2009年02月08日
「エイズ」
「中国河南省。ここに多く住民がエイズウイルスの感染に苦しむ農村地帯がある。貧困に苦しむ人々が、かつて生活のためのお金を得ようと、ずさんな管理の下で行われていた売血に走ったことが原因だ。現在、中国政府は38の村を重点地域として特定し、医療支援などを行っている。しかしエイズ感染者は少なくとも200以上の村に広がっているとされ、未だ十分な支援を受けることができない村もある。そうした村を訪ね、地道に活動を続ける中国のボランティア組織がある。しかし様々な困難に直面し、その活動は容易ではない。エイズの村に生きる人々と向き合うボランティアの活動を通して、その実態を追った。2005年2月温家宝首相が河南省を視察する。中国政府としてエイズ対策に取り組む強い決意を打ち出す。」(NHKクローズアップ現代 2005年10月5日)
「2005年2月の温家宝総理のエイズ村訪問が公安総出のヤラセだったことが判明しました。警官1600人が村人に変装して温家宝を最敬礼で迎える一方で、エイズ患者や活動家は軟禁され、本当の村人も公安の人垣の後ろに回るほかなく、夫をエイズで亡くし、女でひとつで3人の子供を育てている馬深義さんは、私服警官に当日は家から出ないよう釘をさされた。村人の劉さんや河南省で医師を務める高耀傑さんによれば、温家宝は恐らくこの偽装を知らされておらず、また気付いてもおらず、河南省当局に騙されているとのことです。」(中国という隣人 2007年12月04日)
このニュースは中国語のhttp://www.peacehall.com/news/gb/china/2007/12/200712020909.shtmlから持って来たようだが、これはBoxun Newsといって、アメリカのサイトで、仔細はわからないが、とりあえず持って来て、掲載した.
NHKが放映した時にはまさかやらせだったとは思っていなかったはずだ.地方政府は中央政府と違い、このエイズは外部に隠した.「常務委員の一人である李長春は河南省書記時代にエイズ問題を隠蔽して、今日のような悲劇をもたらした直接的責任者でもある。この留任は、胡錦濤人事の不徹底さを象徴する。」(矢吹 晋氏 2007年11月5日)と矢吹先生は言うが、難しいところだ.
メタミドボスと一緒で、地方政府は中央政府と違い、情報を公開しない.そうしたことは慣習と言っても良いくらいだ。ということはこれが問題だと言う認識をするのかこう言う国だと言う認識をするのかの違いだ.地方政府と中央政府のこの違いは知る必要がある.国際社会は非難するであろうが、地方政府のこの行動は100年経っても改まることは決してない.
「中国の保健省と国連エイズ合同計画、WHO・世界保健機関が29日、中国のエイズウイルス感染状況の共同調査を発表しました。それによりますと、今年、新たに感染したのはおよそ5万人で、これで、この年末までの感染者は70万人となります。」(CRI online 2007-11-29)
中国はこうした情報は全く当てにならない.政府の公報を信用しないと言う事ではなく、実態がわからないと言う事だ.人口自体も言ったいくらかは政府の問題ではなく、わからないと言った方が良い.まして、感染した認識を持っていない人がたくさんいる中で、いったい何人いるのか調査のしようがない.中国ではこうした数値がことごとく当てにならないが、推測することはできる.
「病院で受けた輸血によりエイズウイルス、HIV(HIV/AIDS)に感染した中国人女性が、同国衛生省に対し手厚い補償を要求したところ、逆に重罪で逮捕された。Liさんは1995年に河南省のある病院で第一子を出産した時、輸血でHIVに感染したが、当時は感染したことを知らなかった。出産した子供は女の子だったが、母子感染で2004年に死亡した。第二子もHIVに感染していた。
同じ病院で輸血の際にHIVに感染した女性数人がいることを知ったLiさんは、18日にほかのエイズ患者ら8人とともに北京の衛生省を訪れ、手厚い補償を平和的に求めた。ところが20日、Liさんの家族はLiさんが政府を攻撃する集団を組織化した罪で正式に逮捕されたとの知らせを受けた。同罪に問われた場合、刑法によると首謀者は懲役5年から10年を科される。補償を求めた患者らのうち2人が逮捕され、残りは警察の監視下にあるという。」(AFPBB News 2006年07月22日)
「北京で12日から3日間の日程で始まったヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染関係の会議で講演する予定の女性感染者が軟禁されたことが明らかになった。この女性は売血や輸血による感染が深刻な河南省のエイズ問題の実情を調査するなど、人権活動家としても知られているが、産経新聞に対し電話で、現地の当局者に軟禁されており、出席がほぼ困難な状態であると述べた。当局は、感染者への差別や暴力行為などの実態が暴露されることを懸念したとみられる。
中国政府は、先月30日に温家宝首相が河南省の「エイズ村」を視察するなどエイズ対策を重視しているが、今年8月に河南省と広州で開く予定だったエイズに関する国際会議が「特殊な原因で中止」(関係者)となっている。地方の当局が感染者や支援組織が結束することなどを懸念したために中止になったとみられている。「責任は政府にある」と李氏は、約100万元(約1500万円)の「命の賠償」(李氏)を求め裁判所に訴えたが、現在に至っても公判は開かれていない。」(産経ニュース 2007年12月12日)
「人民解放軍の部隊病院での手術の際に受けた輸血が原因でエイズウイルスに感染し、両目の光まで失った女性(左)が、軍病院から約600万円の賠償を勝ち取った(2日、中国河南省鄭州市)。 」(AFP BB News 2007年8月4日)
上記のニュースはエイズ感染者が訴えた例だが、3社違うところに訴えて、その結果がそれぞれ違うと言うのも中国らしい.衛生部に訴えた人は逮捕され、裁判所は公判が開かれないと言い、解放軍の病院は賠償を払っている.それぞれについては詳細に調査しないと何とも言えない.
衛生部に訴えたら、懲役10年と言うのは信じがたい.裁判所に告訴して、公判が開かれないと言うことはない.地方政府と癒着していて、不利な判決が出ると言う事はあり得るが、放置することはない.病院が慰謝料を払ったと言うのはうなずける.中国の場合にはこうしたニュースそのものの信憑性が問題になる事が多い.発表したところが嘘を言っていると言う事ではない.
情報を歪曲してしまうところが情報入手の過程で諸処にあるからだ.地方政府がエイズの情報を隠している事は事実のようだ.中央政府がこのようにエイズ患者を犯罪者扱いをするとはにわかに信じがたい.確かにサーズの時には情報を中央政府の衛生部が隠蔽していたので部長が更迭されている.だが、こうしたような問題は考えられない.
「中国国務院エイズ予防治療活動委員会弁公室の韓孟傑主任補佐は、7日、中部の都市鄭州で、「現在、中国のエイズ感染は依然として増えており、普通の人にも広がりつつある」と指摘しました。これは、韓孟傑主任補佐がエイズ問題関連の国際シンポジウムで述べたもので、中国では麻薬の服用がエイズ感染の最も主要なルートであると述べました。」(CRI online 2007-09-07)
「中国中部の河南省は2003年から2006年までに、エイズの防止や治療のため、およそ8億8500万元を投入しました。このほか、河南省は、エイズに対応するための医療救助体制を構築しました。それにより、医療費の減額・免除や、患者の家族の生活支援などに力を入れてきました。」(CRI Online 2007年3月10日)
このときは今の常務委員の李克強が行ったので、そうかなと思う.彼はその後、2004年12月に中国共産党遼寧省委員会書記に転じ、2008年3月17日全人代で副首相に任命されている。
「中国、エイズ感染者100万人に
【北京=藤賀三雄】中国衛生省の斉小秋・疾病管理局長は六日、北京市内で記者会見し、今年六月末時点で中国のエイズ感染者が累計で百万人近くに達したと発表した。中国政府はエイズ感染の拡大を防ぐため、対策費を年間1500万元(約2億2500万円)から1億元に増やし、検査体制やエイズ予防に必要な広報活動を強化する。」(2002年9月9日)
「2008年11月30日、中国日報ウェブサイトによれば、中国衛生部と国連エイズ合同計画(UNAIDS)、世界保健機関(WHO)が行った2008年世界エイズ病報道発表会の席で、中国衛生部疾病控制局の王維珍主任は、中国では現在約70万人がエイズに感染していると見られており、そのうちおよそ44万人は自分が感染していることに気づいていないと話した。」(exite news 2008年12月1日)
1990年代はじめから行われた売血がエイズの蔓延を加速させた.血液製剤を作るために農民から製薬会社が血液を買ったのが、エイズの蔓延を引き起こした.衛生部に補償を求めたケースの場合には逮捕されている.人民解放軍の病院からは補償をもらったケースがあった.両方とも2007年だ.温家宝がエイズの村を訪問したのが2005年.しかもそれが2007年になってやらせだった事が判明している.
本人は知らないとニュースには書いている.地方政府の画策だが、李長春は1993年河南省党委書記に就任し、その在職中に売血によるエイズ感染が爆発的に広まったものの、お咎めなく1998年から広東省党委書記に就任している。だから、エイズを蔓延させ、それを隠蔽した李長春はそのときにはもう広東省で、そのあとが李克強で、2004年12月まででこのときは徐光春と言う人がなっている.この河南省はこのように出世のルートになっているようだ.
地方政府はエイズの情報を極力公開したくないと言う事だが、中央政府はこのエイズ対策として、相当の予算とつけて、広報活動、拡大防止活動を行っている.一般大衆はエイズ感染者に対する差別観とエイズに対する知識は持ち合わせていない.さきほどの売血による感染は今はない。最大の感染リスクは売春だ.感染している事に気づいていない人が44万人だと言う事だが、実態はわからない.特に広東省が多いようだ.
先日話をした珠海市の日本企業の集団売春は一番危険と言う事だ.「中国で性経験のない女児との性行為を買おうとする男たちに対し、教師夫妻が最年少11歳を含む生徒23人に売春をさせていた罪で死刑を宣告された。中国南西部貴州省の男女の教師。2人は夫婦で、性的な奴隷行為を強要していた少女23人のほとんどは、自分たちが教える学校の生徒だった。全員11歳から17歳までだった。」(AFPBB News 2007年12月20日)と言うとんでもないことがある国だが、エイズ感染者の売春が最大の問題だが、そうったニュースもある.
「中国重慶市衛生局の調査によると、重慶市で売春している女性約5万人のうち、約2千5百人がエイズウィルスに感染していることがわかった。」(大紀元 2005年9月4日 大紀元は中国では見ることができない.)すなわち、重慶市の売春婦の5%がエイズだと言う事だ.広東省はもっと多いはずだ.さきほどの80万人がエイズだと記事には書いてあるようだが、実態はそんなものではなさそうだ.こう言う記事もある.
「一九九九年六月、香港週刊誌のトップ記事は黒社会に人身売買された末、珠海で売春を強要されたエイズ感染の中国人女性が恨み骨髄で心境を告白した独占インタビューが掲載され、密かに中国本土に「北上」して買春を繰り返していた香港人男性たちを震え上がらせた。」(黒社会」巣食う買売春構造 中国広東省珠海市 2003年10月8日)
明日は「サーズ」だ。2003年にはやった新型肺炎で、丁度私が大連研修を始めた年だった.その年の2月に新日石の大森副社長をそして、サーズの不安がなくなった7月に日本製紙の当時の専務であった中村さんが大連研修に行かれた.このサーズのために、大連の飛行場には2007年ぐらいまで、体温感知器がおかれていた.今日は中央政府、地方政府のエイズに対する対応を見て来たが、このサーズにも同じようなことがあった.中国を理解する上では良いテーマだ.
「2005年2月の温家宝総理のエイズ村訪問が公安総出のヤラセだったことが判明しました。警官1600人が村人に変装して温家宝を最敬礼で迎える一方で、エイズ患者や活動家は軟禁され、本当の村人も公安の人垣の後ろに回るほかなく、夫をエイズで亡くし、女でひとつで3人の子供を育てている馬深義さんは、私服警官に当日は家から出ないよう釘をさされた。村人の劉さんや河南省で医師を務める高耀傑さんによれば、温家宝は恐らくこの偽装を知らされておらず、また気付いてもおらず、河南省当局に騙されているとのことです。」(中国という隣人 2007年12月04日)
このニュースは中国語のhttp://www.peacehall.com/news/gb/china/2007/12/200712020909.shtmlから持って来たようだが、これはBoxun Newsといって、アメリカのサイトで、仔細はわからないが、とりあえず持って来て、掲載した.
NHKが放映した時にはまさかやらせだったとは思っていなかったはずだ.地方政府は中央政府と違い、このエイズは外部に隠した.「常務委員の一人である李長春は河南省書記時代にエイズ問題を隠蔽して、今日のような悲劇をもたらした直接的責任者でもある。この留任は、胡錦濤人事の不徹底さを象徴する。」(矢吹 晋氏 2007年11月5日)と矢吹先生は言うが、難しいところだ.
メタミドボスと一緒で、地方政府は中央政府と違い、情報を公開しない.そうしたことは慣習と言っても良いくらいだ。ということはこれが問題だと言う認識をするのかこう言う国だと言う認識をするのかの違いだ.地方政府と中央政府のこの違いは知る必要がある.国際社会は非難するであろうが、地方政府のこの行動は100年経っても改まることは決してない.
「中国の保健省と国連エイズ合同計画、WHO・世界保健機関が29日、中国のエイズウイルス感染状況の共同調査を発表しました。それによりますと、今年、新たに感染したのはおよそ5万人で、これで、この年末までの感染者は70万人となります。」(CRI online 2007-11-29)
中国はこうした情報は全く当てにならない.政府の公報を信用しないと言う事ではなく、実態がわからないと言う事だ.人口自体も言ったいくらかは政府の問題ではなく、わからないと言った方が良い.まして、感染した認識を持っていない人がたくさんいる中で、いったい何人いるのか調査のしようがない.中国ではこうした数値がことごとく当てにならないが、推測することはできる.
「病院で受けた輸血によりエイズウイルス、HIV(HIV/AIDS)に感染した中国人女性が、同国衛生省に対し手厚い補償を要求したところ、逆に重罪で逮捕された。Liさんは1995年に河南省のある病院で第一子を出産した時、輸血でHIVに感染したが、当時は感染したことを知らなかった。出産した子供は女の子だったが、母子感染で2004年に死亡した。第二子もHIVに感染していた。
同じ病院で輸血の際にHIVに感染した女性数人がいることを知ったLiさんは、18日にほかのエイズ患者ら8人とともに北京の衛生省を訪れ、手厚い補償を平和的に求めた。ところが20日、Liさんの家族はLiさんが政府を攻撃する集団を組織化した罪で正式に逮捕されたとの知らせを受けた。同罪に問われた場合、刑法によると首謀者は懲役5年から10年を科される。補償を求めた患者らのうち2人が逮捕され、残りは警察の監視下にあるという。」(AFPBB News 2006年07月22日)
「北京で12日から3日間の日程で始まったヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染関係の会議で講演する予定の女性感染者が軟禁されたことが明らかになった。この女性は売血や輸血による感染が深刻な河南省のエイズ問題の実情を調査するなど、人権活動家としても知られているが、産経新聞に対し電話で、現地の当局者に軟禁されており、出席がほぼ困難な状態であると述べた。当局は、感染者への差別や暴力行為などの実態が暴露されることを懸念したとみられる。
中国政府は、先月30日に温家宝首相が河南省の「エイズ村」を視察するなどエイズ対策を重視しているが、今年8月に河南省と広州で開く予定だったエイズに関する国際会議が「特殊な原因で中止」(関係者)となっている。地方の当局が感染者や支援組織が結束することなどを懸念したために中止になったとみられている。「責任は政府にある」と李氏は、約100万元(約1500万円)の「命の賠償」(李氏)を求め裁判所に訴えたが、現在に至っても公判は開かれていない。」(産経ニュース 2007年12月12日)
「人民解放軍の部隊病院での手術の際に受けた輸血が原因でエイズウイルスに感染し、両目の光まで失った女性(左)が、軍病院から約600万円の賠償を勝ち取った(2日、中国河南省鄭州市)。 」(AFP BB News 2007年8月4日)
上記のニュースはエイズ感染者が訴えた例だが、3社違うところに訴えて、その結果がそれぞれ違うと言うのも中国らしい.衛生部に訴えた人は逮捕され、裁判所は公判が開かれないと言い、解放軍の病院は賠償を払っている.それぞれについては詳細に調査しないと何とも言えない.
衛生部に訴えたら、懲役10年と言うのは信じがたい.裁判所に告訴して、公判が開かれないと言うことはない.地方政府と癒着していて、不利な判決が出ると言う事はあり得るが、放置することはない.病院が慰謝料を払ったと言うのはうなずける.中国の場合にはこうしたニュースそのものの信憑性が問題になる事が多い.発表したところが嘘を言っていると言う事ではない.
情報を歪曲してしまうところが情報入手の過程で諸処にあるからだ.地方政府がエイズの情報を隠している事は事実のようだ.中央政府がこのようにエイズ患者を犯罪者扱いをするとはにわかに信じがたい.確かにサーズの時には情報を中央政府の衛生部が隠蔽していたので部長が更迭されている.だが、こうしたような問題は考えられない.
「中国国務院エイズ予防治療活動委員会弁公室の韓孟傑主任補佐は、7日、中部の都市鄭州で、「現在、中国のエイズ感染は依然として増えており、普通の人にも広がりつつある」と指摘しました。これは、韓孟傑主任補佐がエイズ問題関連の国際シンポジウムで述べたもので、中国では麻薬の服用がエイズ感染の最も主要なルートであると述べました。」(CRI online 2007-09-07)
「中国中部の河南省は2003年から2006年までに、エイズの防止や治療のため、およそ8億8500万元を投入しました。このほか、河南省は、エイズに対応するための医療救助体制を構築しました。それにより、医療費の減額・免除や、患者の家族の生活支援などに力を入れてきました。」(CRI Online 2007年3月10日)
このときは今の常務委員の李克強が行ったので、そうかなと思う.彼はその後、2004年12月に中国共産党遼寧省委員会書記に転じ、2008年3月17日全人代で副首相に任命されている。
「中国、エイズ感染者100万人に
【北京=藤賀三雄】中国衛生省の斉小秋・疾病管理局長は六日、北京市内で記者会見し、今年六月末時点で中国のエイズ感染者が累計で百万人近くに達したと発表した。中国政府はエイズ感染の拡大を防ぐため、対策費を年間1500万元(約2億2500万円)から1億元に増やし、検査体制やエイズ予防に必要な広報活動を強化する。」(2002年9月9日)
「2008年11月30日、中国日報ウェブサイトによれば、中国衛生部と国連エイズ合同計画(UNAIDS)、世界保健機関(WHO)が行った2008年世界エイズ病報道発表会の席で、中国衛生部疾病控制局の王維珍主任は、中国では現在約70万人がエイズに感染していると見られており、そのうちおよそ44万人は自分が感染していることに気づいていないと話した。」(exite news 2008年12月1日)
1990年代はじめから行われた売血がエイズの蔓延を加速させた.血液製剤を作るために農民から製薬会社が血液を買ったのが、エイズの蔓延を引き起こした.衛生部に補償を求めたケースの場合には逮捕されている.人民解放軍の病院からは補償をもらったケースがあった.両方とも2007年だ.温家宝がエイズの村を訪問したのが2005年.しかもそれが2007年になってやらせだった事が判明している.
本人は知らないとニュースには書いている.地方政府の画策だが、李長春は1993年河南省党委書記に就任し、その在職中に売血によるエイズ感染が爆発的に広まったものの、お咎めなく1998年から広東省党委書記に就任している。だから、エイズを蔓延させ、それを隠蔽した李長春はそのときにはもう広東省で、そのあとが李克強で、2004年12月まででこのときは徐光春と言う人がなっている.この河南省はこのように出世のルートになっているようだ.
地方政府はエイズの情報を極力公開したくないと言う事だが、中央政府はこのエイズ対策として、相当の予算とつけて、広報活動、拡大防止活動を行っている.一般大衆はエイズ感染者に対する差別観とエイズに対する知識は持ち合わせていない.さきほどの売血による感染は今はない。最大の感染リスクは売春だ.感染している事に気づいていない人が44万人だと言う事だが、実態はわからない.特に広東省が多いようだ.
先日話をした珠海市の日本企業の集団売春は一番危険と言う事だ.「中国で性経験のない女児との性行為を買おうとする男たちに対し、教師夫妻が最年少11歳を含む生徒23人に売春をさせていた罪で死刑を宣告された。中国南西部貴州省の男女の教師。2人は夫婦で、性的な奴隷行為を強要していた少女23人のほとんどは、自分たちが教える学校の生徒だった。全員11歳から17歳までだった。」(AFPBB News 2007年12月20日)と言うとんでもないことがある国だが、エイズ感染者の売春が最大の問題だが、そうったニュースもある.
「中国重慶市衛生局の調査によると、重慶市で売春している女性約5万人のうち、約2千5百人がエイズウィルスに感染していることがわかった。」(大紀元 2005年9月4日 大紀元は中国では見ることができない.)すなわち、重慶市の売春婦の5%がエイズだと言う事だ.広東省はもっと多いはずだ.さきほどの80万人がエイズだと記事には書いてあるようだが、実態はそんなものではなさそうだ.こう言う記事もある.
「一九九九年六月、香港週刊誌のトップ記事は黒社会に人身売買された末、珠海で売春を強要されたエイズ感染の中国人女性が恨み骨髄で心境を告白した独占インタビューが掲載され、密かに中国本土に「北上」して買春を繰り返していた香港人男性たちを震え上がらせた。」(黒社会」巣食う買売春構造 中国広東省珠海市 2003年10月8日)
明日は「サーズ」だ。2003年にはやった新型肺炎で、丁度私が大連研修を始めた年だった.その年の2月に新日石の大森副社長をそして、サーズの不安がなくなった7月に日本製紙の当時の専務であった中村さんが大連研修に行かれた.このサーズのために、大連の飛行場には2007年ぐらいまで、体温感知器がおかれていた.今日は中央政府、地方政府のエイズに対する対応を見て来たが、このサーズにも同じようなことがあった.中国を理解する上では良いテーマだ.