明日あたりから、英文よりかは内容がだんだん難しくなってくる。明後日あたりは超難解になるので、良い勉強だ。さて始めよう。
The moderator's opening remarks
彼はエコノミストのワシントンの特派員。
私の人生で、こう した希望を持った政治家はわずかしかいなかった。私は彼の大領領の選挙戦を担当した時に私はBarack Obamaはアメリカを作り直し、驚くべき数の彼等の個人的な問題を解決すると私に語る数多くの支持者たちにあった。
Few politicians, in my lifetime, have raised such hopes. When I covered his presidential campaign, I met legions of supporters who told me that Barack Obama would remake America and solve a surprising number of their personal problems.
彼の最も熱心なファン達ー彼が一角獣に乗った写真を持っている類 の人たちーの期待に反して評価の結果はオバマ大統領は失敗して来ている。しかしこのディベートに於いて、我々はより合理的な基準を利用しよう。
Measured against the expectations of his most ardent fans—the kind of people who bought pictures of him riding a unicorn—Mr Obama's presidency has been a failure. But in this debate we will use a more reasonable yardstick.
彼の行動は経済を生き返らせて来たのかそれとも妨げて来たのか? 彼はアメリカをより安全にして来たのか?彼は絶えず、保健医療、エネルギーのような彼の大きな国内の改革をやり遂げることに成功して来たのか?そして、も しそうであるならば、彼等は損害を与えるよりも良いことをして来たのだろうか?
彼等とは保健医 療、エネルギーのような彼の大きな国内の改革のこと。エネルギーは以下のことを言っている。
包括的なエネル ギー・温暖化法案の立案:クリーンエネルギー経済をもくろむ米エネルギー・温暖化法案が公開され、この法案は、大きく分けて4つのビジョンの実現を目標と している。まず、1つ目は雇用の創出。これはオバマ政権の公約でもある。今後、エネルギー産業の主役となる分野を明示することによって、その方面の産業を 活性化させる。
2つ目は、長期的にエネルギー生産コストを低下させ、消費者にメ リットを与える。3つ目に、石油、すなわち中東地域に依存したエネルギー政策から脱却し、エネルギー分野で米国の自立を図る。4つ目には、そのうえで二酸 化炭素(CO2)などの地球温暖化汚染物質の排出量を削減するというものである。 http://eco.nikkeibp.co.jp/article/column/20090522/101478/
これはBPの原 油漏れで、大きな誤算となった。この改革は当面頓挫したと見ていいだろう。いや、原油漏れ対策の方がアフガンスタン以上に重要な課題になっている。
Have his actions revived the economy or hobbled it? Has he made America safer? Will he ever succeed in pushing through his big domestic reforms, such as health-care and energy? And if so, will they do more good than harm?
David Boazはカトー研究所出身のリバタリアンだが、オバマ大統領は失敗していると言っていて、その理由は彼があまりにもたくさんのことをしようとしているか らだと言う。
リバタリアニズム(libertarianism) は、アメリカの話にはかならず出てくる言葉で、政治学・経済学等では、他者の権利を侵害しない限り、各個人の自由を最大限尊重すべきだとする政治思想のこ とである。ja.wikipedia.org/wiki/リバタリアニズム
合衆国・リバタリアン党 (United States Libertarian Party)は、リバタリアニズムを奉じるアメリカ合衆国の政党。1971年結 成。アメリカ合衆国で3番目に大きな政党。ja.wikipedia.org/wiki/リバタリアン党
Boaz氏は彼を非難しているのは政府が効率的に仕事をしていないか、もしくはアメリカ人が政府の仕事を広げることに如何に寛容でないかを彼が把握していないことに対してである。彼は実業界が既に耐えて来ている負担に加えて、国債、課税、規制に対してイライラしている。だから、有権者が彼の政策をより多く見るほどに嫌に なってくると彼は観察している。
David Boaz, a libertarian from the Cato Institute, argues that President Obama is failing because he tried to do too much. Mr Boaz berates him for not grasping how inefficiently government works, or how little tolerance Americans have for its expansion. He frets that Mr Obama is adding debt, taxes and regulations to the burdens already endured by business. And he observes that the more voters see of his agenda, they less they like it.
ハーバードのケネディ・スクールの公共政策を担当しているElaine Kamarckは同意していない。彼女が言うには彼の前任者の幾人かとはことなり、Obama氏は個人的なスキャンダルのような弱みはない。人間として、 彼は高い尊敬を受けている。
彼女は保健医療改革における民主党員の「妄想」は国民に支持されていないと結論していて、「量が豊富な経済政策」によってObama氏を散漫にさせていると考えている。しかし彼女は彼が勉強し適応すると見ている。Obama氏の一般教書演説を聴いたあとで、彼は仕事に集中し、大衆に信頼を再び得て、2012年の選挙に再選されると彼女は予言している。
Elaine Kamarck of the Kennedy School of Government at Harvard disagrees. She notes that unlike some of his predecessors, Mr Obama exhibits no scandalous personal failings. As a man, he is held in high respect. She concedes that the Democrats' "obsession" with health reform is not shared by the public, and reckons it has distracted Mr Obama from his "robust economic agenda". But she sees him learning and adapting. After listening to Mr Obama's state-of-the-union address, she predicts that he will focus on jobs, regain the public's trust and win re-election in 2012.
我々の2人の論客は活発なオープニングをしようとしている。彼等のこれからの意見の中で国内政策に対してより深く掘り下げていくだろうし、(多分、上述した私の質問の幾つかにも答えて、)そして、外交政策にも触れることを希望する。
外国人が Obama氏をGoerge Bushよりもどれほど好きかどうかは問題であろうか?(それはどうでも良いことだ。)彼が議会で、保護主義者と取引をするために譲歩することがどれほど危険であろうか?彼はパキスタン、イラン、中国とどれほど巧妙に取引をしようとしているのか?さあ、議論を始めよう。
Our two debaters have made a spirited opening. I hope that in later statements they will dig deeper into domestic policy (perhaps addressing some of my questions above), and touch on foreign policy, too. How much does it matter that foreigners like Mr Obama more than George Bush? How dangerous are the concessions he has made to trade protectionists in Congress? How deftly is he dealing with Pakistan, Iran and China?
Let the argument begin.
ここではエネルギー法案の話が出ているが、今オバマはそれどころではない。BPの問題があるからだ。パキスタンにおいては国民に人気の無い総司令官McChrystal を更迭した。そうした背景を明日から検討することになる。今後のアフガニスタン派兵へのヒントもここから出てくるに違いない。今日はこれまで。
続きを読む
2010年06月29日
オバマ
いよいよ今日からObama大統領のディベートが始まる。以下は2010年2月2日から2月13日までのエコノミストでのディベートだ。このあとではアフガニスタンでの総司令官McChrystalの更迭と BPの原油流出の対応があるが、それまでの彼の行動に対する評価の議論だ。欧米人の考えは面白い。
現役の大統領をこうしたビッグネームの週刊誌がディベートの題材にしてしまうのだから、すごい。何がすごいかと言うと、大統領が間違いなく読むからだ。彼はこのディベートの結果と議論の内容を受けて、彼の行動を変えて来たはずだ。それも含めてみてみたい。だから面白い。日本の報道も批判ばかりしないで、こう した前向きの議論を薄っぺらではなく、深くしてみたらどうだろうか。
以前2月に翻訳した、The Beaureau of Asian Reserchの日本の国防の資料も同様だが、それすらも日本の人たちは読んでいない。きっと重たいからかもしれない。考えることが面倒くさくなったのかもしれない。そうだとすれば、重症だ。少なくとも、日本の報道機関は重症だ。
欧米人がどう考えているのかこれからの2週間、勉強しよう。専門用語が無いから、先週までのユーロほど難しくはないはずだと思ったら、とんでもない。アメリカの新聞を読んでいないと全然理解できない内容だった。このブログの目的通りで、今回はアメリカの勉強をしよう。では始めよう。
Obama
この提議はバラック・オバマは失敗している。
This house believes that Barack Obama is failing.
このディベートについて
彼が民主党の指名に勝った時、将来の世代が思い起こすのは「病人の介護と失業者に良い仕事を提供し始めた時であり、,,,,海面の上昇がゆっくりして来て、我々の惑星が収まり始めた時であり、,,,,,我々が戦争を終え、国を安全にし、地球上の最後の、最善の希望として我々のイメージを取り戻したとき」 であろうことをBarack Obamaは「絶対的に確信している」と語った。
About this debate
When he won the Democratic nomination, Barack Obama said he was "absolutely certain" that future generations would remember it as "the moment when we began to provide care for the sick and good jobs to the jobless ... when the rise of the oceans began to slow and our planet began to heal ... when we ended a war and secured our nation and restored our image as the last, best hope on Earth."
Obama氏が ホワイトハウスに入ってから一年、アメリカの保健医療システムは未だに混乱し、失業者は増大し、気象変動法案は何ら進展が見られない。(アフガニスタンの戦争も2011年11月まで終わらない。)
医療保険改革法案は2010年3月に可決している。http://markethack.net /archives/51522663.html
失業手当や失業期間中の医療保険補助金の支給はあったにしても、依然として、失業問題は大きな課題である。http://jp.ibtimes.com /article/biznews/091217/46505.html
気候変動対策法案: 法案の柱は、国内産業の温室効果ガス削減に向けた排出権取引制度の導入。立法化には、今後上院でも可決されることが必要だが、共和党は法案が国内雇用に打撃を与え、環境も景気も支援しないとして反対している。http://www.asahi.com/international/reuters /RTR200909180065.html
共和党は民主地盤のMassachusettsでさえ選挙に勝って、前進中である。 数多くの 「ティーパーティー」の抗議者達が「借金の踏み倒し屋に対する緊急援助」と急上昇する国債を公然と非難している。
ティーパー ティー Tea Party:アメリカで 2009 年より始まった,草の根運動による保守派の集会。オバマ政権の医療保険改革や金融機関救済策に反対し「小さな政府」を標榜する。1773年に,イギリス政府の茶法に反発して起こったボストン茶会事件に由来。また,“Taxed Enough Already”(もう十分に課税されている)の頭文字を兼ねる。
ついでだが、一昨晩、テレビで、池上さんがこの話をしていたが、 私と同じ考えを持っている。と言うことはいままで、よく勉強して来たのかもしれない。ただ気になったのは、アメリカの話のあとで、宮崎の口蹄疫の解説をしていたが、彼の得意な分野は海外だろうから、それだけにした方が良いと思った。きっと報道が彼に余計なことを言ったのだろう。私だったらやらない。
彼は子供の番組が長く、下積みが長かった。彼が表舞台に出て当然だ。今国民の支持がある。日本の国民はおとなしいだけで、馬鹿ではない。自民党を50年も放置しておいたことはおとなしいだけではすまされないかもしれないが。人間は豊かになると、文句を言わないのかもしれない。
「借金の踏み倒し屋に対する緊急援助」:750億ドルの米政府、最大 900万世帯の差し押さえ回避に向け住宅保有者支援のこと。http://jp.reuters.com/article/idJPJAPAN- 36556820090218
ちょっと古いが、以下のサイトはアメリカの国債のことがよくわかる。 http://www.ihope.jp /bubble.html
「国債」とははじ めから利率分を割り引いている場合もあるが、「この証書の期限に、書いてある利息分を追加して返すので、お金を貸してください」という国の借金証明書のことを指す。英語ではTreasury securities(国庫証券)と表現する。ソブリン債とも言う。
日本の国債発行残高は財務省の2010年3月の数字によると730兆円ある。借入金も入れると883兆円だ。日本の場合こうした借金は殆ど90数%が国内からの調達になるので、ギリシャのように、70%が海外からの調達とは違うので、破綻の可能性の事情が全く違う。
さて、下図にあるように最近は日本を抜いて中国がアメリカのソブリン債を一番持っている。それでも3兆ドル強のうち、日中で、一兆ドル強を持っていることになる。こ のグラフからは他の国はそう多くないので、半分以上がアメリカの国内で持っていることになる。
米国債(アメリカ政府財務省発行の国債)の引受先をグラフ化
http://news.livedoor.com/article/detail/4205679/
A year after Mr Obama entered the White House, America's health-care system is still in a mess, unemployment is up and a climate bill is nowhere to be seen. Republicans are on the march, winning elections even in liberal Massachusetts. Legions of tea-party protesters are decrying bailouts for deadbeats and the soaring national debt.
Obama 氏を批判する人たちは彼の国家の拡張がアメリカの活力を減速させるだろうと言っている。彼の支持者達はそれをやり返して、彼が与えられた悲惨な状況ー深い景気後退と 2つの戦争ーにあっても、彼は立派な仕事を成し遂げて来た。世界に於けるアメリカのイメージは本当に回復して来たし、金融システムは破滅してい ないし、経済回復の種は蒔かれて来ている。
ここで、国家の拡張(expansion of the state )と言っているが、多分どこかからの引用だと思うが、アメリカは実質的に1947年のアメリカが管理するミクロネシアの国連の信託統治地域を最後に、国家の拡張はしていない。イラク、アフガニスタンのことだろうか。2つの戦争とはこのことを言っている。注
Mr Obama's critics say his expansion of the state will throttle American dynamism. His supporters retort that, given the wretched hand he was dealt—a deep recession and two wars—he has done a creditable job. America's image in the world has indeed been restored, the financial system has not crashed and the seeds of economic recovery have been sown.
この提議で知りたいのは:アメリカの第44代 大統領は失敗しているのか?もしくは彼はアメリカをより良い方向に変えているのか?
This House wants to know: is America's 44th president failing? Or is he changing America for the better?
Background reading
United States: Mr Obama's unpromising year
The state-of-the-union message: Still talking, at any rate
Barack Obama's speeches: Homeward bound
The Obama presidency, one year on: Time to get tough
Barack Obama's first year: Reality bites
America's foreign policy: Is there an Obama doctrine?
Unemployment in America: Jobs gloom, with glimmers
冒頭の意見
Opening statements
Defending the motion
景気後退の中で、実業界が既に感じている負担に加えて、国債、課税、規制を彼は追加しようとしている。
緊急援助(サブプライムローンで家を買った人たちへの援助)
支配の奪取(イラク、アフガニスタンの侵略)
連邦準備銀行の拡張した権限(ボルカー・ルールのことか。http://diamond.jp/articles/-/1731)
国有化(政府系住 宅金融機関の連邦住宅抵当金庫(ファニーメイ)と連邦住宅貸付抵当公社(フレディマック)、GM)
In many ways, Obama has just doubled down on George W. Bush's policies of bailouts, takeovers, expanded Fed powers and nationalisations. In a recession he is adding debt, taxes and regulation to the burdens already felt by business.
Against the motion
Decades of data from the American public show a severe and persistent lack of trust in the federal government. This lack of trust is an especially difficult problem for a Democratic president with an activist and progressive agenda.
2010年06月28日
ユーロ17
今日でユーロはやっと終わった。2週間かかってしまった。大分勉強した。あすから、アメリカ大統領のオバマだ。彼が失敗しているのか、成功しているのか。そうしたディベート だ。明日からはヨーロッパではなく、アメリカの国情を勉強しよう。
アメリカはまた、いろいろの問題を抱えている。難しいのはユーロだけかと思ったが、アメ リカも日本人には難しい。日頃から国内事情に疎いからだ。週末は環境のセミナーのために時間を使ってしまったので、アメリカ大統領の調査の時間は割くことが出来なかった。今週は水曜日までは超多忙なので、このブログも大変なことになりそうだ。
さて始めよう。
勝者の発表
Winner announcement
June 04, 2010
Mr Paul Wallace
最終の投票はなされた。提議は負けた。結果では提議に反対したCharles wyploszが62%を獲得して,始めの時の57%から上昇した。負けは負けだが,ユーロ地域が次の10年間でバラバラになるだろうと言う考えの人たち が38%いると言うことはかなり数が反対を唱えた少数派だ。
The final votes have been cast and the motion has been defeated. At the close, 62% supported Charles Wyplosz in opposing the motion, up from 57% at the outset. Defeat is defeat, but the 38% who thought the euro area would fragment over the next ten years represent a substantial dissenting minority.
このディベートは元に戻せないと言う人たちに対して、今の状態が我慢出来ないと言う人たちからの投球だ。Martin Feldsteinはギリシャが過酷な経済の景気後退に受け入れがたいほどの状況に直面し,財務政策をより厳しくねじ込んで,給与を押し下げることによっ て競争力を得ようとしていると主張した。
経済的な苦痛はユーロを離脱しないのであれば堪え難いものとなるであろうし,離脱はその苦痛を軽減し,ユーロに対しての新ドラクマの平価の切り下げによって、純輸出量の増加を促進することができる。
それに比べて,Wyplosz氏は ユーロ参加国が元に戻せないと言うことを訴えた。もしギリシャが離脱しようとしたら、ギリシャはより悪い立場に立たされるだろう。と言うのはユーロベースの債務の負荷は単一通貨に対して下落した新ドラクマでの現地通貨の条件では遥かに大きな負担になるであろう。
もっと大まかにに言うとユー ロ地域にまたがった銀行とともに、永遠に続く通貨同盟の基盤に基づいて、国境を越えた借り入れをしているので、国家の離脱とユーロからその通貨の分離の結果によって、大きな損失と新たな銀行の危機の発生を早めるであろう。
The debate pitched the intolerable against the irreversible. Martin Feldstein argued that Greece faced an unacceptably harsh economic contraction as it wrenched fiscal policy tighter and sought to regain competitiveness by pushing down wages. The economic misery would be unbearable unless it left the euro, which would ease the pain by promoting a rise in net exports as the new drachma devalued against the euro. In contrast Mr Wyplosz invoked the irreversibility of euro membership. If Greece were to leave it would find itself in a worse place, since the burden of euro-denominated debt would become far more onerous in local-currency terms as the new drachma fell against the single currency. More broadly, with banks across the euro area having made cross-border loans on the basis of an everlasting monetary union, the departure of one country and resulting divergence of its currency with the euro could precipitate big losses and a new banking crisis.
Dniel Grosの主張によれば、単一通貨が以前の国の金融市場から、オムレツを作った。
(You can't make an omelet(te) without breaking eggs.|卵を割らなければオムレツはできない;犠牲は目的達成にはつきもの)
あなたはオムレツは卵をかき混ぜなければ出来ない。参加者の多くから指摘があったが、ユーロ地域の運命は経済だけでなく、政治によっても、決められであろう。Feldstein 氏は単一通貨の創造は政治のプロジェクトであり、一つもしくは複数の国家が離別すると言う意思決定は最後には政治であるだろうことを強調した。
As Daniel Gros argued, the single currency created an omelette from the previous national financial markets; and you can't unscramble an omelette.As many pointed out from the floor, the fate of the euro area will be determined by politics as much as economics. Mr Feldstein said that the creation of the single currency had been a political project and stressed that a decision by one or more countries to leave would ultimately be political.
Wyplosz氏はヨーロッパの指導者達がユーロの危機への挑戦で、立ち上がることは必須だと言った。Dvid Marshが言ったように、ドイツは今や、そうするように準備ができているが、他の諸国はそれを好まないかもしれない。:ユーロはドイツの強さを拘束しようと設計されたのだが、今では反対の効果を持つように準備されているように見える。
これは極めて重大な問題に於ける、張りつめたかつ啓発したディベートだった。参加した全員に感謝したい。ー2人のメイン・スピーカーであるFeldstein氏とWyplosz氏、ゲスト寄稿者の Barry Eichengreen、Mr GrosとMr Marsh。最後に述べるが決して軽んずべきでない、コメントを投稿して、参加した人々。
Mr Wyplosz said that it was vital for European leaders to rise to the challenge of the euro crisis. Germany is now set to do that, argued David Marsh, but other countries may not like it: the euro, designed to shackle German strength, now looks set to have the opposite effect. This was a taut and enlightening debate on a crucial issue. I would like to thank all who took part—the two main speakers, Mr Feldstein and Mr Wyplosz; the guest contributors, Barry Eichengreen, Mr Gros and Mr Marsh; and last but not least the many who took part with their comments from the floor.
以上で、このユーロは終了 した。しかし、このディベートは疲れた。Wyplosz氏の英語は難解で、3日間にも分けるはめになった。ヨーロパ経済の素人にはなんだかわからない文言が多くあった。翻訳しても理解できない文章がたくさんあった。それでもなんとかこの2週間を無難に過ごすことが出来た。暇だときっとこういうことは出来ないだろう。
次に何をするかだが、引き続き、このエコノミストのディベートを扱おう。最新のソマリアにしようか迷ったが、冒頭で話をしたように2月に特集したオバマにすることにした。オバマが失敗するかどうかと言うテーマの方が面白そうだ。でもまたアメリカの国内事情の話がたくさん出てくるので、翻訳しただけでは又なんだかわからないだろう。今日はこれまで。
続きを読む
2010年06月27日
ユーロ16
昨日の夕方から夜にかけて、急遽、上海で講演することが再度、決まったので、原稿を書いたが、久しく環境の話をしていないので、テーマの作成に苦労した。結局以前書いた原稿は一枚も使えなかった。6年と言う時間の流れは早い。環境問題を勉強してもう13年になる。7月11日が講演の日なので、プレゼ資料とテーマはきっとすぐに出してくれと言うに違いないので、今日固めないと行けない。
内容は日本政府が作った日本の中長期の環境戦略を解説しようと思っていたが、今まで、勉強した話で面白い話がたくさんある。特に村井さんの環境の「見える化」と青森で中橋さんがやっているコンパクトシティ作り、銀座の田中さんのミツバチ、それから上海の陶先生がやっているCDMについて話をしようと考えている。この話であれば、それぞれ私の近辺で関連しているので、話しやすい。それでも、昨晩だけでは中身が完成できなかった。
村井さんは節電の結果を「見える化」すること、パソコン上で節電のデータをつぶさに確認できる装置(見えタロー)を開発し、削減効果を多いに高めているコンサル会社社長。
2007年のアントレプレナー・オブ・ザ・イヤーを受賞したほか、エコ・ジャパン・カップの敢闘賞も受賞。CO2排出量の伸びが最も高い事業部門の削減対策としては、かなり有力な環境ビジネスであり、ハード面より、人々の意識の変革により、コスト削減効果を高めるとりくみが大変ユニーク。
もう 一人は田中淳夫氏(NPO法人銀座ミツバチプロジェクト副理事長)の話をしようと思う。この人もユニークだ。銀座にミツバチを飼うことを銀座のすべての同意を得たのだから、中途半端ではない。
多分講演は30分ぐらいだと思うので、スライドは10枚。講演は以前は南京と言っていたので、あまり気乗りがしなかったが、今回は上海の万博会場なので、聴衆も集まるし、良いと思っている。来週は忙しいので、資料の最終化は木曜日以降になってしまう。それでもそれが精一杯で、早く最終原稿をだせと言われれば、途中のものを出すしかない。
今日は昨日のMarsh氏の続きだ。さて、始めよう。
ドイツ人達は過去のように、ドイツマルクの難攻不落の要塞に引き上げることはもはや出来ない。その保護は元のままではない。というのはヨーロッパの周辺諸国の失敗によって、本質的に、影響を受けた通貨はドイツ自身の通貨になっている。
John Connaryはアメリカ人達が1971年にドルを金とのリンクから切り離した時のNixon大統領の財務長官であったが、ヨーロッパの財務大臣たちに簡潔にこう言うことができた。:「ドルは我々の通貨かもしれないが、あなた方の問題だ。」
ヨーロッパの周辺の諸国と向かい合ってのドイツのメッセージは今や:「これはあなた方の問題だが、ユーロは我々の通貨だ。」
The Germans can no longer, as in the past, withdraw to the impregnable fastness of the D-Mark. That protection is no longer intact, because the currency intrinsically affected by the failures of Europe's periphery has become Germany's own money. John Connally, President Nixon's Treasury Secretary when the Americans severed the dollar's links to gold in 1971, was able to say laconically to European finance ministers: "It may be our currency, but it's your problem." The German message vis-a-vis the European periphery is now: "It's your problem, but it's our currency."
この新たなドイツのメッセージには3つの要素がある。一つはドイツはより自己本位になって来ている。Merkel首相の最近のドイツ議会での発言、そして 証券市場での空売りの取り締まりのような領域での処置が、もし彼らが彼ら自身の環境によってこのことが保証されると思っているのであれば、ドイツ人たちは独力で行動を始めようとするだろうと言うことをはっきりさせている。
以下引用。証券市場での空売りの取り締まり:(2010年5月30 日)
ドイツは、ここにきて空売りに対する大々的な規制強化を打ち出した。EU(欧州連合)の仲間たちに対して、何の相談もなかったこともあり、 これがなかなかの物議をかもしている。 空売り規制が悪いとは思わない。
そもそも、自分が持っていないものを人から借りて売りに出すという取引には、それ自体に暴走気味の側面がある。しかも、今回のドイツの動きは、空売りの中でも「裸の空売り」といわれるやり方に照準を合わせている。 これは、空売りする株なり債券を、誰かから借り受ける手当てが成立する前に、売り契約の方を進めてしまうやり方だ。
まさしく、究極の中身空っぽ取引である。この種のものを厳しく規制しようという発想は、それなりに納得できる。それはそれとして、問題は規制で万事が何とかなるという発想だ。空売りは、金融商品の値下がりを見越した取引である。値下がり余地がなければ、空売り屋につけ込まれる余地もない。
むろん、どんな商品にせよ、値下がり余地を皆無にするようなことはできない。だが、それにしても、空売りを取り締まれば、それだけでソブリン・ショックの危機を封じ込められるわけではないだろう。
事の本質に迫ることなく、規制でトラブルの発生を封じ込めようとするのは、臭い物にふたをするやり方だ。http://blog.goo.ne.jp /akiko_019/m/201005「独力で行動を始めようとする」go-it-alone actionと言うことは上記のことを解釈するとユーロを離脱しようと言う意味ではない。補足。
There are three components to the new German message. First, Germany is becoming more self-centred. Chancellor Merkel's recent statements to the German parliament, and steps in areas like cracking down on short-selling on securities markets, make clear that the Germans will be introducing go-it-alone action if they feel this is warranted by their own circumstances.
第2に、少なくとも短期的には、ドイツは混乱を逃れようとそのやり方を展開しようとして、より多くを輸出に、そして、国内消費には少なくしようとしている。たとえば、経済協力開発機構(OECD)はドイツの経常収支の黒字は昨年、GDPの5%に下落したが、2011年にはGDPの7%にしようと予測している。ユーロの下落と来るべき増税についてのドイツの不安はこれらの傾向をより募らせているようだ。
Second, at least in the short term, Germany will reply more on exports, and less on domestic consumption, to expand its way out of trouble. The Organisation for Economic Cooperation and Development, for example, forecasts that the German current-account surplus, which fell to 5% of GDP last year, will rise to 7% of GDP in 2011. The fall in the euro and German Angst about coming tax increases are likely to exacerbate these trends further.
第3に全世界の経済の変化に打ち勝つために彼らの経済をどのように調整するべきかについて、ユーロ地域に於ける他の諸国に対して、意見と勧告によって、ますますいじめるようになって来ているようだ。
5月19日のドイツの連邦議会での彼女の最近の発表で、この首相はヨーロッパに於ける新たな「安定した文化」に向けての彼女の計画を詳細に説明した。: 「この規約は最も弱い国家に噛み合わせるのではなく、最も強い国家のためである。」
Third, Germany is likely to become more rather than less hectoring in its statements and recommendations to other countries in the euro area on how they should adjust their economies to cope with worldwide economic change. In her latest statement to the Bundestag on 19 May, the Chancellor spelled out her plans for the new "stability culture" in Europe: "The rules will be geared not to weakest states but to the strongest states."
ユーロが1999年に誕生した時にドイツの指導者たちは周辺の諸国に対して、新たな環境に対処するために劇的に彼らはかれらの行動を変化させなければならないという警告をしっかりと与えた。
ドイツが予測しなかったことは周辺諸国の経済的な緊迫がドイツ自身の財務問題に直接入り込んでくる点であった。ドイツが予測出来なかったのは逸脱したユー ロの諸国を再建するために財務上の支払い要求が北のヨーロッパの国々に大いに帰し、これらの銀行が必然的に南の諸国の赤字の資金を供給すると言うことであった。
When the euro was born in 1999, German leaders gave no shortage of warnings to states on the periphery that they would have to change their behaviour dramatically to cope with the new environment. What the Germans did not foresee was the way that economic stress in peripheral states would feed through directly into financial problems in Germany itself. Germany failed to foretell that the financial claims being built up on errant euro states would largely reside with the countries of northern Europe whose banks would inevitably be financing the southerners' deficits.
だから、マーストリヒト条約に埋め込まれた「緊急援助をしない条項」は強制出来なくなった。こうした債務が非常に大きな混乱を引き起こさないことを確実にするために、ベルリン自身がヨーロッパの経済的な統治の先頭に出て来ている。
Hence the "no bail out clause" embedded in the Maastricht treaty became unenforceable. To ensure that these debts do not cause immense trouble, Berlin is itself striding to the forefront of the economic governance of Europe.
このユーロは多少はヨーロッパに於けるドイツの強さを制限するための願望があって創設された。そこで、ヨーロッパの苦悩が正しくその反対に導いて行くだろうと言う公算はヨーロッパの多くに地域において憶測と予感になって行くだろう。
The euro was founded partly on the desire to limit German strength in Europe. So the likelihood that the euro's travails will lead to exactly the opposite will be a matter for conjecture and foreboding in many parts of Europe.
David Marsh氏の論文は以上で終わりだが、彼は7500億ユーロでも解決の道筋は出来ないし,ドイツが他のユーロの諸国と対峙して,混迷をさらに極めて行くと言っている。ドイツは自己本位で,他の諸国のつけの面倒を見たくない。ドイツが出来ることは自ら率先して行おうと言う姿勢がある。
それとこうしたヨーロッパの今の状況から打開するためのドイツ自らの努力は欠かせない。さらに,南の駄目な諸国に文句はしっかり言っている。だから、ドイツのお陰で、ユーロが持っているようなところがある。以上ですべての参加者の意見は終了した。明日は勝者の発表だ。
このユーロも長い道のりだった。意見の発表者とくに、Wyplosz氏は難解だった。ユーロについては皆さんはこのディベートで、詳しくなったことだと思う。ギリシャがなぜ、離脱しないのか。ドイツだって、離脱したくなるような状況があるのに、なぜこうして苦労しているのか。
欧米の人たちはこうしたことに悩んでいるが、日本の記事にはならない。グローバリゼーションとはこうしたことに関心を持つと言うことを意味する。こうした日本人の経営者が欧米、中国とビジネスをしていく上では100人は必要だ。今日はこれで終わり。
続きを読む