2008年10月29日

今日も快晴.朝未だ寒くはない.

昨日は青年の船とアグネスチャン、麻生総理の話をしました.ですから、麻生さんは日本の外交のパターンを変えますね.そろそろ北朝鮮の拉致問題も解決してほしいですね.先日の北京行きは内容は想像するしかありませんが、間違いなく良い方向に行くと思います.いまは、ともかく世界の金融恐慌だけはさけなければならない.昨日ダウが戻したので、多少ほっとしたが、ほんの、多少でしかない.

昨日は環境を考える経済人の会21の朝食会があった.シェル始めイギリスのClimate Change(気象変動)に関心の高い企業家集団が英国の皇太子の訪日にあわせて、来日し、10人程の参加者とわれわれとで懇談する機会を持った.いつも朝食会は環境の著名な講師が一人で講演するのだが、今回は大勢だった.7時40分といつもより早かったので、少し遅刻してしまった.

話の関心はこの金融問題のさなかにもEUは環境の対する予算、行動を削減しないと言うものだった.先々週の新聞にもそう言った記事が出ていた.まず今日の話には2点ある.第一点は環境の対するヨーロッパの姿勢である.第2点は日本の対応の仕方である.スタンダードチャータード銀行のシンガポールの代表の方も見えていて、環境に対する見解を話していただいた.あそこまで、ポンドが暴落しても、こうして毅然と環境の対する姿勢をいままで通り、堅持する事はなかなか出来ない.立派だった.

日本からの質問も総じて、いまの状況に対する彼らの関心に終始した.日本では京都議定書の締結をリードした国といっても、こうした環境に対する関心は今回のイギリスの企業人と比較すると大分、まだひけているように感じた.2番目は彼らが今回の金融問題で、環境への行動を止めないと言う事だ.これが第2のポイントだ.日本の環境技術が世界一だと言う事は世界の人が知っているしそれを期待もされている.

しかしながら、そうした日本企業も政府もこの機会を利用した発言はしていない.日本の立場を利用した世界におけるポジショニングを設定する事が本当にヘタな国だと思う.世界の金融機関に対して、資金の提供もさることながら、こうしたアピールによる日本の位置を向上させる良い機会だ。これがグローバルな価値観だ.英語力ではない.日本と世界の関係をどう持って行くのか.日本の国益をどう考えるのか.それも世界との関わりの中でどうするかと言うはなしである.

同じようなはなしは日常茶飯事で、最近の失態としては1月の福田総理のダボス会議におけるセクター別アプローチの提言スピーチだろうか.話の内容は良かったし、提言自体に問題はなかったと思う.環境省と外務省が2週間徹夜して書いたと言う感じだった.問題はそのスピーチの前の根回しだ.それが無かった.インド、中国はCO2の排出に対して発展途上国と言う看板を楯に先進国と歩調を合わせようとしていない.

その事前の折衝なしで、福田さんが話をしてしまったから、彼らが同意しなかった.彼らがどう考えるか.それ以前に国際会議で、彼らがどう行動するか.それ以前に、日本の代表団がどう行動するか.それすらも日本人だけで夜の貴重な時間を過ごしてしまっているようだ.それでは外国人の行動、考え方を聞く事すら出来ない.事前の準備でもう終わりと言うのが日本の慣習だ.「あうん」の日本人の文化かも知れない.ともかくコミュニケーションがヘタだし、価値観の違う人たちに対する理解さらに説得もしない。

今年は無いが、過去2年間、住友化学の欧米アジアの経営者にたしてGLT(グローバル・リーダーシップ・トレーニング)をして来た.アメリカ人、ベルギー人、シンガポール人、南アフリカ人などなどである.こういろいろな人種になってくると何がグローバルなのかと言う定義がもう出来なくなってしまう.彼らへの研修の目的は企業の社員がどのようにすればグローバルな価値観を身につけることができるのかであった.アメリカ人がグローバルな価値観を持っているなんて事は到底あり得ない.

このグローバルな価値観の切り出し、ディスカッションに中国人の講師をいれた。それも事前によく言い含めたシナリオを考えての話だ.ほっておいたら、どんな結論になってしまうかわからない.議論が空中分解してしまうに違いない.一番のエントリーポイントとして入りやすいのは「中国人はグローバルか?」と言う議論だ.これはわかりやすい.チョット前までは、一山こえれば異国の国だった。そうした慣習、価値観を説明する.山を越えると言語が違うと言う事を説明する.EUも似たような環境だから、ベルギー人が真っ先に反応する.

シンガポール人も同様に他言語国家だから、理解を示す.他の連中は目が白黒だ.なんだかわからないので、彼らが説明する.そうして、グローバル価値観と何かを議論して行く.そこから、日本人の価値観も持ち出して行く。これは理解しやすい.先に述べたようなはなしはみんな知っているからだ.課題はしっている。解決が出来ない.そこをどうするかの話に持って行く.欧米アジア人の研修は大連では出来ない.一回目が大連だったが、参加者から不評だった.

欧米からの飛行機が無い.そのため、2回目から上海で行った.上海なら世界中からのフライトがある.そのかわり、日本人の価値観の話をいつもしている旅順が無い.旅順は日本人の価値観を説明する場所として都合がいい。日露戦争は歴史上、黄色人種が白人に勝った唯一の戦争だ.また、この戦争では武士道の説明が出来る.そんな事ではあるが、上海にはそう言ったところはないので、口で説明するしかない.

彼ら外国人にもそう言った機会はいままで無かったようだ.そう言う事を真面目に課題として取り上げてくる機会がなかったのかも知れない.いまの日本企業にとって最も重要な課題であると思う.グローバル価値観について、実際の事例を交えて今日は話をした.

今日はこれまで.

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海野 恵一
1948年1月14日生

学歴:東京大学経済学部卒業

スウィングバイ株式会社
代表取締役社長

アクセンチュア株式会社代表取締役(2001-2002)
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海野塾のイベントはFacebookのTeamSwingbyを参照ください。 またスウィングバイは以下のところに引っ越しました。 スウィングバイ株式会社 〒108-0023 東京都港区芝浦4丁目2−22東京ベイビュウ803号 Tel: 080-9558-4352 Fax: 03-3452-6690 E-mail: clyde.unno@swingby.jp Facebook: https://www.facebook.com/clyde.unno 海野塾: https://www.facebook.com TeamSwingby
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